スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

照屋勇賢 「ひいおばあさんはUSA」 上野の森美術館ギャラリー

上野の森美術館ギャラリーで開催中の照屋勇賢「ひいおばあさんはUSA」に行って来ました。
展覧会HP ⇒ http://www.ueno-mori.org/exhibition/gallery/20100314/index.html
期せずして何度も作品を拝見する機会に恵まれる作家さんがいます。
照屋勇賢さんは、私にとってそんなアーティストのお1人です。最初に照屋さんの作品に出会ったのは、2006年豊田市美術館「GARDENS」展で記憶は既にあやしいですが、トイレットペーパーの芯を利用したクラフト作品だったと思います。次は、2008年静岡県美術館「風景ルルル」や原美術館の「アートスコープ」。紙袋を利用したペーパーワークや静岡県美では特に《Dessert Project (paradigm shift)》が物凄く記憶に残っていて、これはカビが生えたりしないのかと周囲の観客の方々と思わず歓談してしまいました。
そして、直近では昨年のTWS渋谷での映像作品(この映像作品、他でも一度拝見したような・・・)でまたも新境地を展開。作品を拝見する度に、新しい表現手法を展開されていますが、最近は特に「沖縄」をテーマに、日本とアメリカのはざまに置かれた沖縄の歴史と社会に言及する作品を制作されています。

本展は、同時期に開催しているVOCA展受賞者(照屋氏は2002年、VOCA奨励賞受賞)として、2002年受賞作品である紅型着物をモチーフにした≪結い You-i≫に続くような展示を見せてくれています。
展示作品の配置と作品名は以下配置図の通りです。*会場配布資料を掲載しています。
TERIYA
6番に置かれているのが前述の≪結い You-i≫ですが、これは着物として仕立てられたものが置かれ、今回は新たに紅型の反物-もちろんそこには、作家によるメッセージ性あるプリントがされている-が天井を飾り(7番)、その下には、紅型の模様を作り出す型紙を切りぬいた後の様々なパッケージが並んでいます(図中の小さい□が並んでいる部分)。ティッシュボックスやお菓子の箱、ほぼ外資系会社のものが使用されていた。

着物⇒反物+型紙と原点に立ち返るような時間の流れも感じ、意図的なものなのか?
皮肉にも伝統的な沖縄工芸の型染めにアメリカ資本の箱を使用して型紙を作る。。。こんな所にまでアメリカさんが入り込んでいるということの比喩?と次々に疑問がわいてきます。

1番から5番は布(綿布や麻)に沖縄出身の著名人や歴史上の人物を「英雄たち」として似顔を諧謔的に描く。
瀬長亀次郎氏は米軍占領下の沖縄で、圧政に対する抵抗運動を行い、後に衆議院議員となる。詳細はこちら。尚寧王は、江戸初期の琉球王国の王様。

それら英雄とは別格として、≪昭和天皇裕仁≫も登場している。

ちょうど、森美術館で始まった「六本木クロッシング2010展:芸術は可能か?」のアーティストトークに、照屋さんが参加されていたので、今回の展覧会についてお話を伺うことができました。

最初に伺ったのは展覧会タイトル「ひいおばあさんはUSA」の意味。

照屋さんのひいおばあさまは「うさ」さんというお名前で、「うさ」をローマ字読みすると「USA」と何とも皮肉というか、偶然の一致だと思うが、ひいおばあさんの名前からタイトルを命名。
「ひいおばあさんやおじいさんの時代に生まれた沖縄の人々にとって、昭和天皇は神だった。日本本土以上に神としての信仰と言っても良い、絶体的な存在だった。その価値観を少しでも揺るがすようなそんな展示をしたかった」と照屋さん。「東京の人は、沖縄の人に比べて本当にドライ」とも。

冒頭に書いた着物から反物への時間的逆行についての意識はなかったそうです。展示手法として、天井から下げると良いかなと考えたとのことで、六本木クロッシングでの展示同様、アーティストなら当然かもしれませんが、見せ方への強いこだわりを感じます。

照屋さんは「沖縄」、「アメリカ」両者の関係や歴史、社会的問題を取り上げて作品化されていますが、その手法が常に多様であり、どの場合においても見せ方がとても上手い、作品として美しかったり面白かったり、単に社会事象をとりあげるに留まらない所が最大の魅力です。
これからも、きっとまた別の方法で私たちを驚かせてくれるそんな展示でした。

*3月30日まで開催中です。会期中無休。

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

歴史と沖縄と風間サチコと

東京都写真美術館の第2回恵比寿映像祭で観た、沖縄の映像作家・山城知佳子の「あなたの声は私の喉を通った」が記憶に残っている。山城自身がしゃべっている映像が流れ続けるが、音声はサイパン島での戦争体験を語る男性の声。サイパン玉砕の悲劇を生きのびた男性の肉声を

「照屋勇賢 ひいおばあさんはUSA」 上野の森美術館(ギャラリー)

上野の森美術館(台東区上野公園1-2) 「照屋勇賢 ひいおばあさんはUSA」 3/14-30 上野の森美術館のギャラリーで開催中の「照屋勇賢 ひいおばあさんはUSA」へ行ってきました。 作家のプロフィールについては同美術館HPをご参照下さい。なお照屋は今、森美術館で開催...

コメントの投稿

非公開コメント

カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
ブログ内検索
twitter
最近のエントリ
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。