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「岡村桂三郎展」 コバヤシ画廊

銀座のコバヤシ画廊で開催されている「岡村桂三郎展」に行って来ました。

岡村さんと言えば、忘れられないのは2008年の神奈川県近代美術館鎌倉での個展です。
この時の感動と何とも言えない畏怖感は今でも忘れることができません。頭というより身体的に残る感覚というのは、なかなか忘れ難いものがあります。
(参考)過去ログ:「岡村桂三郎展」 神奈川県近代美術館

そして、ごく最近では練馬区美術館で開催されている「ゲンダイビジュツ「道(ドウ?)」展で、1985年、1989年、1996年と過去の作品から現在の作品に至るまでの過程となる作品を1点ずつ拝見したばかり。
こういう経過を経て、現在の作品が出来上がって来たのかとその変遷を知るのはとても興味深いもの。

さて、今回の新作展は神奈川近美での作品とは異なり屏風仕立てではなく、画廊の壁面に沿う大きな平面絵画4点が主体でした。
展示風景画像は、こちらのニュースでご覧いただけます。 ⇒ こちら

象や怪鳥のようなモチーフを見て来た私にとって、今回のモチーフは意外。何とびっくり「蛸」が画面いっぱいに8本の足をくねらせ、ちょうど蛸を下から見上げた視点で描いたもの、また一方では海底に沈みじっとうずくまる姿を描いたものと、不穏な気配が画廊一杯に漂っています。

支持体は、バーナーで焦がした板を削り、うろこ状の模様が付けられており、これまでと同じ手法。
神奈川で見た象と同じように、こちらを射抜くような鋭い目線も変わらずです。
ほぼ画面中央の蛸の目にまずは視線が吸い寄せられ、目はひとつしかないのかと思っていたら、近くにもうひとつの目も描かれていました。よくよく見ると長く伸びた蛸の足に吸盤となる突起も作られています。

画廊を訪れた際、運良く岡村さんご本人が在廊されていて、初対面のお客にも関わらず、熱心に作品解説をしていただき、制作にあたってのお話を伺うことができました。以下印象に残ったお話です。

Q.今回はなぜ「蛸」だったのでしょう?
A.水に住む生きものを描きたかった。ふと浮かんだのが、蛸だったのと、今回は屏風でなく、壁を直接飾る平面だったので、「蛸」がいいのではないかと思った。

Q.制作にあたり、どこかで実際に蛸をご覧になったのでしょうか?
A.品川の水族館に見に行って、動き方や形などを見て来ました。

Q.この蛸の足の動きや、構図が独特で、特に蛸が山のようで、とても面白いです。
A.実は、この蛸の足の動きと構図は、昨年上野の森美術館で開催されていた「聖地チベット」展の出展作品に着想を得たもの。蛸の足は千手観音の仏像のように、そして構図は、展覧会の冒頭に展示されていた人間の身体が山のように例えられていた絵があって、あんな形で蛸を描きたいと思った。

岡村さんがおっしゃっていた「人間の身体が山のようになっている絵」は、≪魔女仰臥図≫(以下)のことでしょう。

MAJYO

チベット展で印象的だった作品の一つで、あれがこの蛸の原型化と思うと楽しくて、岡村桂三郎氏の発想、イメージの膨らまし方にひたすら感心。
今回の展示作品を見て、チベット展の作品をイメージされる方があるでしょうか?
千手観音は≪十一面千手観音菩薩立像≫なのか、≪ヤマーンタカ立像≫なのかは定かではありませんが、チベット展にあった仏像は蛸足8本どころではなく、これでもかというほど手が沢山ついていたのは確かです。

そして、入って正面にある一番大きな画面の作品は、下絵段階では展示作品とは違った構図だったそうですが、一晩置いて、出掛けた先で、「やはり、あれは違う!」とひらめいて、全て一からやり直して、現在の作品になったとか。
構図の重要性はこんなお話からも感じられました。

怪しい蛸に見つめられ、自身も海中にいるかのような錯覚を覚えつつ、没入できます。実際ダイビングをすると、今回の作品のようにじっと海底にうずくまる蛸を見る機会もありました。

奥のスペースには小品(こちらも海の生き物が多かったような)も沢山展示されています。お見逃しなきように。

*3月27日まで開催中です。

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