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明治・大正時代の日本陶磁-産業と工芸美術-展 瀬戸市美術館

瀬戸市美術館で開催中の「明治・大正時代の日本陶磁-産業と工芸美術-」展(10月14日迄)を観に瀬戸市に出かけた。

瀬戸市美術館は愛知県内に長く住みながら、なんと初訪。
なぜ、これまで行かなかったのか我ながら不思議ではあるが、ここ数年は笠間の陶芸美術館や大阪の東洋陶磁に行っていたと言い訳もできようが、東京移転前は言い訳が立たない。

瀬戸市美術館は、名鉄瀬戸線の尾張瀬戸駅から徒歩13分くらいの坂の途中にある。隣接して文化会館などの施設もある。

展示室は1階2階にあるが、それ程大きくはない。
しかし、本展の出展作品数は約120点と盛り沢山な上に、瀬戸市美術館所蔵品が数点参考出品されていることもあり、展示室におさまりきらない作品がロビーに展示されている。
ガラスケースに入っているものもあれば、巨大なためにケースが見つからなかったのか、一部はガラスなしでそのまんま展示されているという、なんとも無造作な感じが良かった。
しかし、作品は陶磁器である。
ケースなしでは、監視の方もさぞかし緊張されることだろう。

本展は、明治⇒大正時代の日本陶磁の変遷と成果を包括的に紹介している。
日本全国の明治、大正期の窯や作家を丁寧に、キャプションは実に細かい!解説しているので、普段陶磁器に馴染みのない方でもわかりやすい展示となっている。
が、さすがに120点もの作品キャプションをもれなく追っていると2時間経過後は疲れ果てた。
本展で紹介される技法(例:薩摩焼、伊万里)、作家(例:宮川香山等)単位で深く掘り下げた展覧会は多いが、意外と概説的な展覧会は開催されていない。
今回は、まだまだ見知らぬ窯が結構あって、それだけでも勉強になった。

灯台もと暮らしとはこのこと。
地元瀬戸焼や美濃焼の作家を存外知らないことに気づいた。

明治時代は万博を契機に海外輸出用の陶磁器が数多く制作。
過剰とも言えるようなデコラティブさと大きさの作品は明治中心に作られた。
写実的に対象(主に自然や鳥、動物など)を追い制作してきたものが、徐々に時代の経過とともに洗練され抽象的な捉え方に変化している。

前回の型紙展で紹介されていた型紙デザインは対象となる自然をうまくデフォルメし、西欧の人々の目にとまった。
海外で認められたことにより、デザイン化が遅れていた陶芸作家の視野に日本古来のデザインが入って来る。

すぐ身近なところに、最新のデザインが潜んでいたとは。。。
相互影響は勿論あるが「自国の文化の良さを西欧諸国に認められ、漸くその価値に気づくのは、長い鎖国とその後の急激な西欧化の影響だろうか。

神坂雪佳や浅井忠デザインの小皿更には図案集もあるので、こうしたものを眺めていると、美術と工芸の境界など何の意味があるのかと思う。
分ける必要性は何だろうと。
その一方で明治の輸出陶芸は産業として切磋琢磨していた様子もうかがわれる。
産業としての工芸、陶芸、産業としての美術、どちらもあり得るのではないか。


瀬戸市美術館を後に向かったのは瀬戸蔵ミュージアム。
こちらも初訪問。この続きは次回に。
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「KATAGAMI型紙 Style 世界が恋した日本のデザイン」 三重県立美術館

三重県立美術館で開催中の「KATAGAMI型紙 Style 世界が恋した日本のデザイン」展に行って来ました。

型紙展は東京の三菱一号館美術館⇒京都国立近代美術館と巡回し、三重県美が最終巡回舘となっています。
既に京近美で本展を観たのですが、どうもその時はピンと来ずTwitterにさえ感想をあげずじまい。

型紙の本番、三重でもう1度観たいと思い行って来たわけですが、素晴らしい展示内容と趣向でつくづく三重に行って良かったなと。

同舘では、企画展にちなみ「極小の宇宙 手わざの粋ー伊勢型紙の歴史と展開ー」と題した特集展示を同時開催。
こちらでは、型紙の本場ならでは型紙の歴史と手法、彫りの種類、道具類、更に型染めの着物、印傳、摺絵と陶芸へと様々な分野への展開をあますところなく紹介。道具や資料合わせこちらだけで150点もの展示品とてんこ盛り。
こちらだけ見ても1時間弱は必要でしょう。

更に、土日限定(13時〜16時)で伊勢型紙保存会の方2名による型紙制作実演コーナーもあり。
映像で見るのも良いのですが、職人さん自らのご説明による実演。
周囲を囲む観客の方から質問も飛び出し、双方向のやりとりもあったり盛況でした。
型紙の数だけ彫るための道具がある。
ひとつの模様のために、彫り道具を一から作り始める。
そんなことも、実演コーナーと映像、資料から知った次第。
京都で見た時、型紙の模様をつなぐ細い線が気になったのですが、それが紙を補強するための糸だったと、創意工夫が別の美を生み出す。
残った糸さえも美しい模様のように感じます。

東京、京都の2会場に比べ、会場の広い三重県美では展示されている家具もゆったりと配置。グルグルと好きなものを求め会場内を回れるのも良かったです。

さて、企画展、特集展示を見て日本人と自然の密接な関係を考えさせられました。
型紙で使われる文様の大半は植物、水(海、波)が中心。
身近な自然をデザイン化し、着物、印傳へと展開する日本文化。
海外へとそのデザインは流出し愛されるのですが、こうした自然を取り入れたデザインが日本から伝わるまではなかったのでしょうか?
海外の博物館、美術館での展示品を振り返るにアールヌーボー以前においては、
確かに記憶がない。
西洋では宗教的なもの、中国では吉祥や故事にまつわるモチーフが中心だったように思います。

では、なぜ日本人は自然をデザイン化したのか。
日本人の自然観とはどんなものだったのか。
こうした問題を改めて、関連著書を読んで考えてみたいと思います。

三重県美に行った前日に、滋賀県立近代美術館で開催中の「自然学ー来るべき美学のために」展を観たのも良いきっかけとなりました。

もうひとつ、常設コーナーの浅野弥衛特集がまた素晴らしかったので、こちらもお見逃しなく。
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