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鎌倉国宝館 常設展「水墨画特集」

いつもお世話になっている「はろるど・わーど」さんのブログでご紹介されていたこの展示。気になって仕方ないので、鎌倉まで行って来ました。
予想通り、いや予想以上の見ごたえある内容で眼福でした。

印象に残った作品は以下の通り。

・「山路図」 伝雪舟筆 円覚寺
伝雪舟とのことだが、雪舟らしさは素人目にも分かる。雪舟の弟子の作品だったとしても、かなりの腕前。稜線の描き方と言い、構図と言い素晴らしい。今回のベスト3のひとつ。

・「観音図」 建長寺
人間らしい観音様。滝の水に足を打たせてくつろぐご様子が、微笑ましい。

・「竹斎読書図」 瑞泉寺
銀箔だったのだろうか。往時の姿を想像すると、さぞや立派な絵であったろうと思われる。筆者は不明だが、地味だけれど惹かれる。

・「浄土五祖絵」(善導巻) 光明寺
絵を見ているだけで、ストーリーを追えそうな内容。保存状態もよく、絵もしっかりとしている。続きが見たい!同様に「浄土五祖絵伝」も良かった。

・「富士図」 狩野探幽
・「西湖図屏風」 雲谷等的
後者は、展示場所が狭いせいか、1対の作品が横並びでなく向かい合わせに展示されていた。横並びでしっかりと見せて欲しかった。

この他芦雪、白隠、若冲などなどが連なる豪華版。
隣の仏像も良いのだが、こちらの水墨画の迫力には頭が下がります。

*明日まで開催中。お見逃しなく。
作品リストの準備がないので、ご希望の方は下記HPに掲載されたものをご参照ください。
http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kokuhoukan/index.htm

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2008年8月30日 鑑賞記録

青春18きっぷの使用期間もいよいよ来月10日まで。
いつも通りに起きて、鎌倉に向かった。ということで、本日の鑑賞記録です。我ながらかなりハード。

9時半頃 鎌倉駅着

9:40 鏑木清方記念美術館へ
4月に行って以来だが、その時なかった筈のスタンプカードなるものができていました。7個ためると無料入館、1年間に8個ためると無料入館+プレゼント。7個貯めて、無料入館特典を使用してもゼロクリアされませんので、ご安心を。
「鏡花作 清方描く」展を見る。ただし、一番印象に残ったのは、左記の展示でなく入口最初の床の間コーナーにあった「河沿柳図」。着物の赤い襦袢が透けて見えるように描かれていて、あ~これぞ清方と感心した。収蔵品展では、『風流線』の装丁画、下絵が良かった。
*9月3日まで開催中。

この後は詳細な時間の記憶がないため、行った順序でご紹介。

・鎌倉国宝館へ。
鶴岡八幡宮の中から、国宝館まで若干迷いつつ、遠まわりしてたどりつく。
鎌倉まで出かけたのは、すべてこの国宝館のため。感想は別途。本日のベスト。

鶴岡八幡宮にお参りし、そのまま抜けたので、神奈川近代美術館鎌倉別館に向かう筈が、別館と八幡宮の位置関係が分からず、結局鎌倉館に戻ってしまった。

・神奈川近代美術館鎌倉 「あの色/あの音/あの光」
所蔵品展で、700円はお高い。さらに、近美の鎌倉は今年になって耐震性にも問題があることが分かり、また展示室一つが閉鎖されていた。名建築も満身創痍の状態で、展覧会どころではないように感じる。展示室2つでは、展覧会の規模も縮小せざるを得ないし、いっそ長期休館して、補修工事に当たれば良いのにと県民でもないのに、願うばかり。
ここでは、浜田知名の彫刻作品数点が気に入った。浜田知名はいまだ存命作家で、版画家としてだけでなく、彫刻家としても良い作品を見せてくれる。
もう一人、こちらは故人となった吉村弘の音を使ったアートも楽しめた。特に「ミ/ズ/ナ/リ」は音によって、作られる波紋の変化を鑑賞する趣向で、目でも耳でも楽しめるアート。

・神奈川近代美術館鎌倉別館 「ドランの『パンダグリュエル』と新収蔵品展」
本館よりこちらの別館展示が本命。
結果、ドランよりスペインのアントニ・クラーヴェによる『ガルガンチュア』がとても良かった。同じスペインの画家ピカソの影響を強く受けているのか、ピカソ好きな私には好印象。
新収蔵品では、先に横浜美術館で見た中上清の作品「無題」を見て、神奈川ゆかりの作家かと思いきや、東京都出身の作家さん。きっと、私が詳しくないだけで、旬な方なのだろう。
さかぎよしおう「6008」や畠山直哉氏の写真2点ももあった。

鎌倉別館に入る前、その先にある「欧林洞」という紅茶とお菓子のお店に入る。キッシュランチ1300円をいただく。キッシュも紅茶もかぼちゃのスープももちろん美味しいが、私の胃袋にはちと足りず、追加で「サバラン」600円を注文。こちらのサバランは注文後オレンジリキュールを添えられて登場。甘すぎず、しっとりしていて美味。これはオススメです。
*いずれも明日で終了。

14時 鎌倉を後に、横浜へ向かう。

14:30 横浜美術館到着。 「源氏物語の1000年-あこがれの王朝ロマン-」を見る。
これも、後日アップ予定。現段階での詳細は著名なブログ「弐代目・青い日記帳」にて既にご紹介されています。

16:30 みなとみらい駅より東急を使用して目黒へ。

・目黒区美術館 「画材と素材の引き出し博物館」展を見る。
サブタイトル通り、目黒区美術館主催のワークショップ20年のドキュメント。展示会場をまわっていると、夏休みの自由研究の発表会を見ているような気持ちになった。
20年質の高いワークショップを継続し続けている区立美術館、頭が下がる。割と最近見た「線の迷宮」でのワークショップ制作作品も展示されていたが、アーティストとワークショップ参加者の共同制作が見事に作品として成立しているのに驚く。
*明日で終了。

・東京都庭園美術館 「舟越桂 夏の邸宅」展
明日まで20時まで夜間開館。夜の庭園美術館もおつなものだが、せっかくの機会なので、庭園をライトアップするなど、もうひと工夫望むのは贅沢なのだろうか。
近年のスフィンクスシリーズから、舟越作品が苦手になってしまった。やはり、私は「砂と街と」(今回はドローイングのみ展示)が好きだった。
*9月23日まで開催中。

「フェルメール展」 東京都美術館

話題の「フェルメール展」へ行って来ました。
フェルメールと言えば、この方ご存知Takさんのフェルメール全点踏破のお祝いもあったばかり
今回のフェルメールで見事にゴールされた記念展です。
呼び物の「絵画芸術」の出展は直前に取りやめとなりましたが、それでも全7点。よくぞかき集めてきたものです。

この7点のうち、私が未見の作品は4作品。
・「手紙を書く夫人と召使い」 アイルランド・ナショナル・ギャラリー
・「ワイングラスを持つ娘」 アントン・ウルリッヒ美術館
・「マルタとマリアの家のキリスト」 スコットランド・ナショナル・ギャラリー
・「ヴァージナルの前に座る若い女」 個人蔵

残る3作品は。
・「小路」 アムステルダム国立美術館
・「ディアナと ニンフたち」 マウリッツハイス王立美術館
・「リュートを調弦する女」 メトロポリタン美術館

今回出展の7作品中もっとも好きなのは
再会となった「小路」と「ディアナとニンフたち」。
後者の評判はあまり芳しくないようですが、私は好きです。
前者小路は、フェルメール作品で一番好きな「デルフトの眺望」を思い出させる小作品。

私が出かけた時は、お盆中だったせいか大した混雑もなくスムースに入場、最前列で割とゆっくり鑑賞できました。

フェルメールは2階に一同に集められていますが、フェルメール以外のオランダ絵画作品も並んでいます。
これらも、もちろん見ごたえはありますが、個人的には国立新美術館の「ウィーン美術史美術館館所蔵 静物画の秘密」展で見たヘーラルト・ダウの「医師」を勝る作品には出会えず。

やはり、私はフェルメールよりレンブラント好き。
今回の出品作家の中では、カレル・ファブリティウスが一番好みでした。
特に良かったのは「歩哨」と「自画像」。
自画像は、やはりレンブラントの影響が顕著に出ているように感じました。

*12月14日まで開催中です。

「SKY AQUARIUM Ⅱ with Perrier Cafe」 東京シティービュー

昨日の続き。

ライブパフォーマンスの後、六本木ヒルズ-東京シティービューで期間限定開催されているスカイアクアリウムⅡへ。
入場料大人500円ですが、入場前から観客の心をくすぐるのは、何重にも置かれた水槽にごっちゃりいるニモ、いわゆるクマノミたち。
クマノミにもセジロクマノミ、クマノミ、カクレクマノミと種類はいろいろありますが、水槽単位で入れられているクマノミが違います。
イソギンチャクと戯れる不気味なほど無数のクマノミは、かわいいのか気味悪いのか、いややはりかわいい!ダイビングで潜っても、これほど大量のクマノミを見たのは後にも先にもこれが最初。

静静と、前座のクマノミを背に中に進んで行きましょう。
通常の水族館とは違い、どちらかと言えば魚を愉しむというより、水・水中生物・水草・照明、これら全てをインテリアや芸術作品のように見せる手法を愉しむ場所と思った方が良いかもしれません。

それが顕著に現れるのは、会場中盤に出現するリアルな金魚屏風(二曲一双)。
こちらは、屏風を模した縦長の水槽に映像を流しつつ、金魚が水槽を泳ぐシルエットを楽しむもの。
すなわち屏風に描かれているものは、常に動く、生きた作品なのです。
しばらく見ていると、映像の色が白っぽいものからピンク⇒赤と変化して行きます。

最後に私がこよなく愛する「イザリウオ」まで発見。
かわいいことに、滅多に動かずじっと擬態しているのに、泳ぐ姿や這い回る様子まで披露してくれました。可愛いやつです。

そんなこんなで、大人も子供も楽しめるアクアリウム。ぜひ、一度お出かけください。

*9月28日まで開催中です。

「アネット・メサジェ:聖と俗の使者たち」 森美術館

東京進出に伴い、森美術館のフレンド会員になりました。
ということで、メンバーイベントの「MAMCウェルカムパーティー」に出席しました。
イベントは次の通り~森美術館HPより抜粋~。

《対談ギャラリーツアー「アネット・メサジェが紡ぐ、生の多面性」》
出演:高橋惠子(MAMC名誉会員/女優) 逢坂恵理 子(森美術館アーティスティック・ディレクター)

《オルガノラウンジ+松本力 ライブパフォーマンス》

■松本 力
1967年 東京都生まれ 東京都在住。多摩美術大学美術学部グラフィックデザイン専攻卒業。一コマずつ手描きとビデオによるローテクのアニメーションを制作。絵による映像表現を目指す。国内外での展覧会や、オリジナル映像装置「絵巻物マシーン」シリーズのワークショップを積極的に実施している。
■オルガノラウンジ
本多裕史(vocal)後藤康進(guitar)小山朋也(programming)によるエレクトロニカ・バンド。
2007年にはH.P.FRANCE BIJOUXへの楽曲提供、2006年にはアニエスベー・パリコレクションの音楽を担当し、好評を博した。2008年6月、5枚目のアルバム「cos mos(コス・モス)」をリリース。

ミーハーな私は、女優の高橋恵子さんとお目にかかれる!とこの1点のみに集中していたので、その後のライブパフィーマンスの開催は会場に行くまで知りませんでした。

このパーティー事前予約はないので、飛び入りでも参加可能。
ギャラリーツアーは良いのですが、お二人の解説をズラズラ50名以上の観客が後ろについて行くというのは如何なものか?と疑問を覚えずにはいられません。
が、そんな芋の子を洗うような状態であっても、高橋恵子さんのコメントと逢坂さんの作品解説はなかなかに興味深かったです。
間違いなく、解説なしで漫然と作品を見るよりは良かった!と思います。


展覧会に進みましょう。

メサジェの作品は、一貫して身体、生死がテーマとして根底に流れています。
彼女は、蒐集癖があるらしく幼少の頃よりスクラップブックを作成するなど、日本の大竹伸朗を思わせる作品もありました。

しかし、過去見てきたどんなアーティストとも違うのは、造形・配色それぞれのセンスが素晴らしいこと。
とにかく、見せ方が上手い。
戦争や生死など、まともに向き合えば重いテーマも彼女の手にかかれば、ぬいぐるみや毛糸などのアイテムで一見とっつきやすく感じる。その錯覚こそが、彼女の作品にとりこまれた何よりの証なのかもしれません。

今回の最大の見どころは「カジノ」ではないでしょうか。2005年のヴェネチア・ビエンナーレの金の獅子賞を受賞した作品です。
森美術館では、一段上がった檀上から上からの視点で作品全体を見通すことができます。
ビエンナーレでさえ作品は同一地面で座って鑑賞する方式しか採用されていなかったとのこと。
今回、私は檀上から眺めて、逆に同一地面では見ることができませんでしたが、ふたつの視点から見た際の違いを確かめるのも一興でしょう。
なお、この作品時間の経過とともに、見えてくるものが変化していきます。15分はそのまま作品を見続けることをオススメいたします。

もうひとつ「黒い染み」。こちらも、視点を変えることで見えるものが違っていたように思います。

最初はとっつきにくいかもしれませんが、展覧会出口ではすっかりメサジェの世界に入り込んでいること請け合いです。

ギャラリーツアー終了後、ライブパフォーマンスが行われました。
松本氏のイラストレーションは初めて見させていただきました。アニメーション作家と言えば、村田朋㤗さんを思い出しますが、松本さんの作品はもっとアグレッシブでファンキーでした。
ライブパフォーマンスは、出たとこ勝負な所があったようですが、音楽と映像はマッチしていたと思います。

オルガノラウンジのライブが、アニエスベー青山店のリニューアルオープンパーティーにて行われます。関心おありの方は是非。

2008年8月31日(日)
会場:アニエスベー青山店
start 14:30-, 17:00-(2ステージ)入場無料
 
彼らのホームページは見ていて楽しいです。URLは以下。
http://www.organ-o-rounge.org/index.html

*11月3日まで開催中。

「冨嶽三十六景と富嶽百景 北斎 富士を描く」 佐川美術館

琵琶湖を近くに臨む佐川美術館は、かねてより行ってみたい美術館のひとつでした。
今回、さる方に「北斎 富士を描く」のチケットをいただき、やっと行く決意がつきました。何しろ、最寄のJR駅(守山または堅田)から本数の少ないバスに乗らねばならないため、どうしても怯むものがあったのです。今回は、レンタカーを借りての道のりだったので、楽でした。

さて佐川美術館と言えば、楽吉左衛門氏設計の茶室が有名。
しかし、茶室の見学は事前予約制で1ヶ月前からの受付。HPで予約を試みようとしましたが、既に1カ月先までいっぱいです。これは、かなりハードルが高いかもしれません。。。

ということで、茶室以外を見てまいりました。
水に浮かぶ美術館(実際は周りに水を張っているだけです)です。
コレクションは、平山郁夫の日本画と佐藤忠良の彫刻、それぞれの展示スペースがあり反対側の地下に楽吉左衛門氏の茶碗展示室があります。

話を戻しましょう。
企画展は「北斎 富士を描く」です。係の方に伺ったところ、北斎展が始ってから、入場者数が増えているとのこと。やはり北斎の人気高し。日本全国北斎展をやっていない時などないのでは?と思うほど、展覧会の開催が多い。9月には同じ滋賀県近代美術館でも「北斎展」が開催されます。

「富嶽三十六景」は何度か見ていますが、今回印象的だったのは「富嶽百景」の方。
前期・後期ですべて展示される予定となっていますが、私が見たのは後期。
次から次に北斎の富士が現れるのですが、やはり彼は天才だとつくづく思います。絵が生きてます。
筆が走ってます。
描くのが楽しくて楽しくて仕方なかった。北斎の描く人々を見ると、それを描きだした北斎の視点を見る思いがし、どこか愛情ある視線を感じました。

楽氏のお茶碗については、多くを語ることができません。私の好みではないです。
ただし、展示スペースや展示室にいたるアプローチはかなり凝った作りとなっているので、一見の価値ありかと。

*北斎展は8月24日で終了しています。

2008年8月24日 鑑賞記録

今頃夏バテなのか、体調が思わしくないので昨日は美術鑑賞なし、今日もゆるゆるとおとなしめの鑑賞となりました。

1.「江戸文化爛熟期の浮世絵展」 礫川浮世絵美術館

この浮世絵美術館は、名古屋にいた時から一度行ってみようと思いつつ、なかなか行けずに今日を迎えることとなりました。
スリッパに履き替えて、展示を見るところは太田記念美術館と同じですが、スペースはかなり小さい。
問題は数より質です。
歌川国芳で、まだ見たことのない作品が何点か。
中でも、本日一番のお気に入りは「日本名産尽 肥前の国五嶋平戸或は紀州又は諸の浦にて鯨をとる図」(大判3枚続)。
捕鯨して、さらに鯨を解体し、お肉を運ぶ様などが克明に描かれている。う~ん、まさに目で見る日本の産業史。
国芳は、その目で捕鯨の様子を眺めていたのだろうか?それともかわら版など、何らかの紙媒体を通じて捕鯨を知り、この作品を描いたのか興味深い。

もうひとつ、同じく国芳の「秋草」(団扇絵)や「菊児童」も良かった。

秋草で思い出したのは、広重。個人的に広重は風景画より花鳥画の方が好ましい。
「桔梗」「魚尽し(鮎)」「赤魚と笹」、「楓と翡翠」など、風景画以外で楽しませてもらいました。

国貞も相当数出展されていましたが、こちらはあまり惹かれるものがないので、省略。
お客様は、相当の浮世絵ファンと思しき方々が、あの狭いスペースに続々と入って来られるので、マニアに人気の美術館なのかなと感じました。

次回は、現在大はまりの月岡芳年「月百姿」です。間違いなく通います!

*上記展示は本日(24日)が最終日です。


2.「小磯良平展」 武蔵野市立吉祥寺美術館

美術館が目的か、ヨガが目的か微妙なところがありますが、その両方を行うために吉祥寺に向かいました。
吉祥寺には「Shizen Yoga」というスタジオがあり、そこでほぼ半年ぶりにハタヨガのレッスン(入門)を受けた後、伊勢丹吉祥寺店新館にある美術館で鑑賞です。
吉祥寺美術館は初訪です。入口は広く、入ってすぐ右手にミュージアムショップがあり、展示室はそれぞれ小さいのですが3つあります。うち、ふたつが常設<浜口陽三記念室、萩原英雄記念室>、残りは企画展で使用するようです。

今回の企画展は、神戸市立小磯記念美術館の協力で開催されているため、同美術館の所蔵品が中心となっています。
展示は、時代順に
Ⅰ.美校からパリへ-1930
Ⅱ.帰国後から終戦まで 1931-1945
Ⅲ.戦後の再出発 1946-1955
Ⅳ.様々な試みを経て 1956年以降
の四部構成です。

あれ?と思ったのは戦後編から。「二人の女」「働く人」には、明らかにピカソの影響が見られます。
色調さえも、似ている。
このころ、小磯良平は作品の中にキュビスムを取り入れたとのことですが、見た感じキュビスムよりピカソの古典主義時代の作品に似ています。

残念ながら、それほど大作はなかったのですが人気は「踊り子」(1940)にありました。
最後にこの踊り子を見に戻ってくる方が数名。

晩年小磯が手がけた赤坂迎賓館の壁画制作のためのエスキースが1点展示されていましたが、部分でなく全部が見た~いとムンク展のような叫びを心であげつつ、美術館を後にしました。
展示数は30点と少ないですが、作品リストと解説付きのパンフレットが良心的です。さすが、公立美術館。

*9月7日まで開催中。

「第14回 秘蔵の名品 アートコレクション展」 ホテルオークラ別館

今年も恒例のホテルオークラ主催のアートコレクション展が開催されています。
昨年初めて訪れましたが、普段お目にかかれない秘蔵の名品を見つけたので、今年も早速行って来ました。

昨年対比で見た今年のコレクション展の特徴は、
①浮世絵が多く展示されている(肉筆・版画いずれもあり)。
②モネの油彩画多い。
ことでしょうか。

さて、展示作品中今年もっとも気に入ったのは、モネの「サンジェルマンの森の中で」1882年吉野石膏株式会社所蔵。
睡蓮ではなく森の中、作品を見ているとレインボーに輝く森の中心に自分が誘われて行くような錯覚を引き起こす。
今更モネと思いきや、やはり良いぞモネとなりました。

洋画では、もうひとつ青い色調で花瓶を描いたセザンヌ作品「庭にある大きな花瓶」も初めて見た作品で印象に残りました。セザンヌらしい一作です。

日本画は若冲作品が2点。
しかし、若冲を凌駕するような大きな屏風がどっかりと会場中盤にありました。

竹内栖鳳「虎」三の丸尚蔵館 1928年
こちらは、猫でも豹でもありません。リアル「虎」です。
竹内栖鳳は応挙の流れを組む四条派の名に恥じない作品。どの作品を見ても栖鳳の絵には一点の隙も見られません。

この虎の向かいに酒井抱一「五節句図」大倉集古館蔵がひっそりと展示されており、こちらも必見です。

数ある浮世絵画家による作品の中でも、北斎の肉筆「日月龍図」三幅対は小品ながらも、迫力ある龍と日月の対比が素晴らしい。さすが北斎と唸りたくなるほど。


アートコレクション展ではすべての作品を掲載した図録が販売されていません。
300円のミニ図録には、興味を持った作品が掲載されておらず、今年は買うのをやめました。

同展チケットには、大倉集古館、泉屋博古館の鑑賞券も付いています。大倉集古館で開催中の「紙で語る」展も併せて鑑賞しましたが、2階に展示されていた「雑画帖」英一蝶や大津絵、百鬼夜行絵巻などは楽しめました(10月12日まで開催)。


*「アートコレクション展」は8月30日まで開催中。

「福原信三、路草写真展」 資生堂アートハウス

「展覧会、行ってみなけりゃ分からない」一句。

「福原信三、路草写真展」がまさにそう。行ってみる前は、写真、しかも福原信三、路草知らないなぁと失礼ながら大きな期待はしていませんでした。
ところがところが、作品を見てみたら思わず「欲しい・・・」と思う写真がズラリ。大変良い意味で、見事に予想を裏切ってくれました。

福原信三は、資生堂の初代社長であった。それさえも知らなかったけれど、さらに戦前の写真界に大きな足跡を残すほどの人物だったとは露ほども想像しなかった。
社長のお遊び程度。。。と思った私は浅はかでした。

展覧会冒頭の「ロンドン」、写真集「巴里とセイヌ」からの写真はセピア色で懐かしいパリの姿を見せてくれます。
博労

「博労」1913年 福原信三

さらに、写真集「西湖風景」「松江風景」は、写真のみならず、箱の装丁は資生堂意匠部の前田貢が担当。これまた、中身の写真共々手にとりたくなるようなデザインなのです。

ここで、私は福原信三と資生堂意匠部などをキーワードにしてネット検索をしてみました。

昨年世田谷美術館で「福原信三と美術と資生堂展」が開催されていたのに、見逃したことに気付きました。開催されていたのは、知っていたのですが関心が薄く行かなかったのです。
「後悔先に立たず」。
図録だけでも、次回世田美に行ったら見てみよう。


さて、福原信三の弟福原路草も才能ある写真家でした。障害定職につかなかったという自由人。
彼の作品は、ピュアと言いましょうか、大人しさの中に控えめな美しさを持つ写真で、こちらも素晴らしい。
「子供」1938年、「朝」1943年などなど、印象に残る作品にはことかきません。


創業者一族のまれに見る芸術的才能を見て、資生堂という会社の美意識の源を垣間見た気がします。

作品リストは希望すれば受付でいただけます。驚いたことに、作品リストの台紙は透かし模様の入った和紙が使われています。こんな所にも、美意識が・・・。


この日は、ちょうど金曜日。かねてより行ってみたかった資生堂企業資料館の週に1度の開館日です。こちらも見学して来ました。1階、2階と資生堂の歴史を振り返る膨大な資料やポスターチラシが展示されています。

*9月23日まで開催中。

「国宝 鑑真和上展」 静岡県立美術館

約10年もの長きにわたり、日本各地を巡回している展覧会。地元愛知県には2002年に巡回されていましたが、当時仏像にはまるで興味のなかった頃で、開催されていたことすら知りませんでした。

ということで、お馴染み静岡県立美術館で開催中の「国宝 鑑真和上展」に行って来ました。
こちらの美術館は、JR草薙駅よりバスで7~8分とアクセスは決して良いとは思えませんが、ここ最近はどんな展覧会でもかなりの入場者を見かけます。

今回も、2時半頃到着したのですが、続々とお客様が入って来られます。
チケット売場は行列こそ見られませんでしたが、ロープが張られており、時間帯によってはチケット購入者が列をなしているのでしょう。

さて、展覧会ですが年初めに見た「ガンダーラ美術とバーミヤン遺跡」展とは異なり、照明を落として、どこか東博を思わせるような展示方法を見せてくれました。

特に印象に残ったコーナーは、後半「鋳銅三具足」「金堂華鬘」が実際に使用される状態で、展示されていた所。あれで、儀式を執り行う僧の方々がいれば、臨場感はもっと高まったと思われます。

個々の作品では、「東征伝絵巻」(鎌倉時代)は見事。初見でしたが、保存状態は極めて良好、内容も鑑真が日本に向かう様子が分かりやすく描かれており、絵を見ているだけで楽しめます。

仏像では、耐え忍ぶ姿がすっかり板についている「鑑真和上坐像」(国宝)はもちろんのこと、前半にあった「四天王立像 広目天」はことにお顔の表情が良かったです。
また、お顔の部分が残念なことに欠損状態ですがトルソとして著名な「如来形立象」もなるほど、衣の表現も見事で、しっかりとした体つき。どんなお顔であったのだろうと想像をたくましくさせます。

地味ではありますが6点の「押出仏」、ことに「吉祥天立象」はふくよかで美しい姿を見せておられました。

総展示数約70点のほとんどが、国宝もしくは重要文化財。
さすが、唐招提寺と思わせる内容でした。


同企画展を見た後、常設で「富士山の絵画」特集を見ました。
こちらでの最大の収穫は司馬江漢の3作品。うち、1枚「駿州薩陀山富士遠望図」(1804年)は江漢の西洋画油彩作品で、しかも横1.5メートル弱と大きな作品です。
この絵を見られただけでも、静岡まで来た甲斐があったというもの。

同じく1階のエントランスにある名品コーナーには和田英作の「富士」1918年が。
富士

これまた、和田らしい作風で朝焼けに輝く富士の美しいことと言ったらありません。
行きに目をとめて、帰る時にもしっかと目に焼き付けました。

余談ですが、静岡県立美術館の1階に「カフェ・ロダン」が新たにオープンしていました。以前ミュージアムショップがあった場所です。これに伴い、ミュージアムショップが2階に移動していました。
レストラン「エスタ」のお食事は美味しいのですが、さらにお値打ちなカフェがオープンして、ますます快適度アップです。やはり、進化している美術館だと感心しました。


*「国宝 鑑真和上展」は8月31日まで開催中です。

全生庵 「幽霊画」コレクション

谷中にある全生庵の幽霊画コレクションをご存知でしょうか?
私が全生庵の存在を知ったのはまだ最近のこと。購読している「月刊展覧会ガイド」(生活ガイド社)の8月号より、「円朝まつり」の開催とお祭りの際に、三遊亭円朝がコレクションしていた50点の幽霊画が公開されると知ったのです。

なぜか、谷中なら東博のついでに行けるかも・・・と考えHPで調べてみたら、なんとなんと。
こちらの幽霊画コレクションに、月岡芳年の「宿場女郎図」があったのです!

先日高崎の群馬県立歴史博物館で「オバケが出たぞ~」展で芳年の妖怪画、幽霊画を堪能。あまりにも素晴らしいので、「芳年妖怪百景」(国書刊行会)を入手してしまいました。
その中に、この宿場女郎図が掲載されており、一度見てみたいと思っていた矢先。

さて、全生庵は上野から徒歩15分程度でしょうか。
山岡鉄舟によって明治時代に創建されたお寺です。お堂の脇の入口を入り、受付で拝観料500円を払ったら、狭い室内一杯に幽霊画がずらり!

よくある日本画用の展示ケースに入っておらず、かなりな至近距離で全作品を鑑賞できます。

お目当ての「宿場女郎図」は入口すぐ近くにありました。
作品集に掲載されていた作品より、退色が進んでいる様子。思ったより小さな作品でした。
それでも、透き通るような瞳や今にも折れそうな手、肩からずり落ちる着物の様子などなど、芳年らしさ満載。
と~っても怖い年老いた女郎図です。芳年は実際に宿屋にてこんな女郎を見かけ、絵にしたという謂れが残っていて、その時の心境や如何にと感じ行ってしまいました。

これ以外にも、見ごたえのある作品があります。
・菊池容斎 「蚊帳の前に坐る幽霊」
蚊帳の後ろにひっそり立つ女幽霊は、手前にある行燈と対照的に暗い。

・川上冬 「生首を抱く幽霊」
・柴田是真 「桟橋の幽霊」

異色なところでは、海坊主もあります。

そして、このタイミングでちくま学芸文庫から「幽霊名画集-全生庵蔵・三遊亭円朝コレクション」(1575円)が今月発売。10年程前にぺりかん社より単行本で出版された著書を筑摩書房が文庫化してくれました。
全生庵

監修は、お馴染み辻惟雄先生、執筆者には河野元昭氏、安村敏信氏などを迎えた本格版です。
何より嬉しいのは、コレクション全点がカラー図版として掲載されていること。

百聞は一見に如かず。
ちくま学芸文庫を見てもよし、全生庵に行ってもよし。

50点の幽霊画で、背筋がさむ~い思いをすること請け合いです。

*円朝まつりは8月31日(10時~17時)まで開催中です。
全生庵HPは、次の通り。
http://www.theway.jp/zen/index.html

2008年8月16日 鑑賞記録

昨日、関西、中部方面から帰宅したばかりだというのに、午前中から美術鑑賞へ向かう。
これは、ほとんど病気なのかもしれない。

1.「帝室技芸員と1900年パリ万国博覧会」第一期 三の丸尚蔵館
三の丸尚蔵館は、久方ぶり。御物ゆえ、やはり他館ではなかなかお目にかかれない逸品に出会える貴重な空間。手狭であるがゆえ、満腹には至らないが、無料なので文句など言えるはずもない。

今回は、1900年パリ万博の出品作品と同時代の帝室技芸員により内国勧業博覧会や御下名により制作された作品を4期に分けて展示。

第一期の今回は、川端玉章の日本画「四時ノ名勝」4面(1899年)が素晴らしい。見事に日本の四季の風景、名勝4幅で表現されている。
これを見た海外の人々は、どう思っただろう。中国絵画とも、どこか違う繊細さがある。

この時代の日本画家については、まるで疎いため、恥ずかしながら玉章も初めて知った。
もう一人、瀧和亭の3幅対「花鳥図」も見事。

工芸では、清風與平の陶芸が目を引く。
異色なところでは、伊藤平左衛門による架空の建物計画図「日本貴神殿舎計画図」。
日本建築、建物配置を広く知らしめる試みで出品されたが、果たしてこれで、理解されたのだろうか。疑わしい。


2.「魅惑の像 具象的なるかたち」 茨城県つくば美術館 (初訪問)
つくば


近頃、平面作品より立体作品(インスタレーション、彫刻)に関心が向かいつつある。この企画展は、つくば美術館独自企画で巡回はない。ありがたいことに、ある方にチケットをいただいたので、見て来ました。
出品作家6名のうち、インパクトがあったのは薮内佐斗司と6名中最若手の山野千里。
薮内作品は、展覧会チラシに掲載されている以外の作品が良かった。
彼の作品で作り出される人物像の顔に着目。どれもこれも、表情が生きていて面白い。
彫像が生き生きとし、寝ている姿を持ってしても愛らしさを感じる。

元々、大阪出身で仏像を多く目にする環境にあった影響が大きいとあった。現代の仏像とまでは言わないが、何らか人々にエネルギーやメッセージが伝わってくる。

山野千里は、絵画専攻から陶芸に専攻変えして、陶芸を材にした作品に取り組んでいる。技術的には確固とした基礎があってこその作品。形態も上絵も技術が冴える。
特に上絵の細かさ、愛らしさは、女性向きか。できやよいを思い出した。
こちらも、チラシに掲載されていた作品より、他の作品の方が良かったし、彼女の作品の場合、写真より実物の方がはるかに良い。

北川宏人の「ニュータイプ」シリーズも全て並んでいたが、東近美工芸館で一度見ているので、最新作を見たい。

*8月24日まで開催中。

「Blooming:ブラジル-日本 きみのいるところ」 豊田市美術館

マレーネ
マレッペ「甘い椰子の木」2001年

ブラジル人現代アーティストと言えば、一番に頭に浮かぶのは、エルネスト・ネト。
豊田市美術館で開催中の「Blooming:ブラジル-日本 きみのいるところ」に行って来ました。冒頭のネト最新作は無論、これまで知らなかったブラジル人アーティストと日本人アーティストのコラボが見事な内容です。
結論から申し上げますと、昨日アップの旅程編にも書いた通り、個人的には今年見た現代アート展では一番の出来。

出品作家は15名。その全てにコメントを残したいのは山々ですが、特に気になった作家と作品のみご紹介いたします。

・キアラ・バンフィ
チケット販売を行っているメインエントランスの壁面を飾る「種を蒔く」に、誰もが目を奪われます。
鏡とビニールテープ(それとは全く気付かないが)を使って、絵筆を運ぶと琳派を思わせる意匠が表現されています。ブラジル的琳派と名付けたくなります。

展示室では屏風に着想を得て制作された「入ってきた風」でシックな作品を展開。流線形の美しい線が、展示室の壁を美しく彩っています。アクセントになっているのが木製の屏風もどき。デザインのセンスが抜群です。

・サンドラ・シント
「わたしが燈せるすべての灯り」は、世界の成り立ちを繊細で精巧なドローイングで描いています。疑似プラネタリウム空間。宇宙に漂っているような感覚です。
作家がここで示したいのは、世界の隅々に溢れる恩寵に満ちた光だとか(作品解説による)。青のグラデーションをバックに、展示室内に置かれているビーズクッションに寝転んで作品鑑賞ができます。
強烈な癒し空間でした。

・トニーコ・レモス・アウアッド

「反映した考古学」は、「削りだし作品」。
巷でラッキーカードなどと称して、シルバーインクが付着したカードをコインで削ると当たり・はずれが分かる・・・という仕組みを絵画作品に応用。
ここでは展示室壁面一面に、シルバーインクを塗りこみました。鑑賞者(来館者)は自由に手持ちのコインでこの壁を削ります。すると、その下から本来の絵画作品が現れるという仕組み。「幸運占いのような絵画」と作品解説にありましたが、言い得て妙。
私が行った時には、ほぼ全貌が現われていて(開催から4日で現在の状況になったそうです)、海の女神や食べ物、幾何学模様などなど考古学的モチーフが描かれていました。

「サイレント・シンギング」
前述の「反映した考古学」の手前に、ラメで色とりどりに輝く小さな砂浜が広がっています。これが、作品。たった、それだけの作品なのに、美しく感動させる何かがあったのは作品が持つエネルギーのせいでしょうか。

・島袋道浩
日本人アーティストでは、彼の活躍が印象的でした。
今回は、モレーノ、カシンといったミュージシャンとのコラボ作品「ヴィデオアルバム」と「ペペンチスタのペネイラ・エ・ソンニャドールにタコの作品のリミックスをお願いした」の2作が出展されています。
いずれも、音楽と映像をミックスした作品ですが、前者はボサノバが流れ(展示室に入るとすぐに聞こえてくる)、すっかり夏気分。映像は海で泳ぐ姿を映し出しており、完全癒し系でした。

一方、「タコ」の方は、同じブラジルでもサンパウロの2人組朗詠者(ペペンチスタと呼ぶ)が、タコ取りする島袋を音楽と共に詩で語る、何ともユニークな作品。

・リヴァーニ・ノイエンシュヴァンダー
3本のビデオ作品を出展。映像作品が多い中で、このリヴァーニ作品では「エピローグ」が良かった。
アリがリオのカーニヴァルで使用されたカラフルな紙吹雪をせっせと片付ける様子が映し出されていますが、その色合いがブラジルらしい明るさで、演出を使わず偶然の美を見せてくれます。


展示室を出ると、豊田市美術館の2階池にきらきらと輝く蓮が浮かんでいます。

・アナ・マリア・タヴァレスの作品「ヴィクトリア・ヘジア・ナイアのために」。
角度や光の当たり方で、タイルの色彩が変わります。蓮と言っても、アマゾンを象徴する花「オオオニバス」。まさに、豊田市美のためのインスタレーションです。

・エルネスト・ネト
「ぼくらの霧は神話の中へ」
外部は黒、内部は紫、入口は緑の布で覆われた作品。今回の作品の特徴は骨組みを木を使用していること。解説によれば、ネトがこの作品を考案する際、岡倉天心の「茶の本」を読んでいたそうです。
中央にターメリックが吊り下げられているのは毎度のことですが、形態や色の変化が本作の見どころでしょう。


ネトだけでない、ブラジル作家を知る貴重な展覧会です。ぜひ足をお運びください。
愛知県は日本でもっともブラジル人が住んでいるそうですが、場内には姿がなかったような。。。
それだけが気がかりでした。

映像作品も全て鑑賞すると、約5時間程度必要です。行かれる際は、時間に余裕を持ってお出かけください。なお、本展の図録は現在作成中で今月下旬に発売のため、現在は予約を受け付けしていました。


*9月21日まで開催中。作品のほとんどは写真撮影可能です。

滋賀⇒奈良⇒豊田⇒静岡 美術館への旅 (旅程)

水曜から、お休みをいただいて名古屋に帰省していました。
が、その実態は帰省という名を借りての単なる美術館巡りであったことはいつも通りの展開です。
本日は、簡単に旅程のみ振り返り。

13日(1日目) 
7:40発 のぞみにて京都へ向かう。

10:01京都着 東海道線にて、滋賀県草津に向かう。
草津にて、駅レンタカーを借りる。12日と1日早く間違えて予約していたことが判明して、あわや車を借りられなくなる所だったが、1台余っていた車が合ったので、そちらをまわしていただくことになった。

10:50頃 草津より車で守山市の佐川美術館へ。カーナビの操作に手間取り時間を取られる。

11:30頃 佐川美術館到着(初訪問)。
常設展示と企画展「北斎」を見る。鑑賞途中にカフェでいただいたマンゴーパフェは美味!

13:20 佐川美術館よりMIHO MUSEUMへ向かう。
14:00 MIHO MUSEUM到着。
いつもは、石山駅よりバスで50分かかるが、やはり普通に車で来れば左程辛いこともない。
今回は、残念ながら行けなかった大津市歴史博物館や滋賀県立近代美術館とセットでレンタカーで巡る方が効率も良いし、楽である。

MIHO MUSEUM にて昼食。その後企画展「リュトン」と常設展を見る。
15:50 MIHO MUSEUM出発、大津駅経由奈良に向かう。

16:30 大津駅着。上手い具合に、京都行きの列車に乗り込むが、好事魔多し。
京都を目前とした山科駅で突如列車が立ち往生。長岡京で事故があるため、発車待ち。乗車予定にしていた近鉄特急に間に合わず。

17:15頃 京都発大和西大寺行きにて奈良へ向かう。
13日、14日は奈良博が19時までの夜間開館していた。特別展「西国三十三ヵ所観音霊場の祈りと美」を見る。
入場が閉館1時間前を切っていたので、相当な駆け足。
目当ての仏像だけは、しかと目に焼き付けて展覧会を後にした。

当日は、奈良燈花会が開催されていて、奈良博や奈良公園一帯をろうそくの明かりでライトアップしていた。帰路、興福寺を抜けて行ったら、五十塔がカラフルにライトアップされて、普段では見られないあでやかな姿を現わしていた。
こちらも、イベントに合わせ、何と8時半まで特別拝観可能。東金堂と国宝館を見て大満足の1日が終わる。
その後名古屋には10時頃帰宅。

14日(2日目)
豊田市美術館にて開催中の企画展「Blooming:ブラジル―日本 きみのいるところ」を見に行く。
こちらは、名古屋市内からでも約1時間は必要。
しかし、今年見た現代アート系の展覧会の中では、抜群に良かった。企画展にも関わらず、写真撮影OKな美術館というのは珍しい。みな、一様にカメラ、本格的な一眼ユーザーからデジカメ、携帯カメラ、皆が写真を撮っている。
本展についての感想は後日アップします。

約5時間豊田市美にて過ごした後、名古屋に戻り、松坂屋美術館で開催中の「 イートン・カレッジ ダーラム大学所蔵 古代エジプトの美展」をざっくり見る。他県からの巡回展だが、展示品は質も高く、充実した内容、もっとじっくり見たいところであったが、後ろに所用が控えていたため、残念。

15日(3日目) 青春18きっぷの旅4回目
名古屋より東海道線にて、掛川に向かう。
目的は資生堂アートハウスと資生堂企業資料館。企業資料館は、アートハウスと違って、毎週金曜日のみ開館。今回やっと中に入ることができた。
アートハウスで開催中の「福原信三・路草 写真展」は、地味だけれど質の高い写真作品や福原路草という写真家の存在をしることができた貴重な展示であった。
福原兄弟の写真作品をもっと見てみたい。東京都写真美術館で、ぜひ回顧展を行っていただきたい。

13:17時掛川発。新幹線側の改札口で販売しているメロンジュースやメロンパンがとても美味しい。
再びJRにて草薙へ向かうが、今日はお盆だからか、JR東海道線はどの列車も混雑しており、座れない。
14時頃 草薙駅到着 静鉄バスにて静岡県美術館へ。
「鑑真和上展」を見る。その前にレストラン「エスタ」にて遅い昼食。
こちらの感想も後日アップ予定。常設の富士山関連絵画の中で、和田英作と司馬江漢の油彩に初めて接して、感動ひとしお。

17:30 閉館ぎりぎりまで粘って、再びバス(100円)にて草薙駅へ。

ここからが、きつい。草薙から熱海までの直通列車はわずか3両編成。これまた座れず、混雑してい8た。どうにか途中で座席を得、約1時間後熱海到着。

ここからはグリーン車にてあっという間に東京へ。

この3日間の中では、豊田市美の企画展が一推し。東京からでも出かける価値があると思います。
この展覧会は巡回がありません。 

「4人が創る わたしの美術館」 横浜美術館

期待して行ったのに、「う~ん、いまいち」。
のっけから、厳しい感想になってしまいましたが、ご容赦くださいませ。
この展覧会、展示作品のほとんどが横浜美術館所蔵品であるにもかかわらず、入館料900円は、高すぎやしないか。
まさか、キュレーターとして作品のセレクションを担当した著名人4名-角田光代・はな・荒木経惟・茂木健一郎-への謝礼代だったりするのか。

上記4名の作品セレクトのテーマは以下の通り。
・角田光代 ⇒ 「光」
・はな ⇒ 「ほほえみ浮かぶ絵の中で」 自分が自宅に飾りたいという作品を選択。
・荒木経惟 ⇒ 「模写、複写、盗作」
・茂木健一郎 ⇒ 「絵画の福音」

個人的には、はなさんのセレクション作品は、確かに自宅に置きやすい。

そんな中、この展覧会中のマイベストは鏑木清方「遊女」
画中の着物の柄が、柄ではなく、風景画の一部に見えるような錯覚を受けた。色気を通り越して、妖幻。

過去に見たことがある作品も多かった。見るたびに感想が変わってくるケースも多々あり。
他の人の視点で作品を見るという経験もありだと思う。

*8月17日まで開催中

「錦絵ってなんだろう?」 太田記念美術館

太田記念美術館の友の会会員になっているので、毎月のように通っている。
今回は、浮世絵初心者向けのテーマ「錦絵ってなんだろう?」がテーマになっているので、力を抜いて気楽に見に行ったが、どうしてどうして、前回の「江戸の祈りと呪い」より、面白かった。

何より、今回はメジャー-選手の作品がずらりと並んでいたが、とりわけ広重、歌麿、渓斎英泉の作品が目立っていた。
まず、1.広重。
・「雪中椿に雀」 今回ベスト3のうちのひとつ。
・「龍」 同じくベストのひとつ。
・「木曽路之山川」 3枚揃いもの

2.歌麿
・「化粧二美人」
・「うちわもつ美人」
・「金太郎と桃太郎の相撲」

3.英泉
・「江戸八景 上野の晩鐘」
・「今様美人十二景 おとなしそう」

これに、鈴木春信の「雪中鷺」も出ていた。

ここに挙げた作品はほんの一部。肉筆画コーナーも東川堂里風(初めて聞く名前)の「納涼美人図」など、見ごたえある作品も出ていた。

展示は、作家別でなくどうやって錦絵がつくられていくか、錦絵の種類、刷りの差による作品の違いなどテーマに沿った展示がさなれていて、浮世絵に全く縁のない人にもとっつきやすい内容。

太田記念美術館はいつ行っても、外国のお客様が絶えない。彼らは、大きな声で話すケースが多い。狭い空間なので、お話するのは良いけれど、もう少し声を落として欲しいと思う。

*8月20日まで開催中。

「五姓田のすべて-近代絵画へのかけはし」 神奈川県立歴史博物館

goseda

五姓田の名前を聞いて、どんな作品や人物を思い浮かべるでしょうか。
何を隠そう私はこの展覧会のチラシを見るまで、五姓田の名前にも作品にも記憶がありませんでした。
横浜開港150周年記念として、歴史博物館で開催されている本展は、主催者の力の入れ方が違っています。
総展示数は、前期・後期で大多数入れ替えもしくは場面替えがあり、なんと400点!

終わってみれば「そんなにあったかな?」という感じも否めませんが、宮内庁所蔵や御物!があったり、五姓田派は皇室御用達(明治天皇のお抱え画家?)の画家であったようです。

初代五姓田芳柳を始祖として、五姓田派として名をなすきっかけとなったのは、芳柳の次男義松の存在でした。彼は幼くして、かのワーグマン<高橋由一の指導者>に師事し、絵画の勉強を始めます。
義松のデッサンが相当数展示されていましたが、どれも見事な線や構図。

そして、もう一人忘れてはならないのが、姉の幽香。当時としては珍しい女流画家でした。彼女の代表作「幼児図」(横浜美術館蔵)は、ポーズと表情がリアルで、かわいいを通り越し、怖かったです。

五姓田派は、主として人物画が多く、どれも明治の洋画としてイメージする写実的で遊びのない固い作品が多く見られます。

後年、山本芳翠、渡辺文三郎、平木政次らが後継として現れ、漸く風景画や裸体、動物の写生図などが出て来ます。

同じ明治の洋画であれば、個人的には高橋由一の作品は好みですが、五姓田派の濃厚さは、ちょっと受け付けない感じを受けました。
とは言うものの、明治の洋画の一時代を五姓田派が成したことは間違いのないところ。

これだけの作品を目にする機会は、そうそうないと思いますので、後期もしかと見てこようと思います。
図録は相当な厚さにも関わらず、1700円程度とお値打ちでした。
最近図録にもスポンサーとして宝くじの広告が背表紙に載っています。先にアップした「丸木スマ展」の図録も1800円とお値打ちでした。
1000円台だと、手を伸ばしたくなりますね。

*前期は8月31日まで。後期:9月6日~9月28日まで開催です。
10月7日から、岡山県立美術館に巡回します。

「大地のちから」展 群馬県立館林美術館

前回からの続き。
大川美術館を後にして、向かったのは群馬県立館林美術館。
愛読書「美術館三昧」藤森照信著にも紹介されている名建築です。ただ、大川美術館で見た一言が頭に残っていました。曰く「美術館は、建物を見るものではない」だったか、何とも耳の痛いコメントです。

館林美術館は、大川美術館の対極に位置する美術館やもしれません。こちらには、所蔵品が一つもないのです。元々、群馬県には高崎市に群馬県立近代美術館という歴史ある立派な美術館があるため、所蔵品を持たず、群馬近美の姉妹館(出先機関)との位置付けで、開館しています。

今回の特別展は素材シリーズだ3回目。「土」をテーマに
・「土ってどんなもの?」
・「土でつくる-生活のなかの土のかたち」
・「土のすがた」
・「土のいろ・おと・かたち」
の各章で構成されています。

スタートは群馬県の地層模型で始まり、群馬から出土された縄文、弥生、埴輪、土人形など遺跡の数々が展示され、博物館的展示が行われていたのが特色。

その後、現代アート作家6名(以下)の写真や造形作品、インスタレーションで土の変化を見て行きます。
・大西成明 写真

・中里和人 写真 東北の温泉地をめぐって写した土・大地の様子。
子供の頃、粘土瓦でよく遊んだよな~と懐かしかったです。

・大須賀政裕 家の近くにある田んぼの土に、水を加えたりかき混ぜたりした様子をアニメーション+音楽で映像化。

・栗田宏一 ⇒ 「SOIL LIBRARY」 「from earth to earth 」マイベスト。
日本各地で集めた土の標本。一口に土と言っても、こんなに多様な色を出していたのかとその色相の厚さに驚きます。何より自然の色は自己主張過ぎることなく、美しい。
「from earth to earth」 小皿に土を持って、円形に並べただけなのに、哲学的、宇宙的でした。

・渡辺泰幸 「土の音」 土を焼いて作成した音の出る形「土鈴」を大小様々に作成し並べる。
ここでは、観客は実際に作品に触れ、音を出すことが許されていました。

・伊藤公象 「シリーズ・土の襞 踊る焼凍土」

群馬県では文化施設でキャンペーンを行っていて、ふたつのスタンプラリーに参加しています。
一つは、群馬近美、群馬県歴史博物館、館林美術館を3つ回ると、タンブラーをプレゼントされますが、今回見事に達成。しっかり、頂戴して来ました。
もうひとつは、群馬県内の美術館・博物館のうち7つのスタンプを集めます。賞品は全員に、モネハンカチです。こちらは、群馬近美と歴博でスタンプを押し忘れたため、現在5個のみ。
夏休み中に達成したいものです。

*8月31日まで開催中。

「母と子の像」展 大川美術館

昨日からの続きです。

大川美術館はこちらのブログ「美術館は楽しい」を拝見した時から、行ってみようと思っていました。
桐生までは、かなり遠く高崎からさらに乗り継ぐ必要があり、渋川よりも距離感があったので、なかなか踏み切れずにいたのです。

さて、こちらの美術館は勾配のきつい水道山中腹の傾斜地に立っています。設計はあの松本竣介の子息、松本莞氏がされたとのこと。
一見すると平屋建てに見えますが、実は5階建で、かなりの展示スペースを持っています。
比較してはなんですが、作品数も質も、この後行った館林美術館の比較にならないでしょう。

ここでは、ことに近代の洋画がコレクションの中心になっています。
とりわけ、着目すべきは松本竣介と野田哲夫、難波田ファミリーのコレクションでしょう。
何と言っても松本竣介のコレクションは感動ものです。これほどの作品数を一気に見たのは初めて。
大作は「街」だけですが、処女作と絶筆の2作や、ドローイング、関連書簡、もちろん油彩も併せて1室まるごと松本竣介は、ファンとしてはたまらない空間でした。

私のお気に入りは「運河(汐留近く)」1943年、「婦人像C」1941年、「少年(子供の顔)」1943年頃。

野田英夫については、過去見たことがあるのかどうか定かではないが、今回はっきりとその個性を目に焼き付けた。線のきれいな絵を描く人。

そして、今日の最大の収穫はこの人、難波田史男。30歳で夭折。次男史男、長男紀夫を早くに亡くした父、龍起の心境はいかばかりか。史男の線も、野田英夫同様、美しく繊細。その繊細さが早逝を物語っているやもしれない。

大川美術館の展示室には、しっかりとしたソファが置かれて自宅にいるような感覚で鑑賞できる。
どこか松濤美術館に似ているが、あちらの3倍くらいの展示スペースではなかろうか。

最終コーナーには、クールベやベン・シャーン、ピカソにマックス・エルンストなど錚々たるメンバーの作品が並んでいた。
レジナルド・マーシュは初めて知る画家だが、野田英夫に影響を与えたとある。両者の作品を見ていると何かつながる所を感じる。

また、階段にも彫刻作品がいくつも。特に好きだったのは版画で有名な浜田知明「階段をのぼる人」。
彼は彫刻も手掛けたのですね。版画だけでなく、彫刻も浜田らしさが出ている。

こちらのコレクションは、かの安宅コレクションの中で藤島武二の素描100点を買い受けたり、パイオニア創業者の松本夫婦からの寄贈コレクションにより、その数を増やしたと言う。
いくら、昔は絵が安かったとはいえ、これだけの作品数を集めるには、普通のサラリーマンとは言えないのではなかろうか。

現役館長の大川氏のコメントもパンフレットや館内の随所にあふれており、個性の一つとなっている。
図書室では、過去の日曜美術館全放送ビデオを鑑賞できるようになっている。
先日見た丸木スマに関しての内容もありそうなので、いつか探してみたいもの。

肝心の特別展「母と子の像」は最後の展示室を使用して紹介されていました。
あまりにも、そこにたどりつくまでの作品群の印象が強すぎて、この展示内容についての印象は残念ながら薄い。ただ、どれも母になる喜びのようなものが感じられなかった。すなわち、ちょっと暗め、重ための作品が多かった。ジョン・スローンのエッチングが良かった。

企画展「母と子の像」は9月28日まで開催中。
常設だけで十二分に楽しめます!

*ご紹介いただいたhellominettさんに感謝いたします。

群馬県両毛地区への旅 (旅程)

青春18きっぷで、群馬県桐生にある大川美術館と館林市の群馬県立館林美術館に行こうと目論んだが、JRだとこの2つ、どうにもアクセスが良くない。
ということで、18きっぷを諦め東武鉄道の両毛フリーきっぷの旅と相成った。

今回は、計画倒れが随所で発生。予定外の出費がかさみました(涙)。昨日は感涙、今日は悔し泣きと相変わらず忙しい。

(旅程)
北千住駅 9:01発 りょうもう5号 乗車 フリー切符とは別に特急券(1000円)購入。

新桐生駅 10:34着 駅を降りて、驚きました。特急停車駅だというのに何もない。

新桐生駅 10:50発 おりひめバス桐生駅行きに乗車
フリー切符はバス乗車が無料という特典付きなので、おりひめバス(市内巡回)にてJR桐生駅へ向かう。しかし、これが予想以上に時間がかかった。

桐生駅 11:15着 時刻表通り。
タクシーで10分弱のはずが、巡回バスは文字通り巡回して目的地へ向かうため、何と25分後に桐生駅着。見逃してました。ここから、目的地の大川美術館までは、徒歩12分。えらいこっちゃ。。。

大川美術館 11:35到着
方角が分からなかったので、ちょっと時間を要しましたが、分かってみれば行き方は簡単。
桐生駅に案内板が欲しい。

元三井物産、ダイエーの役員を歴任された大川氏のコレクション。個人コレクションと言っても侮ることなかれ、その数6500点。しかも、数だけでなく、質も良いものがそろっている。
後日詳細はアップ。

おなかがすいたので、まずはカフェにてサンドイッチセットで腹ごしらえして、鑑賞へ。

13:45 美術館を出て、桐生駅方面へ徒歩で向かい、タクシーに乗車。

14:00 新桐生駅着 タクシーなら、本当に10分、1160円也。
問題はここから。桐生線は本数が少ない。特急が毎時1本、普通電車が毎時1本のみ。

14:16 新桐生駅発 りょうもう26号乗車
普通電車は出た後であったため、やむなく、館林まで特急に乗車(特急券500円)。

14:52 館林駅到着
今度は事前学習して、巡回バス利用だと、館林美術館まで25分かかることが分かっていたので、最初からタクシーを利用。美術館へは多々良駅が最寄りになるが、徒歩20分はきつい。さらに、タクシーも見つかりそうにない。

15:05 群馬県立館林美術館到着
田んぼの中に、立つ美術館。2002年の建築協会賞受賞建築。高橋靗一氏設計によるもの。
なるほど、見栄えのする建物である。が、それと居心地が良いかどうかは別物。

16:55発 巡回バスにて館林駅に向かう。

17:10 館林駅到着
既に、普通電車は出た後であったため、次の36分までの時間つぶしに、うどん屋さんに入る。
館林はうどんで有名らしい。知らなかった。。。ざるうどん(650円)をかきこむ。

17:36 館林発 北千住経由 中央林間行き乗車

考えてみれば東武鉄道に乗車したのは、これが初めてかも。
両毛地区への旅行は、車がないと不便極まりないと分かった。JR+レンタカー利用の方が良さそう。

「丸木スマ展 樹・花・生きものを謳う」 埼玉県立近代美術館

久しぶりに、胸が熱くなるような展覧会に出会った。
埼玉県立近代美術館で開催中の「丸木スマ展」である。女性画家:丸木スマ氏の名前と作品を知ったのは、静岡県美で見た「日曜美術館30年展」でのこと。数ある著名な作家による作品群の中で、突如私の前に現れた色彩豊かな、こどもが描いたような絵。
「んんん~っ」と見た瞬間、誰の作品???とすぐにキャプションを見たのをよく覚えている。それがスマさんの絵だった。

丸木スマは、原爆の図で著名な(と言いつつ未見)丸木位里の母、位里の妻である洋画家、丸木俊にとっては義母にあたる。スマが絵筆をとったのはなんと70歳過ぎ。
息子夫婦の作画活動や指導を受けつつ、丸木スマの画風を確立し、のびのびとした生命力ある作品を81歳で亡くなるまでに、700点以上遺した。
今回は、彼女の大回顧展である。

展示は、作品テーマごとにされている。
・山里の息吹
・季節はめぐる
・花ひらく
・大地のめぐみ
・いのちの鼓動
・かけがえのない日々

一番の魅力は、その色彩。そこでその色を持って来ますか?と思うような奇抜な配色にもかかわらず、バランスは崩れていない。スマさん曰く「色が張り合うんじゃ」。
特にタイトル「ひまわり」では黄色の花に対して、茎や葉は、緑ではなく青を使っている。背景は大地の色を表す黄土色。

もうひとつの魅力は、画面いっぱいを余す所なく描きこんでいるところ。
ことに、晩年の大作「簪」や「春駒」は見事と言うよりない。「春駒」では初期の頃には見られない黒い太線を輪郭線に用いつつ、作品に強いアクセントを出している。

最後のテーマ「かけがえのない日々」ではスマ自身の自画像や絵を始めた頃のスケッチ(文部省配布の学習帳に描かれているところが泣かせる)を見ていると、こちらまで楽しくなってくる。
展示されていた自画像は、全て笑顔だった。

丸木スマは、被爆者で生活に追われ働きづめだった。人生終盤で、生きがいと思える絵に出会って「もっと生きたい」と語っている。


今回は、丸木スマの作品と現代作家3名による作品とのコラボレーションが行われているのも見もの。
木彫:須田悦弘、安藤栄作、写真家:かわしまよう子の3名は各々自然と向き合って作品制作にあたっている。
彼らの作品が、丸木スマの作品にそっと寄り添うように並んでいる様も好ましい。

全てを見終わった時、涙がこぼれそうになった。
今日は、長崎原爆投下の日。丸木スマや被爆者の皆様に心より哀悼の意を表します。

*8月31日まで開催中。
なお、明日8月10日の15時~ 須田悦弘氏によるアーティスト・トークが開催されます。

*追加情報
渋谷区松濤美術館で開催中の「大道あや展」の大道あやは丸木スマの長女。
大道あやも母と同じく60歳と高齢になって絵筆をとっています。
私も、後日見に行く予定。

「ルオー大回顧展」 出光美術館

来週17日(日曜)に会期終了となる「ルオー大回顧展」に行って来ました。
毎度のことながら、出光美術館の展示は濃い。
今回も怒涛のようにルオー作品が連なっていて、見終わった後にどっぷり疲労していることに気付きました。

Ⅰ.初期のグワッシュ・パステル・水彩画・油彩画
個人的にはこのコーナーが一番目新しく、興味深かった。ことに、「キリストと弟子たち」(1901年)はルオーがモローに指導をあおいでいたことがよく分かる作品。明らかに影響下にあることが伺われる。
恐らく、前期に展示されていた「湖」(1897年)も、モロー風であっただろう。
師が亡くなって以後、短い期間で、自身の画風を築いたことは、驚きと賞賛に値する。

Ⅱ.中期の油彩画
初期、中期の油彩画は、ルオー独自の画法により、絵の具がてかてかと光を放っているのが特徴。

Ⅲ.銅版画集<ミセレーレ>と版画集
美術館めぐりを始めた頃、好きだったのがルオー。理由はあまりにミーハ-なので情けないのだが、歌舞伎役者の中村吉衛門氏がTV番組で、ルオーをめぐる旅をしていたのがきっかけ。
ダンディな吉衛門さんがお好きな画家なら・・・という至極単純な理由だった。そして、出かけて行った先が滋賀県近代美術館。
この時「ミセレーレ」は、全て展示されていた。
「ユピュおやじの再生」シリーズは、この「ミセレーレ」作品化が条件だった。
まさに、画家の全てを捧げた作品と言ってよいのではないか。

Ⅳ.連作油彩画<受難>と色彩版画集
ここは、お見事としか言いようがない。
出光美術館の底力を見た思い。

Ⅴ.後期の油彩画(1935-1956)
キリストの顔を描いた複数作品の中で、青のキリスト、瞳がきちんと描かれているのが、一番良かった。

Ⅵ.初公開・ルオーの銅版画制作の謎に迫る未刊行版画の作品群
失敗作でも、成功しているように見えるものもあった。鑑賞は簡単でも、鑑識は難しい。

*8月17日まで開催中。

「横浜浮世絵にみる横浜開港と文明開化」 そごう美術館

仕事で横浜方面に出かけたので、帰りに横浜そごう内のそごう美術館に行って来ました。
横浜そごうと言えば、からくり人形の時計を思い出す。しかし、このからくり時計は今年の4月になくなってしまっていました。時代は変わるものですね。

さて、そごう美術館は思っていたよりずっとずっと広い空間でした。デパート系の美術館の中では、名古屋の松坂屋美術館並(いやそれ以上かも)の広さです。

今回の展覧会は、作品リストがありませんでしたが、変わりに子供向けのクイズ付きワークシートが準備されています。大人の私ですが、このワークシートをいただいて、展覧会場に入りました。

幕末の1859年(安政6年)開港し、寒村だった横浜が、みるみるうちに外国人が移り住み、商館やホテルといった洋館が立ち並ぶ町となり、ハイカラな国際都市として日本中の注目を集めていきます。そして当時の人々の新しいもの、珍奇なものへの好奇心に応じて生み出されたのが「横浜浮世絵」でした。

個々の展示作品について、あれこれ述べるよりも、全体としてのまとまりを捕らえた方が良いと思いました。横浜浮世絵は、今で言う新聞や雑誌、写真のような役割を果たしていたのでしょう。注文のあるがまま、当時の様子を伝えるために、たくさんの横浜風景、風俗が描かれており、重要な歴史資料となっています。

横浜の地で見る、昔日の横浜風景は不思議な感覚を呼び起こします。汽車の作品を眺めていたら、先日渋川からの帰路に乗ったD51の汽笛が聞こえてくるよう。

これらの浮世絵は明治期にも続くのですが、やがて写真や新聞の台頭により、消えて行きます。そこに一抹の寂しさを考えつつ、会場を後にしました。

*8月31日まで開催中。

「町田久美-日本画の線描」 高崎市タワー美術館

群馬ツアーの最終回です。
閉館時間ギリギリでかけこんだのは、高崎市タワー美術館。JR高崎駅より徒歩数分とアクセスが大変良いのが魅力、駅から見えてますから道に迷う心配もなし。
こちらは、三鷹市民ギャラリーとコンセプト、雰囲気が似ていますが、想像していたのより広い空間でした。

第1部 日本画の線描
高崎市タワー美術館は、日本画専門の美術館であることを行って初めて知った次第ですが、なるほど日本画の良いものを沢山所蔵されています。
個人的には、第二部の町田久美展より、こちらの方が楽しめました。
印象に残った作品は次の通り。
・「小町の図」 上村松園
・「須弥山絵図」 高橋常雄
・「童謡」 中村岳綾 ⇒ デロリを思わせるような不気味さが怖い。
・「かちかち山」 安田靭彦
・「歌神」 結城素明

この展示では、日本画の線の重要さを認識させる展開。様々な画家による線描表現が画風の違いを表出していることが分かります。

第2部 町田久美
1995年の初期作品から、2007年までの37作品を一挙公開。
ポイントは、アーティスト町田さんによる各作品についての言葉です。
受付で鑑賞者全員に作品リストと「画家のことば」と記載されたプリントをいただけます。作品制作までの苦労やら意図など、作品を見ているだけでは分からないことを作家さんの言葉で示していただけるのは大変ありがたい試みです。

美術館の姿勢というのは、こんな所にも現れるのだと感じます。

*8月24日まで開催中です。

「觀海庵」 落成記念コレクション展-まなざしはときをこえて ハラミュージアムアーク

昨日の旅程編に続き本編です。
品川の原美術館には何度も訪れていましたが、名古屋から群馬県渋川はあまりに遠かったため、ハラミュージアムアークには行けず仕舞。しかし、東京進出に伴い、北関東が日帰り圏に突入したことによって、ついについに憧れのハラミュージアムアークへ行くことができました。
折しも、今年は磯崎新設計の「觀海庵」が完成。その記念展として7月27日より「まなざしはときをこえて」が開催されています。

まず、ハラミュージアムアークの建物構成ですが、四角の展示室ギャラリーAを中心に左右にギャラリーB、ギャラリーCが両翼となっています。各ギャラリーは中でつながっておらず、一旦外に出て、別のギャラリーに入ることになります。目立つのは、建物の色。黒なのです。同じ群馬県近代美術館も磯崎氏の設計によるものですが、こちらはホワイトキューブと言われる白い建物。対照的に真黒な美術館は、牧場という立地にマッチしています。
今回新たに完成した觀海庵は現代アートのギャラリー群とは反対側の一番端っこにあります。

どの順番に見ても構わない方式は、金沢21世紀美術館と同じです。中でつながっていないのが違いでしょうか。今回は、実際に私が見た順にご紹介します。

1.觀海庵
中央入り口を抜けるとすぐに屋外アートとしてフェディリコ・エレーロの最新作が両側に。エレーロは十和田現代美術館の参加アーティストでもありますが、ここでも同様の彼らしいポップな平面作品を床一面に描いています。

そこを抜けると、磯崎氏がキュレーションを行った展覧会等を紹介するDVD映像が流れていますが、ここは、軽く見て終わり。
長い廊下に当たりますが、右端突き当りには横尾忠則のタイルアートが展示されています。90年代の作品と古めですが、古さなど微塵も感じさせません。
反対方向の月当たり、そこが觀海庵の入口となっています。

黒い木製ドアを開けると、真っ暗な世界に沈み込みます。
最初に目にしたのは、見た瞬間「カプーアだ!」と思うようなオブジェがひとつ。タイトルは「虚空」(Void)。暗さに目が慣れてくるとオブジェの色が藍色であることに気が付きます。
カプーアらしい吸い込まれるような錯覚を起こさせる立体作品。

次に受付の反対側に杉本博司の「海景」シリーズのうち3枚が展示されていました。

このあたりで、既に深い海の世界に潜ったような感覚があります。
いよいよメイン展示室へ。
最初の壁の左側には2点の絵画。ひとつはマークロスコ「赤に赤」、もうひとつは「チボリ」ヤン・ファーブル。赤と青の作品が横並びする光景も見もののひとつ。

正面の大きなガラス張りの展示ケースには森徹山「百鶴図屏風」(六曲一双)。屏風の間には倉俣史朗のピンク色のアクリル花瓶がひっそりと置かれています。
屏風とデザイン性あるアクリル花瓶の取り合わせは、異時代文化でありながら、妙にマッチしていました。

驚きはまだまだ続きます。
手前の細長い巻物専用の展示ケースには円山応挙「淀川両岸図巻」が入っています。手前からも向こう側からも両側から鑑賞可能なケースは過去あまり見たことがありません。
淀川両岸図は、人物の描写の細かさ・小ささは驚異的。双眼鏡を持参していたので、ここぞとばかりに使用しました。

中央に直立するガラスケースの中にあるのは、何とイブ・クラインの「青いスポンジ」。本当にスポンジを使用して制作されていますが、言われなければスポンジとはとても思えません。
本展担当の主任学芸員青野氏によれば「觀海庵」は原六郎の号であるため、今回の企画展ではその名にちなんだ海や青色の作品を揃えたそうです。


徹山のガラスケースの逆サイドには、「龍虎図」 狩野探幽 が。
同じケースには、「軍配に鉄線蒔絵刀筒」と須田悦弘「鉄線」という見事な取り合わせも見られます。この蒔絵筒のために、須田さんの鉄線を新たに作ったのかと思いましたが、さにあらず。
品川にある原美術館の2階パーマネントコレクションの須田作品から、一部を移設したそうです。
とどめは、草間弥生の「かぼちゃ」。止め石の役割として、磯崎氏がセレクト。

そして忘れてならないのは、「虎図」(三井寺旧日光院客殿障壁画)です。
永徳にしては、ちょっと迫力不足のかわいい虎が正面を向いています。

言葉と言うのは、無力だなとつくづく思います。当方の表現力でこの構成の素晴らしさを語るには限界があります。
どうか、実際に足を運んで見られることをお薦めします。
特に、草間ファン、須田ファンの方、必見です。

ギャラリーA、B、Cの各展示作品は省略します。
印象に残ったのは、束芋の「真夜中の海」。2006年の束芋展で出品された作品ですが、見せ方を変えると印象も変わります。シャネルのモバイルアートで見た束芋作品より、こちらの方が良かったです。

当日は、運良くギャラリーガイドツアー(日曜2時半のみ)に参加でき、学芸員さんによる各展示室の解説と普段拝見できない収蔵庫見学をさせていただきました。
こちらの収蔵庫、圧巻です。1階部分でリキテンスタインなど現代アートの名作を眺めつつ、下の階に下りて行けば、森村泰昌の一連の作品が壁一面に展開していました。これだけの森村作品を一度に見たのは、後にも先にも今回が初めて。
戸谷成雄の木彫あり、藤本由紀生のオルゴール作品あり。そしてここにもありました草間弥生。

収蔵庫でもあり、広い展示スペースでもある空間です。展示室ひとつ余分に見させていただいたくらいの満足感でした。

来年以後に更に新しい展示スペースの建設も予定されているとのこと。要注目です。

*前期展示:8月31日まで⇒ 森徹山、狩野永徳作品は前期のみの展示
 後期展示:9月2日~9月23日まで こちらも楽しみです。
なお、8月23日(土)16時半(要予約)で觀海庵の光を手がけた照明家・豊久将三氏による照明に関するガイドツアーが開催されます。光の違いで作品の表情が変わる実験付き解説会とのことなので、ご都合合えば、ぜひ参加されてはいかがでしょう。

青春18きっぷの旅 群馬編

青春18きっぷの旅、2回目。先週に続いて、今週も群馬県へ。先週行けなかった渋川、伊香保のハラミュージアムアークと高崎市タワー美術館への旅。
詳細は、後日にするとして簡単に旅程を。

10:30 上野発 高崎行き
本当は、もう2本前の電車に乗る予定が、グリーン券の購入を誤って、ビューSUICAカードがグリーン券購入機から出て来なくなってしまうというトラブルに見舞われ、そうこうするうち、電車は行ってしまったのだった。。。

12:17 高崎着
12:22 高崎発 水上行き
12:47 渋川着
ここで、バスに乗り換え。全く時刻表など調べなかったが、タイミング良く伊香保温泉行きのバスに乗車できた。通常1時間に2~3本あるかないかのようなので、要注意。
13:15頃 グリーン牧場で下車。 運賃470円也。

グリーン牧場内にハラミュージアムアークはある。チケットは、グリーン牧場の入場券と兼ねているので、牧場用のチケット1200円を購入。
牛イラスト入りのチケットを貰うも、これで、本当に美術館に入れるのか心なしか不安であった。

牧場入口より徒歩5分程度で、お馴染みカフェ・ダールが見えてくる。
13:30 カフェ・ダールにて昼食。
バジルスパ(800円)+グリーン牧場ミルク(200円)をいただく。やはり、ミルクのお味は濃い。

14:00 観海庵より鑑賞開始。
14:30 日曜だけ開催されているギャラリーツアーに参加。
本来予約制だが、参加者が少なかったため飛び入り参加可能だった。何と、収蔵庫見学までついているので、今後行かれる方は、ぜひ参加されることをオススメします。

16:20 気づけば閉館まで。
タクシーで渋川駅まで戻る。タクシー代約3600円也。予定外の出費となる。

16:44 渋川発 SL水上号乗車
渋川駅に到着したら、偶然にもD51が停車しているではないか!
この夏、群馬県をSLが走るというパンフはJR駅のあちこちで見かけたが、まさに本物にでくわすとは。
18きっぷでも、指定席券(510円)を購入すれば、乗車できるとのこと。高崎市タワー美術館の閉館時間は18時のため、SL号に乗って、先を急ぐことにした。

17:17 高崎到着
17」25 高崎市タワー美術館
こちらは、日本画専門の美術館で、現在「町田久美展」を開催中。感想は後日アップの予定です。

18:38 高崎発上野行きにて帰宅。

初訪問のハラミュージアムアークは予想以上に、良かった。古美術が加わることで、内容に幅が出たのではないだろうか?オープンしたばかりの観海庵の展示があるとないのとでは、大違いだと思う。
現在の展示は8月末までで、9月からは展示作品は入れ替えとなる。
定期的に通いたくなる美術館だが、18きっぷを利用して展示替え後も、再訪したい。

~フェルメール展~ 「絵画芸術」 出品中止

いよいよ、明日から東京都美術館にて「フェルメール展~光の天才画家とデルフトの巨匠たち」が開幕。
が、そんな矢先に本展の目玉になったであろうフェルメールの大作「絵画芸術」(ウィーン美術史美術館蔵)の出品中止が本日正式に発表されました。
絵の具の剥落等により、長時間の移動、温度・湿度の変化が、作品に悪影響を及ぼすというオーストリア連邦教育科学文化省による最終的判断がなされた由。


これに先立って7月24日に「絵画芸術」出品が厳しい状況であることと、アイルランドナショナルギャラリー所蔵の「手紙を書く夫人と召使い」の追加出品が発表されていますが、関係者は「絵画芸術」の出品中止を受け、代替作品の出品要請にてんやわんやだったのではないでしょうか。。。
無粋にも様々な想像をめぐらせてしまいます。

それでもフェルメールの展示作品は過去最多の7点(以下)。
・「小路」 アムステルダム国立美術館所蔵
・「ヴァージナルの前に座る若い女」 個人蔵
・「リュートを調弦する女」 メトロポリタン美術館蔵
・「ワイングラスを持つ娘」 アントン・ウルリッヒ美術館蔵
・「手紙を書く夫人と召使い」 アイルランドナショナルギャラリー蔵
・「ディアナとニンフたち」 マウリッツハイス王立美術館蔵
・「マルタとマリアの家のキリスト」 スコットランドナショナル・ギャラリー蔵

う~ん、やはり「絵画芸術」は、未見だったので見たかったな~。見られないとなると、余計に見たくなるのが人間の性。
この先10年はオーストリアからは出ない。つまり、オーストリアまで行くしかないのか。。。


そんなこんなで開幕前よりお騒がせの本展、やはり混雑必至でしょうか。

*明日から12月14日(日)まで開催中。
展覧会公式ホームページ
http://www.tbs.co.jp/vermeer/jpn/index-j.html
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