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2007年 私が観た展覧会 ベスト10

おこがましくも、今年私が観た展覧会のベスト10を挙げてみようと思います。

<選定基準>
・その後の私の美術鑑賞に与えた影響の大きさ。
・純粋に感動した展示内容であったこと。

1.「美麗 院政期の絵画」 奈良国立博物館

2.「若冲展」 相国寺承天閣美術館

3.「Great Ukiyoe Masters - ミネアポリス美術館コレクション 」 松濤美術館

4.「BIOMBO/屏風 日本の美」 大阪市立美術館

5.「マルレーネ・デュマス-ブロークン・ホワイト」 東京都現代美術館

6.「青山二郎の眼」 世田谷美術館

7.「レンブラント版画展」 名古屋ボストン美術館

8.「鈴木理策 熊野 雪 桜」 東京都写真美術館

9.「シュルレアリスムー謎をめぐる不思議な旅」 岡崎市美術博物館

10.候補があり過ぎて、決められませんでした。。。

4位までは、すらすらと決まりましたがその後が苦しかったです。断トツ1位は「院政期の絵画」展で、これほど国宝・重文をかき集めたにもかかわらず、観客が少なくゆっくりと鑑賞できたのは殊のほか幸せでした。できることなら、前期も行きたかったです。2位の若冲展は作品というより、私にとって記念碑的な意味がありました。こうしてブログを続けられるのも、この若冲展のおかげです。3位のミネアポリス所蔵浮世絵展も、これまで全く関心がなかった浮世絵に突如目覚めさせてくれた大変意義深い展覧会でした。今にして思えば、ギメ美術館所蔵浮世絵展を見逃したのは大きかったです。

後日、選外で印象に残った展覧会を記事にするかも。


次に、2007年印象に残った作品ベスト10を。

1.「子島曼荼羅 金剛界」 小嶋寺蔵/京博 「藤原道長展」

2.「唐獅子図屏風」 狩野永徳 三の丸尚蔵館蔵/京博 「狩野永徳展」

3.「馬頭観音像」 ボストン美術館蔵/奈良博 「院政期の絵画展」 

4.平家納経/奈良博 「院政期の絵画展」

5.沙門地獄草紙/奈良博 「院政期の絵画展」 

6.華厳宗祖師絵伝/奈良博 「院政期の絵画展」

7.粉河寺縁起絵巻/奈良博 「院政期の絵画展」
 
8.水売り 鈴木春信 ミネアポリス美術館蔵/松濤美術館 「Great Ukiyoe Masters」

9.三本の木 レンブラント・ファン・レイン ボストン美術館蔵/名古屋ボストン美「レンブラント版画展」

10.やっぱり決められませんが。。。キスリングの作品かクールベの「スペインの女」。

大変に偏りのある内容(日本古美術ばかり)ですが、院政期の絵画展が私にもたらした影響は言葉に尽くせない程大きかったです。苦手の絵巻物まで大好きになった上に、仏画の素晴らしさを再認識できました。現代アートでは、兵庫で見た河口龍夫作品、森美・金沢・横須賀で観た木村太陽作品群が良かったです。

今年も残すところ、数時間となりました。
更新を怠りがちなブログをここまで何とか続けてこれたのも、コメントやTBを残して下さる皆様のおかげで、本当に有難うございます。
来年も拙いブログですが、どうか宜しくお願いいたします。

それでは、皆様良いお年を!
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2007年 初めて行った美術館

今年はできるだけ、行ったことのない美術館に出向くことを意識してきました。

その結果、07年に初訪問した美術館は以下の通りです。
西から順に。

・足立美術館 (島根県)
・植田正治写真美術館(鳥取県)
・岡山市立オリエント美術館 
・兵庫県立美術館
・伊丹市立美術館(兵庫県)
・西宮市大谷記念美術館(兵庫県)
・逸翁美術館(大阪府)
・和泉市久保惣記念美術館(大阪府)
・大阪市立美術館
・大阪市立近代美術館(仮称)心斎橋展示室
・大阪市立東洋陶磁美術館
・上方浮世絵館(大阪府)
・和歌山県立近代美術館
・奈良国立博物館
・中野美術館(奈良県)
・松伯美術館(奈良県)
・大和文華館(奈良県)
・Miho Museum(滋賀県)→ 12/31追記
・愛知県陶磁資料館
・刈谷市美術館(愛知県)
・名都美術館(愛知県)
・長野県信濃美術館・東山魁夷館(正確には東山魁夷館の展示のみ拝観)
・安曇野ちひろ美術館(長野県)
・水野美術館(長野県)
・碌山美術館(長野県)
・金沢湯涌夢二美術館(石川県)
・富山県近代美術館
・富山県水墨美術館
・入善町入山芸術の森 電力美術館(富山県)
・静岡県立美術館
・MOA美術館(静岡県)
・ヴァンジ彫刻庭園美術館/ビュフェ美術館(静岡県)
・ポーラ美術館(神奈川県)
・横須賀美術館(神奈川県)
・渋谷区松濤美術館
・大田区郷土博物館
・たばこと塩の博物館(東京都渋谷区)
・町田市立国際版画美術館(東京都)
・村内美術館(東京都)
・東京国立近代美術館工芸館
・三井記念美術館(東京都)
・サントリー美術館(東京都)*2007年オープン
・国立新美術館(東京都)*2007年オープン
・逓信総合博物館<ていぱーく>(東京都)

以上43館。東京以北はゼロです。

書いていて自分で意外だったのは、奈良国立博物館が今年初訪問であったこと。
愛知県から奈良は電車だと不便であるため、ついつい行きそびれていました。

印象深かったのは、村内美術館と水野美術館、Miho Museum、静岡県美、大阪市美、久保惣美術館、富山近代美術館。

鑑賞空間として優れていると思うのは
・水野美術館
・三井記念美術館
・奈良国立博物館(ここはあらゆる意味で別格)
・久保惣美術館
・逸翁美術館
・岡山市立オリエント美術館
・安曇野ちひろ美術館
・松濤美術館
・中野美術館

等々。

長くなりました。いかに今まで同じ美術館ばかり行っていたことか。
それにしても、日本は数では美術館大国ですね。数は多くても、中身が伴わないと。。。などと思ったりも致します。

*1/6追加修正。

「六本木クロッシング 2007 未来への脈動」展 森美術館

六本木

イブの前夜、「六本木クロッシング 2007 未来への脈動」を見て来ました。

概要は以下(HPより抜粋)
本展では、特に「交差(クロッシング)」の意味に注目し、4人のキュレーターによる活発な議論を通して、枠に収まりきらないエネルギーと影響力をもつ、今見せるべきアーティスト36組を厳選。
作家それぞれの表現形態は絵画、彫刻、写真、デザイン、映像、演劇、マンガ、ゲーム、人形、ペンキ絵などさまざまです。近年めざましい活躍を見せる若手作家と共に、60年代、70年代の日本のアートシーンを牽引し、今なお精力的に活動する作家たちも紹介します。作品の意外な組み合わせの中に、不思議な共通点や影響を発見したり、予想外の楽しさや新鮮なエネルギーを見出すことができるでしょう。
「六本木クロッシング2007」では、アーティスト一人ひとりの独創的な表現と、時代の交差に目を向けながら、時や分野を超えて息づく日本の創造性とその傾向を考察し、過去、現在、そしてその先の未来へと脈動する日本のアートの可能性を探ります。



ということなのですが、会場入口で音声ガイドを無料に貸し出ししているのに驚きます。更に無料にも関わらず借りない人が大多数であることも興味深い。
私は利用しましたが、無料にも関わらず参加アーティストのコメントや主催側のキュレーターコメントの選抜理由などが聞けて、面白かったです。
現代アートはちょっと・・・とおっしゃる方は是非借りてみてください。

36組のアーティストの中で印象的だったのは以下。
作品名は作品リストがなかったためメモをとったもののみです。

・吉野辰海
吉野

バリー・フラナガンの彫刻作品を彷彿とさせる。「ねじれた犬」は大きさといい、形といい圧倒させられた。彼の作品が飾られていた展示室では一番良かった。

・冨谷悦子
虫眼鏡を使って制作しているのかと思わせるほど精緻なエッチング。好き嫌いは別として、そのスタイルに感心してしまう。今後に注目。

・原真一
「お耳のチャチャチャ」はとても面白い。最初見た時は、作品タイトルと目の前にある真っ白な大理石彫刻作品が結びつかなかったが、よく見ると耳だらけ。もう1つの作品も家紋を利用して面白い。

・宇川直宏
台風を疑似体験できるインスタレーション。私はこういう参加型の作品に大変弱い。平日は1日1回、土日祝日は1日2回のみ体験できる作品だが、駄目もとで参加可能か聞いてみたら、キャンセルがあったとのことで運良く念願成就。
白ビニールのフード付レインコートと長靴を着用し、準備完了。
六本木の夜景を眼下に望み、なぜか世界各国のお札と風船が人工的に発生した強風の中、巻き上げられる。中に入った私もろとも、その様子を撮影し場内で流しているが気にしない。
これがアートか?と問われると、返答に困るが楽しかったので良しとする。観光客の多い森美では遊園地感覚のこんな作品は受けるように思う。

・さかぎよしおう
スポイトから磁土を一粒ずつ垂らして、上に積み上げて形態を作り、電気釜で焼く「焼き物」の技法を用いた小さな立体作品。小さな粒粒の集積が様々に形を変えて楽しませてくれる。作品の質感もすべすべとして美しい。神奈川県立近代美術館葉山で開催中の「プライマリー・フィールド」展にも参加中。行きたいけど無理。。。
プライマリー


・中西信洋
撮影済みのフィルムを等間隔に並べただけなのに、美しい。同じ趣向の作品は他のアーティストでも見かけるが、大きなフィルムを使用した六本木の朝日には驚いた。もう少し室内を暗くするなどの工夫があれば、作品の良さがもっと出せるのにと思う。

本展では鑑賞者による人気投票で決定する「オーディエンス賞」と館長をはじめ理事のメンバーが選ぶ「MAM賞」が設定されています。
前者には田中偉一郎の「目落ちダルマ」。この人の作品は思わず笑っちゃう系。木村太陽さんとは違う系統で笑わせてくれます。後者は榎忠が選ばれていました。榎忠の作品は先日豊田市美の篠原有司男との二人展で見たばかり。豊田市美同様の照明を上手く利用したオブジェ作品が選出。
・「篠原有司男と榎忠」展過去ログ
http://memeyogini.blog51.fc2.com/blog-entry-210.html

唯一残念だったのは、小粥丈晴の作品を見ただけで終わったこと。
オルゴールだったらしいのですが、音が鳴ることに気付かず通り過ぎてしまいました。

*1月14日まで開催中。年末年始休みなしです。

「BIOMBO/屏風 日本の美」 大阪市立美術館

白絵

既に終了している展覧会ですが、記録として残しておきたいため、お付き合いいただければ幸いです。

屏風という作品の物理的事情により、展示作品の入れ替わりが多かったが、一番沢山作品が見られる日程で計2回足を運んだ。結果、見逃した作品は第1週・2週のみ展示されていた10点。

この展覧会では
 ①道具としての屏風(可動性間仕切り)
 ②海外含め贈答品としての屏風
のあり方が新鮮であった。

特に、日常生活においての屏風の使用方法、例えば出産時に使用されたという「白絵屏風」(上図)や「人の一生図」で紹介されていた死者が出た際に屏風を逆にして置く、などということは恥ずかしながら本展で初めて知ったこと。
現在私達は屏風を美術品として眺めるが、過去の人々にとっての屏風はもっと身近な存在であったに違いない。その中で美を極めた作品が次々と現れ、時に贈答品として、時に記録用として様々に展開していく様子がよく分かった。

上記以外で特に印象に残った作品は以下の通り。
・「苅田雁秋草図屏風」 狩野友甫宴信筆 韓国国立故宮博物館
・「十界図屏風」 奈良・当麻寺奥院
・「書画押絵図屏風」 メトロポリタン美術館
・「南蛮屏風」 狩野山楽筆 サントリー美術館
・「松下麝香猫図屏風」 狩野雅楽助之信筆 ボストン美術館
・「樹下麝香猫図屏風」 同上 サントリー美術館

「苅田雁秋草図屏風」や二双の「麝香猫図屏風」などは、2回とも目にすることができたが、この先いつ見られるかと思うと、目に焼きつけようと必死。

図録も屏風同様、金ピカで美しく結局購入に至る。


同時期に開催されていた常設特集陳列の「中国の彫刻-山口コレクションを中心に」も見応えがあり、所蔵品の素晴らしさに目を見張った。東博の特五で開催中の仏像展に展示されているのとほぼ同じ石像(私はこれがお気に入り)を見つけた時にはにんまりしてしまった。

会場となっていた大阪市立美術館には、この展覧会をきっかけに初めて訪れたが、昭和11年建築の建物は威風堂々として天井も高く、東博平成館や京博を思い出した。どなたが設計したのか気になったのでHPを見ても記載がない。
天井が高く広々としているので、屏風のような大きな作品を展示してもそれに負けない箱であったのが嬉しい。面白いのは、1階中央のロビーに古書店がお店を出していること。毎回ついつい覗いてしまい、2回目には絶版の別冊太陽を購入し思わぬ散財。
さすが、商人の町大阪。別冊太陽と別に購入した図録を一緒に宅配便で送って下さったのは大変ありがたかった。

もったいないのは、1階入口左側の部屋。広い空間を些か持て余し気味なのか、味気ないロッカー群とテーブルがぽつんとあるだけ。あれだけの場所があれば、休憩室や手狭なミュージアムショップを拡張するとか、利用方法はいろいろあるだろうにと・・・要らぬ心配をしてしまう。

来春4月26日より「聖徳太子ゆかりの名宝」展が開催される由。またあの空間で古美術を鑑賞できると思うと今からワクワクする。

*「BIOMBO」は12月16日に終了しています。

「工芸の力-21世紀の展望」 東京国立近代美術館工芸館

東京国立近代美術館には何度か訪れているものの、工芸館に赴くのは今回が初。
旧近衛師団司令部として建設された重要文化財ということは、前もって知っていたが、一体どんな建物だろうと、期待は高まる。
近美から坂道をてくてく歩く。お濠端を歩くのはとても気持ちが良く、楽しくなってくる。

さて、公園の入口を入ると馬に乗った兵士の大きな銅像の背中が見えてきた。案内板を見ると北白川宮能久親王銅像とある。
銅像を過ぎるといよいよ赤レンガ作りの洋風建物が見えてくる。愛知県には「明治村」という観光施設があるが、そこにありそうな建物。
工芸館

中に入るとレトロ感一杯、明治の香がそのまま残っていて驚く。

前置きが長くなったが、特別展は2階にて開催中。古めかしいが立派な階段で2階へと。

今回の展覧会では、美術と工芸の垣根にとらわれることなく新しい造形を生み出す14名の作家の活動を通し、21世紀の工芸世界を展望するとともに、その造形世界の魅力を紹介します。

14名の作家の中で、気になったのは以下の通り。

・須田悦弘。
気になったというか、須田作品が出るというので見に行ったようなもの。
お馴染みの「葉」「枝」作品であったが、この場所、季節での展示を常に意識しているのがよく分かる。宝探しのような楽しみ方もいつも通り。
作品リストを今見直して気付いたが、1つ見落としてしまった。。。あぁ時既に遅し。

・北川宏人
北川

1室全てを展示空間として使用し、北川のポップなテラコッタ製人物像がずらりと並ぶのは壮観。レトロな部屋に今どきのおしゃれな若者像はミスマッチのようにも思われるが、妙なバランスが取れていて不思議な感覚を覚えた。表情と着衣、身体の線に独特の個性があって、ちょっと不気味だけど気になる存在なのだ。
金沢21世紀美術館で開催された展覧会にも出品したとのことだが、現代アートそのもの、しかもテラコッタというのが味噌。
場内の説明書きによると、作成には驚くほどの手間がかかっている。
たまたま書店に行ったら今月の「アート・トップ」1月号の特集「いま、立体作家が面白い」の表紙にも採り上げられており、大森暁生との対談で、なぜテラコッタで人物像を作るに至ったかの経緯が語られており興味深かった。今後の作品にも注目。
アートトップ


・田口善明
蒔絵の技術は古くからあるが、現代版に見事に昇華されている。
どれも、個性的でしかも大変美しい。海老や鳩を大胆に描いていてとりわけ目を惹いた。
田口


・北村武資
「羅」という蜻蛉の羽のような織物を初めて近くで見た。こんなに優美で繊細な織りや紋様もさることながら、日本固有の色味が素晴らしい。昔の高貴な方は、こんな絹織物を羽織っていたのだろうかと思いをはせる。
羅


この他、鉄を使った大きなオブジェ「潜熱さしひびき」を出品している留守玲などの作品も見もの。
鉄


工芸館から北の丸公園を抜けて九段下まで出たが、北の丸公園はNYのセントラルパークのようで驚いた。こんな場所が東京にあったなんて、全く知らなかった。園内のベンチでは読書をする人や、書き物をしている人様々で思い思いの時間を楽しんでいる。
私も、時間がもう少しあればぼ~っと鑑賞の余韻にひたりたかったが、そのお楽しみはまた次回ということに。

*2月17日(日)まで開催中。12月29日~1月1日は年末年始のため休館。

「目黒の新進作家-7人の作家、7つの表現」  目黒区美術館

まばたき

目黒区ゆかりの(目黒区出身または在住・在勤・在学歴のある)若手作家を取り上げる展覧会ということで、参加作家の中に石川直樹の名を見つけ行ってみることにしました。

<出品作家>
東亭 順 (あずまてい じゅん) 〔絵〕
石川直樹 (いしかわ なおき) 〔写〕
源生ハルコ (げんしょう はるこ) 〔絵〕
鈴木康広 (すずき やすひろ) 〔立〕
瀧 健太郎 (たき けんたろう) 〔映〕
野村恵子 (のむら けいこ) 〔写〕
屋代敏博 (やしろ としひろ) 〔写〕

この七名のうち、特に気になった3名の作家を以下でご紹介しようと思います。

・鈴木康広 「まばたきの葉」2003年(冒頭画像)
観客参加型のインスタレーションですが、本展最大の収穫はこの作品でした。
どうもピンと来ないな~と思っていたところ、このインスタレーションで目が覚めたのです。2004年に青山のスパイラルガーデンで発表された作品で、あたり一面に開いた瞳と閉じた瞳が描かれた白い紙の葉っぱが落ちています。葉っぱだと感じるには訳があり、エンボス加工により葉脈が一枚一枚に刻まれていました。それだけでは面白くない。

会場に入ると妙な音がしていたのですが、その発生源はこの作品。円筒形の筒→「これが幹をイメージしたもの」にはポストのように二つの口があいています。そこから先程の白い紙落ち葉を入れると、筒に吸い込まれた葉っぱが、天井の円柱上部から降り注いでくる。言わば樹木から葉が落ちる状態を擬似体験できるのです。
さらに、葉っぱには瞳が描かれているのでくるくると葉が回転することによって、葉っぱがまばたきしながら落ちてくる錯覚を引き起こします。昔、紙で作られためくって楽しむ動画(何と言う名前だったか・・・)を思い出しました。
作品タイトル「まばたきの葉」はまさに作品そのものを表現しています。

葉は沢山入れれば入れるほど、沢山落ちてくるわけで、くるりくるりとした紙製の葉が舞う様子は本当に落ち葉のようで、上からまばたきしながら落ちてくる葉っぱを見ていると楽しくなってきます。休日にもかかわらず、この展示コーナーにいた観客は私1人。さんざん遊んでしまいました。美術館の白い壁に映る葉の影も見所の1つです。

作品集が館内にあったので眺めていくと、どれも面白い作品ばかり。現代アートによる見立ての手法と発想が見事です。1月中旬にNHKトップランナーに出演するとのこと。これは見逃せません。今後の注目作家になりました。

・石川直樹 「ALTERED SPACE」2007年
石川

フランス南部の洞窟住宅を撮った最新作。最初の印象はきれいな写真を撮る人だなということ。恵比寿の写美であった鈴木理策の作品に雰囲気は似ていますが、目指しているものは違います。
展示方法、見せ方によって、もっと観客に強い印象を与えるのではないかと思います。

・野村恵子 「紅い水」 「Bloody moon」
野村

石川直樹と隣り合わせでの展示は、男女若手写真家の競演と銘を打ちたくなるように対照的です。
野村恵子の写真も今回初めて見ましたが、女性の視点で女性を撮ったということが、強く伝わってきました。彼女の写真を見ていると、「命」「生」「死」「子宮」「血」といった言葉が浮かんできます。好き嫌いは別として、アピール力が彼女の作品にはあります。

個々の作家のプロフィール等は以下目黒区美術館HPをご覧下さい。
http://www.mmat.jp/

*1月13日まで開催中。12月28日~1月4日は休館です。

「国宝 雪松図と近世絵画」展 三井記念美術館

雪松図

雪松図1

お正月は、円山応挙の「国宝 雪松図」で始まります。
という謳い文句が描かれたチラシを見て、早くもお正月前に行って来ました。
急いで行ったのには理由が。
先に大阪の逸翁美術館で国宝「雪松図」と同一タイトル・構図の作品を見ていたので、記憶が薄れないうちに2つの作品を比較したかったからです。

さらに、この展覧会ではもうひとつ目玉が!
松阪三井家より今年度寄託を受けた近世絵画を初公開。中でも酒井抱一「観音像」は琳派抱一の仏画の出現と聞けば、行くしかないでしょう。

展示室1 茶道具
・青磁累座三足香炉 穂家:銀製二見ヶ浦夫婦岩
毎年恒例のお正月の出品作なのかもしれませんが、私にとっては初見の作品。しょっぱなにこの香炉を見た時、かたまってしまいました。銀製の二見ヶ浦夫婦岩の細工の美しいこと。
ため息物です。しめ縄は純金製で、金銀の取り合わせがお正月にふさわしい豪華な作品。

展示室2・3は略

展示室4 絵画
・国宝 「雪松図屏風」 円山応挙
この展示室入口から正面に「雪松図屏風」を目にした時、私には遠く広がる雪景色が見えました。この作品はこうして、遠景で眺めるのが一番ではないでしょうか。近くで見るより、作品の広がり、雄大さを感じます。左双と右双のつながる上部余白が雪景色の広がりを感じさせているように思いました。この屏風が江戸時代にどんな風に用いられていたのか想像するのも楽しい作品です。やはり早く来て良かった。

冒頭に書いた逸翁美術館の雪松図屏風では、雪景色効果をあまり感じなかったのですが、展示方法に問題があったのかもしれません。また、二つを並べた訳ではないので判然としませんが、金箔の彩りも国宝の方が保存状態も良さそうで光輝いていたように思います。
全く同じ構図、構成なのにかたや重文指定さえ受けていないのは、このあたりに理由があるのかもしれません。

・「駿河町越後屋正月風景図」 鳥居清長
清長

遠近法を使って描かれたこの作品は向かって右に呉服店(現在の三井本館)、左に綿店(現在の日本橋三越本店)にし、江戸時代の正月風景を見事に表現しています。
細かなディテール、例えば遠くに凧揚げしている様子や富士山、羽子板をする人々がきちんと描かれており、見ていて飽きが来ません。清長は美人画だけでなく、こんな肉筆風景画も残していたのですね。筆の立つ人であったことがよく分かりました。

・「雲龍図」 円山応挙
龍

本展では沢山の応挙作品が出展されていますが、この雲龍図も小品ながら見応えがあります。他にも4室では「稲麻綿図」をはじめ3作が並べられ、写生の見本のような応挙らしさを随所に感じました。

展示室5 絵画
・「蜃気楼図」 円山応挙
紺地の絹に金泥を使って描いた割と地味な作品ですが、面白いのはその題材。江戸時代では蜃気楼を大ハマグリの吐く気により海面に出現した楼台だと考えられていたそうで、作品にその様子が描かれています。
蜃気楼を吐くようなハマグリってとてつもなく大きいのでは?光の屈折による現象という科学的解釈より、大ハマグリの吐く気による現象である方がストーリー性があって楽しいです。

展示室7 特集陳列 松坂三井家新規寄託品展
・「観音像」 河鍋暁斎
暁斎

抱一作品とコーナー争いをしていたこの観音像は私が今まで見た暁斎作品の中で一番見応えがありました。暁斎はこんな絵を描ける画家であったのか・・・と感嘆。
渦巻く波と観音様の着衣の襞がまるで生き物のようです。更に水中にはうっすらと竜の姿が。
こんな個性的な観音像は初めて見ました。
来年4月に京博で「河鍋暁斎」展が開催されますが、楽しみになってきました。

・「観音像」 酒井抱一
抱一

抱一の仏画も過去目にしたことはありません。琳派画家として著名な抱一の手にかかると観音像はより優美でたおやかです。特筆すべきは、色調かもしれません。観音の着衣と水面の色が同じような淡色で、背景の竹笹の緑とマッチして、派手さはないけれどすっきりとした印象を感じました。
この「観音像」と同一の図像で抱一の友である谷文晁の「慈母観音図」(室内に写真が掲載されています)と比較すると、抱一らしさをより感じられると思います。美術史的には両者の交友の証となる作品とのことですが、学術的な意味合いより両者の作品の比較の方が私には興味深かったです。

*1月31日(木)まで開催中。12月28日~1月3日は休館です。

「上海 近代の美術」展 松濤美術館 

大阪市立美術館から巡回してきた「上海 近代の美術」展に行ってきました。大阪で開催中から見たい見たいと思っていたので、ようやくと言った感じです。

この展覧会では、現代中国において、最も繁栄する都市・上海。その富は1840年アヘン戦争以後に、海外貿易により築かれ、多くの芸術家が集まり、それぞれが個性的な作品を制作し、そこには日本と中国の書画家との交流も生まれました。台湾の国立故宮博物院や鴻禧(こうき)美術館などが所蔵する約100件の日本初公開作品に加え、日本国内の美術館・博物館、個人が所蔵する未公開を含む作品約100件の計200点の展示により、今日の中国書画についても大きな影響を残した近代上海の絵画及び書-篆刻について、振り返ります。
注:作品数が多いため、松濤では3期に分けて作品を展示。


全体の感想としては、中国書画特に絵画と江戸期の絵画作品に相通ずるものを感じました。時代的に、今回の展示作品は1840年代以後のものであるため、江戸期との接点はほぼありません。しかしながら、共通するものを感じたというのは、中国書画の脈々とした系譜が今回展示作品に見えたからだと思っています。

以下印象的だった作品のみご紹介していきます。

・「も漢代銘文四種」☆ 二階展示室冒頭に掲げられていた書。四種類の書法による書き分けが見事。

・「篆書八言聯」☆ 東博で2006年1月に開催された「書の至宝」展で篆刻の美を感じましたが、今回も同様な思いを得ました。文字の内容や読み方は全く分かりませんが、なぜか宇宙的なもの宇宙人が書いたような文字に見えるのが面白い。文字の形自体の面白さがあります。この作品は強烈なピンクの下地に書かれているので、中国的あでやかさが目立っていました。

・「金魚図」☆ 下向きに泳ぐ金魚がとにかく愛らしい。
金魚


・「和合双仙図」 寒山捨得が仲良さそうに描かれている。この絵の意味に「結婚」があると書いてあったような気がして、調べてみたが分からずじまい。寒山拾得は絵画のモチーフに大変よく使われるが、結婚を意味するというのは私の単なる勘違いだろうか。
寒山


・「墨梅図」☆ 大胆な構図と小さな梅の花が画面を覆っている。寄せられた賛の文字も見事。

・「筆庭明珠図」☆ 本展図録の表紙に採用されている作品。墨の濃淡と伸びやかな筆使い、色の取り合わせが美しい。小さな作品だけれど、気に入った。

・「松鼠図」☆ 愛らしい栗鼠が3匹。動きがよく捉えられている。

・「仕女図扇面」 金箋に中国らしい繊細な筆使いで樹陰で机に向かう婦人が描かれ、華やかな海上派の作品を象徴していた。

作品を鑑賞する際、どうしても作家の名前に左右されてしまうことがありますが、今回の展覧会ではそうした名前に左右されず純粋に作品を楽しむことができました。上海に花開いた美術は商業的絵画であったため、より分かりやすい題材が選ばれたことが、東洋美術ド素人の私でも楽しめた理由のひとつであったようです。

*前期:12月11日~12月24日 → ここに挙げた作品で前期のみ展示のものには☆を付与。
 中期:12月26日~1月14日
 後期:1月16日~1月27日

作家の名前は漢字変換できないものが多かったため省略させていただきました。

1泊2日 駆け足東京美術館めぐり

22日、23日の1泊2日で東京へ。
まわりにまわった美術館と行程は以下の通りです。
毎度のことですが、行った展覧会が増えれば増えるほど、記事にアップできないというジレンマに陥っています。ボチボチ、気になった展覧会から取り上げて行こうと思う次第。

22日(土) AM7:09名古屋発 のぞみで新横浜へ

綱島で所用をすませ、

<11時>
松濤美術館「上海の美術」を見る+ブランチにお気に入りのクロックムッシュをいただく。
<12時>
松濤から道に迷い、漸くたどりついた「たばこと塩の博物館」で「幕末Nippon!」展を見る。
詳細な解説と写真や浮世絵で展観する幕末期の様子は大変興味深く、思ったより時間をとられる。

<13:45> 渋谷から上野へ
東博平常展を見る。お目当ては渡辺崋山の「佐藤一斎像」。TV日曜美術館でこの絵を見た時から気になって仕方がなかった。よもや本物とこんなにも早く対面できるとは感動~。
他、浮世絵や洛中洛外図(舟木本)、誰が誰を描いたのかはっきりしないBigサイズの国宝肖像画「藤原光能像」を鑑賞。

<14:45> 国立西洋美術館常設展を池上英洋先生の解説により鑑賞させていただく。
スペシャルな体験であったことは申し上げるまでもなく、本物を前に宗教絵画をはじめ西洋絵画の見方を学んだ。詳細は、一緒に参加されていたとら様がご自身のブログ上でまとめていらっしゃるので当方では割愛いたします。実はとてもまとめられない・・・。

一番嬉しかったのは、クールベを解説していただけたこと。
今年はフィラデルフィア美術館展、村内美術館をはじめ、クールベ作品を見る機会に恵まれたが、見れば見るほど興味深い画家であり、その先進性には目を見張るばかりであった。池上先生によりクールベの性格や生涯等の知識を得ることができたのは私にとって大きなクリスマスプレゼントになった。

この後、上記鑑賞会に参加された皆様と二次会へ。初対面の方ばかりでかなり緊張する。
三次会に行くつもりが、気が付いたら二次会で帰る組に入っていて、朝が早かったこともありそのまま宿へ。


23日(日)
前日にたばこと塩の博物館で購入した「展覧会ガイド<首都圏版>」(300円)で気になった展覧会をめぐる。

<9時半>
芝公園にあるホテルを出て、逓信博物館にて「ふみをかざるひとひらの美」を見る。
日本郵政グループ発足記念展第三部「切手原画展」であったが正直期待はずれ。田渕俊夫の作品が目に付く。第一部「郵便錦絵展」を見たかったな。
 
それにしても大手町駅にはいつも閉口する。もぐらになった気持ちがするのは私だけでしょうか。

<11時> 三井記念美術館で初日の「国宝雪松図と近世絵画」展を見る。
今回一番印象的だった展覧会。目玉の雪松図でなく抱一の初公開「観音像」は必見かと。
こちらのカフェで遅めの朝食に「ぜんざい」をいただく。

<12時半>  国立近代美術館常設展を久々に見る。
見たいと思っていた和田三造の「南風」をじっくりと堪能。毎度のことながら名画がずらり。充実した内容に常設だけでおなか一杯。新しいものではジュリアン・オピーの作品が気に入った。
昼食は近美のクイーンアリスにて。

<14時半> 近代美術館工芸館にて「工芸の力-21世紀の展望」を見る。
先に行った近美常設は、この工芸館で開催されている30周年記念展のおまけで、実はこちらが本命。須田悦弘が出品作家に並んでいるので見逃せない。

<15:45> 目黒区美術館で「目黒の新進作家-七人の作家、七つの表現」展にすべりこむ。
鈴木康広のインスタレーションで思い切り遊ぶ。この作品面白いです。

一旦ホテルに戻り荷物をピックアップ+お茶をしてエネルギー充電。

新宿にて所用の後、

<19時半> 森美術館「六本木クロッシング2007-未来への脈動」展を体感。
ここでセレンティピティが私にも起こる。宇川直宏による人工台風作品「A Series of Interpreted Catharsis episode1- typhoon」で、人口台風の中で六本木の夜景に向かいお札を巻き上げるという一生に一度の経験をし、最高の気分になる!

<21:07> N700系新型のぞみにて品川より名古屋へ。エクスプレスカードのポイントで初グリーン席で夢見心地。

長くなってしまいました。読んでいるだけで疲れてしまいますが、やってる本人も2日目は相当疲れました。健康を損なうような美術鑑賞は極力避けようと思います。反省。      

「河口 龍夫-見えるものと見えないもの-」 兵庫県立美術館

もう既に会期を終了した展覧会について書くのは気がひけますが、やはり記録として残そうと思います。

兵庫県立美術館に赴いたのは今回が初めて。
阪神電鉄の最寄駅岩屋から、てくてく歩いて行くと壮大な黒いオブジェのような建物が見えてきます。外観は非常にかっこいい~というのが第一印象。
もちろん、かの地中美術館等の建築でも有名な安藤忠雄氏設計ということは当初より知っており、建物自体も楽しみの一つでした。

中に入れば、やはり安藤建築らしさ満載。コンクリート打ちっぱなしの壁や階段、そこかしこに安藤建築の特徴を醸し出しています。
美術館としての機能としては、???というのが正直な感想。
はっきり申し上げますと、私の好みではありません。

さて、特別展は冒頭の河口龍夫展。
先にアップした名古屋市美の河口龍夫展との同時開催です。


一番最初の展示室は、広い空間の壁一面に写真作品「陸と海」シリーズだけで構成されています。
波の満ち干きを見ていると、波は様々に形を変えて陸を侵食?していく様子が分かります。
まるで生き物のよう。
1つ1つの写真を眺めていると、波の形と共に時間の流れを感じました。
作者の河口は須磨の海岸近くに住んでいたため、この「陸と海」が生まれたのです。
彼自身のHPを見たら、このシリーズでは時間と地球が自転していることを形にしたかった、つまり目に見えるもので表現したかったとのこと。

そういえば、名古屋市美の最初の作品も、三角錐の分銅がゆっくりとまわることで地球の自転を表現していたことを思い出しました。
なるほど、2つの美術館はやはり結びつき、関係を持っていたのです。


名古屋市美と同様のモチーフを使用した作品は他にも何点かありましたが、ここでは兵庫県美のみでしか体験できない作品をあげたいと思います。

・「暗闇の中のドローイング」
真っ暗な小部屋に1人ずつペンライトを持って、中のドローイングを鑑賞します。
ドローイング自体、河口が暗闇の中で描いた作品。
隣の小部屋では、観客自らが闇の中でドローイングを描く体験コーナーもあり、列を作っていました。

・「浮遊する蓮の船」2007年
私はこの作品が一番好きです。
重い鉛でできた蓮の船を展示室の天井から吊り下げています。
あれが、間違って落ちてきたら・・・と思うと真下には怖くて長時間いられませんでしたが、圧巻なインスタレーションです。
更に、室内の壁一面に、蓮の種が茎に1つずつくっついて展示されています。
聞くところによると、この展示は水中から蓮の船を見た様子をイメージしたとか。

どういう見方をするかは、観客の自由。私は水中から見たというイメージを持てませんでしたが、大変美しいオブジェだったことは間違いありません。

・「関係-鳥になった種子」2007年
会場出口の廊下の天井を飾るモービル。文字通り鳥が飛んでいるような錯覚を覚えました。
建物を上手く利用した展示の最たるものです。この作品での作者の意図-種子と鳥との関係-は分かりませんが、新たな試みは美しく変貌したという印象を受けました。
「浮遊」・「飛ぶ」ということがキーワードになっているのかも。

・「関係-時の睡蓮の庭」
もう1つ中庭という建築空間を活かした作品。水を張ったプールに蜜蝋を塗った蓮の花が浮いています。ただそれだけなのに、本物の睡蓮の花が浮かんでいるように見え、なぜか見ていると静かな気持ちになれます。


作品画像、展示風景は河口龍夫公式ホームページよりご覧になれます。
関心がおありの方は是非。

*本展は12/16に終了しています。

豊田市美術館常設展

今回の豊田市美常設展は通常企画展で使用される1階の展示室8を全て使用しての展観でした。
クリムト、シーレから始まり、奈良美智といったビッグアーティストの作品など旬な現代アート作品がずらり、大変見応えがありました。これで「現代アート」展ひとつ開催できるのではないでしょうか。

印象の残った作品の中をいくつかご紹介します。

1.「ディソリューション」 古池大介 1998年
ビデオインスタレーション。画面の中の人物画がデジタル処理により百変化。その刻々と移り変わる様子が大変面白い。
豊田1
豊田2
豊田3


2.「パンジーズ」 加藤美佳 2001年
忘れようにも忘れられない、写真のような絵画作品。描かれているのはどくろを枕にしたお人形。画面に近寄ると、無数の色粒が描かれており、この色粒が加藤作品の緻密さを構成しているようです。
豊田4


3.「Tiles Shower」 坂本 夏子 2007年
初見の作品。抽象的な背景の中に描かれた女性像。不思議な魅力がある。

4.「in between dreams」 森北 伸 2001年
初見。大好きな森北伸のオブジェはムンクの叫びに描かれた人物のようにも見えるし、空想上のミュータントにも見える。壁にも床にも配置されたオブジェ一体一体は微妙に表情や動きが異なっている。やはり森北彫刻は好き。
豊田5

森北


5.「スター・バースト」 鬼頭健吾 2004年
初見。ガラス容器、シャンプー容器、シャンプーそのものを使用したインスタレーション。
ノズルでつないだシャンプー容器、実際に泡だっている。ちょっとパンチにかける。


6.「聖遺物箱」 クリスチャン・ボルタンスキー 1990年
ビスケットの缶を使用して、子供たちの顔が浮かび上がるオブジェ。遺影のように見える。


この他、おなじみのソフィ・カルの「盲目の人」シリーズ、ナン・ゴールディンの写真等々洋の東西を問わず集められたコレクションはどれも秀逸です。

*12月24日まで展示。

「篠原有司男と榎忠」展  豊田市美術館

うしお

またしても、豊田市美術館がやってくれました。
チラシを見た時は、ピンと来なかった展覧会だったので行くのが遅くなり、会期終了間際の本日行って来ました。

篠原有司男(しのはら うしお・本名:牛男)は恥ずかしながら、本展開催予告を見るまでその名前さえ知りませんでした。
一方榎忠(えのき ちゅう)も、過去の豊田市美の展覧会や現在森美術館で開催中の「六本木クロッシング」展で出展があり、作品を目にしたことはあるものの特に印象が残る作家ではありませんでした。

円熟した熱い男達2人の共催展。

今日は豊田市美でもっとも天井が高い2階展示室から入りました。
一歩足を踏み入れて目にしたのは・・・壁一面全てを覆う巨大壁画。
高さ9.6メートル、面積約300㎡の3つの壁を覆いつくす色色色。
うしお


本展のために作成されたこの壁画は3m×7mの27枚のキャンバスから構成されています。

そのカラフルさと無秩序さは「美」を通り越しエネルギーの塊としか言いようのない世界。壁画を眺めていると平面絵画ではなく立体作品、昔あった「飛び出す絵本」のように画面に描かれている人?の顔やメデューサがせり出して来るよう。
この壁画作品名は「ギリシャ神話ファンタジー」2007年。正面の壁面は「崩れ始めたパルテノン神殿を持ち上げるヘラクレス」、向かって右は「メデューサの出現に発掘現場は大騒ぎ!」左壁面は「獅子門爆発」というサブタイトルが付けられています。

岡本太郎の「明日の神話」を凌ぐ程の巨大さとエネルギー。
篠原は岡本太郎の影響を受けたとのことでしたが、なるほど色と力強いタッチが爆発していました。

うしお

さて、壁画で覆われた展示室にはこれまた巨大なチョッパー型(注)オートバイ「地上最大のバイク」2007年が展示されています。
注:フェンダーなどの外装を取り外し、ハンドルを長く延ばし、シートを後方に設置するなどして改造したオートバイ。
段ボールを主体として作成されている篠原のオートバイシリーズ中、過去最大のものです。
鋼鉄製の4本足を支えとして、なぜかハンドル手前に蛸壺を貼り付けた、この巨大ハリボテは、上から眺めるとまた面白い。
運転席部分は三角柱がいくつも配置され、昆虫を思わせます。


本展オープニング初日に篠原本人による<ボクシング・ペインティング>パフォーマンスが行われ大盛況だったとのこと。DVDにてその模様を拝見しましたが、短パン姿の白髪老人がグローブを両手に力強く横長のキャンバスにパンチを繰り出す様子は、はたから見て生死に関わるのではないかとハラハラしました。
実際、5~6発打ち込んでは酸素ボンベを口にあて休憩し、また打ち続けるというかなりハードなパフォーマンス。
篠原本人の年齢は75歳!!!
75歳にしてこのパワフルさは一体・・・。
人は年齢だけでは判断してはならないということでしょうか。全く驚きです。


もう1人の主役=榎忠(63歳)の作品は、本展のための新作「PATRONE」2007年他3作の鋼鉄製オブジェがメイン。
「PATRONE」は写真のロールフィルムが入った円筒形遮光容器のこと。
総重量14トンの大量パトローネを用いたインスタレーションは暗闇の中にあります。左右から等間隔の時間でスポットが照らされた時、その姿が徐々に闇の中から浮かび上がってきます。その様子は、洞窟の中で見つけた金塊にも見えるし、深海の中に沈んだゴミのようにも鑑賞者に様々なイメージを呼び起こす存在です。
アナログからデジタルへ、その時代の流れがスポットライトの照明の点灯に象徴されているのでしょうか。

・「unearthing」2007年/「RPM-1200」2005年
豊田6

近未来都市をイメージさせる金属部品の集合体、と言ってしまうのはあまりにも味気ない。
金属部品を素材とした巨大積み木なのですが、それを美しく見せるのはやはり作家の力量と美意識。
「uneathing」は錆を付けたままの金属部品を使用し、「RPM-1200」では旋盤で磨き上げた部品を使用しているため、両者の対比も見所です。

・「FALCON-C2H2」2007年
榎の最新彫刻作品。中心に大砲の砲身らしきパーツを装備し、オープニングでは気体アセチレンを利用した「祝砲パフォーマンス」が開催されたそうです。
さながら巨大化したプラモデルと申し上げたらよいのでしょうか。男性が好みそうな武器形作品。


この他過去の両者の作品や篠原の水彩、版画、リトグラフ、殊に水彩やリトグラフは篠原の筆の確かさや作風の変遷が分かり、好印象でした。

本展示にあたっての篠原による制作風景は下記豊田市美術館ホームページよりご覧になれます。会場ではDVDが流れていますが、1時間の長丁場とのこと。
http://www.museum.toyota.aichi.jp/japanese/index.html

12月24日最終日にも「祝砲パフォーマンス」が行われます。興味のある方は是非。

*写真がまずくて申し訳ございません。

「キスリング展」 松坂屋美術館

神奈川、茨城、北九州、府中と巡回し、名古屋へようやくやって来ました。

今回は、ジュネーブのプティ・パレ美術館所蔵作品を中心として約60点を紹介。
前評判通りの良い展覧会でキスリング作品の魅力を満喫することができたと共に、新たなる一面を垣間見た気がします。

印象に残った作品は以下の通り。

1.「サン=トロペでの昼寝<キスリングとルネ>」 1916年
ルネとキス

初期の頃の作品でもっとも良かったのはこの作品。
画面から幸せな雰囲気がたちこめていました。何よりキスリング自身の表情が最高です。妻の傍らで微かな微笑みを浮かべているようです。
この作品の背景に描かれている風景を主題とした「サン・トロペの風景」もキスリングらしい明るい色調で、後の作品へのつながりを感じさせます。

2.「赤いセーターと青いスカーフを纏ったモンパルナスのキキ」 1925年
キキ

キキを描いた作品は上記の作品ともう1つ「赤いワンピースを着たモンパルナスのキキ」が左右に並べられていました。2つの作品を比較すると、やはりこの青いスカーフのキキはキスリングらしい作品で神秘的な雰囲気を醸し出しています。
キスリングの描く女性の多くはこの神秘性を感じますが、それを引き出しているのは瞳ではないでしょうか。キキの瞳はスカーフと同じ青が使用されているように思いました。

松坂屋美術館のキスリング展チラシにはこの作品が表面に取り上げられています。

3.「ブロンドの少年」 1937年
ブロンド

女性のように美しい少年の肖像画。くるくるとしたブロンドの巻き毛とやはり神秘さをたたえた瞳に、しばしの間見入ってしまいました。

4.「魚<ブイヤベース>」 1931年
ブイヤベース

キスリングと言えば、透明な肌の女性像とこのブイヤベースを浮かべます。村内美術館所蔵作品の方がインパクト感は強かったのですが、キスリングは同じ主題で何枚か描いていたのですね。ちょっと意外でした。

5.「果物のある静物」
静物画は初期から晩年の作まで何枚もありましたが、この静物画が一番素晴らしかったです。画面から果物がせり出して来るような、迫力と写実、オランダ絵画の影響を強く受けていた頃の作品です。

6.「スウェーデンの少女・イングリッド」 1932年
イングリッド

この作品に出会うのは今回で2度目で1回目は岡崎で開催された「エコール・ド・パリ」展でした。モデルが着用している洋服の黒と白の対比が作品をきりりと引き締めています。
青色の憂いある瞳と小さな唇。まさにキスリングの描く女性像と言えばこれ!でしょう。
キスリング自身はこの作品が気に入らず出展をとりやめ、もう1枚描き直した作品はモデルのイングリッドに贈ったそうですが、そちらの作品も是非見て見たいものです。

7.「女優アルレッティの裸像」 1933年
横たわる裸婦像も何点か出展されていましたが、どれも甲乙つけがたい作品ばかり。
果物や花を描いた静物画同様、裸婦が画面からせり出してくるような印象を受けます。磁器のような肌と赤みのさした頬、女性の身体のカーブ、どれもこれも美しい。
「赤い長椅子の裸婦」1937年の作品は腰のカーブが更に極端になっており、妖艶さが増していました。
キスリングの色使いは彼独特のものがあり、特に「赤」を効果的に使っているようです。


見終わった後、キスリング作品からエネルギーをもらったような気がしましたが、それもキスリングの美しい色彩によるものでしょう。

*12月24日まで開催中。

「三沢厚彦 ANIMALS+」 伊丹市立美術館

タイトル


平塚や高崎を巡回し、ようやく伊丹で三沢厚彦の展覧会を見ることができました。

伊丹では他の美術館での開催と違い、美術館に隣接する旧岡田家住宅(国指定の重要文化財で兵庫県内最古1674年の民家、酒蔵遺構は日本最古1715頃と言われる。)を使用しての展示が独自に行われており、美術館での展示と二重に楽しめる構成となっています。

岡田


さて、三沢厚彦と言えば動物彫刻。材は楠を使用し、のみによる彫あとがしっかりと残っています。

<三沢厚彦プロフィール>
1961年京都生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻修了。
2001年7月に第20回平櫛田中賞を受賞。2002年、個展「ANIMALS 02」(西村画廊、東京)では、巨大なキリンをはじめとしてカンガルー、マンドリル、ウサギ、そして犬・猫といったさまざまな動物たちを一ヶ所に集めた展示で、大きな反響を得た。


三沢作品との出会いは数年前の西村画廊。ご本人もそこでお見かけしました。昨年10月に青森で開催された奈良美智のAtoZにも参加していたはず。


伊丹市立美術館自体さほど大きくないせいもあってか、館内は大混雑。特に展示作品が動物彫刻なので、親子連れが非常に多かったです。かなりにぎやかでした。

最初は旧岡田家住宅の展示から。高い天井と広々とした酒蔵には巨大ユニコーンが1対。
う~ん大きい。
これはこの展覧会にあたっての新作です。
住宅部分には怖そうな虎が1頭。こんなのが家にいたら、怖すぎ。

旧岡田家住宅は、彫刻作品なしで十分楽しめます。特に酒造りの遺構は非常に立派で、むしろ彫刻作品よりそちらに目を奪われたのは私だけでしょうか。絞ったお酒を溜める甕の大きさは私1人余裕で中に入り込めそうなほどです。

次に美術館内での展示へ。

くま


地下1階ではgrafとのコラボによる白くま(等身大)小屋のインスタレーションと名物きりん君がいます。

2階展示室。
ここが一番メインの展示で、個人的には一番良かったと思います。

「CAT&DOG」は文字通り1室まるごとを使用し、様々な犬と猫の彫刻が並んでおり壮観です。。配置の仕方が絶妙で、見る角度によって、犬と猫たちが一斉に一定方向に進んでいるように見えたり、バラバラなようで不思議な統一感がありました。

三沢作品は単独で鑑賞するより、こうして沢山並べた方が味わいがあります。

2階のもう1つの展示室でも展覧会通り「ANIMALS」と題し、象にリスをはじめとした野生動物をはじめ、モモンガが空を飛び、ヤモリまでもが壁の上部に張り付いています。

アニマル


プラスチックのケースには宝物のようにモリアオガエルが置かれていました。
この蛙だけは、彫あとがあまり見られず本物の蛙そっくり。

どの作品にも共通して言えることは妙に愛嬌があることです。
目がみんな似ているのかな。

束の間動物園に行った気分を味わいました。

*12月16日(日)まで開催中です。

逸翁美術館 開館50周年 特別記念展 後期

関西ぐるっとパス最終回。
今回は大阪市立美術館の「BIOMBO」を皮切りに、冒頭の逸翁美術館→伊丹市立美術館→兵庫県立美術館の4館を1日ではしごした。

「BIOMBO」展は後ほど・・・まとめきれるか!?にして、まずは逸翁美術館。

逸翁


阪急東宝グループ創始者小林一三(雅号:逸翁)の旧邸をそのまま展示の場として、1957年10月に開館しました。
他のブロガーさんの記事を拝見し、絶対行ってみたい美術館であり特別記念展であり、万を持しての出立である。

阪急池田駅からは時間がなかったので、行きはタクシーを使用。
古めかしい門をくぐって、受付を通ると来館者は靴をスリッパに履き替える。
小林翁宅拝見です。
建物内に入って思い出したのは、京都の大山崎山荘美術館。どこか雰囲気が似ている。

(第一室)
最初に拝見したのは仏画と書、経文。

中でも印象的だったのは大方廣仏華厳経(二月堂焼経切)。
1667年東大寺二月堂炎上び際、二月堂より持ち出されたものだという。下部の焼損が生々しくその歴史を物語っている。文を綴る銀が黒く変色せず白くなっているため、プラチナ経とも呼ばれていると解説にあったが、黒く変色していても感動は変わらなかったに違いない。

(第二室)
後期は主として、茶道具による展開。名茶碗と言われるものがずらりと並ぶ。
私はまだ茶道具の良さを見極める目を持っていないため、感想など述べる資格もないが、乾山のものや、楽茶碗だけは見てすぐにそれと分かった。
特に茶碗-楽長次郎作の銘「老松」は最晩年の作とされるが、枯れた感じと力強さ、円熟味を感じた。
もう1つ、仁阿弥道八作茶碗「武蔵野図」の絵柄は気に入った。

忘れてならないのは、千利休作茶杓と全会期を通じて展示されている「豊臣秀吉画像」。
利休の茶杓は虫食いの痕すら、美に見立てる、彼らしさを感じ、秀吉の方はこれぞ歴史の教科書で何度も見た秀吉であった。
顔から胸部にかけて、別紙を貼っていることから、秀吉本人が何枚かある中で自分の気に入った絵を選んだと推測されている。
実は、もっと不細工であったかもしれないが、絵の中の秀吉はやはり立派に見える。

(第三室)
第二室に続き、茶席に使用するお軸や花入、水指が並ぶ。
ここでは、先日岡崎で見た大和文華館所蔵で一番のお気に入りとなった野々村仁清作の香合「柚」が目をひいた。
仁清の香合はどれもこれも、いとおしい。
柚も決して派手な作品ではないが、上品で美しい。
他には、乾山直筆の「白梅図」が兄の光琳作「寿老人図」と共に並んでいた。
白梅図の絵は上手いとは思わなかったけれど、逸翁生前最後の初釜で使用されたことから、思い入れの強い作品。

また、ここでは逸翁茶会記に記されている茶室の室礼が再現されている。


(第四室)
茶杓と絵巻ものが並ぶ。
大江山絵詞(下巻)南北朝時代に描かれた酒呑童子がユーモラスな作品。色もしっかり残っていた。
与謝蕪村作「奥の細道画巻」上巻は、書の蕪村を印象付けられる作品。
個人的に蕪村は絵より書の方が好き。

(第五室)別館
円山応挙筆「雪中図屏風」。
国宝の「雪中図屏風」(三井記念美術館蔵)と同じ構図と構成であるのに、重文指定も受けていない。
そのせいかどうかは関係ないと思うが、あまりピンと来なかった。ただし、国宝の方を見てもピンと来ないような気がする。

第5室は小林逸翁の半生を綴るような構成であったが、一番気になったのは亡くなってから受賞した「勲一等瑞宝大綬章」。燦然と輝く勲章はまさに勲一等にふさわしい。


鑑賞後はお庭をまわり、お茶室を見学。
最後に茶室「即庵」にて立礼席でお抹茶をいただく。他にお客様がいなかったことを幸いに、立派なお手前をしていただくことにした。
無作法者にも関わらず、袱紗さばきやお道具拝見まで、束の間であったがタイムスリップして昭和に戻った気がした。
一般客に開放しているにもかかわらず、茶杓や花入は近衛文麿公作だとおっしゃるし、逸翁ご本人の作による白茶碗での一服は格別。

作品リストを見てつくづく前期も見たかった。。。いや、むしろ前期の方が見たかったと思う。
無念のあまり、ミュージアムショップで前期に展示されていた芦雪作「降雪狗犬図」を購入し、心慰める。


次回「蕪村と呉春展」を最後に2009年秋まで移転により休館となるため、年明け12日から3月2日までの同展は必見です。

*本展は12月9日(本日)で終了しています。

グリル プランセス 絶品カキフライ

久しぶりに食ネタです。

今日のお昼は池下にある「グリル プランセス」のカキフライ。

フライ


グリルプランセスは昭和38年創業の名古屋では老舗の洋食店。
私はこのお店を心の底から愛している。

理由その1
何より、本当に美味しい洋食がいただける。
味は人によって好みが様々なので一概には言えないが、私は評判のハンバーグより洋食基本中の基本であるカニピラフ、えびピラフ、ビーフカツサンドがお気に入り。

理由その2
お店の壁に沢山の絵画が飾られていて、美術館の中で食事している気分を味わえる。
ちなみにレジ横には、ロートレック作「ムーランルージュ」のリトグラフがさりげなく鎮座している。ロートレック大好きなので、そのリトを見られるのも愉し。
赤い絨毯や照明がレトロ感を更に醸し出している。

プランセス



理由その3
マスターのお人柄。
いつも、穏やかな笑顔で接客してくれる。どうやら海外のホテルで経験がおありだとか。
ダンディで、お店の味に自信を持っていらっしゃる。


前置きが長くなりました。

ピラフも美味しいのですが、やはりプランセスと言えば、三重の佐藤養殖場から直送される「的矢牡蠣」を語らずにはおられません。
東京の帝国ホテルでも同養殖場からの牡蠣を使用しているそう(マスター談)。

生でいただくのも最高ですが、フライにしても絶品!!!
数週間前からあちこちのお店でカキフライを食べましたが、プランセスのカキフライは他店のものとは比べ物になりません。
マスター曰く「うちのカキフライは日本一」とおっしゃるのも納得です。

薄い衣をかぶったプリプリのカキは噛みしめると磯の味がします。
名古屋にいながらにして、海の味を感じる。。。
他店のカキにはこの磯の味が全く感じられません。
ジューシーなカキは旨み満載です。

あっと言う間に、たいらげてしまいました。

カキフライ、生牡蠣、焼き牡蠣(焼いたのだけは一度も食べてない)いずれも1480円(ライスは別、カキフライ定食あり)で、牡蠣は5個です。

生牡蠣


なお、この的矢牡蠣は冬季限定。
年によっても違いますが11月頃~3月頃までのみのメニューです。

牡蠣がお好きな方もそうでない方も是非!


<お店情報>
住所 愛知県高見2-13-14 堀清ビルB1
TEL 052-761-5432

営業時間 ●[火~金]17:00~24:00(LO)
●[土日祝]11:30~14:30,17:00~24:00(LO)
定休日 月曜日
地下鉄東山線池下駅1番出口から北へ徒歩1分

<予告> ボストン美術館 浮世絵名品展

トップ

来春早々名古屋にて、ボストン美術館所蔵の浮世絵名品展が開催されます。

11月30日に展覧会のサイトもアップされました。
詳細は徐々に公開されるようですが、展示予定作品の画像が既に何枚かアップされています。画像を見る限り、先日のミネアポリス美術館所蔵浮世絵作品同様、発色や状態は大変良さそうです。

名古屋市内の最寄地下鉄駅で今週月曜日にポスターとチラシを見かけたので、早速チラシを1枚いただいてきました。

以下チラシ抜粋。
大多数が日本初公開作品で、初期から幕末までの浮世絵の歴史を概観します。
ボストン美術館内でも展示されたことのない磯田湖龍斎の揃者など、色目鮮やかな初期浮世絵版画も充実。さらに門外不出のスポルディングコレクションからは、版本にも注目です。


期待は高まるばかり。

春信


通常、名古屋ボストン美術館開催の展覧会は巡回しないのですが、今回は名古屋のあと東京を含む3箇所に巡回します。

・新潟市美術館
   2008年4月15日(火)~5月13日(火)
・福岡市美術館
   2008年7月12日(土)~8月31日(日)
・江戸東京博物館
   2008年10月7日(火)~11月30日(日)

10月の東京開催まで待ちきれない~という方はぜひ、この機会に名古屋へおいでください。
名古屋ボストン美術館は名古屋からすぐの金山駅(JR,地下鉄、名鉄)目の前にあり、交通至便です。

イベントとして講演会が2つ開催されます。

・1月6日(日) 14:00~15:30
「ボストン美術館の浮世絵-版画・版本そして肉筆」
講師/セーラ・E・トンプソン氏
(ボストン美術館アジア・オセアニア・アフリカ美術部 日本美術課浮世絵版画室室長)

・2月9日(土)14:00~15:30
「浮世絵の魅力とボストン美術館のコレクション」
講師/永田生慈氏(美術評論家・葛飾北斎美術館 館長)

いずれも名古屋都市センター(ボストン美術館と同じビル)・11階大研修室
定員/各150名 先着順 聴講無料


<開催概要>
会期:2008年1月2日(水)~4月6日(日) 
会場:名古屋ボストン美術館 (〒460-0023 名古屋市中区金山町1-1-1)
開館時間平日:午前10時~午後7時
      土・日・祝・休日:午前10時~午後5時  (入館は閉館の30分前まで)
休館日月曜日(祝日・振替休日の場合はその翌日)
入館料金一般 1,200円〔1,000円〕、シルバー・学生 900円〔700円〕、中学生以下無料

「河口龍夫-見えないものと見えるもの-」 名古屋市美術館

椅子

2週間ほど前から体調を崩しているため、今日は遠出をやめ近場の名古屋市美術館で開催中の「河口龍夫」の展覧会へ行って来ました。
今回の展覧会は、兵庫県立美術館との同時開催、2つの場を使用し河口作品を媒介として「関係-見えないものと見えるもの-」を展観していくコンセプトです。

たまたま行った時間にボランティアガイドの方による解説があったので、参加しました。
これが良かった。
解説なしでは、分からなかった見所やツボを教えていただいたおかげで、一層作品を楽しく鑑賞することができました。また、一緒に参加されていた方々の感想も参考になり、一人で見るのとはまた違った見方もできたと思います。

作品リストがなかったため、ほぼ記憶のみで作品をたどってみます。

会場入口正面にあった作品「関係-腰掛けた水」(1998年)。

鉛で覆われた椅子の上に、蜜蝋で黄色に彩られた盥がいくつか重なって置かれています。
中にはお水が張られており、その水の上に銅製の小さな鉢とこれまた鉛で覆われた種子が1つ入っています。
さらに、吹き抜けの天井には滑車でつながれた青色の円錐形おもりが、水面に弧を描く。

この作品を最初見た時は、おもりの動きにばかり気を取られてしまい、作品全体の意味がよく分かりませんでした。
円錐形のおもりは地球の自転を象徴しているそうです。
そして、作品を通じ下記の関係を私達は考えることができます。

・対面した二つの椅子 → 空間
・滑車で結ばれた二つのおもり → 存在、時間?
・鉛と種子 → 生と死

種子は蓮の種なのですが、銅製の鉢が蓮の花のようにも見えます。


次に、中へ進んでいくと今度は不思議な音と匂いが。。。
その正体はひまわりの種子。
今回の展覧会にあたり、カナダ産のひまわりの種子を5.4tも用意したそうです。

そのひまわりの種子が目の前に山積みとなって出現。
匂いの正体はこのひまわりの種でした。

では音の正体は?

なんと、2階からひまわりの種が降って来て、山の一角をなした瞬間の音だったのです。
2階からは観客がスコップで種子をすくって、透明なパイプに種子をそそぎます。
パイプは種の山のほぼ中央落下点に設置され、パラパラと音を立てて落ちていく。
ひまわりの種子に覆い隠されているのは、鉛でできたピアノと椅子。
会期終了時には全てが覆いつくされる予定です。
ピアノには1つ秘密がありますが、それは展覧会出口近くで流れている映像にて確認できますので、お見逃しなく。

会場に設置されていた解説パネルの作家自身の言葉によると、「芸術は精神の冒険だと思っている。また、美術は芸術の中でも視覚を中心としたものと考えられているが、自分は視覚だけでなく五感を使って感じるものと捉えている。視覚という垣根を越え、境界を曖昧にすることが目的。見えるものを見えなくしたり、見えないものをより見えなくすることで、その目的を実現したい」云々(注:ここで記載した内容は、あくまで概略)。


「関係-種子 四季の時間」では、鉛の長方形レリーフが壁一面に展示されています。
そのレリーフには種子が埋め込まれているのですが、左から順に

・たんぽぽ
・スイカ
・コスモス
・りんご

と季節を象徴する植物が選ばれているのがミソ。
更にレリーフの置き方にも工夫があって、左端と右端がパズルのような補足関係に配置されています。
作者はこれらを通じてめぐりめぐる四季、循環を鑑賞者に伝えていました。

2階には大掛かりな空間インスタレーションが二つ。
「関係-電流・種子の時、化石の時」。
これは大掛かりな理科の実験をアートにしたら・・・こうなりましたという感じ。
室内一面に銅板が置かれ、その銅版を同じく銅で覆われたもしくは銅製のオブジェがつないでいます。
床には低電流が流れており、この銅板、銅オブジェをめぐって、途中小さな豆電球や砂磁石で描かれた文様があったり。
さらに、銅でできた箱庭には亀の化石(本物)が。
化石は、生死を象徴するものとして種と同じく河口作品に使用されているものです。

もう1つは見えないものを見えるようにした作品。
暗い室内に天井からの光を通して言葉を床に浮き上がらせています。
言葉自体が「愛」「生」「闇」「関係」等々のように、目に見えないものを表現しているものが選ばれていました。

作品全体を通じ、夏に見た藤本由紀夫展を思い出しましたが、こちらの方が分かりやすかったと思います。

*12月24日まで開催中。
兵庫県美での共催展は16日までです。
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