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若冲展 第ニ会場  承天閣美術館

前回の続報です。

まず案内されたのは第二会場。こちらは一般公開の場合、第一会場を見てからのお楽しみになりますが、元々承天閣美術館創建時よりあった展示室となります。

こちらには前述の「釈迦三尊像」3幅と「動植綵絵」30幅が一挙公開されています。
会場に入った瞬間、薄暗い照明の中、中央の釈迦三尊像を始め左右15幅ずつの「動植綵絵」が燦然ときらめいているといった印象です。
「動植綵絵」は昨年皇居にある三の丸尚蔵館に足しげく通い、全30幅全て見ることができましたが、あちらは一度に6幅ずつ。
こうして30幅全てを一度に見られる機会をこんなに早く得られるとは思ってもみませんでした。

33幅を目の前にした瞬間、もはやどこから見ていいのか舞い上がって分からない状態。

右からという指示があったのですが、中に入れば細かな境界線はないのでどれから見ても良いのでしょう。
先行プレビューでは幸いにも承天閣美術館の学芸員村田氏より解説を伺いながらの観賞となり、私もウロウロせず解説順に見て行くことにしました。

ここで一般公開をこれからご覧になる方のために村田氏による「今回の展覧会のポイント」をかいつまんで以下記載します。
*メモの取り間違いがあればコメント等でご指摘下さいませ。

 1.多数の中の異なるもの
 2.居士(在野で仏門の修業をする人)である画家若冲
   キーワード:生生流転、輪廻、若冲とその家族の永代供養
 
まず「多数の中の異なるもの」では「秋塘群雀図」「薔薇小禽図」等を例に説明がされました。
「薔薇小禽図」では中央の白い薔薇上から4つ目だけが正面でなく後ろ向きになっているのに着目です。
同様に群雀図でも1羽だけ白い雀がいます(これは簡単に気付きますよね)。
若冲はこのように多数の中に1つ違うものを描いています。
これは何故なのか?
彼の遊び心か、はたまた自分自身を多数の人間の中で異質であることと意識した上での表出か。
答えは分かりませんが、彼の心情に思いを寄せる一助になることは間違いありません。

次に「居士としての若冲」に着目しましょう。
特に相国時という寺社での展覧会です。ただの画家でなく仏門で禅を修業していた若冲に焦点を当てて作品を見ると、また新たな側面が見えてきます。
例えば「群魚図(蛸)」では中央に蛸の親子が描かれています。
もう実に可愛らしい目をしています。現代にも通じるキャラクターなのですが可愛いだけで終るのでなく、村田氏はここに親孝行を意識した若冲の姿を見ています。

若冲の実家より徒歩5分程に「蛸薬師」があり、ここには古くから蛸にまつわる親孝行の言い伝えがあるそうです。若冲がこの親孝行の言い伝えを知っていた上で「群魚図(蛸)」に親子の蛸を描いたのではないかと氏は推測されています。
まるで、ミステリーの謎解きのようで面白い。

確かに「釈迦三尊像」&「動植綵絵」は永代供養のために相国寺に寄進されたものであることを考慮すれば、亡きご両親を思って描いたとするのも納得のいく説ではあります。

更に氏は「動植綵絵」に「生」「死」が描かれていると語ります。
「生」はともかく「死」が描かれている作品を探すのは少し難しいです。
例えば「池辺群虫図」。左下に死んだミミズを運ぶ蟻の姿が描かれているのにお気づきでしょうか。
私は解説を伺うまで全く意識していませんでした。


若冲展に行かれる前にこの記事をご覧になった方は、ぜひ上記の視点でも作品を見ていただくことをオススメします。
観賞後記事を見られた方は図録等で作品を再確認してみては。


そして「動植綵絵」の色彩にも着目して下さい。
修復がされたとはいえ、江戸時代に描かれたとは思えない発色の美しさには息を飲みます。特にモノトーンの第一会場を見た後であれば尚更ではないでしょうか。

33幅同時展示によって過去相国寺で開催されていた「観音懺法(かんのんせんぼう)」をイメージすることができるかもポイントです。
左右15幅ずつの並び順も監修の先生方や学芸員の方とで文献をもとに検証しつつ決定されたそうです。


改めて展示風景を思い起こすと、釈迦三尊様がたくさんの鶏や植物・虫・魚様々な生き物に囲まれ、120年の時を経て漸く微笑まれていた気がします。

まさに極楽浄土の風景をこの現代に体験できる貴重な機会。
どうかお見逃しなく!
写真は前回同様広報用写真を使用。
・釈迦三尊像 相国寺蔵 伊藤若冲筆
20070513164536.jpg

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「若冲展」

京都、相国寺 承天閣美術館で開催中の「若冲展 釈迦三尊像と動植綵絵120年ぶりの再会」に行って来ました。こちらでも書きましたが「インターネット先行プレビュー」に幸運にも参加させていただき、5月12日の土曜日ひと足お先に鑑賞して参りました。金曜前夜は上司からの誘い

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非公開コメント

はろるど様

つまらないブログをご訪問、コメントまで残していただき嬉しいです。

蛸薬師の話は納得できましたよね。
群魚図は1人のダイバーとして見ても大変面白い作品です。
アオヤガラやハンマーヘッドとか食べる魚ではないので、若冲は図鑑で見たのか??と推理してしまいます。

はろるどさんのブログにはアップの都度、これからもお邪魔しますね。

らすから様

コメント残して下さって、ありがとうございます。

最大の謎は、なぜ鶏の絵が多いのかです。
どこかの本には理由が書かれているのでしょうか?

ご存知でしたら教えてください。

こんばんは。コメントをありがとうございました。
「動植綵絵」は昨年の尚蔵館でも全て見たつもりでしたが、
プレビューでの村田さんの解説に接することで、
また新たな気持ちで楽しむことが出来ました。
特に蛸薬師のたとえは面白かったですよね。

よろしければまた拙ブログにも遊びにいらして下さい。
今度とも宜しくお願いします。

こんばんわ。
コメント・TB、ありがとうございました。
それにしても、仰るとおり、「動植綵絵」は“謎多き”作品ですね。こういうところにも、偉大さを感じてしまいます。

知れば知るほど、魅力増大。
そんな気がしました。

nanet様

コメント有難うございます。

同じ群れ系作品でも、群魚図や群雀図は死が描かれてなかったですよね。
この違いは何なのでしょう?

簡単に定義づけできないのも魅力です。

また遊びに来てくださいね。

Tak様

お返事遅くなって申し訳ございません。

確かにおなか一杯の内容でしたね。
1泊できなかったので、再訪して今度こそ満腹状態になってきます。

こんにちは

はじめまして、先行プレビューでご一緒させていただいた者です。
ブログ拝見致しました。村田さんのお話を漏れることなく分かりやすく伝えられてて素晴らしいですね!
「池辺群虫図」輪廻転生が見事に描かれてましたよね。あの絵だけでも一日観ていられそうです。

私も遅ればせながらブログアップ致しました。
トラックバックさせてください。

こんばんは。

先日ご一緒させていただいた者です。
拙い記事ですがTB送らせていただきました。

第二会場でかなり満腹になりました。
少々食あたり気味です。
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