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「「筆飛将軍」林りょう苑-異色の唐画師-」 大阪市歴史博物館

rinryouen

大阪市歴史博物館で開催中の特集展示「「筆飛(ひっぴ)将軍」林りょう苑(りんりょうえん)-異色の唐画師(からえし)-」を見て来ました。
博物館HP ⇒ http://www.mus-his.city.osaka.jp/news/2009/rinryoen.html
展示作品のうち3点の画像 ⇒ http://www.mus-his.city.osaka.jp/news/2009/rinryoen/rinryoen_item.html
林りょう苑(りんりょうえん)って誰?いつの時代の人?と私も名前を初めて知る画家。そもそも日本人画家なのか?
彼は1770~80年ごろに大阪で活動した唐画師で、自らを「筆飛将軍」と称していたというから、人物もさぞや面白かったのでしょう。りょう苑は、中国風の人物画を得意とした福原五岳に師事し、後に相国寺の高僧に招かれ京都へ赴き、著名な寺院に所蔵されている名画を見て絵の研鑽を積み、数年後に大阪へ戻った後は、和と唐、両方の画風をものとする作品を描き高い評判を得る人気絵師となりました。生没年は不詳で、若くして亡くなったと伝えられています。

今回の特集展示は200年前に大阪で活躍した人気絵師、林りょう苑を約30点の作品と資料で紹介する初めての!展覧会です。

1.「唐」へのあこがれ
りょう苑の生きた時代の大坂では、中国文化への関心が高まっていた。彼の絵画学習は、その著書『画記』で紹介されているが、唐から明時代までに活躍した絵師の作品が数多く挙げられている。遺された作品の多くは「唐」(中国)を題材にしている。
・「西湖図」個人蔵
やや硬い線描で描かれた楼閣が特徴的な水墨。岸辺は逆に墨の濃淡で柔らかく表現している。

・「宮女遊戯図」 1770年 個人蔵
楼閣を臨む水辺に屏風を立て、くつろぐ宮女の一群。宮女の細かく繊細な筆使いが眼をひく。上ャ苑が描く樹木の幹は平坦さを避けるためか、洞がしっかり描かれているのも特徴。本作品の落款は、同じく大坂の文人、木村蒹葭堂の作品に似せたと言われ、両者の交流がわかる。にしても、当時の関西在住の南画・文人画家で木村蒹葭堂と関わりのない人物などいないのではないだろうか。どの画家の足跡をたどっても、必ず木村蒹葭堂との交流や名前が出てくる。

・「青緑山水図」 1770年 個人蔵
この作品は非常に印象的だった。岩肌に細かい襞がひとつひとつ細かく描かれている。まるで中国の有名な霊芝のように見えた。この図版がないのは残念。こういう岩を描く画家って他にいるのだろうか。明代あたりで私の知らない画家の技法なのかもしれない。

2.「和」へのまなざし
唐画を学んだりょう苑は、雪舟や狩野永徳など日本の古い絵画も学習し、特に桃山時代以前の絵画に学ぶべき点を見出していた。彼の水墨画は、唐画のようなものもあるが、大胆な筆法の即興的作品も沢山遺した。それらは皆、どこかユーモアな視点が見られる。

・「蹴鞠図」 江戸時代 個人蔵
当時、蹴鞠が好まれていたことが本作品から分かる。毬を受け損ね、顔面に毬があたる瞬間を描く。注目すべきは3人の人物のうち、画面手前の後ろ向き姿の男の着物の裾。細かく線で描くのではなく、むしろ墨を散らす、もしくは粗く筆で何度か掃くような技法。勢いがある。

3.彩色で描く
ここでは、清時代の絵師:沈南蘋の影響が伺われる花鳥画や明時代の絵師:仇英の美人画に似たような繊細華麗な美人画を展観。
・「得双寿図」 江戸時代 個人蔵
大きな身をつけた桃の木とつがいの鳥を描く。中国のめでたい事物を描く=双寿図で、前章で見せた粗い筆さばきが嘘のような精緻な筆使いと細かい彩色が特徴。

4.墨で描く
りょう苑の魅力はこの水墨画にあり!と思う。彼の水墨画には勢いある運筆と大胆な構図が見られ、これはオリジナルかと思いきや、明代の浙派の影響が感じられると解説にあった。浙派の画風がピンと来ないけれど、こんなに大胆な作風だったのだろうか?とにかく墨の使い方が大胆。そして構図の取り方も斜めの線や余白の取り方が上手い。私も1枚欲しくなったくらいで、人気絵師だったのは当然だろうと思った。
・「大鷲図」 黄谷軒コレクション
足許の岩や、和紙の身体が刷毛で勢いよく描かれる。爪の不自然な曲線が逆に目立つ。目と鼻先は紙の白を塗り残して表現する。奇矯と言える画風。落款の文字も爪のような曲線で合わせているのが面白い。

・「漁夫図」 個人蔵
こちらは、構図に特色がある。縦長の画面に逆くの字を描くような二本の線が橋をあらわす。これが橋!?という意外性は全作品中最高。上の橋に童子に琴を持たせた童子、下の橋には網を持った漁夫が歩く。この橋は本来、並列しているのだろうか?川と思しき所には、薄墨をさっと刷いたような筆線が数本斜め上に向かって走るだけ。一方橋げただけが真っ黒に描かれるアンバランスさ。
何とも面白い。

なお、大阪市歴史博物館の特集展示に合わせて、大阪市立美術館の常設展で彼の屏風絵が3点も出展されている。こちらは今月28日まで。早速、その足で大阪市美に向かった。
3点のうち、2点は六曲二双の大作。全て水墨の禅画風の作品で書も混じる作品もあり、当時の文人画らしい。

・「山水人物図」 1780年 六曲二双 後世に屏風に仕立てなおしたか?

sansuizu

・「飲中八仙図」 1773年 六曲一双
・「仙人図」  1778年 六曲二双

どれも唐画の影響下にある作品、暴れん坊の水墨作品をもう少し見たかった。それにしても、こんなに面白い画家がいたなんて、大阪絵師の特別展とか開催されないだろうか。個人蔵の作品が多かったので、探せばもっと見つかりそう。

*特集展示は4月5日(月)まで。火曜日休館です。オススメします。

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「筆飛将軍」林閬苑 -異色の唐画師-

大阪歴史博物館 2010年2月24日~4月5日 私もいずれ行きますが、江戸時代中期の京都、大阪の絵画(若冲とか蕭白とか芦雪とか応挙とか蕪村とか大雅のことです)にご興味ある方ぜひぜひ見に行きましょう。 図録がないので見るしかないんですよ~

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