スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「ロシアの夢」 岡崎市美術博物館

岡崎市美術博物館で3月28日まで開催中の「ロシアの夢」展に行って来ました。
展覧会HP ⇒ http://www.city.okazaki.aichi.jp/museum/bihaku/exhibition/exhibition.html

この展覧会のチラシ、とってもカッコイイのです。赤色と緑色で同じ内容の色違いが2種類あり、二つを並べてみるとチラシのデザインセンスの良さが際立ちます。

red
midori

そんなチラシに惹かれた訳ではないのですが、岡崎市美への巡回前に開催されていた埼玉近美で同展に行けなかったので、今度こそ!という思いが強かった。

20世紀の初め、ロシア・アヴァンギャルドの画家や詩人は古い伝統を打ち壊す過激な芸術の革命を推進していた。1917年ロシア革命がおこり、アヴァンギャルド芸術家が革命政府に加わり、芸術家の夢と国家の夢が重なりました。プロパガンダを目的としたポスターや陶磁器制作などに芸術家は携わり、1920年代には、新経済政策のもと、映画や商品広告のポスターが数多く生まれ、絵本、雑誌、舞台美術、建築と幅広いメディアや分野で国家の理想が描き出されます。
スターリン体制が確立され、五カ年計画が始まる1928年以降、芸術家たちは、創造的な活動を厳しく制限されるようになります。1934年には、「社会主義リアリズム」が芸術の絶対規範とされる中、アヴァンギャルドは容赦ない批判にさらされ、1937年に粛清の嵐が吹き荒れたこの年に、アヴァンギャルドの芸術家が抱いた革命の夢は終りを迎えます。
本展では、この激動の時代をポスター、雑誌、絵本、陶磁器、テキスタイル、建築、舞台美術の多彩な作品と当時の写真資料約210点で展観するものです。  ~展覧会チラシを引用し、一部要約

展覧会構成は次の通り。

第1章 ぼく自身の革命だ 芸術の革命から政治の革命へ 1913~1917
第2章 広場はぼくらのパンフレット 芸術とプロパガンダ 1917~1921
第3章 生活建設の旗印のもとに ネップ(新経済政策)の時代 1921~1928
第4章 社会主義リアリズムに向けて 5カ年計画の時代 1928~1937

ロシアアヴァンギャルドの展覧会で今でも忘れられないのは、2003年4月26日~2003年7月27日に岐阜県現代陶芸美術館で開催された「ロシア・アヴァンギャルドの陶芸展-モダン・デザインの実験-」である。
(参考)http://www.cpm-gifu.jp/museum/tenraninfo/03_4index.html
当時、私は東近美で見た「カンディンスキー展」に感銘を強く受け、これを境に美術館を訪れるようになった。この岐阜県現代陶芸美術館の「ロシア・アヴァンギャルド展」もカンディンスキー作品が出品されるのと、この美術館設計を磯崎新が担当していたという2つの目的で愛知県から出かけたのだ。
そして、展覧会では、カンディンスキーというよりアヴァンギャルド・デザインそのものに感心し、こんな作品がロシア⇒ソ連にあったのかという驚きだった。
私の中での当時のロシアのイメージが大きく覆された衝撃。7年前のことなのに、幾何学的なデザインのティーカップや家具デザインなど強く印象に残っている。

そして、その懐かしいロシア・アヴァンギャルドの陶芸作品も本展に出展されていた。所蔵先が岐阜県現代陶芸美術館となっているものが何点もあったので、7年前に見た作品と同じだと思う。
・ウラジミール・マレーヴィチのティーセット
・ニコライ・スエティンの「ティーポット

マレーヴィチ以前のミハイル・アダモヴィチ(ペトログラード国立当時工場」のマグ&ソーサー「戦いによって自分の権利を獲得せよ。ソヴィエト社会主義共和国連邦1917年10月25日」など、お茶を飲むときにまで労働・戦いを厭でも見せつけられ、洗脳されてしまう。
生活にまで政治思想、社会思想が入り込む恐ろしさ。そして、恐ろしい筈のそれらの器に描かれたデザインは、悲しくなる程素晴らしいのだった。

政治や政権の翻弄されたロシア・アヴァンギャルド芸術であるが、本展展示作品中、私がもっとも素晴らしいなと思ったのは雑誌『レフ』『新レフ』のデザイン性である。
1920年代中ごろから後半にかけて発行されたこの雑誌のデザインや装丁は、ほぼ100年弱が経過しても古めかしさがない。現在でも十分通用するほどに洗練され、シンプルな美しさを保っている。
ある意味、緊張感のある美しさと言った方が適切だろうか。

また、昨年、東近美と京近美でロシア映画のポスター展が開催されたが、ロシアのポスターデザインのカッコよさと言ったら右にでるものはないだろう。カッコ良さと共に力強さがあるデザイン。そして、特徴的なのはタイポグラフィー
(*)の秀逸さだろう。*活字を用いる印刷技術および活字書体のデザインやその選択・配列などのデザイン表現全般

また、もうひとつの注目すべき点は、ポスターなどにフォトモンタージュ技法を最初に取り組んだのが、ロシア・アヴァンギャルドの芸術家達だったということ。
代表的な作家として、グスタフ・クルツィス、アレクサンドル・ロトチェンコらである。

そして彼らが特に好んだ色は、やはり「赤」。旧ソ連の国旗を覚えておられるだろうか?社会主義の象徴とも言える「赤」を主体にした作品(ポスター、チラシ等)。赤を使用していない作品を見つける方が困難なのではないかと思った。

しかし、「赤」の持つ効果は国民の意欲を向上させるに効果的で、プロパガンダとして芸術家の作品を利用するにはもってこいの色だった。

この他、本展では舞台美術意匠、建築図面など、多岐にわたる資料の数々で大変役に立った。ウィリアム・ケントリッジの現在の関心が「ロシア」にあると伺ってから、益々アヴァンギャルドはへの関心ともっと知りたい欲求は高まるばかり。

本展図録は、ロシアの雑誌『レフ』のような、紙質のやや薄い、雑誌感覚の図録だった。埼玉近美で買えばいいやと思ったのが大間違いで既に完売。現在は岡崎市美術博物館でしか販売されていない。元気印書留で購入は可能。
私もまだ図録を購入していないのだが、早くじっくり読みたいなと思っている。
多種多様な展示品でロシア・アヴァンギャルドの始まりと終焉、そして政治との強い関わりを教えて貰った。

*3月28日(日)まで開催中

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

ロシアの夢 1917-1937 革命から生活へ-ロシア・アヴァンギャルドのデザイン 【埼玉県立近代美術館】

先日、埼玉県立近代美術館で「ロシアの夢 1917-1937 革命から生活へ-ロシア・アヴァンギャルドのデザイン」を観てきました。 以前このブログ...

コメントの投稿

非公開コメント

21世紀のxxx者さま

お返事遅くなりました。

ロシアアヴァンギャルドの基本を学ぶにはもってこいの内容だったと思います。
図録をしっかり読んで理解を深めたいです。
今年はこの後もロシア関係の展覧会が続きますね。

No title

こんにちは
この展示は埼玉に巡回してきた時に観ました。
生活にまでプロパガンダとして使われていたのはちょっと怖かったですね。
こんな世界もあったのかと驚きがありました、
カレンダー
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
ブログ内検索
twitter
最近のエントリ
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。