「TWS-Emerging」164 阿部乳坊 [自刻像:変態動物] /165 three [three is a magic number 3] TWS本郷
「TWS-Emerging」164 阿部乳坊 [自刻像:変態動物] 165 three [three is a magic number 3] TWS本郷
166 木彩 [GROW] /167 小林広恵 [公園をつれてかえる] 8月6日(土) - 8月28日(日)
http://www.tokyo-ws.org/archive/2011/06/tws-emerging-164165166167.shtml
164 阿部乳坊 [自刻像:変態動物]
彫刻は、その存在だけで空間もしくは場の空気をどれだけ変えられるかが、重要なのではないかと思っている。
阿部乳坊の彫刻は、しっかりと場の空気を変えていた。
まず目を引くのは、細長い手だろう。
やじろべえのような細長い手足が、どの彫刻作品にも共通している。もうひとつ、顔と頭部の彫りと付き方も特色がある。頭を顔の輪郭線に沿って彫りぬき、顔の部分だけ強調するような手法。
頭髪はなく、フードをすっぽりかぶっているかのよう。
彫り目はしっかりと残すタイプ。
作品配置も良く、互いが邪魔しない程度の距離感と間隙が心地よい。
ポートフォリオを拝見すると、長い手は「結ぶ」という意図があるのと、もうひとつ「バランス」これは作家の育ってきた家庭環境の影響があるようだが、この2つを追求した形がこの長い手だった。
阿部乳坊作家のサイト:http://abe-niuu-bou.com/
鑿跡のある彫刻が好きなのこともあるのと、その形にも惹かれるものがあった。
黒部市国際文化センターコラーレで11月27日まで2人展もやっておられるようなので、入善の発電所美術館とからめて行ってみたい。金沢でも出展されるようだが、こちらは厳しそう。
165 three [three is a magic number 3]
threeの3人組ユニットの活動はかねてより拝見している。MEGUMI OGITA GALLERYの荻田氏のお眼鏡にかない、同ギャラリーで初めて観たのは何年前だったか。しかし、これまで見て来たのは単体としての作品だった。
今回は2階の1室を使用したインスタレーションで、こういう展示をするんだと新しい一面を見せてくれた。
フィギュアをつぶしたり、よく寿司折に入っているしょうゆさしを使ったり、既成のアイテムを使った作品が特徴で色の使い方も上手い。
TWSでもお馴染みのフィギュア潰し作品だが、見せ方をひねってきた。
コンセプトもしっかりしている。
展示台の上に、フィギュアの名前と重さを書いて、置かれているのはフィギュアをつぶしたもの。そして、台にはそのフィギュアの影が映っている。
下からライトを当てて照らしているのではないだろうか。床を這う電力コードがあったのはそのためだと思う。
もっと暗くして闇に映し出された影を観るのが、正しい鑑賞方法(作家の意図する方法)のようだったが、残念ながら会場は蛍光灯の明りが燦々と降り注いでいたので、影の出方がもうひとつだった。
threeは、資生堂ギャラリーで開催される「第6回shiseido art egg」に入賞が決定したばかり。
http://www.shiseido.co.jp/gallery/artegg/result/result06.html
来年2012年1月6日(金)~29日(日)(21日間)資生堂ギャラリーでの個展開催では、どんなインスタレーションを見せるだろうか。
166 木彩 [GROW]
絵具が溶けだしそうな、具象と抽象の狭間を鮮やかな色彩と色の滲みで見せる。
悪くはないが、何かもうひとつ物足りない。
167 小林広恵 [公園をつれてかえる]
TWSで、よくあるケースだが3階を2人で使用する場合、奥の部屋を使う方は展示を頑張り過ぎてしまう傾向があるように思える。今回も、狭い空間に、8点~9点。サイズは大小混在させているが、[公園をつれてかえる]というタイトルにある通り、緑主体の作品ばかり。
緑も濃厚な草色だったので、余計に圧迫感が強く、公園いるような開放的だったり、のんびりした気分を味わうには至らなかった。
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