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2014年をふりかえる

2014年は自分史において忘れがたい年になりました。
東京から名古屋に戻り、職場での精神的負荷の大きさと加齢により、昨年半ばより心身ともに崩れ始め、配置願いを出し4月の異動を前に3月の無理がたたり病状悪化。4月下旬に自宅で激しい動悸で倒れ、医師より自宅休養を命ぜられ約2ヶ月休職というかつてない事態となりました。倒れて以後、急速に体力が衰え無理がきかなくなり、必然、見る数も減らさざるを得ない1年でした。来年もペースを落とし、これはと思う展覧会に足を運びたいと思っています。

前置きが長くなりました。毎年順位を付けたベストをあげていたのですが、今年は順位を付けず2014年に見た展覧会の中で、新たな発見や感動を得られたものを評価軸として15あげることにしました。所蔵品展は除いています。

・イメージの力 国立民族学博物館(国立新美術館)
・色彩と風のシンフォニー/内間安瑆の世界 沖縄県立美術館
・更紗の時代 福岡市立美術館
・チベットの仏教世界 もうひとつの大谷探検隊 龍谷ミュージアム
・柳瀬正夢 1900-1945 時代の光と影を描く 神奈川県立近代美術館(北九州市立美術館、愛媛県美術館)
・奇なるものへの挑戦-明治大正/異端の科学 岐阜県立博物館
・ハイレッド・センター:「直接行動」の軌跡展 名古屋市美術館、松濤美術館
・増山たづこ すべて写真になる日まで IZU PHOTO MUSEUM
・魅惑の陶製人形 ~ノベルティ、人物俑、はにわ、土人形、フィギュリン~&知られざる日本のノベルティ ~オキュパイドジャパン、白雲陶器など~ 愛知県陶磁美術館
・板谷波山の夢みたもの 出光美術館
・ジャン・フォートリエ展 豊田市美術館(東京ステーションギャラリー、国立国際美術館)
・ヴァロットン― 冷たい炎の画家 三菱一号館美術館
・獅子と狛犬-神獣が来たはるかな道- MIHO MUSEUM
・ディスカバージャパン 東京ステーションギャラリー
・中村一美展 国立新美術館

次点 カンタと刺し子 日本民藝館


次に評価軸を変え、感動とか嗜好を別としてこれまでとりあげられず意義ある内容で記憶に残った展覧会を10あげます。先に挙げた展覧会はこの評価軸に該当するものも多いのですが、それらは除きます。

・官展にみる美術 兵庫県立美術館(福岡アジア美術館、府中市美術館)
・グループ「幻触」と石子順造 1966-1971 〜時代を先駆けた冒険者たちの記録〜 静岡県立美術館
・山本鼎のすべて 上田市立美術館
・光琳を慕う 中村芳中 千葉市美術館(細見美術館、岡山県立美術館)
・中澤弘光展―知られざる画家の軌跡 三重県立美術館
・フェルディナント・ホドラー展 国立西洋美術館
・江戸文人画の彩り―高久靄厓とその師友― 栃木県立博物館
・矢﨑博信展 幻想の彼方へ 茅野市美術館
・井上洋介展 刈谷市美術館
・ダレン・アーモンド 追考 水戸芸術館


所蔵品を使った展覧会は学芸員の力量、腕のみせどころ。今年も所蔵品を使った素晴らしい展示がありました。特に記憶に残ったものを5つあげます。

・そこに在るということ-歴史・美術にみる存在の印 岡崎市美術博物館
・美術と印刷物 東京国立近代美術館
・生誕100年 浅野弥衛―描線の詩学― 三重県立美術館
・没後50年 野長瀬晩花 和歌山県立近代美術館 
・日本の仮面 能面 創作と写し 東京国立博物館


最後に、美術館、博物館以外の非営利ギャラリー等で記憶に残ったものを5つ。

・アピチャッポン・ウィーラセタクン-PHOTOPHOBIA- 京都芸術大学ギャラリー@ACUA
・かたちの発語展 BankArt Studio NYK
・高橋耕平『史と詩と私と』展 京都芸術センター
・楽園創造 vol.7 八幡亜樹  gallery αM
・無人島にてギャルリ・オーブ 京都造形芸術大学 ギャルリ・オーブ


最後までお読みくださってありがとうございます。それでは、みなさまどうぞ良いお年をお迎えください。
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2013年 常設特集ベスト

続けて2013年常設特集ベストをあげます。
各地の美術館を訪れる楽しみは企画展もですが、常設展示も大きな要素のひとつです。むしろ比重は半々か常設の方が大きいかもしれません。企画展が予想外でがっかりしても常設が素晴らしければそれだけで十分来た甲斐があった!と喜びを得られます。美術館や博物館の建築もまた美術館巡りのお楽しみの一翼を担っていて、近いところでは豊田市美術館、遠方ではミホミュージアムや丸亀の猪熊弦一郎美術館、松濤美術館など建築空間、展示空間そのものも鑑賞を左右することもしばしば。

前置きはこのあたりにして常設特集ベストです。常設特集の場合、図録が作成されるケースは珍しく小冊子程度、下手するとチラシや作品リストだけの場合がほとんどなのが残念。こういう展示こそブログで詳細書いておかないと記憶の彼方に消えてしまいます。

順位は付けず良かったと思うものを。

・出来事(イヴェント)がアートになる時ー特集展示・塩見允枝子と林三従ー 倉敷市立美術館
・塩見允枝子とフルクサス 国立国際美術館
いずれも塩見允枝子とフルクサスの活動を展観していたが、倉敷市美では地元アーティストの林三従と塩見との関係を絡めた展示で個人的には倉敷市美の方が面白かった。林三従さんを本展で知る。1987年より備前アートイヴェントを企画プロデュース。精力的な活動、活躍に深く感銘を受ける。昨年「日本の70年代1968-1982」展でタージマハル旅行団が紹介されていたが彼らのイヴェントにも林さんはパフォーマーとして参加していた。
もっと詳細な資料が観たかったので、鳥影社刊『林三従アート集成』を彼女のアトリエだったホワイト・ノイズ<林三従ミュージアム>に連絡し取り寄せた。次に岡山に行くことがあれば、事前に予約のうえ、林三従ミュージアムを訪れたい。

・再発見! 小林徳三郎 ふくやま美術館 2013年12月21日〜2014年4月6日 前後期一部展示替えあり
能公演で福山市を訪れたので未訪だったふくやま美術館へ初訪。企画展の開催はなかったが、企画展と言って良い小林徳三郎特集が開催されていた。未知の画家であったが、フュウザン会に参加し萬鉄五郎や木村荘八と親交があったというではないか。ドストライクゾーンの展示で嬉々として見入った。広島県美所蔵品と作家の遺族より寄贈された作品で構成され約80点。油彩に水彩、スケッチブックに墨絵まで堪能。良かった良すぎた。なのになぜ2013年ベストにあげなかったのか。
いや入れても良かったかもしれない。木村荘八展と同年にこの展示を拝見できたことに感謝したい。『西瓜』や『金魚を見る子供』、『ダンスホール』は木村荘八とはまた違った構図で油彩に関しては荘八より小林徳三郎の方が私の好みだった。

・下絵を読み解くー竹内栖鳳の下絵と素描 京都市美術館
これは常設特集に該当するかどうかやや疑問だが隣で同時開催されていた竹内栖鳳展とは別に500円で入場できたので常設扱いする。展覧会タイトルの前には京都市美術館開館80周年記念展とあるが一部個人蔵の他はすべて京都市美所蔵品。
1.絵を躍動させる要素:動き
2.巧みな構図づくり:モチーフの集合と分散、余白の活用
3.組み合わせの妙
4.空間の広がり
5.京都画壇と下絵
で栖鳳の下絵の特徴と魅力を展観。圧巻は東本願寺大寝殿の障壁画の試作。下絵で栖鳳がどの線を何度も引き直したかよく分かる。同一モチーフを写生帖で繰り返し繰り返し描く。あの迫真の絵は修練の賜物。企画展のチケットがあれば200円であったこの展示は隣が大盛況であったのになぜか空いていたのは残念でならない。

・信濃橋画廊コレクションを中心に 兵庫県立美術館
兵庫県美の常設展示も毎回のお楽しみ。中で今年は信濃橋画廊コレクションが一挙公開されていたのは記憶に残る。1965年に大阪市西区の地下に開廊し、2010年に閉廊。貸し画廊だったが、画廊独自の企画展も開催し河口龍夫、福岡道雄ら新進気鋭の作家たちの作品発表の場であった。オーナーの山口勝子氏のコレクション583点が同館に寄贈された記念として約160点と同画廊の関連資料を1965年〜2010年まで時系列に紹介。ほとんど知らない作家の作品だったが同画廊の資料は興味深いものがあった。地下スペースが時代とともに壁の仕切りを動かし変化していく。作品形態、展示形態にあわせたリノベであったのだろう。しかしすごい量でしたが常設の小パンフレットひとつとリストしか手元に残っていない。

・都市の無意識 東京国立近代美術館
東近美の常設特集も毎回のお楽しみだが、2013年はこれがベスト。冴え渡るキュレーションで作品を通じ都市の無意識(隠れた構造)をアンダーグラウンド、スカイライン、バランプセストの切り口で鑑賞者に考えさせる。映像『東京もぐら大作戦』が傑作であった。地下の垂直からスカイラインの水平、落書きに見る表層の多層の切り口に都市をどう捉えるのか問われ、受け手の自分の未熟さを大いに痛感。高度成長期の東京、昨年の同館で開催された「実験場 1950s」の続編であるように思った。企画展への展開を期待したい。リーフレットあり。

・謄写版の冒険 卓上印刷器からはじまったアート 和歌山県立近代美術館
プリントごっこで御馴染みの謄写版の歴史を振り返りつつ現代の謄写版を考察する素晴らしい内容。これで常設料金で良いのかと疑う。A4サイズ31頁のカラーパンフレットも無料配布。花王芸術・科学財団の助成を受けて実現。昔懐かしいガリ版や鉄筆にローラーも展示され、隣にいた見知らぬご婦人と「懐かしいですね〜」と思わず会話が弾む。謄写版でしかできない版芸術もある。実用から芸術へ、残って欲しい版技法。ガリ版文化が日本固有の印刷の歴史だったとは本展で初めて知った。

・江戸時代がみた中国絵画 東京国立博物館
東博の特集展示は古美術好きなら欠かさずチェックする展示だと思う。「江戸時代がみた中国絵画」は目から鱗が落ちる内容でとりわけ記憶に残った。展示作品だけでなく付属品もあわせて展示することで中国絵画が日本でどのように受容されていたかを紹介。作品を保管する箱そのものに書かれた箱書きなど拝見する機会はこれまで皆無。本当に珍しいものばかりでこれから場所は取るけど一部でも良いので軸物は箱や付属品と一緒に展示して欲しいと思った。リストのみ。

・わたしたちの90年 1923−2013 2013年6月29日〜9月8日 東京都現代美術館
東京都現代美術館の公式サイトを今確認したところ、現在も同名での常設展示が行われているが、会期が異なっているため展示作品も重複していない。同館の通年企画だが会期によって展示替えされている。
1.震災と戦争
2.変わりゆく東京
3.終わらない戦後
4.遠くて近い場所
以上4部構成。昨今の日本の現況を鑑みると時代は歴史は繰り返すのではないかそんな危惧や不安に苛まれる。終わらない戦後の作品群を観つつデマンドの『制御室』で新たな恐怖を覚えた。リーフあり。


年明け早々に三重県立美術館で福井美術館との連携により福井県美所蔵の岩佐又兵衛が三重県美の蕭白とあわせて常設で紹介される。来年も常設特集の一層の充実を楽しみに待ちたい。

新年の展覧会はじめは名古屋ボストン美術館の北斎展になる予定です。
来年は都市圏以外の展覧会で良かったものはできるだけ記事にできればと思っています。

皆様どうぞ良いお年をお過ごしくださいませ。

2013年私が観た展覧会ベスト

ブログ休止の状態でベストだけあげるのは大変心苦しいですが、1年の振り返りということでご容赦ください。

今年は同い年の女性アートブロガーさんが急逝され、いつも彼女と一緒に展覧会を観るつもりで美術館・博物館・ギャラリーに足を運びました。例年になくダンスやパフォーミングアーツに足を運んだのも彼女の影響が大きく働いたためです。
私のような人付き合いの悪い人間ともおつきあい下さって(恐らく同年齢ということが大きかったのだと思います)、今また彼女を思い出すだけで落涙を禁じえませんが、ただただご冥福を祈りたいと思います。


今年の美術展は常設特集の充実が例年になく顕著でした。ということで、ベストは企画展・特別展・常設特集を含めた美術館・博物館開催のものから20選出しました。観ている数が多いので別途、常設特集・常設展示だけのベストも選出しましたので長くなりますが、ご関心ある方はお読みいただければ幸いです。私の場合、各地の美術館に行く楽しみは常設と言っても過言ではありません。
選出基準は私にとって感動が大きかったもの、影響が大きかった展覧会です。

1位:狩野山楽・山雪展 京都国立博物館
京狩野の展覧会は静岡県美で近年開催されましたが、山楽・山雪のこれだけ大規模な展覧会は史上初。期待に違わぬ内容でチェスタービューティ蔵の絵巻やラストの「雪汀水禽図」は今も忘れられません。山楽の作品数は少なかったですが、山楽があったことで山楽→山雪の流れが理解でき鑑賞する上で役立ちました。

2位:生誕100年 船田玉樹展 広島県立美術館 
練馬区美術館での展覧会が前後期に分かれていたため消化不良で、広島県美に再訪し一挙に全点拝見。日本画家の枠を超えた画業に感服です。

3位:陶家の蒐集と制作Ⅰ 清水六兵衞家 −京の華やぎ− 愛知県陶磁資料館
Twitterにもあげましたが、陶芸はもう観るのやめようと思っていた矢先にがつんと来る内容で再び舞い戻ることに。陶芸は美術と切っても切り離せない関係であることが清水家に残された絵画や下絵の数々を観ているとよく分かります。現代になると器から彫刻へと時代とともに作品も大きく変化。歴史ある陶家の変遷が実に興味深かったです。清水家の蔵に空いた穴から手を突っ込んで陶片を搔き出すなど、担当学芸員の方の熱意が伝わる展示でした。

4位:風が吹けば桶屋が儲かる 東京都現代美術館
昨年、賛否両論話題にあがった現代美術の展覧会。状況、出来事。行為を扱う作家をとりあげた国内では画期的と言える展覧会でした。個々の作品云々よりも展覧会全体を作品として評価したいと思います。

5位:根来展 MIHO MUSEUM
台風さえなければ前半の展示も拝見したかった。これほど根来の魅力を堪能できる機会はもうないと言って良いでしょう。ミホミュージアムだからできる展示状況で「かたちの美、色の美」を絵画や古美術との組み合わせで味わいました。

6位:和様の書 東京国立博物館
豪華絢爛、かなの書よりも料紙や料紙装飾に目を奪われた展覧会。こちらも手鏡勢揃いしかも手鏡全部を広げて観る機会を得られた幸せ。夢のような体験。

7位:夢か、現か、幻か 国立国際美術館
夢と言えば、このコアな映像オンリーの展覧会は外せませんでした。図録も作成されず、展覧会タイトルはそれも踏まえた上で付されたものかと思います。グリモンブレはじめ面白い映像作品が多く、開館と同時に入ってほぼ1日2回通って全部の作品を鑑賞できた映像好きとしては満足ですが、現実と虚構における真実の存在を私自身考察できたかは疑問。ただ、面白く強い印象に残る展覧会であったためランクイン。

8位:江戸の園芸展 江戸東京博物館
過去に太田記念美術館で江戸の園芸ブームをテーマにした浮世絵展があり、てっきりそれと同じような内容だろうとタカをくくって足を運ぶんだのが最終日の3日前。浮世絵展にとどまらず園芸の歴史を展観した実に興味深い内容でした。図録を買って復習しようと思いきや前日に完売!!!今年買い逃してショックだった図録2冊のうちの1冊はこれ。要らない方、ぜひ譲ってください!

9位:工藤哲巳展 国立国際美術館
好き嫌いは別として、工藤哲巳の壮絶な芸術と自己との闘いを垣間みたような気がします。観終わった後、工藤の作品が夢に出そうで怖かったです。とにかく強烈なインパクトで彼が小磯良平に油彩を教わっていたとは信じられない。。。

10位:丹下健三  伝統と創造 ~瀬戸内から世界へ~展 香川県立ミュージアム+香川県庁
丹下健三生誕100年を記念した回顧展。香川県庁内を見学する建築ツアーに参加し丹下の建築を体感した経験は強く残りました。展覧会冒頭にあった幻の建築模型は丹下建築の理念を明確に表現していたと思います。

11位:大竹伸朗展 憶測 高松市美術館
大竹伸朗の絵画をじっくり再考できる素晴らしい内容で、写真や映像で作家の記憶をたどりつつ絵画を見せ、装幀作品へとつながる構成は見事。

12位:ス・ドホ パーフェクトホーム 金沢21世紀美術館
ス・ドホの作品は何度も目にしていましたが、なぜ家を題材にするのか、作家の個人史をたどりつつこれまで観てきた布の作品だけでなく映像や立体作品など多彩な活動を観る事ができ作品理解が深まりました。

13位:コルビジェと20世紀美術 国立西洋美術館
通常の常設スペースがこれほどまでに変貌するとは!常設展を超えた企画展(でも常設料金!)。20世紀美術をコルビジェを中心に展観、コルビジェと同時代の多作家の作品により20世紀美術の歴史を改めて振り返る機会を得ました。

14位:木村荘八展 東京ステーションギャラリー・豊橋市美術博物館
待望の木村荘八展。以前より興味のある画家であり、むしろ14位は自分にとって低すぎるかもしれない。挿絵がとにかく素晴らしく大正を駆け抜けた画業を見ることができました。同時期に読んだ田中淳著『太陽と仁丹』にも木村荘八は登場、翻訳家としても活躍していた才人です。

15位:JEFF WALL PHOTOGRAPHS イアンポッターセンター(メルボルン)
国内の写真展ではグルスキーをはじめクーデルカ、スタイケン、キャパと著名な海外写真家の展覧会が開催されたのも2013年の美術界を振り返る上で欠かせないように思います。反則ですが、年初にオーストラリアで観たジェフ・ウォールが本年度写真展のマイベスト。海外なので控え目に15位にしたものの感動はもっと上のランクです。

16位:美作の美術 岡山県立美術館
気になる鍬形恵斎の作品を一挙に拝見できる好機会。絵画だけでなく仏像・神像、津山神学に関する資料も盛りだくさんで面白かったです。

17位:中世の古文書展 国立歴史民俗博物館
古文書なんて読めないし分からないからつまらない・・・をわずかでも払拭できたような気がする。この展覧会をもっと早く観ていたら・・・と思うことしばし。

18位:出雲阿国展 島根県立美術館
歌舞伎図から風俗画の変遷を展観する内容。狂言方能楽師の方の出雲の阿国に関する講演も興味深く拝聴。島根県美は企画展だけでなく京狩野と盧雪と奈良原一高を同時に拝見できる常設が素晴らしかったです。特に奈良原の写真はかなりの広さの展示室1室を使ってオリジナルプリントを紹介。宍道湖の夕陽も忘れ難い思い出。

19位:練り供養を巡る美術 龍谷ミュージアム
龍谷ミュージアムは毎回充実した企画展を開催。昨年は「絵解きってなぁに」で今年は「練り供養を巡る美術」で驚かせてくれました。被り物の等身大仏像があったとは・・・。展示室すぐ横に映像シアターがある施設も魅力のひとつ。展示内容を観て、実際の練り供養を大型スクリーンでゆっくり座って観られる点が気に入っています。

次点:野中ユリ展 神奈川県立近代美術館鎌倉 
スペインアンフォルメル 国立西洋美術館
野中ユリさん、恥ずかしながら本展開催まで作品を知りませんでした。作品が自分の好みで詩的世界に耽溺したくなります買い逃した図録2冊の残り1冊は野中ユリ展のもの。こちらはまず入手困難だろうな。。。
スペインアンフォルメル展も常設コーナーの一画での企画。作品数は少ないながらも大型作品の展示でスペインアンフォルメル作品を紹介。気持ちの良い空間で2回通いました。

以下順不同
内蔵感覚 金沢21世紀美術館
エル・グレコ展 国立国際美術館
ジョセフ・クーデルカ展 東京国立近代美術館
加納光於展 神奈川県立近代美術館鎌倉
実験工房展 富山県立近代美術館葉山・神奈川県立近代美術館鎌倉
明治十二年明治天皇御下命人物写真帖 宮内庁三の丸尚蔵館
中原浩大展 岡山県立美術館
橋本関雪展 兵庫県立美術館
昭和モダン 昭和モダン絵画と文学1926−1936
円山応挙展 愛知県美術館
夜明けまえ 知ら北海道・東北編 知られざる日本写真開拓史 東京都写真美術館
上海美術館展 東京国立博物館
カイユボット展 ブリヂストン美術館
当麻寺展 奈良国立博物館
大神社展 東京国立博物館
五線譜五線譜に描いた夢─日本近代音楽の150年 東京オペラシティアートギャラリー

・・・きりがないのでこのくらいにしておきます。HRC展は拝見したのですが、2回行くつもりが行けず充分に観終わってないので来年に持ち越しします。
会期終了し巡回なく未見の主要展覧会は横浜美術館の横山大観展、府中市美のかわいい美術、東京都美の福田美蘭展、巡回先の多かったエミール・クラウスとベルギーの印象派、パナソニック汐留のモローとルオー、写美の米田知子展、写真のエステ、世田谷のエドワード・スタイケン、江戸東京の明治のこころ、水戸芸術館の高嶺格展、曽谷朝絵展、原美術館・山種美術館の全展と言ったところでしょうか。

東海地方のベストはTwitterで呟きましたが下記に再掲。
1位:陶家の蒐集と制作Ⅰ 清水六兵衞家 −京の華やぎ− 愛知県陶磁資料館(現:美術館)
次点:円山応挙展-江戸時代絵画 真の実力者- 愛知県美術館 以下同列です。
続き 徳川慶勝-知られざる写真家大名の生涯@徳川美、岸田吟香@豊田市郷土博、ユーモアと飛躍 そこにふれる@岡崎市美博、反重力展@豊田市美、渥美窯 国宝を生んだその美と技@田原市博、富士山の絵画@静岡県美、アジアをつなぐ境界を生きる女たち@三重県美、名古屋市博物館のマジックの時間、奥三河のくらしと花祭り・田楽も良かったです。

次の記事で常設特集ベストをあげます。

2012年 私が観た展覧会ベスト10

2012年は何と言っても、4月1日に名古屋に再び戻ってきたことが私的重大事。
結果的に、東京在勤時のような鑑賞活動は続けることができず、美術館・博物館はまだしもギャラリー訪問数は激減しました。美術館・博物館の訪問数も相当減り、今年は200位(数えていないので正確には不明)ではないでしょうか。
ということで、美術館・博物館の2012年私が観た展覧会ベスト10です。今年はより主観的な選択になりました。
会田誠展、螺旋階段(志賀理恵子)は未見、風が吹けば桶屋が儲かる展は奥村雄樹さんの作品を見ていないので除外、白隠展と練馬区立美術館の船田玉樹展は来年の広島県美開催を観てからと思っているので除外しています。
それでは良いお年をお過ごしください。

1位:大絵金展 極彩の闇 高知県立美術館
大迫力の展示空間は希有な鑑賞体験でした。思わず監視の方に「これレプリカですか?」と伺ってしまった程。絵金の芝居絵が今も高知の土地に根付いていることが嬉しかった。知名度の低い絵師なので、全国区の存在になり更に研究が進むことを願っています。
同時開催のコレクション展「高知の戦後美術と前衛土佐派」も素晴らしく、土佐派を結成し中心人物として活躍した濱口富治は早くから絵金を見出し紹介に尽力。一見つながらないふたつの展示が実はつながっていた。担当学芸員の方のギャラリートークに参加し詳細なお話を伺えたのも有意義で貴重な経験でした。

2位:実験場1950s 東京国立近代美術館
1位にするか迷った本展は考えさせられることの多い挑戦的で刺激的な内容でした。論文集は読み応えあり必読もの。「原爆の図」の展示がなかったこと、図録の内容が不十分なのがマイナスポイント。

3位:GUN―新潟に前衛アバンギャルドがあった頃 新潟県立近代美術館
2012年は戦後の日本美術を追いかけることを意識し展覧会に行っていました。中で、新潟の前衛美術集団「GUN」の結成から終息までを追った本展は共感する所、得るものが多かった。長岡現代美術館の存在を知ったのも大きかったです。

4位:中国近代絵画と日本 京都国立博物館
北京故宮博物院展、中国王朝の至宝など中国関係の企画展が多い1年でした。これまでほぼ紹介されることのなかった中国近代絵画を展観した本展は、中国近代絵画の新たな魅力や西洋美術を日本を通じて摂取し独自の表現を模索した作家の苦悩など得るものが多かった。その後に開催された東博特別展「中国山水画の20世紀 中国美術館名品選」では担当研究員の方のトークでも本展作家は言及され、両展を1年で合わせて観られたのも非常に良かったです。

5位:西村陽平展 愛知県陶磁資料館
昨日アップした「東海4県の美術展を振り返る」に記載した通りなのでここでは省略。

6位:村山知義の宇宙 神奈川県立近代美術館葉山、京都国立近代美術館
かねてより待ち望んでいた企画展。実作品の現存数が少なく、多領域で活動した人物であるが故、全貌を回顧の難しい存在であったが、本展でまとまったかたちで紹介されたことが何より嬉しい。

7位:日本の70年代 1968-1982 埼玉県立近代美術館
「これは美術展ではない」と担当学芸員の方が仰っておられたけれど、日本の70年代の風潮を見事に伝えていました。70年代のデザイン専攻の大学生の部屋はタンスの中まで洋服が入っていて手抜きなくツボ。篠山紀信写真集「晴れた日」を実際に手に取って観ることができたのも忘れがたい。

8位:田中恭吉展 和歌山県立近代美術館
田中恭吉の世界、ただ好きとしか。。。月映えしか知らなかった田中恭吉の全貌と最新の研究成果を堪能させていただきました。

9位:白昼夢ー松本俊夫の世界 町立久万美術館
戦後の日本美術追っかけターゲットのひとつ松本俊夫の全映像作品を紹介した本展。町立の小さな美術館で本展が開催されたことに敬意を表して。Twitterの本展非公式アカウント:@MatsumotoToshio のツイートの内容と量の充実がすごかった。

10位:土屋公雄展 夢のあとに/交差する時間 福井県立美術館
    *所蔵品によるテーマ展:土屋公雄コラボレーション展― 月・MOON ―含む 
福井県立美術館全館を使用して新作、旧作含めて展示した大規模個展。トタン屋根を使用したインスタレーションは土屋氏が生まれ育った福井の町の記憶が凝縮されていて言葉を失いました。時間、記憶をテーマに扱う作家は多いけれど、一貫して「家」に関与した作品を制作されていることが印象に残りました。

次点 都市から郊外へ1930年代の東京 世田谷文学館
   写真家堀野正雄の世界 幻のモダニスト 東京都写真美術館

毎年勝手に決めている美術館賞は今年は三重県立美術館で決まり。イケムラレイコ、蕭白ショック!、型紙展、平櫛田中と三重県での開催に意義ある展覧会の選択により、常設の所蔵作品特集と企画展が見事にタッグを組んで、三重県美で観ようという動機付けを得られました。

海外では、年初のナショナル・ギャラリー開催のダ・ヴィンチ展やテートモダンのリヒター展、どうしても行きたかったドクメンタに初めて行けたのは最高でした。ベルリンは旧東ドイツの痕跡が残る不思議な都市で、それも強く記憶に残っています。
新潟県の水と土の芸術祭は美術館・博物館開催とは異なるためランキングから外しましたが、大友良英 ※飴屋法水たち、原口典之、下道基行ら出品作品はみな水と土、新潟ならではの作品群で非常に良かったです。

以下、2012年で印象に残った展覧会。
☆柏原えつとむ展 私の解体へ 国立国際美術館
☆井田照一の版画展 京都国立近代美術館
☆井田照一 版の思考・間の思索 京都市美術館
☆桑山忠明展 神奈川県立近代美術館葉山
☆小野佐世男 モガ・オン・パレード 川崎市岡本太郎記念美術館

◎三代 山田常山 ―人間国宝、その陶芸と心 出光美術館
◎中西夏之展 DIC川村記念美術館
◎トーマス・デマンド展 東京都現代美術館
◎紅型展 サントリー美術館、松坂屋美術館、大阪市立美術館
◎ボストン美術館展 東京国立博物館、名古屋ボストン美術館

○お伽草紙展 サントリー美術館
○セザンヌとプロヴァンス 国立新美術館
○蕭白ショック! 千葉市美術館 三重県立美術館
○明治・大正時代の日本陶磁 瀬戸市美術館
○北京故宮博物院展 東京国立博物館
○エル・グレコ展 国立国際美術館
○シャルダン展 三菱一号館美術館
○ユベール・ロベール展 国立西洋美術館
○レーピン展 Bunkamura museum
○マックス・エルンスト展 横浜美術館、愛知県美術館
○今和次郎 採集講義 -考現学の今 国立民族学博物館
○平櫛田中展 三重県立美術館
○さわひらき Whirl 神奈川県民ギャラリー
○絵解きってなぁに? 龍谷ミュージアム
○大辻清司フォトアーカイブ 武蔵野美術大学美術館
○小川芋銭展 茨城県立近代美術館
○土偶コスモス Miho museum
○モノミナヒカル展 多摩美術大学博物館
○吉川霊華展 東京国立近代美術館
○肖像画の魅力-歴史(とき)をみつめた眼差し- 茨城県立歴史館
○リアルジャパネスク 国立国際美術館
○与えられた形象 国立新美術館
○写真家 石元泰博 時代を超える静かなまなざし 文化フォーラム春日井

東海4県の美術展を振り返る

毎年年末は30日まで仕事のことが多いのに、今年は28日が仕事納め。おかげで31日までの3日間をのんびりと過ごしている。

昨年の12月31日年間ベストの記事を最後に、ブログを休止。その後、ぽつりぽつりと記事をアップしているものの開店休業状態が続いた。もはやブロガーとは言えない状況であることは認識しつつも、やはり年間ベストだけはあげておきたいと思う。しかし、その前に東海4県の2012年美術展を振り返ってみる。

企画展は他の美術館、博物館に巡回するものと、単独館開催とに2分される。自分がついつい萌えて、燃えてしまうのは後者の単独館開催の方。もちろん、巡回展は規模も大きいし、見応えがある内容のものが多いのだけれど、私は巡回の場合、どこの館で見るかも考えるし、良いと思った展覧会は館を変えて見に行くこともある。

まずは、東海4県単独開催展の私的ベスト。
昨日、Twitterで呟いたが、ベスト3は

1位:彫刻を聞き、土を語らせる西村陽平展 愛知県陶磁資料館
http://www.pref.aichi.jp/touji/002_s_exh/002_2012s_exh_nishimura/002_2012s_exh_nishimura.html
焼成の可能性だけでなく、触覚領域を意識した作品制作。また視覚障害の方への教育成果を「西村陽平が出会ったことどもたち展」で紹介。目を瞑って、触ったあの「ぷにゅぷにゅ」した物体の感覚が今も手に残っている。触覚記憶は、他の知覚領域より脳内保持時間が長く、強いのではないだろうか。
加えて、今年のドクメンタで西村氏の焼成作品を彷彿とさせる作品を展示していた作家がいた。なぜ、この作家が選ばれて西村氏が選ばれないのか、そんなことを会場でふと考えた。

2位:丸木俊展 一宮市三岸節子記念美術館
http://s-migishi.com/tenran/index_2.html
小規模館ながら、企画展は毎年きっちり渋くて濃い内容を実現される美術館。以前から気になっていたがまとめて作品を見る機会のなかった丸木俊展はこちらの期待に見事にこたえてくれた。初期から晩年まで、1点だけど丸木位里と共作の「原爆の図」も展示。絵画だけでなく絵本の仕事も展示室を分けて紹介。まさか、パラオに行っていたとは!驚きの連続。丸木俊はバリバリの左派で、モスクワとパラオに渡り生活、戦中・戦後を生き抜いた人生は圧巻というしかない。どんな環境下であっても画家であることを一時として忘れていない。最後まで見終えた時、ちょっと泣けた。

3位:江戸絵画の楽園 静岡県立美術館
http://www.spmoa.shizuoka.shizuoka.jp/japanese/exhibition/kikaku/2012/04.php
「江戸絵画の楽園」といううすらぼんやりした展覧会タイトルになってしまったが、本来は「江戸絵画のかたち」というタイトルが相応しい内容。実際、企画した学芸員氏は「江戸絵画のかたち」展と冠したかったに違いない。屏風、掛軸、絵巻、版本など日本美術の絵画形式を江戸期の作品に絞って紹介し考察。なぜ、画家はこのかたちを選択したのかを作品を見ながら考えられる。しかも、展示作品は初公開の個人蔵や新出作品のレアもの多数。図録も通常の形式と違って作品解説が図版と同じ頁に掲載され、読み物のように頭からお尻まで丸ごと読めてしまうという素晴らしさ(もちろん、担当学芸員氏の意図的な構成)。静岡県美の江戸絵画展は決して見逃してはならないと改めて再認識した。


次点:南都大安寺と観音さま展 パラミタミュージアム
美術館のサイト構成がイマイチで2012年度の過去企画展にアクセスできずリンクが貼れませんでした。
同館開館10周年企画展、初訪美術館。大安寺とその周辺地域の寺社所蔵の観音だけを集めて紹介。地域独自の観音信仰を追う。懐中電灯貸出ありでじっくり横から斜めから拝見。馬頭とか如意輪観音とか文句なく良かったけど、法隆寺の白鳳仏に影響を受けたと思しき円空作の巨大観音も忘れられない。同時に熊谷守一展も開催されており、ダブルで楽しめた。台風直撃の午前中に行って、近隣の温泉露天風呂に暴風雨の中浸かっていたのも良き思い出。

・魔術/美術ー幻視の技術と内なる異界  愛知県美術館
http://www-art.aac.pref.aichi.jp/exhibition/history/2012_01.html
愛知県美、三重県美、岐阜県美の3館所蔵品を「魔術/美術」をテーマに紹介。図録がコンパクトかつおしゃれで、内容がめっちゃ濃いというレアもの。「マジュビジュ」なる展覧会略称がSNSを跋扈していたのも忘れがたい。

・開館30周年記念所蔵名品展 絢爛豪華 岩佐又兵衛絵巻 MOA美術館
http://www.moaart.or.jp/exhibition.php?id=34
これはもう技も何もない。所蔵品の又兵衛作(伝又兵衛含む)「山中常磐物語」「浄瑠璃物語」「堀江物語」を3期に分けて全巻公開。でも、きっとこの企画はいつかまた開催される筈。図録を制作していただきたいものです。

この他、「原裕治展」 碧南市藤井達吉現代美術館、「自然と幻想の博物誌」&F氏の絵画コレクション 豊橋市美術博物館も良かった。
見逃した展覧会で痛かったのは、岐阜県現代陶芸美術館の「井田照一展  ―土に挑む―」と岐阜県博物館の「飛騨・美濃の信仰と造形 ―古代・中世の遺産―」2つ。前者は多治見市、後者は関市、岐阜県は広い。。。井田昭一展は気づいた時には終了していたが、これが一番見たかった。
愛知県美術館の新たな試みとして、愛知県当時資料館の所蔵品と同館所蔵品を合わせて紹介した「美しき日本の自然」や今年度よりAPMoAプロジェクト「ARCH(アーチ)」も重要。特に後者は、どうしても手薄になりがちな現代作家を学芸員と作家の共同で作る個展形式。ここで力を発揮できるかどうか、作家としても今後の評価につながる貴重なチャンス。鑑賞者はそれをありがたく享受させていただく。個人的には西岳拡貴と奥村雄樹の回が良かった。

私的にどうしても共感できなかったのは名古屋市美術館と豊田市美術館の両館で開催された青木野枝展。新作の「原形質」など今後が楽しみな展開もあったが、作品よりそれを包む建築に目が行くのはなぜだろう。むき出しの名古屋市美術館の展示室が意外に狭いと思ったり、自然光が降り注ぐ豊田市美術館の展示室と思い出すのはなぜか美術館建築。空間を引き出すのが青木野枝さんの作品の特質かとも思ったが、それは的外れだろう。何にせよ、私自身の見る目がないとしか今は言えない。
他にメナード美術館の船越桂展、名古屋市博物館の芭蕉展、岐阜県美術館の象徴派展も独自開催として見応えのある内容だった。ベストに入っていないのは私自身の興味と嗜好の問題。特に船越桂展は客観的に考えれば良かったと思う。

共同開催展は、東海限定でない年間ベストで触れることにする。東海地方のギャラリーや美術館外での展示(例:岡崎ART&JAZZや小牧の常懐荘で開催されたうつせみ展、佐久島アートプランなど)は割愛させていただく。中京大学のCスクエアが来期でクローズするのは名古屋地区の大きな損失。非営利ギャラリーとして草分け的な存在で重要な展覧会の数々を開催していただけに惜しまれる。

2011年 私が観た展覧会ベスト15

いよいよ今年も残すところ5時間を切ろうとしています。
2011年、震災という未曽有という言葉さえ陳腐に感じるような事態が大きくのしかかり、そして現在も事態の収束は見られないという不透明で不安な状況に置かれています。
そんな中でも、展覧会が開催されそれを楽しむことができたということに、ただただ感謝するばかりです。

僭越ながら、以下「2011年私が観た展覧会ベスト15」を挙げます。分母が多いため、10に絞らず15としました。選ぶにあったて、自分に新しい発見や学びがあったこと、もう1度観たい気持ちが強いことを重視しました。

そして、この記事を最後に暫く「あるYoginiの日常」の更新をお休みさせていただくことにしました。
休載期間は決めておりません。再開があるかどうかも分かりませんが、恐らく長い休載となると思います。
これまで拙い文章と内容で画像もない記事であるにも関わらず、読んでいただいた皆さまに心から御礼申し上げます。

それでは、皆さま良いお年をお迎えください。そして、来年が実り多き1年となりますように!

<2011年 私が観た展覧会ベスト15>

第1位 「ジャクソン・ポロック展」 愛知県美術館
日本初のポロック回顧展。初期から晩年の作品までポロックの画業を知る上で重要な作品を集めている。これだけの作品を集めた展覧会は今後難しいのではないかと思う。また、個人的にも関心の薄かったアメリカ抽象表現主義作家やそれ以後の作家について考える機会を与えてくれ、視野を広げることとなった。

第2位 「五百羅漢 増上寺秘蔵の仏画 幕末の絵師 狩野一信」 江戸東京博物館
ポロック展を観るまでは、本展のベスト1は揺るがないものと思っていた。空前絶後、100幅全部を一堂に会した展覧会。しかも、会期が震災とぶつかり、開催延期となり一時開催も危ぶまれたが、無事拝見できて本当に良かった。
成田山の巨大掛軸共々圧巻の内容。今後、益々狩野一信研究が進むことを願っている。

第3位 「菊畑茂久馬 戦後/絵画」 福岡市美術館・長崎県美術館 共催
本日、漸く感想記事をアップ。初期から現在の新作まで菊畑の戦後の活動を余すところなく展観。あまりにも知らないことばかりで、驚きの連続。新作タブロー≪春風≫と初期作品が頭の中でなかなか結びつかないが、それが面白い。

第4位 「黄檗―OBAKU 京都宇治・萬福寺の名宝と禅の新風」 九州国立博物館
今年は九州新幹線が開通し、九州各地で充実した内容の展覧会が頻出した。九博のみの特別展であった本展は、会期中毎日黄檗宗寺院の僧侶が展示会場内で読経をささげ、地元も一致協力していることが伝わってきた。
巨大な仏像、隠元豆の歴史、木魚の秘密などなど、黄檗宗寺院独自の文化を垣間見ることができる素晴らしい内容。
なお、黄檗宗関係の展覧会が日本橋高島屋で1月16日まで開催されているので、足を運びたい。

第5位 「木村武山の芸術」 茨城県天心記念五浦美術館
こちらも、過去最大級の日本画家:木村武山の回顧展。木村武山は、これまであまり大規模な展覧会が行われていないので過去最大級というより史上初に近い。元々、武山の華麗な日本画や優しく華やかな仏画に注目していたので、漸くまとめて拝見する機会となった。会場は、震災の被害により休館し館の復旧にあたっていた茨城県天心記念五浦美術館で、再開記念に相応しい内容だった。また、図録のお値段はお値打ちなのに内容がとても濃いというコスパの良さは嬉しかった。

第6位 畠山直哉展 「Natural Stories ナチュラル・ストーリーズ」 東京都写真美術館
今年は、名古屋市美の東松照明、国立国際の森山大道など大規模な写真展も各地で開催されたが、やはり畠山直哉のこの展覧会は強く心に残った。自然と人間の営為、そしてはっとするような美しい構図の写真が続く。最後のブラスト連写と横にあった「Bird」シリーズ、そして間にあった震災前後の写真とスライド。私たちが何をすべきかを強く考えさせられた。

第7位 「ジム・ダイン展」 名古屋ボストン美術館
版画の多様性を教えてくれたのが、このジム・ダイン展であった。同時期に愛知県内ではレンブラント展(名古屋市美)、棟方志功展(愛知県美)と奇しくも版画に関する展覧会が3つ揃うという稀な状況が発生していた。中で、一番未知なる経験だったのが本展で、初期から最新作まで網羅。版画でなければできないこと、版画の魅力を改めて見せてくれた。

第8位 「小川待子 生まれたての<うつわ>」&「新・陶宣言」 豊田市美術館
こちらも、現代陶芸を陶芸、工芸という狭い枠から空間に働きかける一つの手段としての扱いで、陶彫の魅力を伝えてくれる内容だった。谷口吉生の建築と小川の組み合わせは秀逸で、陶表現を使った空間インスタレーションだった。同時開催の常設企画「新・陶宣言」もまた、この延長上にある内容で海外、国内の作家で陶表現に取り組んでいる作家をピックアップしての展観。企画と常設がピタリとはまった好企画。また、高橋節郎館の「朱と金と黒の美術」も同様に工芸でなく近現代美術の版画、オブジェ、彫刻などと一緒に展示することで、漆表現の魅力の再考を促すものだったことも忘れ難い。

第9位 「日本画の前衛」 東京国立近代美術館
1938年から1949年第二次世界大戦前後に行われていた日本画の前衛運動を紹介。こんな日本画家たちがいたのか!という驚きの連続。特に、山崎隆が戦場を描いた作品≪戦地の印象≫シリーズにノックアウトされた。

第10位 「メタボリズムの未来都市展」 森美術館
過去に観て来た建築展の中でも最大級のボリューム。合わせて各種講演会、シンポジウム、映像上映会など盛りだくさんの
イベントで展示に留まらず広く関係各位の話を聴いたり、記録する貴重な機会だった。また、本展の開催がなければ「メタボリズム」という建築運動さえ知らずに終わっていた。

第11位 「瑛九展」 埼玉県立近代美術館、うらわ美術館
同一会場だった宮崎県美で拝見していたら10位以内であったかもしれない回顧展。テーマを決めて章単位で構成。エスペラン語の使用、評論活動、そして有名なフォトコラージュ、そして晩年のほとばしるような絵画の大作。知られざる瑛九が次々と明らかにされ、特に絵画のコーナーはうらわ、埼玉近美各館展示作品をまとめて一度に拝見したかった。

第12位 「南蛮美術の光と影 泰西王侯騎馬図屏風の謎」展 サントリー美術館 
サントリー美術館と神戸市立博物館各館所蔵の泰西王侯騎馬図屏風が横並びで一緒に展示された貴重な機会。顔料などの成分分析、X線照射など化学的検証結果とそれについての見解を発表。南蛮美術と言えば、「BIOMBO」展の印象が強いが、本展では屏風に限らず広く南蛮美術についてを展観していた。未見作品が多数あった。

第13位 「ゼロ年代のベルリン ―わたしたちに許された特別な場所の現在」 東京都現代美術
展覧会初日に行ったので、すべての作品をまだ見ていないが、ベルリン在住のアーティスト作品を映像中心に紹介。マティアス・ヴェルムカ&ミーシャ・ラインカウフ、サイモン・フジワラなどの作品がとても良かった。また彼らのプレゼンを聴くことで作品理解が深まり、水戸芸で消化不良だったマティアス&ミーシャの映像の意図がやっと理解できたのも嬉しい。アンリ・サラの映像もあり、映像は特に充実。映像以外の作品のインパクトにやや欠けるのが残念だった。年明けに再訪したい。

第14位 「瀧口修造とマルセル・デュシャン」 千葉市美術館
瀧口修造とマルセル・デュシャンの交流をテーマに両者の作品を300点以上で展観する質量ともに充実した展覧会。
両者の作品はあちこちで見かけるが、2人に交流があったこと、また瀧口を巡る作家たちなど知らないことがまだまだ沢山あって面白かった。こちらも常設の実験工房作品と合わせて連続して楽しめる好企画。

第15位 「春草晩年の探求」 飯田市美術博物館
長野県信濃美術館「「菱田春草展-新たなる日本画への挑戦」ともに春草没後100年を記念する回顧展。飯田市美術博物館は春草晩年の作品と琳派作品の関係を焦点に据え、単なる回顧展に留まらない研究成果を見せていた。

ブログ「弐代目・青い日記帳」さんの企画クォーターごとのベスト3で挙げたもの。
第1Q ベスト3
日本画の前衛、シュルレアリスム展、佐藤忠良展

第2Q ベスト3
黄檗@九博、五百羅漢@江戸博、ジム・ダイン@名古屋ボストン美術館

第3Q ベスト3
菊畑茂久馬展@福岡市美&長崎県美、 百獣の楽園@京博、 高島野十郎@石橋、ベストサマーコレクション展@セゾン現美、春草晩年の探求@飯田市美博、ベルリン@都現美。次点:棟方志功@愛知県美、橋口五葉@千葉市美、民都大阪の建築力@大阪歴博、フェルメールのラブレター展

第4Q ベスト3
ポロック展@愛知県美、小川待子/生まれたての<うつわ>@豊田市美、木村武山の芸術@茨木県天心記念五浦美術館 

上記に挙げているもの以外で良かったのは、シュルレアリスム展:国立新美術館、「天竺」奈良国立博物館、村山槐多の全貌:岡崎市美術博物館。
現時点で未見なのは、ベン・シャーン展、シャルロット・ペリアン展、「建築、アートがつくりだす新しい環境―これからの“感じ”」展といったところです。 

私的に決めている2011年度美術館賞は千葉市美術館、次点に岡崎市美術博物館を挙げたいと思います。
千葉市美術館は1年を通してヒット展覧会を連発、その充実した内容は他の追随を許しません。更に年会費2000円!で企画展は何度でも無料、図録は10%引きと内容共々充実しています。これなら、多少遠くても通いたくなります。
千葉市美術館友の会詳細はこちら

また、展覧会につきものの図録ですが、今年はよりサイズのコンパクト化が進んでいるように感じました。
「ぬぐ絵画」展(東近美)、「瀧口修造とマルセル・デュシャン」(千葉市美)、「村山槐多の全貌」(岡崎市美博)、「画像進化論」(栃木県美)などの図録がB5版以下です。図録を保存するスペースに限りもあるため小サイズ化は嬉しい半面、図版が小さくなるのは仕方のない所なのでしょうか。

今年も初訪問した美術館は沢山ありましたが、中でも毛利博物館、山口情報芸術センター(YCAM)、島根県立石見美術館は印象深かったです。特に、YCAMではほぼ1日映画<ファロッキ特集>を観て、学芸員の方によるレクチャーまで拝聴し、展示を観てと楽しめ建築だけでなく楽しむことができました。九州の石橋美術館も高島野十郎展ともども記憶に残っています。

来年は東北地方の美術館と九州の未訪美術館を訪ねられたらと思っています。

長々とお付き合いくださいまして、本当に有難うございました。

今週訪れた五浦、六角堂があった海です。

六角堂

2011年 私が観たギャラリー展示 ベスト10

2011年私が観たギャラリーベスト10、甚だ僭越ではありますが考えてみました。
しかし、今年はかつてない程10に絞り込み、その上順位を付けるのが難しく、明日考えたらまた変わっているかもしれない、その程度に考えていただけたらと思います。今年は、関西方面のコマーシャルギャラリー以外でのスペースでの展示がどれもこれも素晴らしく、関西は美術館外のフィールドが活性化している印象を強く持ちました。

第1位 笹本晃 「Strange Attractors」 TAKE NINAGAWA
会期は、2010年12月からであったが、私が観たのは会期末ぎりぎりの2011年1月。昨年のギャラリーベストにも無論入っていないが、彼女のパフォーマンスはこの1年常に私の頭から消えることはなかった。その位、衝撃が強かった。
笹本自身が手がけたインスタレーション空間と用意された物たちを使いながらのパフォーマンス。言語と視覚刺激、そして数式とめまぐるしく展開する話法にとにかく翻弄。また、鑑賞者が何度か場所を移動させられるのも、「聞いてる!?」と発破かけられるのも新鮮。この作品しか知らないので、他の作品を観て彼女のパフォーマンスについてはもっと考えてみたい。

第2位 アンリ・サラ Kaikai Kiki Gallery
3つの映像とオルゴールやドラムといった作品を使っての映像インスタレーション。大阪の国立国際美術館の展示より、狭い空間ではあるが、まとまっていて完成度は非常に高かった。また映像それぞれが共鳴し、オルゴールとドラムが効果的に使われ、統一感が素晴らしい。最新作の映像(東京のみ)は、詩情あふれ、オルガンの音色は映像とともに琴線に触れた。

第3位 森淳一 「trinitite」(トリニタイト) ミヅマアートギャラリー
森淳一初のミヅマでの個展。何と言っても一木造の彫刻「trinitite」をメインに据えて、写真、ペインティングと新たな試みを加え、長崎原爆、トリニティー実験を回顧する手法は見事としか言いようがない。メイン展示室の空間を1点で見事にかえた。

第4位 フィオナ・タン “Rise and Fall” and New Works  WAKO WORKS OF ART
フィオナ・タンの“Rise and Fall”が素晴らしすぎて、水を媒介として時間や記憶、日常といったものを考えさせられる。女性であることを改めて強く意識させられた。彼女の朗読する詩の新作もまた良かった。

第5位 梅田哲也 「はじめは動いていた」 ART ZONE(京都三条)
梅田哲也展「小さなものが大きくみえる」 新・福寿荘、梅田哲也展「大きなことを小さくみせる」 神戸アートビレッジセンター

今年、関西で大活躍の梅田哲也。合計3本の個展をそれぞれ全て違う趣向で見せる。場所に依拠する所が大きいが、毎回新たな発見と展開を創出する姿勢が素晴らしい。

以下順位付けなし。知らなかった作家さんを中心に選択しています。

・鎌田友介個展「After the Destruction」 児玉画廊京都
フレームを使って構造体から巨大な構造体へ再構築する。完成したものは、破壊の痕跡か。空間支配力の強さを評価した。

・釘宮由衣 「Cat and Bird Paintings」 タカ・イシイギャラリー京都
海外拠点の若手作家。ペインティング、ドローイング、そしてアニメーションと絶妙な色遣いと構成で、個人的に強く惹かれた作家だった。

・「成層圏 vol.2 増山士郎」 ギャラリーαM
日本人であることのマイノリティや国境を意識させられる映像やインスタレーションで見事に展開。

・林勇気 「あること BEING/SOMETHING」 兵庫県立美術館ギャラリー棟 アトリエ1
アトリエ1の水洗い場などを上手く使って、新作・旧作映像作品を一堂に展示。新作は今後の展開が更に楽しみ。観ていて心地よくなるのが彼の作品の特徴。

・伊東宣明 個展 「預言者」 京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
こちらも衝撃的な作品で忘れがたい印象が残る。頭上から降り注いだ、高笑いが今でも耳に残るのと画面の手のアップ。この2つの組み合わせが脳に直撃した。

次に、ギャラリーでの展示の枠にははまらない、もしくはジャンルがかなり違うため、同列でランキングできなかった展示をあげておく。これら3つは私個人のベスト5に間違いなく入る内容だったことを付け加えたい。

番外1:アイチ・ジーン 豊田市美術館喜楽亭、館内レストラン他
ここでは、山田純嗣のレストランでの立体インスタレーションと大作≪BOAT IN FOREST≫が抜群だった。更に、豊田市美術館敷地内の茶室:又日亭を使った展示では、山田の作品と城戸保の写真が同空間で見事に調和し、静かで情緒ある空間を作り上げていた。本来ベスト5に入れたい内容であったが、ギャラリー展示という枠にははまらないため、番外とした。

番外2:潮江宏三教授退任記念展「銅版画師ウィリアム・ブレイク」 京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
コンテンポラリーばかりの中、本展はギャラリーでなく美術館で開催した方が良いような高いクォリティ。詳細な解説は宝物として保存するけれど、貴重な作品群の公開だったので是非とも図録の作成をお願いしたい。

番外3:奥村雄樹「「ジュン・ヤン 忘却と記憶についての短いレクチャー」 東京藝術大学博士審査展東京藝術大学絵画棟
最終的に完成したものは映像作品であるが、その前段階のレクチャーから考えるとプロジェクトとして評価したい。もちろん完成作は多様な方向性から考えることのできる極めて強度ある内容であった。

また、興味深い試みとして浅草寺境内に出現した「油絵茶屋再現」も記憶に残る展示だった。小沢剛+東京藝大油画科のメンバーによる油絵茶屋再現実行委員によるプロジェクトで日本における近代絵画史の裏を考えさせる興味深い試み。木下直之著「「美術という見世物―油絵茶屋の時代」を読み、色々と考えさせるきっかけを与えてくれたことに感謝したい。

この他、ベストを考える上で印象に残ったギャラリー展です。
・安部典子“TIME LAG”-Linear-Actions Cuttin Project2011 スカイ・ザ・バスハウス
・今村遼佑「ながめるとみつめるのあいだ」展vol.02 studio90・資生堂Art Egg 今村遼佑展
・内海聖史 「シンプルなゲーム」 void+、「さくらのなかりせば」 ギャラリエANDO
・加納俊輔・高橋耕平展「パズルと反芻」 Social Kitchen、 LABORATORY、Division
・釘宮由衣 「Cat and Bird Paintings」 タカ・イシイギャラリー京都
・児玉靖枝展 「深韻 2011 -わたつみ-」 MEM東京
・小林史子 「Mistletoe」 INAXギャラリー2
・「中平卓馬 キリカエ」 SIX
・西澤諭志展「ドキュメンタリーのハードコア」 サナギ・ファインアーツ
・平川祐樹 「微かな予兆」 STANDING PINE-cube
・福居伸宏 「アンダーカレント」 TKGエディションズ京都
・「成層圏 vol.5 風景の再起動 宮永亮」 ギャラリーαM
・八木良太 「高次からの眺め」 無人島プロダクション
・和田みつひと展 Ma2ギャラリー
・「ニューアート展NEXT 2011 Sparkling Days」 横浜市民ギャラリー

2010年 私が観たパフォーマンス・演劇・映像

新年あけまして、おめでとうございます。
ここらで、今年の干支「兎」を登場させたい所ですが、まだ昨年の振り返りを終えていないため、きっちり最後まで振り返って、新しい年に向かいたいと思います。

2010年、私が演劇らしきものに興味を持ち始めたきっかけは、やはりtwitterでの呟きを見つけたことから始まった。
「赤い靴クロニクル、面白そうだな。」だっただろうか、そんな呟きだったと記憶している。
リンク先を辿って、赤い靴クロニクルのサイトを見つけた。
何か分からないけれど、黄金町を舞台に参加型の参加者自体が演技者になるという演劇作品のようだった。
演出は高山明。これまで演劇に関心がない私はその名前を勿論知らなかった。

予約して参加してみたところ、かつてない衝撃的体験であった。黄金町がかつてどんな町であったかを知らないという怖いもの知らず的な勢いがあったことは間違いない。
この体験を言葉で表現するのは難しい。
町の歴史、社会史、思想史、そしてオリエンテーリング的な誘導。
舞台は劇場から町へと移っていた。
これが、演劇なのか。
その後、高山氏の参加するトークに数回参加して、桂英史、五十嵐太郎、川俣正さんらを相手の対談も実に興味深かった。

次に、名古屋のパルルで開催されたパフォーマンスに参加する。
これは、春に豊田市の喜楽亭で開催された「あいちアートの森」に出展されていた梅田哲也さんが目当てだった。彼の喜楽亭の展示は素晴らしかった。古い和室をうまく活かして、音や気配を伝える展示。
ギャラリーではないので、ベスト10には入れなかったが、「あいちアートの森」は喜楽亭だけでなく、山田純嗣さんの名古屋インドアテニスクラブの展示も良かった。

話を戻す。この梅田哲也とコンタクト・ゴンゾのライブパフォーマンス。
何やら分からないが参加してみた所、これまた衝撃的な凄さだった。まさに生もの。
コンタクトゴンゾは肉体をぶつけ合い、どつき合い、一つ間違えたら喧嘩してるようにしか見えないのであるが、これもパフォーマンスという。
梅田さんも巻き込まれるのだが、彼は自分の役割をきっちり果たした。
電熱線、風船、電球、いつものように日常にあるものを使って理科の実験のような仕掛けを次々とあっという間に作り上げる。魔法使いのようだった。
その後、京都でも梅田さんのパフォーマンスを拝見したが、名古屋パルルの方が良かった。

更に、2010年は地元愛知県であいちトリエンナーレが開催され、これが演劇や映像、パフォーミングアーツに力を注いだ内容で世界中からアーティストが来名し、パフォーマンスを行った。
私は平田オリザ演出のロボット演劇と山川冬樹のパフォーマンスを拝見した。
いずれも、未知の世界を知ってしまった感動に溢れたが、特に素晴らしかったのは山川冬樹のパフォーマンス。詳細は過去ログをご参照いただきたい。

その後、京都で高山明演出「個室都市京都」を体験。オプショナルツアーに参加したが、これは参加して正解だった。
京都駅を舞台に、私の知らない京都の見方を学び体験できた。

次に来る11月、今度はフェスティバルトーキョー(略してF/T)が始まった。
私は、赤い靴クロニクルでお馴染みの高山明演出の「完全避難マニュアル東京版」と飴屋法水「わたしのすがた」そして、最終的にこれまたtwitter上で強くお薦めされた「HIROSHIMAーHAPCHEON」マレビトの会(演出:松田正隆)これまた、いずれもかつて体験したことのない演劇(と言ってよいものもそうでないものもある)であった。
もはや、演劇か美術かなどというジャンル分けなど不要だと、強く思っている。
これらのいずれもが美術館主導で行われてもまるで違和感はない。
既に舞台は劇場から離れ、町中に移動しつつあるのだ。

次に建築。
建築は、やはり展覧会でなく現物、すなわち建築物そのものを見学したい。
今年はそんな中、茅野市まで出かけ、藤森照信設計の高過庵と神長官守谷史料館を見ることができた。
やはり画像や作品集で見るのとは違う。テクスチャー、体中で建築を体験できる喜び。
加えて、ニキ美術館、そして憧れの吉村順三の遺作である天一美術館を訪問。
天一美術館は吉村順三の精神が、随所に発揮された上品かつ寸分の狂いも隙もない美しい空間だった。

そして、展覧会にもギャラリーのベストにも入れなかったけれど、2010年に一番感動したのは豊島美術館。
ここでは、展覧会を開催している訳ではない。常に内藤礼の作品と豊島美術館という西沢立衛設計の建築が待っているだけだ。
しかし、訪れるたびに一度として同じ体験を体感をすることはないと思う。
季節によって、天気によって、訪れる時間帯によっても作品の見え方、現れ方は変化する。
最初に入った時の震えるような感動はこの先も当分忘れることはできないだろう。

2010年のマイベスト体験は豊島美術館だった。
次回は、海外編です。もうしばらく2010年プレイバックにお付き合いください。

2010年 私が観た展覧会ベスト15

いよいよ、今年も残すところ後4時間を切りました。
この段階で、この記事を今日中にあげることができるのか甚だ不安な状況です。
前置き抜きで、早速本題に入りますが、今年私が観た展覧会の分母は分かりません。同じブロガーの遊行七恵さんが400とおっしゃっていましたが、ギャラリーを除いて美術館・博物館だけであれば恐らく私も同程度だと思います。
あと、今年は海外、台北に2回、ソウルに1回行きましたがこのベスト15は国内で開催された展覧会に絞ります。
また、トリエンナーレや芸術祭も除きました。純粋に、美術館・博物館で開催された展覧会から選びました。
選定基準は、ギャラリー編の基準にひとつ加えて次の3つです。
(1)強く感動したこと
(2)展示構成、内容が優れているか
(3)その後の自分への影響度

第1位 「ウィリアム・ケントリッジ 歩きながら歴史を考える」 東京国立近代美術館・広島市現代美術館
今年は、東近美のケントリッジで始まり、パフォーマンスを見るため初めての広島遠征。そしてケントリッジが京都賞を受賞したことから、ワークショップまで参加した。
彼のドローイングの力強さ、そして昔ながらの手法でのアニメーション、加えて使用されている音楽との組み合わせは素晴らしいものがある。また、錯視オブスキュラを利用した作品も非常に興味深い。古い手法を遣いつつ最新の表現を生み出す稀有なアーティスト。
京都でのパフォーマンスは知らないが、広島でのパフォーマンスはとても良かった。

第2位 「因幡画壇の鬼才 楊谷と元旦」 鳥取県立博物館
こんな展覧会は、もう2度とお目にかかれないのではなかろうか。楊谷と元旦という因幡で活躍した江戸時代の2人の絵師にスポットを当てた展覧会。単に作品を並べて見せるだけでなく、お寺の障壁画の再現を試み、空間で作品を味わわせてくれたことにより、一層その素晴らしさを堪能することができた。
希少性、内容、作品数、いずれにおいても今年のダントツトップ。しかも県レベルの博物館単独開催であることも非常に重要。素晴らしい博物館だと思う。

第3位 「橋本平八と北園克衛」 三重県立美術館
木彫家の中でも、橋本平八の作品が以前から大好きで、回顧展が開かれないかと思っていたら、何と今年開催されることになった。弟の北園克衛のことは知らなかったが、展示を観て行くな方で、マヴォに参加していたり、過去に北園の仕事にも触れていることが分かって、またグラフィックアート、写真、詩人としての多彩な活動に驚いた。三重県立美術館での展示では、兄弟の交流に焦点を当てた展示を行っていたのだが、その後巡回した世田谷美術館では、両者のコーナーはほぼきっちり分かれていて、兄弟の関係性は見えてこなかった。展示方法は、断然三重県立美術館の方が良かった。それにしても、橋本平八の木彫がこれだけの数まとめて拝見できたのは本当に嬉しい。特に、≪石に就て≫(木彫で石を表現した作品)には力と神聖さが宿っていた。まさに目に見えない精神性を彫刻化したのだと思った。「図録も素晴らしい出来栄え。

第4位 「Tsu Family Land 浅田政志写真展」 三重県立美術館
思えば、この展覧会も私が写真芸術にはまっていくきっかけだったように思う。浅田の写真は、写真集で見てもあまり面白いとは感じない。しかし、この展覧会は違った。抜群に良かった。
写真を使って浅田家の人々の歴史とつながり、そして家族の大切さ、絆を教えてくれた。
また、展示方法も素晴らしく、単純に写真を並べるではなく、常に遊び「Family Land」だから、遊園地感覚で写真を見る様々な工夫が凝らされていた。
浅田家の皆さんへの作文コーナーや三重県の物産を集めたお土産コーナー、仮装して写真を撮れる記念写真コーナーなど、全館あげて展覧会を盛り上げていた。ボランティアの皆さんとの二人三脚での成果。

第5位 「パラモデルの世界はプラモデル」 西宮市大谷記念美術館
これは、今年観た現代美術の中で抜群に楽しかった。美術館全体がパラモデルの世界観で一色、担当学芸員さんまで作品の一部に取り込んでしまうあたりも凄かった。映像、立体、平面、様々なメディウムを使用して展覧会を作り上げる力量は並大抵ではない。解体するのが勿体ないと思った。もう少し長く展示して欲しかった。

第6位 「マネとモダンパリ」 三菱一号館美術館
実は、マネを苦手としていた私が、一気にこの展覧会を観てマネに興味を持ち、むしろ好きになってしまったという展示構成、作品ともに非常に良かった。現在単独で持って来られるだけ持って来て、マネの素晴らしさを教ええてくれた。

第7位 「オラファー・エリアソン あなたが出会うとき」金沢21世紀美術館
原美術館で開催された個展以来のオラファー・エリアソンの日本国内の個展。元々、彼が金沢21世紀美術館の建物に惚れ込んで実現されることとなった。
しかし、楽しませてくれました。まさに光を操るアーティスト。J.タレルも素晴らしいけれど、エリアソンはやはり凄かった。会場が広い分作品数も多く、原美術館での個展を上回る規模。大満足。図録も本人が凝りに凝ったカッティングの美しいもの。

第8位 「田中一村 新たなる全貌」 千葉市美術館
田中一村もこれまで埋もれていた画家。この非凡なる才能を奄美大島への調査も含め、書簡、写真、様々な資料と共に画業を追う回顧展。文人画から最後の奄美大島での≪不喰芋と蘇鐵≫などの作品を観た時、思わず泣きそうになった。

第9位 「フランク・ブラングイン展」 国立西洋美術館
こちらも未知の西洋画家。松方と幻の美術館建築を志した画家。しかし、そんなことより私は彼の作品に惚れた。
今でも西洋美術館の常設でブラングインの≪しけの日≫1889年を観る度にこの展覧会を思い出す。明るい原色を使用した≪りんご搾り≫も忘れ難いが、彼の版画作品もとても好きで、めったに買わないボストカードも購入。

第10位 「小谷元彦 幽体の知覚」 森美術館
小谷元彦の集大成、そして、彼が今やろうとしていること、やろうとしてきたことの全てが明確になった。
特に日本の近代彫刻に対して懐疑しつつ、前述の橋本平八の≪石に就いて≫を念頭に置きつつ新しい作品表現を目指していた彫刻群の部屋は圧巻だった。黒と白、展示構成も本人が考え抜いたのだろう、メリハリが効いていて非常に良かった。橋本平八の展覧会や平櫛田中美術館を訪問した年に、小谷の個展を拝見できたのは非常にラッキーだったと思う。

第11位 「没後100年 長谷川等伯」展 東京国立博物館・京都国立博物館

大好きな等伯の回顧展。もう待ちに待ったとはこのこと。初期の仏画から晩年の作品まで余すところなく見せてくれました。東博、京博で若干展示作品が異なっていたので、この展覧会は3回行っている。

第12位 「天狗推参」 神奈川県立歴史博物館
この博物館の企画展は侮れない。数年前に開催されて今でも図録を探し求めているのに一向に見つからない「ハマヤキ故郷へ帰る 横浜・東京-明治の輸出陶磁器」に匹敵するいやそれを超える面白い内容だった。
大体、天狗についてこれまで深く考えたことはなかったが、その来歴、如何にして信仰の対象となっていたかの遍歴を豊富な資料で、しかも分かりやすく丁寧に解説。これで図録が1200円(だったと思う)はお得すぎる。

第13位 「話の話 ロシア・アニメーションの巨匠 ノルシュテイン&ヤールブソワ」 神奈川県立近代美術館葉山
この展覧会の前に、刈谷市美術館で開催された「カレル・ゼマン展」も私に与えた影響は多大だったが、このノルシュテイン&ヤールブソワのロシアアニメの巨匠の展覧会は衝撃的だった。
おかげで、以前はそれ程関心のなかった短編アニメーションに大変な興味を抱くことになり、この後、「アニメーションフェスティバル」や「和田淳と世界のアニメーション」とレイトショー通いを続けたのもこの展覧会の影響によるもの。しかし、ノルシュテイン&ヤールブソワのアニメーションは実に素晴らしい。足利市立美術館に巡回中なので、未見の方は是非。

第14位 「岡山・美の回廊」 岡山県立美術館
岡山県立美術館の総力を挙げての展覧会。仏像(これがまた名品揃い)、雪舟、良寛、宮本武蔵、浦上玉堂に加え、正阿弥正悦の金工に、現代美術に至るまで岡山の底力を見せつけた。

第15位 名古屋のアートトライアングル
名古屋城天守閣の「武家と玄関 虎の美術」徳川美術館「尾張徳川家の名宝」名古屋市博物館「変革のとき 桃山」とこちらは、名古屋の3つの美術館、博物館が総力を合わせてお宝を見せてくれた。


・「写真家中山岩太 私は美しいものが好きだ」 兵庫県立美術館

東京都写真美術館からの巡回展だが、規模がまるで違った。もう別ものと考えた方がよいくらい内容が充実していた。安井仲治を知ったのもこの展覧会がきっかけ。ベスト15入りさせたかった。

・「平明・静謐・孤高-長谷川潾二郎展」平塚市美術館

これも未知の画家を世に広めた素晴らしい展覧会だった。画文集をまだ入手していないのでじっくり彼の文章と共に味わいたい。

・「大沢昌助と父三之助展」 練馬区立美術館
年末に、こんな素敵な展覧会に出会えたことを
感謝したい。建築と水彩、紙映画と見る物すべて新鮮だった。
お孫さんが中心になって、紙映画の上映をされていたのも好印象。

・「美しき挑発レンピッカ展」Bunkamura Museum
タマラ・ド・レンピッカの美しさ、女の美への執着と業を作品から教えてくれた。

・「都築響一と巡るHEAVEN 社会の窓から見たニッポン」 広島市立現代美術館
いやぁ、知らないものを知るって大切だなとつくづく感じた。気合いの入った展示内容で巡回しないのが勿体ない内容。これもベスト入りさせたかった。

・「ミュトス」 入善町発電所美術館
真夏に相応しい、大洪水。視覚体験のみならず、全身体験だった。

・「前衛下着道 鴨居羊子とその時代」川崎市岡本太郎美術館
これも貴重な内容の展示だった。鴨居羊子の絵画作品他、私は細江英公さんの写真に、唐ゼミの舞台装置。時代と雰囲気が綯い交ぜになった良い展覧会だった。今年は弟の鴨居玲の回顧展もそごう美術館で開催された。(1/1追記)


次に美術館・博物館・ギャラリー以外で観たベスト10を別記事にします。続く。

2010年 私が観たギャラリー展示 ベスト10

2010年の振り返り第一弾、私が観た展示ベスト10ギャラリー編から。美術館・博物館編は別記事を続けてUPしますので、お付き合いいただければ幸いです。
選定基準は、強く感動した、自分の美術鑑賞に影響を与えた以上の2点。

第1位    田口行弘    複合回路 接触領域 第一回   ギャラリーαM
迷いなく今年の第1位はこの個展だった。一体会期中に何度ギャラリーに足を運んだことか。関連イベントも会期前の洞窟見学以外は参加した。行くたびに、展示内容が変化し、それを写真撮影し、コマドリアニメよろしく映像化して同時並行で見せる手法。
最初は活き活きとしていたお花が枯れて行く様、その影が実はドローイングだったり。会場の日々のデッサンも奥の展示室に貼られていいてそれを見るのも楽しかった。
田口行弘は11/27~12/11まで大阪のPINEBROOKLYNにて、この5年間を振り返るドキュメント展示を開催し、こちらも素晴らしかった。
来年は森美術館で次回のMAM PROJECTに登場。無人島プロダクションでの個展も控えている。
ベルリンを拠点として海外での活動が中心になっているが、ぜひ来年も国内で素晴らしい作品を見せていただきたい。
過去ログ:http://memeyogini.blog51.fc2.com/blog-entry-1056.html     http://memeyogini.blog51.fc2.com/blog-entry-1089.html

第2位 宮永亮「making」 児玉画廊・京都
同一映像を東京の児玉画廊と京都の児玉画廊の両スペースで発表。
いずれも拝見させていただいたが、圧倒的だったのはやはり京都での展示だった。京都の児玉画廊は非常に特殊なスペースで、関東で言えば柏のアイランドに近い。
映像作品を8面スクリーンで横にも縦にも(1階、2階両方で映写し吹き抜けがあるため、2階からは階下のスクリーン映像も鑑賞できる)という映像鑑賞の三次元化を試みていた。
その後、あいトリでヤン・フードンが宮永と同じように多数のスクリーンで映像を見せており、これは宮永の手法と似ているとこの
個展をすぐい思い出した。
また、中央には父から受け継いだ愛車のミニクーパーをいよいよ廃車するとのことで、インスタレーションとして利用。この車で撮影した映像という制作過程の一部を彷彿とさせる利用。
車にカメラを積んで撮影した京都の夜の風景が、なぜか別のものに見えた。
過去ログ:http://memeyogini.blog51.fc2.com/blog-entry-1130.html

第3位 森川穣 「確かなこと」 京都芸術センター
あのスリットを覗いた時の気持ちは今でも忘れられない。
まず展示室内に至るまでのアプローチにあった写真も良かった。見えないものを感じさせる、五感をフル回転させられるような展示だった。同時期に開催されたstudio90での「雨の降るを待て」も非常に良かったが、完成度はこちらが上だったと思う。
琵琶湖ビエンナーレでの展示も拝見したが、制約が多かったのか、こちらは上記作品に比べるとちょっと物足りなかった。
来年は宇部ビエンナーレでの展示が決まっている筈。山口県まで追っかけます。
過去ログ:http://memeyogini.blog51.fc2.com/blog-entry-975.html

第4位 鈴木基真「「World in yours」 Takuro Someya Comtemporary Art
若き木彫作家の展示。大掛かりでありながら、ミニチュアな情景を木彫で作り上げる。展示方法も凝っていて、大きな円筒形の台も自作。
彼は群馬青年ビエンナーレで今年入賞を果たした。
先日、同ギャラリーの彫刻グループ展で新作を拝見したが、これも良かった。しかし、常に人物が出てこないのが気になる。
過去ログ:http://memeyogini.blog51.fc2.com/blog-entry-1010.html

第5位 「Panorma すべてを見ながら見えていない私たちへ」京都芸術センター
内海聖史、押江千絵子、木藤純子、水野勝規4人による「panoram」をテーマとしたグループ展。
これは、創造センター全体を使用する展示でとにかく面白かった。
グループ展であるが、各位の個性を如何なく一つのテーマで発揮し表現していた。
過去ログ:http://memeyogini.blog51.fc2.com/blog-entry-1237.html

第6位     複合回路 接触領域  第5回  青山悟
森村泰昌氏にべたな展示だけど、この季節に相応しい良い展示だねと語らせる、青山自身の画家であった祖父の作品と自分の作品を結びつける展覧会。小学性の時に青山が描いた作品も登場し、過去と現在をシンクロさせる内容。
トークイベント過去ログ:http://memeyogini.blog51.fc2.com/blog-entry-1302.html

第7位   桑久保徹  「海の話し 画家の話し」 TWS渋谷
今年拝見したペインティングの展示ではこれが一番印象深い。
大作が並んだ部屋も圧巻だったが、ユーモラスな一面の感じられる小品にも魅力を感じる。
過去ログ:http://memeyogini.blog51.fc2.com/blog-entry-1153.html

第8位   束芋   「ててて」  ギャラリー小柳
美術館での大規模展覧会に続いてのギャラリーでの展示。こちらは、新たな平面作品に取り組んでおり、線の美しさや紙のテクスチャーの作り込みなど今まで私の知らなかった束芋世界を見せてくれた。
シンガポールでの工房で制作した平面作品が忘れられない。      
http://memeyogini.blog51.fc2.com/blog-entry-1159.html

第9位 ジュン・グエン=ハツシバ 展   「「Thank you ありがとう Cam on」   MIZUMA ART GALLERY
私の記憶の中にずっとハツシバの名前と映像作品が残っていた。
彼の作品を最初に観たのは2004年の森美術館MAMPROJECT第2回目。今回久々の日本橋でび個展開催ということで、映像だけでなく彼のダイナミックなインスタレーションを拝見できたのは大きい。
会期ぎりぎりで観に行ったので、記事は書かなかったが、やはりかれのアイデンティティとナショナリティに関する作品と亡くなった父親を偲んでの作品は強く印象に残っている。ギャラリーの方が丁寧に作品解説をして下さったので、より理解が深まった。それがなければ、2つの映像の関連性が分からなかっただろう。

第10位 
(1)  港千尋 「レヴィストロースの庭」 中京大学Cスクエア
私を写真に向かわせるきっかけとなった個展の一つ。とても美しいレヴィストロースの庭のモノクロ写真の数々に魅せられた。この後、港氏著作など読ませていただいた。勿論その後、同タイトルの作品集も購入。
過去ログ:http://memeyogini.blog51.fc2.com/blog-entry-1104.html
(2)  やなぎみわ展「Lullaby」 RAT HOLE GALLERY     
この短い映像で受けた強烈なインパクト。母と娘、女性であれば誰しも思う所は色々あったのではないか。精神的な葛藤を映像化して見せてくれた。ラストシーンもあっと驚く終わり方。
過去ログ:http://memeyogini.blog51.fc2.com/blog-entry-1000.html


選外になってしまったが、他に入れたかった個展は次の通り。
・大坂秩加 展「シリアスとまぬけ」 シロタ画廊
・三好耕三写真展 VACANT
・アニッシュ・カプーア展 SCAI THE BATH HOUSE
・名知聡子展 「告白」小山登美夫ギャラリー
・山本基 「たゆたう庭」 eN-arts 
・村林由貴 「溢れ出て止まない世界」 ギャラリーRAKU
・三瀬夏之助 「僕の神さま」イムラアートギャラリー東京

TWS本郷の毎年恒例「TWS-EMERGING」やINAXギャラリーでの展示も毎回良かった。特にINAXは絶対外せない。他に日本橋高島屋美術画廊Xも毎回質の高い展示空間を作り出している。

来年は、まだ行ったことのない画廊にもう少し足を運びたいと思います。

パフォーマンスアートは別記事にします。  
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