スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

やなぎみわ展 「Lullaby」 RAT HOLE GALLERY

表参道のRAT HOLE GALLERYで3月21日まで開催中のやなぎみわ展 「Lullaby」に行って来ました。
ギャラリーHPはこちら ⇒ http://www.ratholegallery.com/exhibitions/2010/01yanagi/intro.htm

2009年は、やなぎみわイヤーと言って良いほどの大活躍。3月の東京都写真美術館「My Grandmothers」展を皮切りに、6月のヴェネチア・ビエンナーレ日本館での新作「Windswept」、同じく6月の国立国際美術館での「婆々娘々」展といずれも記憶に残る大規模な個展を開催した。
その制作エネルギーは衰えることなく、今年も年始早々、新作「Lullaby」をひっさげ個展をするとは驚き。
本展開催(1月29日~)にあたり、タイミング良く2月1日に雑誌「AERA」誌上において、インタビューが掲載されていた。制作費は、やなぎの場合、自己負担と書かれていて、かなり驚いた記憶がある(結局、雑誌は購入せず)。考えてみたら当たり前で、今回の個展もそうだが、映像+映像の中から抜け出たような写真が何点か合わせて発表されることがほとんど。もちろん、写真だけの個展の場合もあるが、写真を売って制作費を賄う状態らしい。

本展では最初に写真が展示され、奥のコーナーで展覧会タイトルになっている新作映像が公開されていた。
国立国際美術館で見た「The Old Girl’s Troupe」2009年は、老いるということが恐ろしくなってしまった。乳房はしわぶき垂れ下がり、身体のぜい肉もしかり。しかし、醜く老いた当事者たちは、舞い踊り享楽の世界に埋没しているかのようだった。
かなり長い映像作品にも関わらず、起承転結のメリハリがやや弱いせいか、観た後にあまり残るものがなかった。

しかし、今回の新作は違う。
「The Old Girl’s Troupe」より上映時間は短いとと思うが、途中からあっと驚く急展開があり、やがて静寂が訪れるという、しかも前半に繰り返し繰り返し行われる対立と入れ替わりの動きが激しく、一体この先どうなるのか?というドキドキ感の期待に応えてくれた。

以下、新作映像の詳細に触れるため、続きを読みたい方はクリックを。
本作品での登場人物は、やなぎ作品にもお馴染の老女と少女の2人。住宅の中で(確か暖炉があった)、子守唄を謳いながら老女の膝で少女は身体を丸くして眠る。さながらその姿は、子宮にいる時の胎児のよう。
しかし、すぐにこの役割が絡み合い、取っ組み合い、暴れて、役割が逆転する。老女が丸くなって少女の膝で眠るのだ。この入れ替わりが何度続いたことだろう。

まだ、続くかと思われた時、いきなり住宅と思っていた空間の壁が二人が暴れたあおりでバタバタと倒壊し、いきなり舞台装置が現れる。そして、壁も何もない舞台の上で二人の絡み合いが続き。やがて静寂が訪れる。

この展開には驚くと同時に、後に強く残るものがあった。

この老女と少女の役割交代、強い抵抗と制圧、一体これは何を象徴しているのか。
ここで、頭にふと浮かんだのが「魔女の呪縛」であった。
えてして、女の子は母親の「呪縛」に囚われる。すなわち、実母の強い足枷から逃れられず、母からの強い思いをそのまま受け止め、何とかその期待に応えようとしたり、母親から言われたことに抵抗できないたとえを「呪縛」と表現した学者か医者がいたのだ。

私は、この母親の呪いから逃れようとする娘と何とか逃すまじとする母親、そして娘がまた母になる時、自分の娘をというこの延々と繰り返されるような演技が、何とも断ち難い母娘の絆への揶揄に見えた。
雑誌「AERA」でやなぎ自身、もしくはやなぎの身内にこの呪縛関係にある母子がいたとインタビューに書かれていたように記憶している。

あの膝枕と子宮への回帰がまた、何とも象徴的で怖かった。
そう言えば、やなぎみわの映像を見るといつも「怖い」と感じるが、今回の作品は内面から湧きあがって来るような怖さ、観たくないものを眼前に置かれたとでもいうのだろうか。

怖さに比例して、本作は過去観た中で最高だと思う。

*3月21日(日)まで開催中。

コメントの投稿

非公開コメント

panda様

こんばんは。
DNA二重らせん=血のつながりのせいなのかは判然としませんが、
断ち切ろうとしても断ち切れない、それが呪いの恐ろしさなのだと
この映像を見て改めて感じたのです。
輪廻とでも言いましょうか。

金沢はいかがでしたか。

呪縛の連鎖

 「魔女の呪縛」なるほど。女性が一番体感で共鳴を受ける部分でしょうか。
仮面をつける 指先や身体の表情、色彩や小物など 入念な製作を感じます。
血縁とは深い血の呪縛ですね。DNA二重螺旋の鎖。

noel様

こんばんは。
「胸が痛くなる」確かに。一番触れて欲しくない所をえぐられた感じでした。
だから怖かったんだと思います。
否応なく自分自身に置き変えさせられました。

No title

やなぎさん、ほんと大活躍ですよね~私たちと同世代ですから応援したいですよね(笑)
母親との相克、呪縛というものは、年々薄まるどころか強まる一方とも感じているので、あの映像は胸が痛かったです。親が老境にさしかかる年代になってきたというのも大きいかも。
カレンダー
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
ブログ内検索
twitter
最近のエントリ
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。