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2012年 私が観た展覧会ベスト10

2012年は何と言っても、4月1日に名古屋に再び戻ってきたことが私的重大事。
結果的に、東京在勤時のような鑑賞活動は続けることができず、美術館・博物館はまだしもギャラリー訪問数は激減しました。美術館・博物館の訪問数も相当減り、今年は200位(数えていないので正確には不明)ではないでしょうか。
ということで、美術館・博物館の2012年私が観た展覧会ベスト10です。今年はより主観的な選択になりました。
会田誠展、螺旋階段(志賀理恵子)は未見、風が吹けば桶屋が儲かる展は奥村雄樹さんの作品を見ていないので除外、白隠展と練馬区立美術館の船田玉樹展は来年の広島県美開催を観てからと思っているので除外しています。
それでは良いお年をお過ごしください。

1位:大絵金展 極彩の闇 高知県立美術館
大迫力の展示空間は希有な鑑賞体験でした。思わず監視の方に「これレプリカですか?」と伺ってしまった程。絵金の芝居絵が今も高知の土地に根付いていることが嬉しかった。知名度の低い絵師なので、全国区の存在になり更に研究が進むことを願っています。
同時開催のコレクション展「高知の戦後美術と前衛土佐派」も素晴らしく、土佐派を結成し中心人物として活躍した濱口富治は早くから絵金を見出し紹介に尽力。一見つながらないふたつの展示が実はつながっていた。担当学芸員の方のギャラリートークに参加し詳細なお話を伺えたのも有意義で貴重な経験でした。

2位:実験場1950s 東京国立近代美術館
1位にするか迷った本展は考えさせられることの多い挑戦的で刺激的な内容でした。論文集は読み応えあり必読もの。「原爆の図」の展示がなかったこと、図録の内容が不十分なのがマイナスポイント。

3位:GUN―新潟に前衛アバンギャルドがあった頃 新潟県立近代美術館
2012年は戦後の日本美術を追いかけることを意識し展覧会に行っていました。中で、新潟の前衛美術集団「GUN」の結成から終息までを追った本展は共感する所、得るものが多かった。長岡現代美術館の存在を知ったのも大きかったです。

4位:中国近代絵画と日本 京都国立博物館
北京故宮博物院展、中国王朝の至宝など中国関係の企画展が多い1年でした。これまでほぼ紹介されることのなかった中国近代絵画を展観した本展は、中国近代絵画の新たな魅力や西洋美術を日本を通じて摂取し独自の表現を模索した作家の苦悩など得るものが多かった。その後に開催された東博特別展「中国山水画の20世紀 中国美術館名品選」では担当研究員の方のトークでも本展作家は言及され、両展を1年で合わせて観られたのも非常に良かったです。

5位:西村陽平展 愛知県陶磁資料館
昨日アップした「東海4県の美術展を振り返る」に記載した通りなのでここでは省略。

6位:村山知義の宇宙 神奈川県立近代美術館葉山、京都国立近代美術館
かねてより待ち望んでいた企画展。実作品の現存数が少なく、多領域で活動した人物であるが故、全貌を回顧の難しい存在であったが、本展でまとまったかたちで紹介されたことが何より嬉しい。

7位:日本の70年代 1968-1982 埼玉県立近代美術館
「これは美術展ではない」と担当学芸員の方が仰っておられたけれど、日本の70年代の風潮を見事に伝えていました。70年代のデザイン専攻の大学生の部屋はタンスの中まで洋服が入っていて手抜きなくツボ。篠山紀信写真集「晴れた日」を実際に手に取って観ることができたのも忘れがたい。

8位:田中恭吉展 和歌山県立近代美術館
田中恭吉の世界、ただ好きとしか。。。月映えしか知らなかった田中恭吉の全貌と最新の研究成果を堪能させていただきました。

9位:白昼夢ー松本俊夫の世界 町立久万美術館
戦後の日本美術追っかけターゲットのひとつ松本俊夫の全映像作品を紹介した本展。町立の小さな美術館で本展が開催されたことに敬意を表して。Twitterの本展非公式アカウント:@MatsumotoToshio のツイートの内容と量の充実がすごかった。

10位:土屋公雄展 夢のあとに/交差する時間 福井県立美術館
    *所蔵品によるテーマ展:土屋公雄コラボレーション展― 月・MOON ―含む 
福井県立美術館全館を使用して新作、旧作含めて展示した大規模個展。トタン屋根を使用したインスタレーションは土屋氏が生まれ育った福井の町の記憶が凝縮されていて言葉を失いました。時間、記憶をテーマに扱う作家は多いけれど、一貫して「家」に関与した作品を制作されていることが印象に残りました。

次点 都市から郊外へ1930年代の東京 世田谷文学館
   写真家堀野正雄の世界 幻のモダニスト 東京都写真美術館

毎年勝手に決めている美術館賞は今年は三重県立美術館で決まり。イケムラレイコ、蕭白ショック!、型紙展、平櫛田中と三重県での開催に意義ある展覧会の選択により、常設の所蔵作品特集と企画展が見事にタッグを組んで、三重県美で観ようという動機付けを得られました。

海外では、年初のナショナル・ギャラリー開催のダ・ヴィンチ展やテートモダンのリヒター展、どうしても行きたかったドクメンタに初めて行けたのは最高でした。ベルリンは旧東ドイツの痕跡が残る不思議な都市で、それも強く記憶に残っています。
新潟県の水と土の芸術祭は美術館・博物館開催とは異なるためランキングから外しましたが、大友良英 ※飴屋法水たち、原口典之、下道基行ら出品作品はみな水と土、新潟ならではの作品群で非常に良かったです。

以下、2012年で印象に残った展覧会。
☆柏原えつとむ展 私の解体へ 国立国際美術館
☆井田照一の版画展 京都国立近代美術館
☆井田照一 版の思考・間の思索 京都市美術館
☆桑山忠明展 神奈川県立近代美術館葉山
☆小野佐世男 モガ・オン・パレード 川崎市岡本太郎記念美術館

◎三代 山田常山 ―人間国宝、その陶芸と心 出光美術館
◎中西夏之展 DIC川村記念美術館
◎トーマス・デマンド展 東京都現代美術館
◎紅型展 サントリー美術館、松坂屋美術館、大阪市立美術館
◎ボストン美術館展 東京国立博物館、名古屋ボストン美術館

○お伽草紙展 サントリー美術館
○セザンヌとプロヴァンス 国立新美術館
○蕭白ショック! 千葉市美術館 三重県立美術館
○明治・大正時代の日本陶磁 瀬戸市美術館
○北京故宮博物院展 東京国立博物館
○エル・グレコ展 国立国際美術館
○シャルダン展 三菱一号館美術館
○ユベール・ロベール展 国立西洋美術館
○レーピン展 Bunkamura museum
○マックス・エルンスト展 横浜美術館、愛知県美術館
○今和次郎 採集講義 -考現学の今 国立民族学博物館
○平櫛田中展 三重県立美術館
○さわひらき Whirl 神奈川県民ギャラリー
○絵解きってなぁに? 龍谷ミュージアム
○大辻清司フォトアーカイブ 武蔵野美術大学美術館
○小川芋銭展 茨城県立近代美術館
○土偶コスモス Miho museum
○モノミナヒカル展 多摩美術大学博物館
○吉川霊華展 東京国立近代美術館
○肖像画の魅力-歴史(とき)をみつめた眼差し- 茨城県立歴史館
○リアルジャパネスク 国立国際美術館
○与えられた形象 国立新美術館
○写真家 石元泰博 時代を超える静かなまなざし 文化フォーラム春日井
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東海4県の美術展を振り返る

毎年年末は30日まで仕事のことが多いのに、今年は28日が仕事納め。おかげで31日までの3日間をのんびりと過ごしている。

昨年の12月31日年間ベストの記事を最後に、ブログを休止。その後、ぽつりぽつりと記事をアップしているものの開店休業状態が続いた。もはやブロガーとは言えない状況であることは認識しつつも、やはり年間ベストだけはあげておきたいと思う。しかし、その前に東海4県の2012年美術展を振り返ってみる。

企画展は他の美術館、博物館に巡回するものと、単独館開催とに2分される。自分がついつい萌えて、燃えてしまうのは後者の単独館開催の方。もちろん、巡回展は規模も大きいし、見応えがある内容のものが多いのだけれど、私は巡回の場合、どこの館で見るかも考えるし、良いと思った展覧会は館を変えて見に行くこともある。

まずは、東海4県単独開催展の私的ベスト。
昨日、Twitterで呟いたが、ベスト3は

1位:彫刻を聞き、土を語らせる西村陽平展 愛知県陶磁資料館
http://www.pref.aichi.jp/touji/002_s_exh/002_2012s_exh_nishimura/002_2012s_exh_nishimura.html
焼成の可能性だけでなく、触覚領域を意識した作品制作。また視覚障害の方への教育成果を「西村陽平が出会ったことどもたち展」で紹介。目を瞑って、触ったあの「ぷにゅぷにゅ」した物体の感覚が今も手に残っている。触覚記憶は、他の知覚領域より脳内保持時間が長く、強いのではないだろうか。
加えて、今年のドクメンタで西村氏の焼成作品を彷彿とさせる作品を展示していた作家がいた。なぜ、この作家が選ばれて西村氏が選ばれないのか、そんなことを会場でふと考えた。

2位:丸木俊展 一宮市三岸節子記念美術館
http://s-migishi.com/tenran/index_2.html
小規模館ながら、企画展は毎年きっちり渋くて濃い内容を実現される美術館。以前から気になっていたがまとめて作品を見る機会のなかった丸木俊展はこちらの期待に見事にこたえてくれた。初期から晩年まで、1点だけど丸木位里と共作の「原爆の図」も展示。絵画だけでなく絵本の仕事も展示室を分けて紹介。まさか、パラオに行っていたとは!驚きの連続。丸木俊はバリバリの左派で、モスクワとパラオに渡り生活、戦中・戦後を生き抜いた人生は圧巻というしかない。どんな環境下であっても画家であることを一時として忘れていない。最後まで見終えた時、ちょっと泣けた。

3位:江戸絵画の楽園 静岡県立美術館
http://www.spmoa.shizuoka.shizuoka.jp/japanese/exhibition/kikaku/2012/04.php
「江戸絵画の楽園」といううすらぼんやりした展覧会タイトルになってしまったが、本来は「江戸絵画のかたち」というタイトルが相応しい内容。実際、企画した学芸員氏は「江戸絵画のかたち」展と冠したかったに違いない。屏風、掛軸、絵巻、版本など日本美術の絵画形式を江戸期の作品に絞って紹介し考察。なぜ、画家はこのかたちを選択したのかを作品を見ながら考えられる。しかも、展示作品は初公開の個人蔵や新出作品のレアもの多数。図録も通常の形式と違って作品解説が図版と同じ頁に掲載され、読み物のように頭からお尻まで丸ごと読めてしまうという素晴らしさ(もちろん、担当学芸員氏の意図的な構成)。静岡県美の江戸絵画展は決して見逃してはならないと改めて再認識した。


次点:南都大安寺と観音さま展 パラミタミュージアム
美術館のサイト構成がイマイチで2012年度の過去企画展にアクセスできずリンクが貼れませんでした。
同館開館10周年企画展、初訪美術館。大安寺とその周辺地域の寺社所蔵の観音だけを集めて紹介。地域独自の観音信仰を追う。懐中電灯貸出ありでじっくり横から斜めから拝見。馬頭とか如意輪観音とか文句なく良かったけど、法隆寺の白鳳仏に影響を受けたと思しき円空作の巨大観音も忘れられない。同時に熊谷守一展も開催されており、ダブルで楽しめた。台風直撃の午前中に行って、近隣の温泉露天風呂に暴風雨の中浸かっていたのも良き思い出。

・魔術/美術ー幻視の技術と内なる異界  愛知県美術館
http://www-art.aac.pref.aichi.jp/exhibition/history/2012_01.html
愛知県美、三重県美、岐阜県美の3館所蔵品を「魔術/美術」をテーマに紹介。図録がコンパクトかつおしゃれで、内容がめっちゃ濃いというレアもの。「マジュビジュ」なる展覧会略称がSNSを跋扈していたのも忘れがたい。

・開館30周年記念所蔵名品展 絢爛豪華 岩佐又兵衛絵巻 MOA美術館
http://www.moaart.or.jp/exhibition.php?id=34
これはもう技も何もない。所蔵品の又兵衛作(伝又兵衛含む)「山中常磐物語」「浄瑠璃物語」「堀江物語」を3期に分けて全巻公開。でも、きっとこの企画はいつかまた開催される筈。図録を制作していただきたいものです。

この他、「原裕治展」 碧南市藤井達吉現代美術館、「自然と幻想の博物誌」&F氏の絵画コレクション 豊橋市美術博物館も良かった。
見逃した展覧会で痛かったのは、岐阜県現代陶芸美術館の「井田照一展  ―土に挑む―」と岐阜県博物館の「飛騨・美濃の信仰と造形 ―古代・中世の遺産―」2つ。前者は多治見市、後者は関市、岐阜県は広い。。。井田昭一展は気づいた時には終了していたが、これが一番見たかった。
愛知県美術館の新たな試みとして、愛知県当時資料館の所蔵品と同館所蔵品を合わせて紹介した「美しき日本の自然」や今年度よりAPMoAプロジェクト「ARCH(アーチ)」も重要。特に後者は、どうしても手薄になりがちな現代作家を学芸員と作家の共同で作る個展形式。ここで力を発揮できるかどうか、作家としても今後の評価につながる貴重なチャンス。鑑賞者はそれをありがたく享受させていただく。個人的には西岳拡貴と奥村雄樹の回が良かった。

私的にどうしても共感できなかったのは名古屋市美術館と豊田市美術館の両館で開催された青木野枝展。新作の「原形質」など今後が楽しみな展開もあったが、作品よりそれを包む建築に目が行くのはなぜだろう。むき出しの名古屋市美術館の展示室が意外に狭いと思ったり、自然光が降り注ぐ豊田市美術館の展示室と思い出すのはなぜか美術館建築。空間を引き出すのが青木野枝さんの作品の特質かとも思ったが、それは的外れだろう。何にせよ、私自身の見る目がないとしか今は言えない。
他にメナード美術館の船越桂展、名古屋市博物館の芭蕉展、岐阜県美術館の象徴派展も独自開催として見応えのある内容だった。ベストに入っていないのは私自身の興味と嗜好の問題。特に船越桂展は客観的に考えれば良かったと思う。

共同開催展は、東海限定でない年間ベストで触れることにする。東海地方のギャラリーや美術館外での展示(例:岡崎ART&JAZZや小牧の常懐荘で開催されたうつせみ展、佐久島アートプランなど)は割愛させていただく。中京大学のCスクエアが来期でクローズするのは名古屋地区の大きな損失。非営利ギャラリーとして草分け的な存在で重要な展覧会の数々を開催していただけに惜しまれる。

「GUN―新潟に前衛があった頃」 新潟県立近代美術館

初の新潟市遠征決行。
新潟行きを決意させたのは、新潟県立近代美術館で1月14日まで開催中の「GUN―新潟に前衛(アヴァンギャルド)があった頃」展だった。
「GUN」は雪のパフォーマンスで著名な新潟発の前衛集団で1960年〜70年代を中心に活動を行っていた。
と言っても、私がその存在を初めて知ったのはつい先日、Twitter上で本展開催の呟きを見てのこと。

今年は特に1950年〜70年代の国内美術関連の回顧展が気になる。
東近美の美術にぶるっ!第2部「実験場」然り、埼玉近美「日本の70年代 1968-1982」展に続き、NYのMOMAでは「東京 1955-1970」展を開催中。自身が60年代生まれということもあり、生まれた時代の美術に関心を持ち始めた。
国内前衛美術の活動は早いもので1948年〜(武生市:北美)だが、1954年発足の「具体」以後活溌化したと考えて良いだろう。「GUN」は1967年発足(ここに特に親しみを覚える)と国内前衛グループとして後発組になる。
本展冒頭では、新潟大学芸能科時代の前山忠の作品に続き、長岡市にかつてあった長岡現代美術館のコレクションや概要を紹介している。
長岡現代美術館の存在もここで初めて知ったが、GUN結成に先立つこと3年前の1964年開館し1979年閉館した。旧大光相互銀行(現:大光銀行)頭取の駒形十吉が美術蒐集家であったことから、大光コレクションを形成しこれを公開した。新潟県内には県立美術館が2つあるが、長岡市に新潟県立近代美術館があるのは長岡現代美術館の存在が大きい。後に経営苦境に立たされ売却を逃れた大光コレクションの約半分を所蔵する故のようだ。長岡現代美術館の所蔵品は当時としては破格、東京でもお目にかかれないような西洋画の名品と現代美術を有していたが、本展で展示されている大光コレクションのごく一部(例:ウォーホル「16のジャッキーの肖像」、ローゼンクイスト「成長計画」等)を見てもその素晴らしさは驚嘆に値する。長岡現代美術館だけをテーマにした展覧会もできるだろう。実際、2002年には同館で開催されていた「長岡現代美術館館賞」に関する回顧展が新潟近美で開催されている。GUNメンバーが長岡現代美術館の存在とそのコレクションに刺激を受けたという影響力は推して知るべしであった。

次に、GUN結成の大きなきっかけとなるのが、批評家:石子順造の存在である。石子を介して静岡の前衛グループ「幻触」(1966年結成)を紹介され挑発を受ける。挑発にまんまと乗ってというと語弊があるが、「新潟でも前衛集団結成」の動きが前山忠を中心に始まるのだった。「幻触」の鈴木康則、前田守一らの作品が展示されていたのは嬉しい。先日高知県立美術館へ行った際に同じく1960年代に結成された前衛美術集団:高知土佐派の特集が開催されていたが、高知土佐派も活動を影で支えていたのは批評家の存在であったことを思い出す。特に、1960年代に地方の前衛美術における美術批評家の影響力の大きさをここでも痛感した。

第2部以後はいよいよGUN結成で「GUN発言誌」や「GUN作品集」、GUN展ポスター、パンフレットなどの関連資料が丁寧に紹介され、第1回GUN展出品メンバーの前述、前山忠、堀川紀夫、近藤直行、鈴木力び作品が展示されていた。面白いのはグループ名GUNの由来で「がーん」とインパクトある発音をそのまま横文字に置き換えたのが最初。後に、眼、癌、拳銃のGUNの意味に加え「グループ、ウルトラ、新潟」の意味が加わった。グループ結成のマニフェストは反中央、地方の中央へのコンプレックス撲滅が掲げられていることい共感を覚えた。東京から再び名古屋に戻り、以前にも増して東京中心主義の文化に嫌気がさしている昨今の自分にとって、彼らの気持ちは現代においても変わることなく同調できる。

当時の潮流であったか、街頭ハプニングも行っておりその記録写真により活動の様子が察せられる。これ以後も展示作品を見る限り当時の最新美術動向を意識してか、メールアート:石のメールアートなどコンセプチュアル作品で評価を得る。これと並行し、スノーパフォーマンス「雪のイメージを変えるイベント」を成功させるのだが、その様子はスライドと写真で紹介されていた。メンバーが褌ひとつ裸なのが若さ全開、雪と格闘するエネルギッシュな姿に圧倒される。雪のイベントの根底には、雪に閉ざされてしまう新潟だからこそ、雪を制圧したいー言わば権威への反発ーという気持ちであったのは興味深い。GUN結成時のマニフェストに通ずるものがある。

スノーイベントは「アサヒグラフ」に掲載され大規模ランドアートとして高評価を得、広く知られることとなるが、その一方でグループとしての活動が収束に向かうきっかけとなったのは何とも皮肉だ。
これ以後、メンバーの脱退等があり活動は左翼化し政治的なものへと移る。しかし、これも国内状況(70年安保、大学闘争、沖縄返還・・・)を考慮するとごく自然の流れのように感じた。

彼らは常に時代に敏感でストレートに反応している。

新生「GUN」、「GUN」収束とその後の「GUN」を紹介し展覧会は幕を閉じる。GUNは正式な解散宣言をしていないが1980年以後活動は停止。

結成前から活動収束までの一連の流れは1960年以後の国内状況、美術動向と密接に影響し、スノーイベントを頂点(とすることにはやや疑問を覚える)としたグループとしての活動は物語のようだった。
うまく纏まらないが、今年感銘を受けた展覧会のひとつであったことは間違いない。

図録は刊行されているが、展示の方が圧倒的に面白い。長岡まで足を運ぶ価値は十分あると思う。
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