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<title>あるYoginiの日常</title>
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<description>美術、写真、建築の展覧会などで目にしたこと・感じたことを綴っていきます。</description>
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<title>「ミラノ宮廷時代のレオナルド・ダ・ヴィンチ展」 　ロンドン・ナショナルギャラリー</title>
<description> ＊『白貂を抱く貴婦人』1490年頃　チャルトリスキ美術館蔵　本展の広告メインに使用されていた作品です。ブログ休載宣言を昨年末に致しましたが、ロンドン・ナショナルギャラリーで2月5日まで開催中の「ミラノ宮廷時代のレオナルド・ダ・ヴィンチ展」に当日券を入手でき鑑賞することができたので、これから行かれる方の参考に少しでもなるのならと今回記事を挙げることにしました。当日券無理と思われる方も今なら何とかなるかもし
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<![CDATA[ <a href="http://blog-imgs-44.fc2.com/m/e/m/memeyogini/20120123230044c29.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-44.fc2.com/m/e/m/memeyogini/20120123230044c29.jpg" alt="ダ・ヴィンチ" border="0" width="240" height="320" /></a><br /><span style="font-size:x-small;">＊『白貂を抱く貴婦人』1490年頃　チャルトリスキ美術館蔵　本展の広告メインに使用されていた作品です。</span><br /><br />ブログ休載宣言を昨年末に致しましたが、ロンドン・ナショナルギャラリーで2月5日まで開催中の「ミラノ宮廷時代のレオナルド・ダ・ヴィンチ展」に当日券を入手でき鑑賞することができたので、これから行かれる方の参考に少しでもなるのならと今回記事を挙げることにしました。<br /><br />当日券無理と思われる方も今なら何とかなるかもしれません。ただ、会期末に向け状況はどんどん厳しくなる一方であることは間違いないでしょう。<br /><br /><br />日本にいると時間指定の前売券入手という間隔がなく、並びさえすれば観ることができる、そんな風に思っていた私が甘かった。twitterで前売券が大変な人気で既に2011年内のチケット完売という情報を入手。すぐに前売り入手に動きましたが、旅程の方が先に決まっており、1月末のチケットまで前売りは完売で、思わず天を仰ぎました。<br />ナショナル・ギャラリーに問い合わせして当日券入手しかないと分かり、しかも1日限定500枚と聞いて、一時は諦めたのです。しかし、せっかくロンドンに行くのに観ないで世紀の展覧会を見ずして帰る！ことはできなかった。<br />出発前に、当日券を入手するにはどうしたら良いかと行かれた方の<a href="http://loki-art.jugem.jp/?eid=1170" target="_blank" title="ブログ「英国アート生活」">ブログ「英国アート生活」</a>の方のレポを拝見。こちらが大変参考になり、朝早く並べば何とかなるかも。しかも早朝ならどうせ美術館はどこも開いてない・・・そんな風に思い当日券入手にチャレンジすることにしました。<br /><br />私が参考にした方の経験談によれば19時半到着で170番目とあったのですが、早く行って早くチケット買おうと思い、宿泊先を出発したのは6時45分頃。宿泊先から地下鉄でチャリング・クロス駅に出たのですが、同じ地下鉄で到着したと思われる方が、何やらナショナル・ギャラリーに向かって小走りになっているではありませんか！「ん、もしやこの2人もダ・ヴィンチ展狙い？」と思い、私も急いでナショナル・ギャラリーのセイズベリー・ウィング」出入口（※）に向かいます。ン<br />※ナショナル・ギャラリーの出入口は複数ありますが、当日券チケットを購入できるブースはセインズベリー・ウィング出入口だけです。<br />セイズベリー・ウィング到着は7時10分。この時、既にかなりの行列ができていました。ざっと見、私の前には150人弱の方が待っていたと思います。<br />とりあえず列の最後尾についたものの、後から後からドンドン人がやって来て、５分もしないうちに20人は増えたのではないでしょうか。<br /><br />ここから先は長期戦が開始。<br />まずは、持っていたバッグの上に腰をおろし本を読むことにしました。セインズベリー・ウィングと本館の間にある空き地でヘアピンカーブを描いて行列をなしています。もちろん屋外。待っていた場所から後方と先に並んだ方の列を撮影。列は行き止まり部分でヘアピンカーブ状になっていました。<br /><br /><a href="http://blog-imgs-44.fc2.com/m/e/m/memeyogini/201201181954036d5.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-44.fc2.com/m/e/m/memeyogini/201201181954036d5s.jpg" alt="ダ・ヴィンチ２" border="0" width="149" height="200" /></a><br /><br />8時頃だったでしょうか。突然、「hay、leddy！」と声をかけられ顔を上げると、美術館の係の方がチケットの購入数を確認しに来ました。「One」と答えると、水色の表紙の小冊子を渡されます。小冊子は展示構成と各章解説、そして全展示作品とそれぞれ簡単な解説を英文で掲載したもの、海外の展覧会でこうしたものが配布されることは珍しいので嬉しかった！<br />これで、チケット入手は確定。ほっと胸をなでおろしました。前後に並ぶ方もみな一様に嬉しそうな表情です。<br /><br />が、ここからが長かった。<br />後から気付いたのですが、チケットは1人1枚でなく必要数購入可能（1人当たりの枚数制限有無は不明）なので、たとえ、150番目に並んでいたとしても前に並ぶ人が複数枚数購入した場合、500枚到達の可能性もある訳です。<br />このチケット数確認の結果、500枚を超えた方から、チケット購入できないと申し渡され、購入できない方はここでお別れとなります。<br />結果的に、大体私の前に150人、後ろに150人位ではなかったかと思います。<br /><br />8時過ぎから開館までの2時間。<br />私はその場を動きませんでしたが、前後の方は後ろの人に「Please　keep　my　space．」と声をかけたり、交代で近くのカフェにコーヒーを買いに行ったり、雑誌だけ置いていなくなったりしていました。<br />3時間も待っていればおのずと前後の方とも会話になってきます。<br /><br />私の前に並んでいたのは、オクスフォードから朝5時半のコーチ（バス）に乗ってやってきたご婦人で、娘のチケット（娘はいない）とご自身のと2枚を購入するとのこと。しかし娘は母親を寒空に立たせて、何をしているのだろうと思ったり。ご婦人は前日にテートの「リヒター展」を観に行かれたとのことで、リヒターもチケット購入に並んでいたよと貴重な情報を入手。余談ですが、ご婦人に日本に昨年3月11日に発生した大地震のことや原子力発電所の損害について知っているか聞いてみましたが、ご存知なかったのはショックでした。<br />所詮、日本の事件などそんな程度なのかと、海外に出ると分かることが沢山あります。<br /><br />ご婦人の前に並んでいたのは、NYから娘とその両親の3人組でいかにも豪奢なご様子だったりと、並んでいる方々のウォッチングもまた興味深かったです。<br />ご老人がかなり多くて、キャンプ用の折り畳み椅子持参でしっかり腰を据えて待っている方もちらほら。これが、一番正解でしたが旅先の身ではそうもいかない訳で。。。<br /><br />2時間経過。9時を過ぎたあたりから、どんどん足先が冷えて来ます。冬のロンドンは夜明けも遅く、ちょうど8時頃が日ノ出時間。幸いなことにこの日（1月6日）の最低気温は8度位で日本より暖かかったのが救いでした。<br />座っていられないくらいで、足のカイロを忘れたことを激しく後悔。<br />ようやく10時に開館した時には、並んでいる人たちの間から歓声と拍手が沸き起こりました。<br /><br />が、ここからも長かった。<br />何しろ、チケットブースはたったの３つ。しかも、当日券も30分単位で時間指定が必要なので普通にチケットを購入するより時間がかかります。<br />結果的に、ナショナル・ギャラリーに入ることができたのは11時10分頃。<br />チケットを購入できたのは11時40分で、この時時間指定は17時過ぎのチケットしかありませんでした。<br />この日は金曜日だったので、夜10時迄開館。また、金曜・土曜以外にも期日限定で10時迄開館する日を設けています。<br />詳細は<a href="http://www.nationalgallery.org.uk/whats-on/exhibitions/leonardo-opening-times" target="_blank" title="こちら">こちら</a>。<br />私は、19時半入場可能なチケットを購入し、テート・モダンへと向かい、大英博物館の後、最後にナショナル・ギャラリーに戻って来ました。<br /><br />さて、19時半にいよいよ入場です。<br />中は、想像していた通り、混雑していましたが作品鑑賞に支障をきたす程ではありません。<br />何より皆さん非常に鑑賞マナーが良いのに感動しました。<br />ほぼ全員の方が絵の中央に長時間仁王立ちすることがないのです。油彩になるほど、中央を避け、左右から眺める方が多いのには驚きました。逆に、そんな中で自分もマナー違反をしてはいけないといつにも増して気を配ったと思います。<br /><br />全作品93点を地下階の6つの展示室＋本館2階の<Sunley Room>で展観し、セインズベリーウィングのラストに「exhbition　cinema」で「岩窟の聖母」や「最後の晩餐」などを解説する短い映像を上映していました。この解説映像を観て（観なくても勿論良い）から「Sunley Room」へ移動となります。<br />展覧会構成は次の通りです。<br /><br />ROOM 1: THE MUSICIAN IN MILAN:A QUIET REVOLUTION  9作品中油彩：1点<br />ROOM 2: BEAUTY AND LOVE:LEONARDO'S PORTRAITS OF WOMEN 12作品中油彩：2点<br />ROOM 3: BODY AND SOUL:SAINT JEROME IN PENITENCE 12作品中油彩：1点<br />ROOM 4: PAINTING THE DIVINE:THE VIRGIN OF THE ROCKS 22作品中油彩：2点<br />ROOM 5: THE MADONNA LITTA:LEONARDO AND HIS COMPANIONS 13作品中油彩：1点<br />ROOM 6: THE MIRACLE OF TALENT:LEONARDO AND THE FRENCH 7作品中油彩：2点<br />ROOM 7<Sunley Room> : CHARACTER AND EMOTION:THE LAST SUPPER　19点<br /><br />このうち、ROOM 4でルーブル所蔵とナショナル・ギャラリー所蔵の「岩窟の聖母」が対面式で展示されるという本展最大の見どころがあります。<br />また、新たにレオナルド作として発見された「サルバトール・ムンディ」は、ROOM 6です。<br />関連ニュース：<a href="http://www.47news.jp/CN/201107/CN2011071201000115.html" target="_blank" title="http://www.47news.jp/CN/201107/CN2011071201000115.html">http://www.47news.jp/CN/201107/CN2011071201000115.html<br /></a><br />それぞれ、油彩に対してレオナルドが描いたドローイング、デッサンを合わせて展示。また、他作家の関連作品もありますが、油彩、デッサン合わせて7割程度がレオナルドの作品で、日本ではこの先一生かかっても拝見できそうにない内容、いや世界でも2度とないと言われているのも、ごもっともでしょう。<br />レオナルドの絵画は16点、15点と言われており、そのうち9点を一度に見られたのですから、もう4時間半並んだ甲斐がありました。<br /><br />各作品の感想はしばらく温めておきます。<br /><br />＊後日画像掲載予定です。<br /><br /><strong>Leonardo da Vinci: Painter at the Court of Milan　<br />The national Gallery,London　Sainsbury Wing<br />9 November 2011 &#8211; 5 February 2012</strong><br /><a href="http://www.nationalgallery.org.uk/whats-on/exhibitions/leonardo-da-vinci-painter-at-the-court-of-milan" target="_blank" title="http://www.nationalgallery.org.uk/whats-on/exhibitions/leonardo-da-vinci-painter-at-the-court-of-milan">http://www.nationalgallery.org.uk/whats-on/exhibitions/leonardo-da-vinci-painter-at-the-court-of-milan</a><br /><br /><a href="http://blog-imgs-44.fc2.com/m/e/m/memeyogini/201201181954033d8.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-44.fc2.com/m/e/m/memeyogini/201201181954033d8s.jpg" alt="ダ・ヴィンチ１" border="0" width="200" height="149" /></a> ]]>
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<title>２０１１年　私が観た展覧会ベスト１５</title>
<description> いよいよ今年も残すところ５時間を切ろうとしています。２０１１年、震災という未曽有という言葉さえ陳腐に感じるような事態が大きくのしかかり、そして現在も事態の収束は見られないという不透明で不安な状況に置かれています。そんな中でも、展覧会が開催されそれを楽しむことができたということに、ただただ感謝するばかりです。僭越ながら、以下「２０１１年私が観た展覧会ベスト１５」を挙げます。分母が多いため、１０に絞ら
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<![CDATA[ いよいよ今年も残すところ５時間を切ろうとしています。<br />２０１１年、震災という未曽有という言葉さえ陳腐に感じるような事態が大きくのしかかり、そして現在も事態の収束は見られないという不透明で不安な状況に置かれています。<br />そんな中でも、展覧会が開催されそれを楽しむことができたということに、ただただ感謝するばかりです。<br /><br />僭越ながら、以下「２０１１年私が観た展覧会ベスト１５」を挙げます。分母が多いため、１０に絞らず１５としました。選ぶにあったて、自分に新しい発見や学びがあったこと、もう1度観たい気持ちが強いことを重視しました。<br /><br />そして、この記事を最後に暫く「あるYoginiの日常」の更新をお休みさせていただくことにしました。<br />休載期間は決めておりません。再開があるかどうかも分かりませんが、恐らく長い休載となると思います。<br />これまで拙い文章と内容で画像もない記事であるにも関わらず、読んでいただいた皆さまに心から御礼申し上げます。<br /><br />それでは、皆さま良いお年をお迎えください。そして、来年が実り多き1年となりますように！<br /><br /><strong>＜２０１１年　私が観た展覧会ベスト１５＞</strong><br /><br /><strong>第１位　「ジャクソン・ポロック展」　愛知県美術館</strong><br />日本初のポロック回顧展。初期から晩年の作品までポロックの画業を知る上で重要な作品を集めている。これだけの作品を集めた展覧会は今後難しいのではないかと思う。また、個人的にも関心の薄かったアメリカ抽象表現主義作家やそれ以後の作家について考える機会を与えてくれ、視野を広げることとなった。<br /><br /><strong>第２位　「五百羅漢　増上寺秘蔵の仏画　幕末の絵師　狩野一信」　江戸東京博物館</strong><br />ポロック展を観るまでは、本展のベスト1は揺るがないものと思っていた。空前絶後、100幅全部を一堂に会した展覧会。しかも、会期が震災とぶつかり、開催延期となり一時開催も危ぶまれたが、無事拝見できて本当に良かった。<br />成田山の巨大掛軸共々圧巻の内容。今後、益々狩野一信研究が進むことを願っている。<br /><br /><strong>第３位　「菊畑茂久馬　戦後／絵画｣　福岡市美術館・長崎県美術館　共催</strong><br />本日、漸く感想記事をアップ。初期から現在の新作まで菊畑の戦後の活動を余すところなく展観。あまりにも知らないことばかりで、驚きの連続。新作タブロー≪春風≫と初期作品が頭の中でなかなか結びつかないが、それが面白い。<br /><br /><strong>第４位　「黄檗―OBAKU 京都宇治・萬福寺の名宝と禅の新風」　九州国立博物館</strong><br />今年は九州新幹線が開通し、九州各地で充実した内容の展覧会が頻出した。九博のみの特別展であった本展は、会期中毎日黄檗宗寺院の僧侶が展示会場内で読経をささげ、地元も一致協力していることが伝わってきた。<br />巨大な仏像、隠元豆の歴史、木魚の秘密などなど、黄檗宗寺院独自の文化を垣間見ることができる素晴らしい内容。<br />なお、黄檗宗関係の展覧会が日本橋高島屋で1月16日まで開催されているので、足を運びたい。<br /><br /><strong>第５位　「木村武山の芸術」　茨城県天心記念五浦美術館</strong><br />こちらも、過去最大級の日本画家：木村武山の回顧展。木村武山は、これまであまり大規模な展覧会が行われていないので過去最大級というより史上初に近い。元々、武山の華麗な日本画や優しく華やかな仏画に注目していたので、漸くまとめて拝見する機会となった。会場は、震災の被害により休館し館の復旧にあたっていた茨城県天心記念五浦美術館で、再開記念に相応しい内容だった。また、図録のお値段はお値打ちなのに内容がとても濃いというコスパの良さは嬉しかった。<br /><br /><strong>第６位　畠山直哉展　「Natural Stories　ナチュラル・ストーリーズ」　東京都写真美術館</strong><br />今年は、名古屋市美の東松照明、国立国際の森山大道など大規模な写真展も各地で開催されたが、やはり畠山直哉のこの展覧会は強く心に残った。自然と人間の営為、そしてはっとするような美しい構図の写真が続く。最後のブラスト連写と横にあった「Ｂｉｒｄ」シリーズ、そして間にあった震災前後の写真とスライド。私たちが何をすべきかを強く考えさせられた。<br /><br /><strong>第７位　「ジム・ダイン展」　名古屋ボストン美術館</strong><br />版画の多様性を教えてくれたのが、このジム・ダイン展であった。同時期に愛知県内ではレンブラント展（名古屋市美）、棟方志功展（愛知県美）と奇しくも版画に関する展覧会が3つ揃うという稀な状況が発生していた。中で、一番未知なる経験だったのが本展で、初期から最新作まで網羅。版画でなければできないこと、版画の魅力を改めて見せてくれた。<br /><br /><strong>第８位　「小川待子　生まれたての＜うつわ＞」＆「新・陶宣言」　豊田市美術館</strong><br />こちらも、現代陶芸を陶芸、工芸という狭い枠から空間に働きかける一つの手段としての扱いで、陶彫の魅力を伝えてくれる内容だった。谷口吉生の建築と小川の組み合わせは秀逸で、陶表現を使った空間インスタレーションだった。同時開催の常設企画「新・陶宣言」もまた、この延長上にある内容で海外、国内の作家で陶表現に取り組んでいる作家をピックアップしての展観。企画と常設がピタリとはまった好企画。また、高橋節郎館の「朱と金と黒の美術」も同様に工芸でなく近現代美術の版画、オブジェ、彫刻などと一緒に展示することで、漆表現の魅力の再考を促すものだったことも忘れ難い。<br /><br /><strong>第９位　「日本画の前衛」　東京国立近代美術館</strong><br />1938年から1949年第二次世界大戦前後に行われていた日本画の前衛運動を紹介。こんな日本画家たちがいたのか！という驚きの連続。特に、山崎隆が戦場を描いた作品≪戦地の印象≫シリーズにノックアウトされた。<br /><br /><strong>第１０位　「メタボリズムの未来都市展」　森美術館</strong><br />過去に観て来た建築展の中でも最大級のボリューム。合わせて各種講演会、シンポジウム、映像上映会など盛りだくさんの<br />イベントで展示に留まらず広く関係各位の話を聴いたり、記録する貴重な機会だった。また、本展の開催がなければ「メタボリズム」という建築運動さえ知らずに終わっていた。<br /><br /><strong>第１１位　「瑛九展」　埼玉県立近代美術館、うらわ美術館</strong><br />同一会場だった宮崎県美で拝見していたら10位以内であったかもしれない回顧展。テーマを決めて章単位で構成。エスペラン語の使用、評論活動、そして有名なフォトコラージュ、そして晩年のほとばしるような絵画の大作。知られざる瑛九が次々と明らかにされ、特に絵画のコーナーはうらわ、埼玉近美各館展示作品をまとめて一度に拝見したかった。<br /><br /><strong>第１２位　「南蛮美術の光と影 泰西王侯騎馬図屏風の謎」展　サントリー美術館</strong>　<br />サントリー美術館と神戸市立博物館各館所蔵の泰西王侯騎馬図屏風が横並びで一緒に展示された貴重な機会。顔料などの成分分析、Ｘ線照射など化学的検証結果とそれについての見解を発表。南蛮美術と言えば、「ＢＩＯＭＢＯ」展の印象が強いが、本展では屏風に限らず広く南蛮美術についてを展観していた。未見作品が多数あった。<br /><br /><strong>第１３位　「ゼロ年代のベルリン ―わたしたちに許された特別な場所の現在」　東京都現代美術</strong>館<br />展覧会初日に行ったので、すべての作品をまだ見ていないが、ベルリン在住のアーティスト作品を映像中心に紹介。マティアス・ヴェルムカ＆ミーシャ・ラインカウフ、サイモン・フジワラなどの作品がとても良かった。また彼らのプレゼンを聴くことで作品理解が深まり、水戸芸で消化不良だったマティアス＆ミーシャの映像の意図がやっと理解できたのも嬉しい。アンリ・サラの映像もあり、映像は特に充実。映像以外の作品のインパクトにやや欠けるのが残念だった。年明けに再訪したい。<br /><br /><strong>第１４位　「瀧口修造とマルセル・デュシャン」　千葉市美術館</strong><br />瀧口修造とマルセル・デュシャンの交流をテーマに両者の作品を300点以上で展観する質量ともに充実した展覧会。<br />両者の作品はあちこちで見かけるが、2人に交流があったこと、また瀧口を巡る作家たちなど知らないことがまだまだ沢山あって面白かった。こちらも常設の実験工房作品と合わせて連続して楽しめる好企画。<br /><br /><strong>第１５位　「春草晩年の探求」　飯田市美術博物館</strong><br />長野県信濃美術館「「菱田春草展－新たなる日本画への挑戦」ともに春草没後100年を記念する回顧展。飯田市美術博物館は春草晩年の作品と琳派作品の関係を焦点に据え、単なる回顧展に留まらない研究成果を見せていた。<br /><br /><a href="http://bluediary2.jugem.jp/?eid=2727" target="_blank" title="ブログ「弐代目・青い日記帳」">ブログ「弐代目・青い日記帳」</a>さんの企画クォーターごとのベスト３で挙げたもの。<br />第１Ｑ　ベスト３<br />日本画の前衛、シュルレアリスム展、佐藤忠良展<br /><br />第２Ｑ　ベスト３<br />黄檗@九博、五百羅漢@江戸博、ジム・ダイン@名古屋ボストン美術館<br /><br />第３Ｑ　ベスト３<br />菊畑茂久馬展@福岡市美＆長崎県美、 百獣の楽園@京博、 高島野十郎@石橋、ベストサマーコレクション展@セゾン現美、春草晩年の探求@飯田市美博、ベルリン@都現美。次点:棟方志功@愛知県美、橋口五葉@千葉市美、民都大阪の建築力@大阪歴博、フェルメールのラブレター展<br /><br />第４Ｑ　ベスト３<br />ポロック展@愛知県美、小川待子/生まれたての<うつわ>@豊田市美、木村武山の芸術@茨木県天心記念五浦美術館　<br /><br />上記に挙げているもの以外で良かったのは、シュルレアリスム展：国立新美術館、「天竺」奈良国立博物館、村山槐多の全貌：岡崎市美術博物館。<br />現時点で未見なのは、ベン・シャーン展、シャルロット・ペリアン展、「建築、アートがつくりだす新しい環境―これからの“感じ”」展といったところです。　<br /><br />私的に決めている2011年度美術館賞は千葉市美術館、次点に岡崎市美術博物館を挙げたいと思います。<br />千葉市美術館は1年を通してヒット展覧会を連発、その充実した内容は他の追随を許しません。更に年会費2000円！で企画展は何度でも無料、図録は10%引きと内容共々充実しています。これなら、多少遠くても通いたくなります。<br />千葉市美術館友の会詳細は<a href="http://www.ccma-net.jp/menbership_01.html" target="_blank" title="こちら">こちら</a>。<br /><br />また、展覧会につきものの図録ですが、今年はよりサイズのコンパクト化が進んでいるように感じました。<br />「ぬぐ絵画」展（東近美）、「瀧口修造とマルセル・デュシャン」（千葉市美）、｢村山槐多の全貌」（岡崎市美博）、「画像進化論」（栃木県美）などの図録がＢ5版以下です。図録を保存するスペースに限りもあるため小サイズ化は嬉しい半面、図版が小さくなるのは仕方のない所なのでしょうか。<br /><br />今年も初訪問した美術館は沢山ありましたが、中でも毛利博物館、山口情報芸術センター（ＹＣＡＭ）、島根県立石見美術館は印象深かったです。特に、ＹＣＡＭではほぼ1日映画＜ファロッキ特集＞を観て、学芸員の方によるレクチャーまで拝聴し、展示を観てと楽しめ建築だけでなく楽しむことができました。九州の石橋美術館も高島野十郎展ともども記憶に残っています。<br /><br />来年は東北地方の美術館と九州の未訪美術館を訪ねられたらと思っています。<br /><br />長々とお付き合いくださいまして、本当に有難うございました。<br /><br />今週訪れた五浦、六角堂があった海です。<br /><br /><a href="http://blog-imgs-44.fc2.com/m/e/m/memeyogini/201112312351096e0.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-44.fc2.com/m/e/m/memeyogini/201112312351096e0.jpg" alt="六角堂" border="0" width="320" height="240" /></a><br /> ]]>
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<title>２０１１年　私が観たギャラリー展示　ベスト１０</title>
<description> 2011年私が観たギャラリーベスト１０、甚だ僭越ではありますが考えてみました。しかし、今年はかつてない程10に絞り込み、その上順位を付けるのが難しく、明日考えたらまた変わっているかもしれない、その程度に考えていただけたらと思います。今年は、関西方面のコマーシャルギャラリー以外でのスペースでの展示がどれもこれも素晴らしく、関西は美術館外のフィールドが活性化している印象を強く持ちました。第１位　笹本晃 「Str
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<![CDATA[ 2011年私が観たギャラリーベスト１０、甚だ僭越ではありますが考えてみました。<br />しかし、今年はかつてない程10に絞り込み、その上順位を付けるのが難しく、明日考えたらまた変わっているかもしれない、その程度に考えていただけたらと思います。今年は、関西方面のコマーシャルギャラリー以外でのスペースでの展示がどれもこれも素晴らしく、関西は美術館外のフィールドが活性化している印象を強く持ちました。<br /><br /><strong>第１位　笹本晃 「Strange Attractors」　TAKE　NINAGAWA</strong><br />会期は、２０１０年１２月からであったが、私が観たのは会期末ぎりぎりの２０１１年１月。昨年のギャラリーベストにも無論入っていないが、彼女のパフォーマンスはこの１年常に私の頭から消えることはなかった。その位、衝撃が強かった。<br />笹本自身が手がけたインスタレーション空間と用意された物たちを使いながらのパフォーマンス。言語と視覚刺激、そして数式とめまぐるしく展開する話法にとにかく翻弄。また、鑑賞者が何度か場所を移動させられるのも、「聞いてる！？」と発破かけられるのも新鮮。この作品しか知らないので、他の作品を観て彼女のパフォーマンスについてはもっと考えてみたい。<br /><br /><strong>第２位　アンリ・サラ　Kaikai Kiki　Ｇａｌｌｅｒｙ</strong><br />３つの映像とオルゴールやドラムといった作品を使っての映像インスタレーション。大阪の国立国際美術館の展示より、狭い空間ではあるが、まとまっていて完成度は非常に高かった。また映像それぞれが共鳴し、オルゴールとドラムが効果的に使われ、統一感が素晴らしい。最新作の映像（東京のみ）は、詩情あふれ、オルガンの音色は映像とともに琴線に触れた。<br /><br /><strong>第３位　森淳一 「trinitite」（トリニタイト）　ミヅマアートギャラリー</strong><br />森淳一初のミヅマでの個展。何と言っても一木造の彫刻「trinitite」をメインに据えて、写真、ペインティングと新たな試みを加え、長崎原爆、トリニティー実験を回顧する手法は見事としか言いようがない。メイン展示室の空間を１点で見事にかえた。<br /><br /><strong>第４位　フィオナ・タン　“Rise and Fall” and New Works 　WAKO WORKS OF ART</strong><br />フィオナ・タンの“Rise and Fall”が素晴らしすぎて、水を媒介として時間や記憶、日常といったものを考えさせられる。女性であることを改めて強く意識させられた。彼女の朗読する詩の新作もまた良かった。<br /><br /><strong>第５位　梅田哲也 「はじめは動いていた」　ART ZONE（京都三条）<br />梅田哲也展「小さなものが大きくみえる」　新・福寿荘、梅田哲也展「大きなことを小さくみせる」　神戸アートビレッジセンター</strong><br />今年、関西で大活躍の梅田哲也。合計３本の個展をそれぞれ全て違う趣向で見せる。場所に依拠する所が大きいが、毎回新たな発見と展開を創出する姿勢が素晴らしい。<br /><br />以下順位付けなし。知らなかった作家さんを中心に選択しています。<br /><br /><strong>・鎌田友介個展「After the Destruction」　児玉画廊京都</strong><br />フレームを使って構造体から巨大な構造体へ再構築する。完成したものは、破壊の痕跡か。空間支配力の強さを評価した。<br /><br /><strong>・釘宮由衣　「Cat and Bird Paintings」 タカ・イシイギャラリー京都</strong><br />海外拠点の若手作家。ペインティング、ドローイング、そしてアニメーションと絶妙な色遣いと構成で、個人的に強く惹かれた作家だった。<br /><br /><strong>・「成層圏　vol．2　増山士郎」　ギャラリーαM</strong><br />日本人であることのマイノリティや国境を意識させられる映像やインスタレーションで見事に展開。<br /><br /><strong>・林勇気　「あること　BEING／SOMETHING」　兵庫県立美術館ギャラリー棟　アトリエ１</strong><br />アトリエ１の水洗い場などを上手く使って、新作・旧作映像作品を一堂に展示。新作は今後の展開が更に楽しみ。観ていて心地よくなるのが彼の作品の特徴。<br /><br /><strong>・伊東宣明 個展　「預言者」　京都市立芸術大学ギャラリー＠KCUA</strong><br />こちらも衝撃的な作品で忘れがたい印象が残る。頭上から降り注いだ、高笑いが今でも耳に残るのと画面の手のアップ。この２つの組み合わせが脳に直撃した。<br /><br />次に、ギャラリーでの展示の枠にははまらない、もしくはジャンルがかなり違うため、同列でランキングできなかった展示をあげておく。これら３つは私個人のベスト５に間違いなく入る内容だったことを付け加えたい。<br /><br /><strong>番外１：アイチ・ジーン　豊田市美術館喜楽亭、館内レストラン他</strong><br />ここでは、山田純嗣のレストランでの立体インスタレーションと大作≪BOAT IN FOREST≫が抜群だった。更に、豊田市美術館敷地内の茶室：又日亭を使った展示では、山田の作品と城戸保の写真が同空間で見事に調和し、静かで情緒ある空間を作り上げていた。本来ベスト５に入れたい内容であったが、ギャラリー展示という枠にははまらないため、番外とした。<br /><br /><strong>番外２：潮江宏三教授退任記念展「銅版画師ウィリアム・ブレイク」　京都市立芸術大学ギャラリー＠KCUA</strong><br />コンテンポラリーばかりの中、本展はギャラリーでなく美術館で開催した方が良いような高いクォリティ。詳細な解説は宝物として保存するけれど、貴重な作品群の公開だったので是非とも図録の作成をお願いしたい。<br /><br /><strong>番外３：奥村雄樹「「ジュン・ヤン 忘却と記憶についての短いレクチャー」 東京藝術大学博士審査展東京藝術大学絵画棟</strong><br />最終的に完成したものは映像作品であるが、その前段階のレクチャーから考えるとプロジェクトとして評価したい。もちろん完成作は多様な方向性から考えることのできる極めて強度ある内容であった。<br /><br />また、興味深い試みとして浅草寺境内に出現した<strong>「油絵茶屋再現」</strong>も記憶に残る展示だった。小沢剛＋東京藝大油画科のメンバーによる油絵茶屋再現実行委員によるプロジェクトで日本における近代絵画史の裏を考えさせる興味深い試み。木下直之著「「美術という見世物―油絵茶屋の時代」を読み、色々と考えさせるきっかけを与えてくれたことに感謝したい。<br /><br />この他、ベストを考える上で印象に残ったギャラリー展です。<br />・安部典子“TIME　LAG”-Linear-Actions Cuttin Project2011　スカイ・ザ・バスハウス<br />・今村遼佑「ながめるとみつめるのあいだ」展vol.02　studio90・資生堂Art　Egg　今村遼佑展<br />・内海聖史　「シンプルなゲーム」 void+、「さくらのなかりせば」　ギャラリエANDO<br />・加納俊輔・高橋耕平展「パズルと反芻」　Social Kitchen、 LABORATORY、Division<br />・釘宮由衣　「Cat and Bird Paintings」 タカ・イシイギャラリー京都<br />・児玉靖枝展　「深韻 2011 -わたつみ-」　MEM東京<br />・小林史子　「Mistletoe」　INAXギャラリー２<br />・「中平卓馬　キリカエ」　SIX<br />・西澤諭志展「ドキュメンタリーのハードコア」　サナギ・ファインアーツ<br />・平川祐樹　「微かな予兆」　STANDING PINE-cube<br />・福居伸宏　「アンダーカレント」　TKGエディションズ京都<br />・「成層圏 vol.5 風景の再起動 宮永亮」　ギャラリーαM<br />・八木良太　「高次からの眺め」　無人島プロダクション<br />・和田みつひと展　Ma２ギャラリー<br />・「ニューアート展NEXT 2011 Sparkling Days」　横浜市民ギャラリー ]]>
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<dc:subject>ギャラリー</dc:subject>
<dc:date>2011-12-31T14:47:47+09:00</dc:date>
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<title>「菊畑茂久馬　回顧展　戦後／絵画」　福岡市美術館・長崎県美術館</title>
<description> 「菊畑茂久馬　回顧展　戦後／絵画」　福岡市美術館・長崎県美術館　福岡市美術館：7月9日～8月28日　長崎県美術館　7月16日～8月31日年末の課題として、夏に見た菊畑茂久馬回顧展の感想は書いておかねばならない。同展は、福岡市美術館と長崎県美術館の共催で、ほぼ同会期に県境をまたいで開催された。秋に埼玉県近美とうらわ美術館の共催で「瑛九展」が開催されたが、「瑛九展」は宮崎会場においては宮崎県立美術館単独で開催さ
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<![CDATA[ <a href="http://blog-imgs-44.fc2.com/m/e/m/memeyogini/20111231125749bda.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-44.fc2.com/m/e/m/memeyogini/20111231125749bdas.jpg" alt="福岡" border="0" width="141" height="199" /></a><a href="http://blog-imgs-44.fc2.com/m/e/m/memeyogini/20111231125748d20.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-44.fc2.com/m/e/m/memeyogini/20111231125748d20s.jpg" alt="長崎" border="0" width="141" height="199" /></a><br /><br /><strong>「菊畑茂久馬　回顧展　戦後／絵画」　福岡市美術館・長崎県美術館</strong>　<br />福岡市美術館：7月9日～8月28日　長崎県美術館　7月16日～8月31日<br /><br />年末の課題として、夏に見た菊畑茂久馬回顧展の感想は書いておかねばならない。<br />同展は、福岡市美術館と長崎県美術館の共催で、ほぼ同会期に県境をまたいで開催された。秋に埼玉県近美とうらわ美術館の共催で「瑛九展」が開催されたが、「瑛九展」は宮崎会場においては宮崎県立美術館単独で開催されており、埼玉で見るより宮崎でまとめて見たかったと思っている。どうしても会場をわけてしまうと、集中力が一度途切れて、連続性が見えなくなる。殊に「瑛九展」は章単位で半々に分けて２つの館で観ることになったが、やはり一度にまとめて見たかった。確認したいことがあって後で戻ろうにも、会場が別れるとそれができないのが最大の難点。<br /><br />では、菊畑茂久馬回顧展ではどうであったか。<br />後で、戻れない（何しろ県をまたぐのだから）のは同じだが、このボリュームだと１つの館で開催するのはほぼ困難だろう。かといって、展示替えで見せるのも後で戻れない点では同じである。<br /><br />私は飛行機の関係で、長崎県美術館会場を先に見ることになった。展示内容を考慮すると福岡市美→長崎県美がベストだったが致し方ない。<br />長崎会場では、大型のタブロー中心に初期から最新作までが並ぶ。<br />この初期から最新作までの変化に翻弄され、菊畑が生み出した壁面一杯のタブロー画面からは、光、風、そしてなぜか温度までも感じた。絵画を観て温度を感じるとは、絵を観ていて自分の周囲を取り巻く環境の温度が変わって行くそんな印象を受けた。なお、長崎県美でも同館所蔵品の初期作オブジェやルーレット絵画などの展示コーナーもあったことを付け加えておく。<br /><br />福岡会場では、菊畑の九州派時代の作品（1950年代－61年）から時系列的に作品を展観している。<br />「第1章九州派の時代　1950年代～61年」においては、東現美所蔵の≪奴隷系図（貨幣）≫1983年の再制作、≪葬送曲<br />NO.2≫19602年は、古代のお祭りを主題とした作品という初期の土俗的作風がうかがわれる代表作と言える。<br /><br />「第2章　時代の寵児として　1962－65年」では、奴隷系図シリーズの平面化が進み、そこから≪ルーレット≫シリーズへ短かいして行く様子がよく分かる。ルーレットシリーズは絵画性が徐々に曖昧になり、物体が板に付され、オブジェ的要素が強まるのもまた菊畑の作品を観ていく上で重要であろう。そして、ルーレットシリーズはアメリカの美術館においても展示され、続く≪植物図鑑≫シリーズと共に菊畑の評価は高まる。<br /><br />本展図録第3章解説から菊畑の言葉を交えて引用すると、<br /><span style="color:#0000CC">「絵を描くためにオブジェを作った」という菊畑にとって、オブジェは「タブロー」への到達途上に立ちふさがる、避けて通れない課題であった。その中から次第に、のちの「天動説」につながる道筋が見えてくる。</span><br />「第3章　雄弁なる沈黙　1960年代後半－70年代」<br />第3章では自作絵画の仕事から一旦離れ、美術史家的な仕事として戦争記録画についての論考や山本作兵衛の炭鉱画模写壁画制作、そしてこれらと平行して２００を超すオブジェ制作を行っている。この時代は「沈黙の時代」とされているが、本展監修学芸員氏はむしろ多弁な時代だと評しているのが印象的だ。<br />なお、展示では山本作兵衛の炭鉱画や戦争記録画についての論考原稿が展示されている。また、美術館外ではあるが、1969年に菊畑は福岡市立中央児童館のモザイク壁画も手掛けており、これは現存していて、私も福岡市美へ行くバスの車窓から見ることができた。<br /><br />また、第3章で圧巻なのは、大量のオブジェ展示である。菊畑にとってオブジェはどういう意味を持っていたのか、何を意図して制作し続けたのか、このあたりは図録掲載のインタビューで詳細が語られている。<br /><br />菊畑の発言の中で興味深いのはオブジェを作っていてもなお、<span style="color:#0000CC">「平面のある種の絶対性、平面の永遠性というようなものに対しては、恐れるほどに心服を持ってたんだな。だから、どんなに平面を否定しようと、オブジェの中に浸っていようとも、あぁ、平面というのはどうしようもない、いかんともしがたいという、神に対する気持ちみたいなものがあったんだろうと思うね（中略）平面に対する心服がどこから出て来たのかわからないんだけど、要するに明治から近代というものに半端に汚染されて、－汚染という言い方は悪いけど、そういう日本特有の近代美術に惑わされることがなくて、西洋に巡礼するコースを辿るなんて論外で、そこに立って絵画で産声をあげたときは、僕はぐれたような形になっていた。だからなおさら平面に対する気持ちが強かったのかな。」</span><br /><br />「第4章　≪天動説≫への到達－オブジェからタブローへ　1970年～87年」<br />オブジェ制作に一応の区切りがつくのが1976年頃、その後ドローイングや立体を写真に撮って版画化するといった手法によりオブジェを平面化する動きを手探りで始める。それが、≪天動説≫へ結実していく過程が見える。<br />≪天動説≫においては、平面タブローと言えど、必ず物質的側面をはらみ、単純純粋絵画と言い難いものがあった。菊畑のタブローからこうした物質要素がなくなるのは、長崎県美術館に展示された最新作≪春風≫ではないだろうか。<br />もちろん、≪月宮≫、≪天河≫、≪月光≫、といったシリーズは絵具以外の物質付着は見られないが、絵具の存在が非常に大きい。存在というのは、彩色道具としての絵の具の役割だけでなく、絵具を塗り重ねることで相当な厚みを持って支持体に存在する、物質的な要素を意識したうえで用いられている。また、絵具の盛り上がりは画面全体に施されていることは稀で、画面の一部例えば、上部だけに用いられているのもまたオブジェの代替的仕事を果たしているように見えた。<br /><br />「第5章　≪月光≫から≪春風≫への道程　1968年－現在」<br />前述の通り、ここからは長崎県美術館会場にて展示されていた作品が主である。なお、作品数は少ないものの福岡市美でも展覧会構成に支障がないように新作やそこに至るまでの大型タブローの展示もある。<br />ゆえに、全体のまとまり感がやや薄まってしまったことは否めない。<br />新作≪春風≫を観つつ、冒頭で挙げた≪奴隷系図≫などの巨大立体作品などを浮かべると同じ作家が、ここまで変化するかという強い感慨にふける。<br />≪春風≫は、バーネット・ニューマンもしくはフランク・ステラを思わせるような絵画で色面で構成され、一部ジップのような縦のストレートなラインにグラデーションや複数色彩を使っている。これまで見られたような絵具の盛り上げはなく、ただ、物質要素としては蜜ろうがここでも使用されているが（かつてのタブローにも使用）、言われなければ一見しても分からない。<br /><br />何かをふっ切ったような、これまでにない明るく軽やかな色彩を眺めていると、いよいよ「解脱」に境地に至ったのか、それ程の変化である。<br /><br />以上、振り返るにはあまりに長大な内容であったが、菊畑茂久馬の今後の活躍を期待し、そして回顧展に相応しい展観を見せてくれた両美術館に感謝をこめて終わりとしたい。 ]]>
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<title>水野勝規　ライトスケープ　愛知県美術館</title>
<description> 「水野勝規　ライトスケープ」　　愛知県美術館　11月11日（金）―2012年1月22日（日）愛知県美術館公式ブログ：http://blog.aac.pref.aichi.jp/art/2011/11/000559.htmlポロック展と合わせて是非観ていただきたいテーマ展「水野勝規　ライトスケープ」が愛知県美術館で１月２２日まで開催中です。1982年三重県生まれ、名古屋造形大卒業→京都市芸術大学大学院修了で現在京都在住の若手映像作家さん。プロフィール詳細はこちら。2009
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<![CDATA[ <a href="http://blog-imgs-44.fc2.com/m/e/m/memeyogini/lightscape.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-44.fc2.com/m/e/m/memeyogini/lightscapes.jpg" alt="水野勝規" border="0" width="199" height="112" /></a><br /><br /><strong>「水野勝規　ライトスケープ」　　愛知県美術館　11月11日（金）―2012年1月22日（日）</strong><br />愛知県美術館公式ブログ：<a href="http://blog.aac.pref.aichi.jp/art/2011/11/000559.html" target="_blank" title="http://blog.aac.pref.aichi.jp/art/2011/11/000559.html">http://blog.aac.pref.aichi.jp/art/2011/11/000559.html</a><br /><br />ポロック展と合わせて是非観ていただきたいテーマ展「水野勝規　ライトスケープ」が愛知県美術館で１月２２日まで開催中です。<br />1982年三重県生まれ、名古屋造形大卒業→京都市芸術大学大学院修了で現在京都在住の若手映像作家さん。<br />プロフィール詳細は<a href="http://www.andart.jp/artist/mizuno_katsunori/profile/" target="_blank" title="こちら">こちら</a>。<br /><br />2009年のあいトリ公募企画の「中川運河」で初めてその存在を意識したが、それ以前の2007年に横浜美術館の「水の情景ーモネ、大観から現代までー展」が最初の出会いだと今更気付いた。そういえば、水の情景を撮影した映像作品が出展されていた記憶がかすかに蘇る。<br />2009年はあいトリだけでなく京都造形センターでのグループ展「panorama」でも淡々とモノトーンの風景を映し出し、その見せ方にも工夫が凝らされており、以後かなり追いかけている作家さんである。<br /><br />ということで、愛知県美術館での小企画とはいえ個展と大抜擢。<br />今回も、チャレンジングな展示で、楽しませてくれている。<br />まず、愛知県美術館がある芸術文化センター10階へ到着したのは開館10分前だった。10階には中庭にテラスがあり、高所ながら植栽を楽しむことができる。大きく開いたガラス窓から景色を見やると、そこに２つの横長スクリーンがあることに気付く。窓の向こうに見える景色には色が付いているが、スクリーンに映し出されている映像は黒と白のモノトーン。<br /><br /><a href="http://blog-imgs-44.fc2.com/m/e/m/memeyogini/landscape.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-44.fc2.com/m/e/m/memeyogini/landscapes.jpg" alt="LANDSCAPE" border="0" width="150" height="200" /></a><br /><br />二重に異なる景色をとらえた私の目はしばし混乱に陥った。<br />外の風景も一時として同じではいない。風が吹けば枯れ葉が舞う、木の枝はしなる。そして、モノトーンの映像もまた、一見静止画のようだが、例えば、水面の場面ではゆらぎが起こっているし、分刻みで場面転換する。時間によって、天候によってもまた見え方が変わってくる。でも絵画も光の当て方によって見え方が違ってくるし、その外的影響がより強くなっているのが今回の展示と言えるだろう。2回目に訪れた時、窓の外には雪が降っていた。このとき、手前の映像と外の景色はつかの間色彩で同調していて、風景のコラージュであった。<br /><br />美術館の展示室６に入ると、真っ先に目にとまったのは、左壁に投影された円環である。<br />「月」の映像！<br />白くフェードアウト（ホワイトアウト）していく過程で、うっすらと見えてくる風景は、地球から眺める月の様子そのものだった。<br />ウサギは見えなかったけれど。<br />同様に正面の大きなスクリーンも、相当白で飛ばしている。遠くから正面スクリーンを観ると、わずか数秒の間は、ほぼ真っ白に近い状態が生じていることもある。映像作品の展示では暗室、つまり暗幕を使って光を遮るのが通常だが、チャレンジ項目その２として、暗幕を使わず、出入口はオープンにして、絵画や彫刻などの展示室と同じ状況で映像を見せているのだった。<br />徐々に克明に映し出される風景は、夢から覚めつつある時に見る光景に似ている。<br />現実にふと立ち戻っていく瞬間を、覚醒しつつ体験している、そんな気がした。<br /><br />展示室内には、丸い座布団が置かれていて、鑑賞者は座布団に座って映像を体験するのだけれど、床に寝転がっているお客さんもいらっしゃって、実はとても羨ましかった。座って観るより、寝転んで、いつの間にか寝入ってしまうようなそんな心地よさが魅力のひとつ。それを存分に味わうには、寝転んでリラックスして観るともなしに風景を眺めたい。<br /><br />数年前に東京都写真美術館他で「液晶絵画」展が開催された。<br />水野の作品は、まさしく「液晶絵画」の連続。映像の美しさは絵画的で、ここに至って、映像と絵画の違いを改めて考えることになる。、淡々と連続する映像の微妙な変化を楽しむのもポイント。ちなみに音声は使用されていないこともより絵画性を高めることの一助となっている。<br /><br />幼少の頃から、景色を見たり、撮影したりするのが好きだったようで、それが今日まで継続しているというのは興味深い。<br />サイトで見つけたインタビューやブログ記事では、撮影7割、編集3割で制作。「動画撮影は魚釣りで、写真撮影は狩猟」というのが作家本人の言である。<br />ブログに掲載されている写真を見ても、非凡な才能を見せている、一瞬切り取られた風景の美しいこと。<br /><br />撮影に出かけて、気長に獲物が現れるのを待っている作家の姿が作品から浮かんできた。<br /><br />＊展示室に今回のテーマ展特製パンフレットがあります。数に限りがあるようです。欲しい方は係の方にパンフレット希望と申し出てくださいね。 ]]>
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