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岡山市立オリエント美術館

一番最初に行った所が、一番最後のアップになってしまいました。

岡山市立オリエント美術館は岡山駅から路面電車(岡山市内には路面電車が走っていた!)で約10分足らず。
すぐ近くには、岡山県立美術館もありますが、時間的に両方は無理だったのでこちらのオリエントに入りました。


昭和54年(1979年)に開館、岡田新一設計の建物ですが、とても27年前の建物とは思えないほど内部・外部とも美しく維持されています。

中央ホールと2階パティオに設けられた吹き抜けから射し込む外光が、古代メソポタミアの彫刻やモザイクをほのかに照らし出しており、ひんやりとした空気感がたまりません。

展示品を目にする前に素晴らしい建物だなと感心することしきり。
それもそのはず。
こちらの美術館はやはり数々の建築賞を受賞していました。

この日2階展示室では企画展「ガンダーラの化粧皿」が開催されていましたが、私は1階の収蔵品展の方が楽しめました。


シリアの胸像に導かれるように順路を無視し、逆に展示室を回ってしまいましたが、まず目を奪われたのはペルシア製ガラス器。
これこそ、シルクロードからはるばる日本に伝わったガラス器の仲間達。
古代ガラスは、その古さ故の美しさを刻んでいるように思います。

ガラス


そして、オリエント博物館の至宝中の至宝と言っても良いアッシリア・レリーフ「有翼鷲頭精霊像」とのご対面(画像ありません、ごめんなさい)。
こちらのレリーフはアッシリアの首都の一つであるニムルドより発掘されたものの一部ですが、他の部分を所蔵しているのはかの大英博物館、デンマーク国立博物館ですから、その稀少さ、重要さは推して知るべしでしょう。

展示方法も当時の雰囲気をできるだけ再現するように、照明や宮殿内部の再現等いろいろな工夫が施されていました。

レリーフの前にはソファがあって、しばし鑑賞にひたります。

他にもイランの土器、青銅器、陶器やら興味深いものがわんさとありましたが、お気に入りはやっぱり土偶。
土偶は世界中で作られていたのでしょうか。

土偶


ここに来た理由は古代オリエントの展示物だけでなくもう一つ。
それは、アラビックコーヒー。

雑誌で見かけた時から是非飲んでみたいと好奇心は膨らむ一方でした。
アラビックコーヒーは美術館2階喫茶「イブリク」でいただけます。

イブリク


豆を挽いて細かくしたものにお砂糖とカルダモンを入れお湯をそそぎ、その上澄みだけを飲みます。
ほのかな甘みとスパイスの香が暑い日にはぴったり。

飲み終わり近くなるとコーヒーの粉がどどどと入って来そうになるので要注意。

岡山再訪の折には、また寄ろうと思います。
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足立美術館 その2

前回の続き。

大展示室を抜けると左手に横山大観室となります。
ここまで「無我」を追いかけておいてこんなことを書くのは気がひけるのですが、大観の絵が好きかと聞かれれば「いや、特に・・・。」となります。

大観室には、「横山大観名品選」と題し初期の作品から晩年の作品までずらりと並んでいました。
富士山と旭日の作品数点は、作品が描かれた時勢のせいか国粋主義的なものを感じ、私には馴染めませんでした。

富士山

*横山 大観 「神州第一峰」

同様に大観の傑作と言われる「海山十題」も作品の売り上げを時の軍部に寄付し、そのお金で「大観号」と名づけた戦闘機が製造されたなどという逸話を聞くと、どうも作品にも日本万歳的なイメージがつきまとって素直な気持ちで鑑賞できず。

むしろ、大観の作品は「無我」(29歳で描く)もそうですが初期のものが好ましかったです。中でリンドウを描いた作品が一番好きでした。


さて、もう1つの足立美術館のコレクション「童画」作品を眺めつつ、名庭を眺めつつお茶をいただくことにしました。

滝


足立美術館には2つの喫茶室「翠」と「大観」があります。
「翠」の方がソファがゆったりと配置されて落ち着けるような気がしました。ちょっとホテルのロビーみたいな感じです。
当日は団体客が大勢バスで乗りつけ、館内は平日の月曜だというのに予想外の混雑。
喫茶室も満席でしたが、運良くすぐに空きが出てまったりと珈琲とケーキを味わいました。満足。


エネルギー充填。

最後は美術館入口右手にある陶芸館へ。
1階は河合寛次郎、2回は北大路魯山人の作品とコレクションはこの2人の作家に絞られています。
河合寛次郎の作品は京都などで何度も目にしておりますが、魯山人の作品をこれだけ一度に見たのは初めて。

椿


料理人でもある魯山人の器を「この器にはどんなお料理が合うだろうか?」と考えつつ眺めていくのは大変楽しい時間でした。

鮎の塩焼き、白和え、などなど器に合いそうな料理が次々浮かんできます。

寛次郎の作品と比較することで両者の作品の趣が全く異なることがよく分かりました。


最寄の安来駅からは美術館の無料送迎バスが1時間に1本あります。
帰りのバスは満席。
足立美術館は入場料が2,200円(大人)、ネット割引券を使用しても2,000円とお高いのが財布に痛かったです。

「あなたが選ぶこの一点」 足立美術館

続き物に弱い。
先日和歌山で開催中の藤本由紀夫展の記事にそう書いたばかりです。

今回も続き物のお話。

テーマは横山大観の「無我」。
日本画通の方はご存知かと思いますが、横山大観は「無我」というタイトルで同じモチーフの絵を3点遺しています。

私が一番最初に「無我」を見たのは東京国立博物館でした。
日本画にはとんと疎い数年前のことです。
しかし、その絵に描かれた妙に存在感のある童子の姿に目を奪われ、思わず足を止めました。

そして、2枚目の「無我」とは5月に行った長野市内の水野美術館で。

ここまで来たら、最後の1枚も見ないと気がすまない。
あ~またか。
最終回見ないで終われますか。
3枚目の「無我」は安来(やすぎ)市の足立美術館にあります。

更に、minnetさんがご自身のブログで「日本画のおすすめ美術館」の1つとして水野美術館、山種美術館と共にこの足立美術館をおすすめされていたのも頭に残ってました。


という訳で、はるばる島根県安来市まで行ってしまいました。


足立美術館は大観のコレクションで有名ですが、5年連続日本一に選ばれた50,000坪という広大な日本庭園でもつとに有名。

折しも同館では現在夏季特別展として「あなたが選ぶこの一点」が開催されており、「無我」が見られることを事前にチェックした上での訪問です。

名庭を臨みつつ、長い回廊を進んでいくとお目当ての日本画展示室は2階でした。
まずは前座と言わんばかりに小展示室にて「日本画のなかの子供たち」を鑑賞します。

<主な出品作品>
横山大観「小春日」「春日児戯図」
竹内栖鳳「江南春寺静」
鏑木清方「春游」
小杉放菴「金時」

春日コドモ

*「春日児戯図」

続いてお目当ての「無我」がある大展示室へ。

まず目に入ったのは、榊原紫峰の大作2点。
榊原紫峰については全く知らず、今回初めて気になった画家です。
日本画ながら、その2点の作品は洋画のような大胆な構成の作品でちょっとジャングルっぽく、力強かったです。

いつもは一点一点順序良く眺めるのですが、今回はざっと全作品を見ることにしてから、気になる作品を中心にじっくり見直す方式にしてみました。
大展示室はぐるりと一周できるようになっていたので、流れに逆行せず2周することが可能でした。

待ちきれず「無我」の前に。

むむむむむ。
ちっさ~い。

無我


まるで、ルーブルで「モナリザ」を見た時のよう。

3点並べて見た訳ではなく、あくまで私のおぼろげな記憶だけが頼りなのですが、東博の「無我」も水野美術館の「無我」も足立美術館にある作品の2倍以上あったような・・・。

作品自体は、きりっとしていてこれまた見た瞬間の印象ですが、水野美術館にあったものより緊張感があって私は好きです。

やはり、3点見た中では大きさ、作品の完成度から言って東博のものが一番かなぁ。
出光美術館で「風神雷神図」を3点まとめて展示していましたが、大観の「無我」も是非並べて見てみたいものです。


さて、他の名品の中で印象に残ったのは上村松園の「娘深雪」。

みゆき


浄瑠璃作品を基に描かれた作品ですが、まるで生きているかのような存在感。
振り返る姿が何とも色っぽく切ない。
美人画が好きとか嫌いではなく、心底感心しました。


大展示室を出ると、自分が選んだ1点を投票します。
最新ランキングが美術館のHPに掲載されていますが8/23現在の状況は

【1位】横山大観《雨霽る》

雨


【2位】横山大観《冬之夕》

【3位】上村松園《娘深雪》

【4位】横山大観《無我》

【5位】平山郁夫《祇園精舎》

【6位】横山大観《曳船》

【7位】榊原紫峰《青梅》

【8位】橋本関雪《猿》

【9位】川端龍子《獻華》

【10位】川端龍子《愛染》


私はやはり、ここを訪れるきっかけとなった「無我」に投票。
この他上位10位の中では、同じ大観の「曳船」が良かったです。


オークラのアートコレクションの投票時には自分の名前や住所を書き忘れて作品番号だけ書いて投票してしまったので、今回はしっかり住所と名前を書いて投票してきました。

オリジナルミュージアムグッズ当たらないかな~。

次回へ続く。

和歌山県立近代美術館 「コレクション展2007 夏」

藤本由紀夫の特別展の後、和歌山近美にて常設展を鑑賞。

和歌山の近代美術館、大変気持ちの良い空間です。
2階のレストランではガラス窓の向こうに和歌山城を眺めつつイタリアンをいただくことができます。

常設展示は入口左側の展示室が使用されていました。

近代美術館らしく日本人作家を中心に洋画から日本画まで近代~現代のアートコレクションが展示されています。

この日展示されていた主だった作家を挙げると、

<近代洋画>
藤田嗣治、萬鉄五郎、岸田劉生、梅原龍三郎、藤島武二、佐伯祐三、松本竣介、安井曽太郎、香月泰男

<日本画>
洋画に比べると展示は少数。
速水御舟、福田平八郎、小林古径、川端龍子

<昭和40年以後~>
マーク・ロスコ、ジョージシーガル、フランクステラ、李 禹煥
辰野登恵子、荒川修作、中西夏之、横尾忠則

などなど。

この中で特に私の心を捕らえたのは以下2点+岸田劉生の日本画「瓜之絵」+ロスコ絵画+ジョージ・シーガルのインスタレーション計5点。

1.松本竣介 「三人」
ただ、前回オークラコレクションで見た「Y市の橋」の方が好きです。
比較すると、こちらはご覧の通り人物画でかなり大型の作品。

三人


2.木下孝則 「七面鳥」
木下の名前に記憶はなかったけれど、この七面鳥が逆さづりされている油絵をどこかで見たような・・・。
見てなかったとしても、妙にリアル。
ちょっと日本油絵創始者の高橋由一の作品を思わせます。

七面鳥


岸田劉生は日本画も描くのですね。
しかも手なぐさみのような作品にも関わらず、瓜の姿が涼しげですっきりと描かれていました。
彼の濃厚な油彩画と対照的です。

ロスコの作品「赤の上の黄褐色と黒」は川村美術館にあるようなお馴染みの赤と黒のツートーンの作品ですが、そこだけ暗くなった一角に作品だけスポットが当てられており、幻想的な雰囲気を醸し出してました。
照明って大切ですね。

シーガルのインスタレーション「煉瓦の壁ぞいに歩く男」は、いかにもなのですが、これまで見たことのない作品だからか妙に新鮮でした。

「関係-藤本由紀夫展」 和歌山県立近代美術館

和歌山8


どうも、私は続き物に弱いようです。

先日行った西宮大谷記念美術館、国立国際美術館との藤本由紀夫の同時開催企画の最後和歌山での「関係」展が気になって気になって。
ドラマやマンガの最終回を見ないで終わったような感じと同じです。

で、ついに和歌山まで行って来ました。


「FUJIMOTO and」(1階)では、森村泰昌、イチハラヒロコらとのコラボレーションや、マルセルデュシャン、稲垣足穂等の作家、文学作品に触発された藤本の作品紹介をメインに、和歌山近美の所蔵品を藤本の眼を通して新たな角度から見直す展示。

「ハッピー・コンセプチュアル」(2階)では、若手画家杉山知子と藤本とのコラボレーションによる展示の2部構成。


「FUJIMOTO and」では特にイチハラヒロコと森村泰昌とのコラボ作品が
良かったです。

イチハラ


イチハラ2


と書いても藤本作品を文章で説明するのは非常に難しい。
ほとんど体験型アートなので、その場に行って自分の体験として参加しないと作品が成り立たないのです。
文章にしたものだけ見るとな~んだってことになりかねません。

逆に作品だけでも、体験方法がないと何がなんだかさっぱり分からないことになります。
和歌山では、作品周囲に一切キャプションがなく、入口に置いてある作品説明や係員さんに使い方をお聞きして、作品体験をしました。

結論、1階作品は面白い!
西宮や大阪で見た作品とは異なる藤本作品の良さを感じることができたのが大収穫。


対して「ハッピー・コンセプチュル」はある意味分かりやすい展示でしたが、杉山と藤本作品とのコラボが成功していたかはやや疑問に思いました。
どうも、1階に展示されていたイチハラヒロコや森村泰昌とのコラボ作品のようにうまくかみ合っていないような印象を受けたのです。
作品それぞれは独立し、ただ場を共有しているだけのような。

2階で唯一私が共通項を理解できたのが「時間」の捉え方。
杉山知子は画家でありながら、インスタレーション作品も多く、1日10分編み物をして作ったマフラーや日光写真を利用した作品が時の流れを感じさせます。

和歌山4


和歌山3


藤本にも同様に砂時計を使用した「KING&QUEEN」等の作品があります。

もっと深く作品の意図を突っ込んで行けば、両者の関係が見出せたのかもしれません。
杉山知子自体の作品はカラフルで好印象でした。


3展通しての感想としては、見る順序が正解だったこと。
特に藤本作品初心者には、西宮(初級)→大阪(上級)→和歌山(応用編)はベストな選択でした(大阪と和歌山は逆でも良いかな)。
いきなり、和歌山だと藤本作品の良さが分からなかったと思います。



*「FUJIMOTO and」は9月24日(月・祝)まで
 「ハッピー・コンセプチュアル」は9月2日(日)まで開催中。
 上記の通り、会期が異なります。



植田正治写真美術館

植田2


岡山起点の旅、2日目。
今日は、鳥取大山の麓にある植田正治写真美術館と島根の大観コレクションと名庭で著名な足立美術館に行って来ました。

山陰を電車でまわるのは初めて。
さすがに今日は青春18きっぷでなく特急やくもを利用。

植田正治については、2005年の東京都写真美術館で開催された「写真の作法」展で初めて作品を見、独特の構図やシンプルな画面が印象的で、写真美術館で見た展覧会の中では一番良かったです。
めったに買わないポストカードも、どうしても気に入った作品(「妹と自転車」)のものが欲しくなり今も部屋に飾っています。

そんな植田の作品が彼の故郷である鳥取で見られる、しかも植田正治写真美術館は高松伸による設計の美術館として、藤森照信先生の「特選美術館」にも取り上げられており、建築的にも興味がありました。


さて、米子から大山ループバスに乗ること20分。
見渡す限りの田園風景。
しかし、右手には伯耆富士と言われる大山がそびえています。

植田4


建物を一見した所、人を寄せ付けない感じを受けました。
コンクリート打ちっぱなしというだけの理由ではなく、どこか要塞っぽいからかもしれません。

入口がバスが走っている道と反対側(大山が見えない側)にあるのも不思議。
おかげで、入口を探すのに手間取りました。

今日は福山雅治の特別展が開催されていたのが予想外のアクシデント。
福山雅治は決して嫌いではないけれど、私は福山の写真ではなく、植田正治の写真を見たかったのに・・・。

ということで、お目当ての植田作品は1階の展示室のみ。
2階、3階は福山雅治及び福山ゆかりの写真家の作品構成となっていました。

植田は多くの写真家に影響を与えており、その1人に福山雅治がいて、生前中福山を被写体として鳥取砂丘で撮影した写真をマキシシングルに使用したのが関係の始まりだとか。

植田からの影響が伺われる写真も数点あったが、やはり植田作品から受けた衝撃はなし。


植田作品の中で私がもっとも好きなのは「童暦」シリーズなのですが、ここからの作品が一点もなかったのが残念でなりません。

1階の展示の中で印象に残ったのは彼の代表作「パパとママとコドモたち」撮影の様子を書いた娘和子さんの作文。
ほのぼのとして、植田一家の日常が文章を通じて伝わってきました。


モデルにポーズをつけ、構図をばっちり決める「演出写真」と言われるがそこにあざとあさが感じられないのが魅力。
土門拳のリアリズム写真と正反対なのだが、お互いがお互いを認めていたと言うから凄い。
実際、土門が砂丘を訪れ、彼がポーズを撮って植田の被写体となっている写真もありました。


写真美術館としては山形の土門拳記念館の方が私は好きですが、植田正治の演出写真も土門拳のリアリズム写真もどちらも大好き。

生涯写真を撮ると言わず、写真をする、写真をあそぶと言い続けたその言葉に植田と写真との関係が一番表れていました。

植田3


植田1

「エルネスト・ネト」展  丸亀市猪熊弦一郎現代美術館

ネト1


明日、あさってと残りの夏休みを取りました。
暑さは厳しいどころか驚異的だし、お金もないし、予定をキャンセルしようかさんざん悩みましたが、やはり旅立ってしまいました。

今、岡山に宿泊しています。
名古屋から姫路(途中大阪で下車し休憩)まで青春18きっぷで在来の東海道線を利用し、姫路→岡山は新幹線を利用。
岡山でホテルに荷物を置き、岡山市立オリエント美術館を見学。
その後丸亀へ(これまた在来線18きっぷ使用)。

前振りが長くなりました。

で、ブラジル人アーティストのエルネスト・ネトです。
エルネスト・ネトの作品と出会うのはこれで何回目でしょうか。
最初は、金沢の21世紀美術館開館記念展で。
その後数回。
そして、今回初に日本国内での個展です。

個展と言っても、ネトの場合絵画作品ではなく、巨大なインスタレーション作品なので、1つの空間に1つが通常。
そして、今回も楽しませてくれました。

猪熊弦一郎美術館3階の広い空間がどんな風に変貌しているか。
彼の作品を語るには言葉は不要。
やはり、行って体験しなければその良さ、楽しさは分からないのです。

今回は、視覚、触覚、嗅覚を楽しませる白い薄い布地を使った巨大テントで会場が覆われていました。

作品の中に入る前に、来場者は全員靴を脱ぎ、足をウェットティッシュで拭き裸足になります。

さて、中に入ってイメージしたのは雪国にある「かまくら」。

オーロラを見ているようにも思えます。

ネト2


ネト3


ネト4


寝そべって目をつぶると、ほのかにスパイシーな香が。。。
そう、会場のテントの後ろには秘密があったのです。

ネト5


この2つの袋に入っているのは、ターメリックとクローブ。
香の秘密はこの裏にあった大量の香辛料でした。

もう1つ、会場内にはポヨポヨした巨大クッションが沢山ありますが、その中の詰め物が様々で私に分かったのは籾殻だけ。

場内におしめも取れていないよちよち歩きの子供が来ていたのですが、
転んでも床はクッションでポワポワなので、平気です。
すごく楽しそうに場内をぽよぽよ歩いたり、ぶらさがっている布を引っ張ったりして遊んでいました。


大変なのは、会場を管理する美術館の方。
皆がねそべってくつろぐので、髪の毛をこまめにワイパーでお掃除です。
裏方さんのこうした努力により展覧会場は美しいまま保持されるのです。

個展だけあって、今まで見た中で一番大きいインスタレーションだったと思います。思う存分、ネト空間を満喫できました。
さらに、本展は写真撮影OKだったのでカメラ持参の方が大勢いました。


さて、猪熊弦一郎美術館はカフェもオススメ。
最後に本展をイメージしたというココナツのブラマンジェをいただきました。美味!

ブラマンジェ



*エルネスト・ネトの作品は、東京オペラシティーアートギャラリーで「メルティング・ポイント」展でも現在展示されています(10/14まで)。

*本展は10月8日(月・祝)まで開催中。

「仏像の道 -インドから日本へ」 東京国立博物館特別5室

道


東京国立博物館の特別5室(先日までダビンチの受胎告知が飾られてました)を使用しての新企画「仏像の道」を見て来ました。
仏像好きの私としては見逃せない企画です。


薄暗い照明の中、インド→中央アジアを経由し中国→朝鮮→日本と仏像が入ってきた流れをたどれるように陳列されています。

昨日アップしたMIHO MUSEUMの展示他いつも思うのは、その地域ごとで仏像のお顔は明らかに異なっています。
中央アジア(ガンダーラ)の仏像はどこかオリエンタルな雰囲気があり、その国の人に面差しが似ています。
特に印象的なのは「目」。

後の朝鮮や日本では見られないような眼差しです。
ご存知のように朝鮮・日本の仏像様の目は細い。


選ばれた20体程の仏像のうち、私の特別お気に入りはこの二つ。

まずは、中国・ホータンの仏頭。
銅の朽ち果てた様子が数世紀を超えて、現在に至った歴史を物語っています。

ホータン


横顔も美しい。

横顔


もう1つはこちら。
最初に見たのは東洋館だったと記憶しています。
今にも笑い出しそうなこのにんまりとした感じが仏像らしからぬようで
記憶に強烈に残りました。
しかも大きいし。

菩薩



頭部と言えば、かの有名な興福寺の仏頭(注:今回展示されている訳ではありません)も私の特別お気に入りです。

頭部と言えど、三者三様だな~としみじみ思いました。


この他、石の精密なレリーフが見事だったガンダーラの「仏伝」も印象的でした。
最後の日本の仏像は、この後見た通常の本館展示室に置かれていたものの方が良かったかな。


ブロガーの皆様も書いていらっしゃいましたが、せっかくのロングラン企画(来年4月6日)なので小冊子が欲しかったです。
私のようなものぐさ人間は、メモをなかなか取らないので書いてあるものをいただけると助かります。

同じ国立博物館でも奈良国博では、この夏休み仏像企画で200円で小冊子を準備しています。

とは言え、東洋館に行かずともガンダーラ仏が拝めるのはありがたい。
次回東博に行っても、立ち寄りそうです。

「いにしえのほほえみ」展 MIHO MUSEUM

miho1


miho2



前回の関西旅の最後に訪れたMIHO MUSEUMで開催中の「いにしえのほほえみ」展について書いてみようと思います。

MIHO MUSEUMでは今年10周年記念特別展が春季、夏季、秋季の3度開催されます。
春季の展覧会に続き夏季「いにしえのほほえみ」展に行ってきました。

いにしえのほほえみ=アルカイックスマイルと言えば、何と言っても思い出すのは広隆寺や中宮寺の弥勒菩薩。
見仏の最初は広隆寺で、弥勒の微笑みに魅惑されました。


本展ではアルカイックスマイルの始まりをたどるかのように、
 1.西アジア、エジプト
 2.地中海世界、オリンピアの英雄
 3.中央アジア
 4.南アジア、東南アジア
 5.日本-埴輪、童顔の仏
 6.日本-円空、神仏習合、お地蔵さま
の順で展示を見ていく流れで構成されていました。


最初のエジプトコーナーは展示数は少ないものの、それゆえ一点一点集中して見ることができ、1つ発見が。
古代エジプトでは「ラピスラズリ」が高貴な力の象徴とも言える石であったのだなということ。

造形もさることながら、石の美しさは紀元前のものであっても、ラピスラズリの青は、色あせることのなく美しかったです。
古代日本ではなかなか見られない「石の文化」と申しましょうか。


次に続くアジアの仏像では、特に印象に残ったものがないのですが、
奈良国立博物館で国宝の誕生仏に魅せられてから、小さな小さな手のひらに乗るサイズの誕生仏が気になります。
手を挙げたお姿が何とも愛らしい。
愛らしいなどと書いては失礼かな。

本展でも誕生仏が出ていましたので、じっくり鑑賞しました。


日本の古代のほほえみとして埴輪が並べられていたのですが、個人的にはぜひ、ここに土偶を並べて欲しかった!
土偶も微笑んでいるものがあったはず(なかったかな?)。

展覧会の最後は円空仏とお地蔵様でした。
なぜ、最後が円空仏なのか?
木喰仏の方が笑みは大きいような気がしますが、「微笑み」でなく「笑い」の範疇と考えられたのかはたまた物理的理由か。

お地蔵様の方が、的を得ているような気がしました。
一番身近に微笑をたたえていらっしゃるのが、お地蔵様ではないかと思うのです。

NHKハイビジョンで「心の仏像」という番組が先日特番で放映されていましたが、ゲストの方が「ほとけというのは『ほっと心がとける』から仏なのだと思っています」とおっしゃっていました。

「なるほど」言い得て妙とはこのこと。

微笑をたたえた仏像を見て心がとろけました。


*8月19日(日)まで開催中。

MIHO MUSEUMは遠いのが難点。
最寄駅の石山から路線バスに揺られること50分です。
カーブの多い山道であるため、帰路のバスで車酔いをしてしまいました。
車に弱い方は酔い止めを準備された方が良いかもしれません。

「自画像の証言」展 その2 

先程、先日東京芸大美術館陳列館で開催されている「自画像の証言」展のNHK関連番組を見終わった。

つい数日前に見たばかりの絵画のハイビジョン映像とそれを描いた芸大卒業生達の卒業制作自画像についてのインタビューは、大変興味深かった。

中でも単に絵を見ているだけでは分からなかった自画像制作への思いは
考えさせられるものがある。


自画像というテーマにこめられた思い。

事故で亡くなった恋人へのオマージュ。
一緒に生活している妻との記念的な意味合い。
二度と見たくないもの。
戦地にやられてもう絵が描けないかもしれないという無念。


私のような芸術についての門外漢が日々展覧会感想をあつかましくも
ブログという形でネット上に流しているが、作品を作っている画家の
思いを考えると、軽率なことは書けないと考えさせられた。


私には作品の良し悪しは分からない、作品を前にしてただ感じるだけ。
でも、作品と出会うその瞬間が好きだから展覧会に行ってしまうのだと思う。


明治から平成までの自画像を巡ってくると確かに日本人の歴史、生き様まで反映されていて、自我をそこまで作品に写しこめた芸大生の力量は素晴らしい。


これらの自画像は芸大保管庫に保存され、作品を描いた本人達にも公開されることはないそうだ。

この貴重な機会をお見逃しなく。


本日もまとまりのない終わり方ですが、ご容赦下さいませ。

混沌から踊り出る星たち2007  スパイラルガーデン

3


木曜日も20時まで開催されていたため、19時過ぎには会場のスパイラルガーデンにたどりつくことができた。
その前にいた渋谷、宿泊先の用賀にも半蔵門線で一本だったのも好都合。

京都造形芸術大学30周年記念ということで、出展作家にはOBとして、イチハラヒロコ・できやよい・津上みゆき・宮永愛子はじめ13名が名前を連ねる。
卒業制作展選抜作家の2006年度卒業終了制作も併せて展示されている。


やはり印象に残ったのはOB招待作家の作品。

1.宮永愛子(ゲスト)

ナフタリンで作られたサラリーマンのネクタイ、携帯、くつ。
ガラスケースの蓋はサラリーマンの制服とも言えるスーツから作られている。
脆くはかないその作品を眺めていると、時間の移ろいを感じるのが不思議だ。
ナフタリン臭さえなければ、長時間眺めていたい作品。


2.池田孔介(ゲスト) 
公式HP http://www3.ocn.ne.jp/~artsysm/index.html

金魚


金魚のオブジェの色鮮やかさと樹脂という素材が、1日中モノクロ界にいた私にはとても新鮮だった。
金魚の配置も絶妙。
色に飢えていたのかも、私。
この作家の今後が楽しみ。


3.できやよい(ゲスト)

5


金沢21世紀美術館のオープニングで初めて目にしてから好きな作家。
相変わらず作風は変わらないけれど、一つ一つの小さなキャラがかわいい~。
凝視して楽しむ。
しかし、よくこれだけ細かくちょこちょこ描けるなぁと完全ド素人な感想を改めて抱く。


4.安富洋貴(ゲスト)

展示されている作品はいまひとつであったが、入口にあった作品集を手に取って見たら、この方も目黒美術館の「ラビリンス」展に出品してもいいのではないかという秀逸な鉛筆アートが沢山。
他の作品を出して欲しかったなと思う。


5.小牟田悠介(卒業生)

この方の立体作品には驚かされる。
素材が何とマジックテープ!
キャプションに「サイズ可変」とあって笑ってしまった。
サイズ可変というか形体も可変なのでは?とその意外性が面白い。
めりめり剥がしたくなる衝動を抑える。


ライトなデザート感覚で楽しめる展覧会でした。


注意:本展は8月11日(土)をもって終了しています。

石田徹也 悲しみのキャンバス展  静岡県立美術館

NHK教育TV「日曜日美術館」で放映されて以来静かなブームを呼んでいる石田徹也。
私も放映された番組を見て忘れられない画家となっていました。

石田徹也のプロフィール、作品等は全てご遺族が開設された公式HP(以下)で見ることができます。
http://www.tetsuyaishida.jp/

そのほぼ全作品(約150点)を網羅する回顧展が静岡県立美術館で開催されていることを「あおひーさんのブログ」で知り、急遽休みを変更し行って来ました。

結論から申し上げると何とも重い、予想をはるかに超えた衝撃度。
おかげで、この後に見た展覧会の印象が全てぼんやりとしてしまった程影響力大です。

これが無料で見られるのですから、石田徹也が気になる方であれば必見であることは間違いありません。

さて、冒頭には11歳頃に入選したポスターが飾られています。
「弱いものいじめをするな」という社会性ある内容の作品で、後の代表作とも言える一連の作品群のテーマにもつながっています。

彼の作品に出てくる人物は全て目がうつろ、しかも絵の内容がショッキングでこういうアイデアをひねるだけでも大変だろうなと思われます。
作品を作り出す過程の作成メモ(ノート)や一日のスケジュールも展示されていましたが、寝食を惜しんで描いて描いて描いてという日々。

彼の画力は秀でており、人物表現のみならず背景などのディテールも詳細に描いてることが、作品を目の当たりにして分かったことです。

当初石田は世俗や社会を風刺するような作品を描いていましたが、亡くなる数年前から作品に意味を持たせなくなっています。


死を予兆させる訳ではないでしょうが、この頃の作品から血や生死をモチーフにした作品(ちょっとグロテスク)が増えているように感じました。
そして、それらを見ていると何ともやり切れないもの悲しさが漂ってきます。


会場には夏休みということもあって、中学生か高校生も熱心に作品を見ていましたが、彼らは石田の作品を見て何を感じたのか気になる所。


会場にはひっそりと女性のデッサンが数点ケースの中に展示されていましたが、ひねりのない素直で素朴な作品で、この女性を石田は好きだったのかなと思うほど、優しく美しく描かれていて、私をほっとさせてくれました。

全作品を通して、石田徹也その人の画家として、1人の青年としての人格やメッセージが見ているこちらに痛いほど伝わってきます。
私の貧弱な語彙では上手く感想が伝えられないのが残念。

だから見終わった後、ものすごく疲労したのでしょうか。
頭の中は石田作品で一杯になってました。

本展やはり人気があるのでしょう。
あおひーさんが書かれていたポストカードは既に1種類のみしかも数も残り少なくなっていました。


ご冥福を謹んでお祈りしたいと思います。


*「石田徹也悲しみのキャンバス展」は8月19日まで開催中。 

線の迷宮<ラビリンス>Ⅱ 目黒区美術館

1


2


はろるどさん今夏一推し、Takさんご推薦(mixyの書き込み拝見しました)の展覧会とあれば行くしかない。
「雑踏から逃げたくなったらここにおいで。」というチラシの謳い文句に誘われるように中に入る。

結論から申し上げると、この展覧会オススメです。

9人の作家からなる鉛筆もしくはシャープペンシルを画材に使ったモノクロの世界。

<参加作家>
佐伯洋江、関根直子、妻木良三、磯邊一郎、小川信治、小川百合、篠田教夫、木下晋、齋鹿逸郎

このうち私が名前を知っていたのは、佐伯洋江のみ(彼女の作品は以前見たことがある)。
しかし、この単純な黒鉛だけの世界がこれだけ多様だとは想像もしなかった。

まずのっけから作品にひき込まれる。

篠田教夫「海辺の断崖」。

フジツボみたいなものが付着したような海辺の断崖。その奥深くに小さな小さなお社が見える。
非常にディテールが細かいので制作期間も長く大きい作品だと2年~4年かかっていた。

2階には篠田以外の8名の作品が個々にブースのような形式を取って展示されている。

圧巻は小川信治。

とても鉛筆作品とは思えない。しかも騙し絵のようなトリックもあって二重三重に楽しめるようになっている。
実際見た時は、「何か足りない、何かおかしい」と思っただけで帰宅後いろんな方のブログを再度読み直して作品の意味が分かった。
情けなや。
彼の作品は紙自体も古ぼけた写真の質感を出すために加工されていて、そのレトロ感も良し。


小川百合は照明を暗くして、まさにオックスフォードの図書館に入り込んだかのような錯覚を覚えた。
これまた精密、緻密。
もう絵画なのかモノクロ写真なのか判別できないくらい。

妻木良三は独特の襞襞世界を構築。
私は中にいて、人体の内臓に自分が包まれたような感覚を受けた。
1点だけ襞でなく机にかけたテーブルクロスを描いた作品があったが、それが妙に新鮮に感じる。

妻木良三同様、作家の世界に入り込んだ印象を受けたのが齋鹿逸郎。
本展の直前に惜しくも故人となられた。
壁一面に展示された不思議な文様界。
室内に備え付けの座布団に座ってしばし壁面を眺めていると、宇宙のような現実から遠く離れた異空間。
まさに雑踏から離れた数分間であった。


この他、木下晋の人物作品、カンディンスキーを彷彿とさせる磯邊一郎の幾何学作品をはじめ見応えある作品ばかり。
この内容で観覧料600円はお値打ち。
できることならもう1度行きたいけれど・・・。


図録を購入しようと手にとって眺めたが、今見てきた作品とはどうも質感が違っていて、結局買わずじまい。
今になってちょっと後悔している。
送ってくださるようなので、図録をやはり購入しようかな。

*9月9日(日)まで目黒区美術館にて開催中。 午前10時~午後6時

第13回秘蔵の名品アートコレクション展 ホテルオークラ別館

松本


今回の日程で一番最後を飾ったのがこの展覧会。
展覧会のチラシを見た時には、特に気になる絵もなかったので最後に時間があればと後回しになったのだが、行って良かった。

先日京都で見たフィラデルフィア美術館展並みの充実度。
あちら(フィラデルフィア)は西洋絵画ばかりだが、こちらは西洋絵画、日本画、洋画と総花的に堪能できる。

そして、チラシに掲載されていない作品で目を惹いたものが多かった。

以下順に気に入った作品をご紹介。

1.西洋絵画

常に入口最初を飾るコローの作品。フィラデルフィア展もブリヂストンでもそうだったが、今回もコローで始まった。
「夜明け、草原にて」。
この作品良いです。フィラデルフィアで見た2作品より私の中では上でした。

上々の出足に気をよくして進んでいくと、ラファエル・コランの「樹下」や「晩夏のための習作」が。
コランはこれまで気に留めたことがなかったが、この2作品は優しくほのぼのとした感じ。

キスリングの「ブイヤベース」も衝撃的。
いくらなんでもエイもブイヤベースにしちゃうのか?
魚ばかり何匹描かれているのか。強烈な色彩と大胆な構図で皆が足を止めていた。

藤田嗣冶「猫の教室」。
これも驚いた。藤田はこんなコケティッシュで愛らしい作品も描いていたのか。
猫が擬人化されて、どの猫も皆表情、動作が豊かで、藤田が如何に猫が好きだったかがこの作品1つから強烈に伝わってきた。
黒板に板書されていた数式まで猫+猫になっていたのには思わず笑った。

この辺りでつくづく来て良かった~と思ったが、まだまだ作品は続き眼福の時間は続く。

ピカソ2点、シャガール3点、マグリット1点も小品(除くシャガール)だが良い作品だったと感じた。

2.日本画

夏に見る日本画は涼を呼ぶ。
本展での日本画は名品ぞろいだった。
どれも素晴らしいので、強いて挙げるのが難しいけれど、
 ・鏑木清方 「雨月物語」 (特に蛇身)
 ・奥村士牛 「吉野懐古」
 ・山口華楊 「春雪」
 ・東山魁夷 「晴れゆく朝霧」
 ・杉山寧  「気」
 ・上村松園 「鼓の音」 

ざっと思い出すだけでもこんなにある。
奥村士牛の「吉野懐古」は見ているだけで、安らげる自分が作品の中に溶け込んで行きそうだった。
杉山寧の「気」は作品対象は白鷺3羽であるが、ピンと張り詰めたような空気が場面に流れている。

3.洋画

ここでは私の好きな古賀春江の作品に出会えたことが大きな喜び。
しかも見たことのない作品「美しき博覧会」で古賀らしい作品だった。

松本俊介の「Y市の橋」も秀逸。
彼の作品はハズレがない。この作品も人目で松本作品と分かった。
沈んだ色調とタッチになぜか惹かれてしまう。

オークラチラシ


自画像を先に見たばかりの岡鹿之助の「積雪」も良かった。

これ以外では佐伯祐三3点、梅原龍三郎、安井曾太郎、小磯良平、長谷川利行等々錚々たるメンバーの作品が揃っていた。

作品リスト(300円)やこの展覧会の純益は全て寄付される。
私は初めてオークラのアートコレクションを目にできたのだが、毎年違う作品が出展されるらしい。
普段は企業や個人の手元にあり公開されていない作品群のため、見逃せない展覧会だと言えそう。


この展覧会のチケットで大倉集古館や泉屋博古館分館も入場できるが、残念ながら私には時間がなかったので行けず。
特に大倉コレクションは見たかったのに無念。

*8月24日(金)まで
場所:ホテルオークラ東京 アスコットホール別館地下2階
時間:10:00~19:00 
   8月3・10・17日のみ21:00まで(入場は閉館の30分前まで)

「自画像の証言」 東京藝術大学大学美術館

昨夜書いた総括編の中で、どの展覧会を一番最初に書こうか迷ったけれど、私のオススメ順でアップしていくことに決めました。

トップバッターは「自画像の証言」展。
藝大美術館に行ったのは「金比羅宮の美」が目的でしたが、これがちょっと期待はずれ。
地下の歌川広重の浮世絵の方が見応えあったかな~などと思いつつ、会場を出る時に目に付いたのが、このポスター。

ポスター


むむむむむ。

これは何?
藝大美術館の向かい側にひっそりと立つ陳列館で今まさに行われている。
しかも無料!

時間はあまりなかったけれど、どうも気になるので入ってみることに。

しょっぱなから凄い作品を見つけてしまいました。
あの「海の幸」で有名な青木繁と独自の画風で日常のものを描いた熊谷守一の自画像が横並び!
しかも、どちらも画家本人の個性、自我が感じられる名画です。
*画像上が熊谷守一、下が青木繁。

熊谷


アオキ


この2人は東京美術学校(藝大の前身)で同級生でした。


東京藝術大学大学美術館所蔵の自画像作品は、明治31年7月卒業の北連蔵、白滝幾之助から始まり、明治期においては190点、東京美術学校時代(昭和26年度まで)は1000点を超え、一時期途絶えたものの、現在も卒業制作として自画像収集は引き続いており、その総数はなんと5000点近くにもなるそうです。

途中、戦時中など時代の影響もあって作品の残っていない時代もありますが、まさしく歴史的資産と言えるでしょう。

この5000点の中から今回は約160点の自画像作品が展示されています。

1つ1つの作品全てに味があります。

若い画学生達の絵にかける熱いものが画面から、見るものへ伝わってくるのです。

展示は、明治から大正、昭和、平成と時代順になっていて、2階には比較的最近の卒業生の作品がありました。

特に印象に残ったのは、村上隆さんと松井冬子さん。
村上さんの自画像作品は、本人そっくりなのですが村上流にアレンジされていますし、松井さんの作品は、やはりおどろおどろしい感じが松井ワールドを醸し出していました。

松井



中には、自画像作品として在学中6年間使用した携帯電話を残しているつわものも。


図録は500円と格安で、藝大卒業制作自画像の歴史や意義が読み物としても参考になり、更に160点全てが時代順に掲載され絶対買いです。
卒業生のその後や戦時中の画学生の絵を断念せざるを得ない状況、心情など、解説を読んでから、その自画像を改めて眺めるとまた違った味わいがあります(ちょっと涙が出そうに・・・)。


「自画像の証言」展はNHKとのタイアップで関連特番「日本人と自画像~東京藝術大学 4800枚の証言~」が放映されます。
<放送日時>
 2007年8月15日(水) 20:00~21:49 NHKBSハイビジョン
 再放送 8月23日(木) 14:00~15:49
 2007年8月19日(日) 22:00~23:49 教育テレビ ETV特集

番組を見てから行くもよし、見る前に行くもよし。
できれば2回行きたかったです。

*「自画像の証言」
  2007年8月4日(土)-9月17日(月)
  月曜休館(ただし、8月25日(土)は休館、8月27日(月)と9月17日  (月)は開館)
  午前10時~午後5時(入館は閉館の30分前まで)
 会場: 東京藝術大学大学美術館 陳列館

静岡→東京 展覧会行脚 総括編

先程、1泊2日の静岡→東京展覧会行脚より戻って参りました。
今回は、身体を酷使し行けるだけ行ってみました。
普段はこんな無茶をしないのですが、見たい展覧会の会期が短めだったり、次の上京予定が立たないためやむを得ず。

自分のメモ代わりに、ブログで行程を振り返ってみようと思います。

8月9日(木)
朝一番、開館と同時に静岡県立美術館へ。
 ・「石田徹也 悲しみのキャンバス」展
 ・「NHK日曜美術館30年」展
 ・同館収蔵品展
 ↓
新幹線で一路品川へ
 ・「線の迷宮 ラビリンス」 目黒区美術館
 ・「ルドンの黒」 Bunkamura museum
 ・「京都造形芸術大学30周年記念 混沌から躍り出る星たち2007」
  スパイラルガーデン

8月10日(金)午前中は綱島で人間ドック(ホントはこれが目的の上京)
 午後綱島から上野へ。
 ・「金比羅宮書院の美」  東京芸術大学大学美術館
 ・「歌川広重江戸百景」  同上
 ・「自画像の証言」    同上
 ・「京都五山 禅の文化」 東京国立博物館
 ・「仏像の道」      同上
 ・東京国博収蔵品を軽く流す(仏像系)
 ・「第13回秘蔵の名品 アートコレクション展」ホテルオークラ別館

以上のラインアップ。

これだけ全部記事を書けるか自信がないので、オススメをいくつかあげてみます。

私の一推しは「自画像の証言」展。
なんとこの展覧会は無料!しかも15日にはNHKハイビジョンで関連番組が105分で放送されます。
青木繁や熊谷守一の自画像から、今をときめく村上隆、松井冬子ら東京芸大時の卒業制作自画像展です。
私はできることなら、NHKの番組後再度行きたい・・・が無理。
図録(?)500円も読み応えがありお買い得です。

2番目と3番目は同順位で
オークラの秘蔵の名品アートコレクション展と線の迷宮ラビリンス。

番外でオススメは「石田徹也悲しみのキャンバス展」。
しかし、この展覧会はあまりにも重過ぎるため、1日中残ります。
他の展覧会とはしごしないことをオススメします。

現代アートではスパイラルガーデンの「混沌から躍り出る星たち2007」も楽しめました。こちらも無料!


もっとも期待はずれは「書院の美」。
ごめんなさい。悪くはなかったのですが複製が半分を占めていたので。

とりあえず速報でした。

  


「珠玉の日本美術 細見コレクション リクエスト展2007」 細見美術館

チラシ


細見美術館に行ったのは何年ぶりでしょうか。
数年前には、年に数回行っていましたがこの2,3年はご無沙汰していました。
ちょっと懐かしい。

今回はリクエスト展ということで、細見美術館でも人気のある作品を一挙に見られるという例年開催の人気企画。

順位は他の方のブログやHPでも公表されているので、ここでは省略し、特に印象に残った作品などについて書こうと思います。

まずは、神坂雪佳の「金魚玉図」。

雪


何と言う愛らしさ!
現代につも通じるデザインでとても親しみやすい作品。
たまりませんね。
神坂雪佳については以前NHKの特集番組で紹介され初めてその存在を知りました。
京都近美で2003年に個展が開催されていたのに、結局行きませんでした(あぁ後悔!!!)。

一緒に展示されていた「百々世草」も良かったです。
シンプルにして大胆、色合いも素敵です。
なるほどエルメスが目を付けるのも納得。


そして、お馴染み若冲作品。
以前はこの若冲作品目当てにここを訪ねたのですが、やはりリクエスト展上位3位を独占。
人気者です。

様々な鶏達の動きや表情がつぶさに描かれた第1位の「鶏図押絵屏風」にもとても惹かれますが、私は「糸瓜群虫図」がお気に入り。

若冲


理由は色彩かな。
若冲らしく色が鮮明で美しい。
糸瓜が生き物みたいです。


酒井抱一の「白蓮図」(第5位)も外せませんね。
行ったのが5時過ぎで展示室には私1人。この白蓮図の前に椅子を置いてしばし鑑賞にふけりました。
すっきりとした美しさが見ていて飽きません。


第二展示室には、先に行った奈良国博の「神仏習合展」でも存在感を誇示していた「金銅春日神鹿御正体」がありました。
こんなに早く神鹿様に再会できるとは・・・。

鹿


何度見てもすごい細工です。


第三展示室には新たな発見が。
「きりぎりす絵巻」です。
江戸前期の作品ですが、物語がユニークで絵もかわいらしい。
お姫様なんて、思わず切り取って飾りたくなるくらい。

絵巻物の残念な所は、展示室で見られるのはそのごく一部だけということ。
絵巻物なんですから、全部見ないとどうもすっきりしません。
全部見られる展示会ってないんでしょうか。


という訳で久々の細見美術館でしたが大いに楽しめました。満足満足。

*リクエスト展は9月17日(月・祝)まで開催中です。

「フィラデルフィア美術館展」 京都市美術館

フィラデルフィア


京近美を後に向かったのは京都市美術館で開催中のフィラデルフィア美術館展。

クレーの「魚の魔術」を楽しみに早速中へ。
この日は台風の影響もあった不安定なお天気。そのせいか会場は思ったほど混雑しておらず、ゆっくり鑑賞することができた。

1章 写実主義と近代市民生活

いきなり好きなコローが登場で色めき立ったのですが、ブリジストン美術館にある「ヴィル・ダブレー」には展示二作品とも勝てず。

そんなコローよりもクールベの「スペインの女」にぐっと来る。
しかし批評家達からは酷評されたと解説にあり、作品が時代にそぐわない典型だったんだな~とちょっと気の毒になる。

クールベと言えば海とか波とかの作品しか浮かばなかったのですが、こんな人物像も描いていたのですね。これ以外にもう1つ裸婦の作品が出ていた。


2章 印象派とポスト印象派

ドガ、ピサロ、モネ、ルノワール、ゴッホにセザンヌと主だった画家の作品が全て出ていたが、第2章で私が一番好きだったのはアンリ・ルソーの「陽気な道化たち」。
大作で、ジャングルと動物達が愛らしく描かれている。
何と言っても色が良い。

チラシに取り上げられている「ルグラン嬢の肖像」をはじめルノワールは4点出ていたが、どれも秀作だと感じた。
特にルノワール夫人を描いた「アリーヌ・シャリゴの肖像」は、画家のモデルに対する愛情やルノワール夫人の幸せな表情が素晴らしく、見ていてこちらも幸せな気分になる。


3章 キュビスムとエコール・ド・パリ-20世紀美術の展開

ここで漸くクレーの「魚の魔術」と初対面!
は~、やっぱり良い。
クレーは私がもっとも好きな画家。
こうして頻繁に美術館巡りを始めたのも、きっかけをたどればクレーの作品「花ひらく木をめぐる抽象」東京国立近代美術館蔵であった。

見かけは単純そうだが、その実キャンパスに下地を塗ってから黒を塗りそれを削り取るという手間も技術もかかった作品。

魚


これを見るだけでもこの展覧会に行く価値あり。


残念だったのはピカソ。
私はピカソも好きなのだが、今回出展されていた絵画4作品、彫刻1作品は個人的にはいまひとつ。
強いてあげれば「三人の音楽師」が良かった。

この3章では、かのマルセル・デュシャンの絵画が2点出ていたが、デュシャンはレディメイド作品だけではなかったのね、とここでも又前述のクールベのような感想を抱いた私。


4章 シュルレアリスムと夢-不可視の風景

この章はわずか4点。
シュルレアリスムは最近岡崎美術博物館や豊田市美術館で堪能したばかりだが、4点とはちと物足りない。

ミロの「月に吼える犬」が漫画チックで愛らしかった。


5章 アメリカ美術-大衆と個のイメージ 

クレー以外の収穫があったとすればこの5章かもしれない。
アメリカの美術館展らしさを最後に味わうことができた。

本展でのMyBest第2位はここに展示されていた「ベンデルの春のセール」フローリン・ステットハイマー。

ベンデル


ベンデルというのは、あの有名なアメリカの百貨店「ヘンリ・ベンデル」のことだろう。
セールで洋服を取り合う女性達や試着に大わらわな女性がコミカルにカラフルに描かれている。セールに必死なのは、万国共通ということがよく分かる。

ステットハイマーの作品は解説によると全く売れなかったそうだが、このコミカルさが受けなかったのかしら?

最後にオキーフの「ピンクの地の上の2本のカラ・リリー」を見て満足し会場を出た。


美術の教科書をざっとおさらいしたような展覧会です。

*フィラデルフィア美術館展 9月24日(月・休)まで開催中。
その後東京都美術館に巡回。

「没後10年 麻田浩展」 京都国立近代美術館

麻田2


「没後10年 麻田浩展」に行って来ました。
麻田浩(以下敬称略)は本展で初めて意識したのですが、新潮文庫松本清張著「ゼロの焦点」の表紙画を手がけていたということなので、どこかで目にしたことはある筈。

ゼロ


展覧会のチラシの青緑色に惹かれて、同じ京都岡崎で開催中のフィラデルフィア美術館展より先にこちらに入りました。

麻田1


今回の展覧会は没後10年の回顧展でこれまで紹介されることのなかった最初期の作品から未完の絶筆まで、画業の全容を四部構成で網羅しています。


会場正面入るとすぐに代表作・大作「地・洪水のあと」が掲げられており、ぐっと来ました。
麻田はこの大作一点のみで京都のギャラリーで個展を行ったそうです。
それだけの自信作であったのでしょう。

荒廃した世界の中、地中に沈んでいくような感覚を得ました。


Ⅰ知られざる初期作品 1953-1971

初期の作品は、今回近美の常設で参考展示されていた師の桑田道夫氏の作風に似ており、後の作品と大きく異なっています。
しかし、一貫してその色調は変わっておらずどこか暗い。
「赤」というのは明るい色なのに、麻田が使う赤はなぜか暗い。


Ⅱパリへ画家の道を求めて 1971-1982

徐々にシュールレアリスム的な作風となっていきますが、気になったモチーフは「蝶」「貝」「石」そして「水滴」。

日本のシュルレアリスム作家にとって「貝」はどんな意味があるのでしょうか?
先日同じシュルレアリスム作家北脇昇さんの作品「クオ・ヴァディス」を一村雨さんのブログ「つまずく石も縁の端くれ」でも目にしたばかりですが、麻田作品にも貝が何度も登場します。

貝は自分自身?自然の象徴?
謎です。

大作が多く、これだけのの大作を何点も書けばやはり気力・体力とも消耗するだろうなと妙に納得してしまいました。
ただ大きいだけでなく、描き方描く対象も緻密です。


この緻密振りを更に発揮するのが版画作品。
パリ滞在中に麻田は版画作品にも取り組みます。

私はこの版画作品が気に入りました。
もし「1つ欲しい作品をあげるよ」と言われたら迷わず「水のはなし」を選びます。
水滴がまるで生きているような感じです。


Ⅲ「制作ただひとすじの生活」 1983-1997

長期にわたるパリ滞在の末、健康を損なった麻田は日本に帰国。

パリ時代の作品に見られた「水滴」の作品は「水」という形に移行し、同時にテーマに宗教的なものが見られるようになります。
麻田は帰国後キリスト教の洗礼を受けますが、最晩年の作品ではアダムとイブの原罪をテーマにした作品も見られます。

油彩の中で一番好きだったのは、この時代に描かれた「いずこへ」(チラシ表紙に使用されている)。
木蓮なのか、麻田作品ではあまり「花」が描かれることがないのだが、この作品には沢山の木蓮が花を付けている。

作品を通じ一貫して感じて来た「荒廃」さが、「いずこへ」では復活の兆しを受けました。


しかし、大作に取り組む疲れや体調面の不安からか麻田は1997年自らの京都市龍安寺のアトリエで自ら命を絶ちます。


Ⅳ表紙画の仕事 

最後に、麻田が手がけた本の表紙絵がまとめて展示されています。
ここでは中上健次「水の女」が特に印象に残りました。


会場にはパリ時代や晩年の日記や作品についてのメモが展示されています。
特にパリ時代の日記には、不安と戦いつつ制作を続ける様子が伺われ、感銘を受けました。

作品を生み出す、作品を描き続ける大変さのようなものを感じたのです。


初期の作品から絶筆までを通して見る事で麻田の半生を一緒に過ごしたようなそんな錯覚にとらわれました。

麻田の「心の原風景」に少しでも触れることができたのかなと思います。

常設展では、日本画家である父(麻田辨自)、兄(麻田鷹司)の作品、師である桑田道夫らの作品も同時に展示されています。
こちらの作品も一緒に見られたことで、更に麻田浩という人の作品に近づけたような気がします。


終わってみればフィラデルフィア美術館展よりこちらの方が、胸にずしんと来ました。


*没後10年 麻田浩展 於:京都国立近代美術館で9月17日まで開催中。
詳細は同館HP(以下)ご参照下さい。
http://www.momak.go.jp/Japanese/exhibitionArchive/2007/357.html
解説がかなり詳しく掲載されておりオススメです。

下鴨 「宝泉」

ほうせん1


2泊3日関西美術館巡りから帰って来ました。
展覧会の感想は明日以後ぼちぼちアップしようと思いますが、今日は京都ネタを1つ。

最終日の今日は午前中下鴨神社周辺をお散歩しました。
お目当ては和菓子処「宝泉」(ほうせん)さん。
洋菓子より和菓子へと嗜好が移りつつある今日この頃、先日行ったお花の教室で話題に上がっていたのがこちらの「宝泉」さんでした。

師の奥様曰く「わらびもちの概念が変わる!」。

どんなわらびもちなの???

宝泉は、下鴨神社北側の住宅地にそれはそれはひっそりとあります。
近くには泉川がさらさらと流れていました。
京都の川はどこもお水がきれいです(名古屋とは大変な違い)。

夏の麻製のれんをくぐると漸くお店なんだと分かります。


こちらではお座敷に上がって、素晴らしいお庭を見ながら和菓子やお茶をいただくことができます。
注:お子様連れは立礼席のみの利用となります。

ほうせん庭


この日は雑誌(多分HANAKO)の取材が来ていて入口手前のお座敷に通されました。
お部屋は奥のお部屋がメインのようです。

最初にお店の人がケーキのように生和菓子が並んだケースとメニューを持って来られました。
和菓子にもひかれましたが、やはり最初はわらびもち!

何と注文が入ってから1つずつ作られるそうです。
という訳で少し待ちますが、待てば待つほど期待高まる?!

そして、しばらくして心待ちにしたわらびもちが。
わらびもちって、黒いのでしょうか?
私がこれまで見てきたわらびもちは白っぽい色だったように記憶しています。

ほうせんわらび


「最初は黒蜜をつけずに1つ召し上がってみて下さい。」と店員さんに言われ、まずはそのままパクリ。
・・・このモチモチプリプリ感は一体何!初体験の食感です。
噛めば噛むほど、じわじわとほのかな甘みが出てきます。

次は黒蜜をかけて。
う~ん、美味しい。
黒蜜も甘すぎず自然な甘さです。


こちらのわらびもち840円。
高いけれど、それだけの価値はあります。

京都の奥座敷のようなお店。時間が経つのを忘れます。
下鴨神社からのお散歩コースにはぴったりです。

*「宝泉」 水曜休み 10時~17時
 近くに「宝泉堂」というお持ち帰りのお店(系列店)があります。
 お間違えなく。

藤本由紀夫展 +/-  国立国際美術館

国際


西宮市記念美術館を後にし、次に向かったのは大阪「国立国際美術館」。
阪神電車で約20分、思ったより近かったです。


西宮、大阪、そして和歌山県立近代美術館の3館で現在藤本由紀夫展が開催されているので、大阪を起点にすれば全て回っても地理的に都合がいいと思います。

なかなか考えてますね。。。

国立国際美術館では巨大な最新作が見られるということで期待は膨らみます。

この最新作、文章で表現するのは非常に難しい~。

簡単に言ってしまえば、213個のBOSEのCDプレイヤーからそれぞれ異なる曲が流れています。
個々は別の音楽ですが、これが一挙に1つの空間に流されるとどうなるか???

どうなると思います?

ばらばらのものが統合されると「ノイズ」になります。

最初部屋(これがとんでもなく広い!)に入った時、空調の音がやけに大きいなと感じたのですが、他の展示空間では空調の音など感じませんでした。
ということは、空調でなくプレイヤーから流れて来る音の集合体を耳が捕らえたわけです。

分かってしまえば、同じような例は身近によく体験しています。
街の雑踏、喫茶店でのざわめき等々。

音を重ねる(+)ことが結果的に1つに差し引かれる(-)。
ここに展覧会のタイトルが関係付けられてきます。


ところで、「213」のプレイヤーから流れて来る音楽は何でしょうか?
「213」がヒントです。
答えは、会場に行くも良し当方にお問い合わせいただいても良しです。


この作品、あれだけ大きな空間でなくもっと狭い室内であれば、また違った音を作り出すのかも。


会場では、それ以外の作品「哲学的玩具」(小冊子)などもわずかですが展示されています。
「哲学的玩具」の中で印象に残った言葉があります。

「HERE AND THERE」
音は、その場所(ここ=HERE)にいないと感じられない。
景色は、そこでないと(そこ=THERE)見ることができない。
その差が知覚を生む。

なるほど~。まさに、哲学的。
他にもふむふむと思わず納得してしまう言葉の数々。


サウンドアーティストという狭いくくりでなく、知覚アーティストとでもお呼びした方が適切なのではと思わせます。
西宮にも大阪にも展示されていませんでしたが、「Vanilla」というバニラの香を使った作品もあるそうで、聴覚、視覚と来たら臭覚でしょうとばかりに様々な知覚に対するアプローチは留まる所を知りません。
次は味覚か?


余談ですが、大学時代の専攻は認知心理学で、卒論は聴覚と視覚のダブルタスクに関するものだった・・・と懐かしく思い出したりもしました。


*藤本由紀夫展 +/- 9月17日まで開催中。

藤本由紀夫展「哲学的玩具」  西宮市大谷記念美術館

JR東海道線の快速・普通・新快速を乗り継いで、えっちらおっちら西宮にたどり着きました。
目指すは、西宮市大谷記念美術館。

無計画に電車に乗ったため乗継が悪く美術館に着いたのは、1時を過ぎていました(自宅は9時前に出ました)。

まずは腹ごしらえと館内のカフェに入ったらそこで、驚くべき出会いが!
愛知県内の美術館で何度も何度もお会いするご婦人(以下K様)がカフェにいらっしゃるではありませんか!
あちらも1人、こちらも1人。
しかし、ここは愛知県でなく兵庫県。

もはや偶然というより、前世に何かつながりがあったとしか思えない出会いです(そんな遭遇が何度も続いている)。
お互いびっくり。
改めて名刺交換などしてしまいました。

藤本由紀夫氏のことを最初に私に教えて下さったのもK様でした。
「藤本さんの展覧会はオススメよ~」
以前そう話されていて、名古屋市美での昨年の展覧会を見逃した私にとって今回は紛れもないリベンジ。

既に鑑賞後であったK様と一旦お別れし、いよいよ展覧会へ。


藤本氏はサウンドアーティストとしてつとに有名です。

西宮市大谷記念美術館では、過去10年にわたり「美術館の遠足」と題した藤本氏の展覧会が1年に1日だけ開催されていました。

本展はその回顧展であり、初期の作品から近作まで72点が体験できます。

この「体験」というのがkey word。
藤本氏が展開する場では、アーティスト・美術館・鑑賞者の3者によって作品が創出されます。


代表作の「EARS WITH CHAIR」(写真)では、椅子に座って直径6cm・長さ1.8mのパイプを耳にあてがい音の風景の変化を感じ取り、「BROOM」(TILE)では床に敷かれた陶板の上を鑑賞者が歩き、その音に耳をすませるのです。

椅子



音はなく目で体験する作品もありました。

その中で私が好きだったのは「TWO GLASS BALLS」という作品。
ガラス製の筒がゆっくりと回転する動きによって、中に入った二つのガラス玉がくっついたり離れたり、予測しにくい微妙な動きに目が吸い寄せられます。

ゆっくりした動きの中で、ゆったりだけれど確実な時の流れをも感じました。
きらきら輝くガラス玉が目にも美しい作品です。


藤本氏の美術作家としての始まりは、身近な小さな音に着目したことからであったそうです。

そのために選んだのが「オルゴール」でした。

ねじを回して流れて来るメロディを楽しむだけでなく、オルゴールの音が止まった時の音、オルゴールを磁器のお皿に置き倒れた時の音、様々な音が作品から作り出されます。
*写真:「BROOM」(GLASS)

グラス


「音を作る」「音を聞く」ということについて考えさせられた展覧会でした。
藤本由紀夫の世界は図録では味わうことができません。
その場に行って、目で耳で体験することが必要なのです。


*この展覧会は8/5(日)まで開催中。
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