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「なにものかへのレクイエム」 東京都写真美術館

rekuiemu

東京都写真美術館で開催中の「なにものかへのレクイエム」に行って来ました。

現代美術に関心がある方で、森村泰昌の名前、作品を知らない人はいないだろう。
ご多分にもれず、私と森村作品の最初の出会いを思い出せない程、様々な所で作品に接して来た。
最初の頃は、そんなに好きな作家さんではなかった。

その印象が変わって来たのは、レーニンに扮した映像作品≪なにものかへのレクイエム≫(夜のウラジミール)を見てからだ。
多分、先に見たのはレーニンの方。
群衆の使い方、演説、小道具の数々、なりきりぶりもここまで来ると本物以上の本物である。エンディングは哀愁すら感じてしまった。

そんな森村氏の「20世紀の男たち」をテーマとする新作シリーズ<なにものかへのレクイエム>完全版を今回写真美術館の2フロアで約40点の写真作品・映像作品で展示している。

展覧会構成は
第一章 「烈火の季節」
第二章 「荒ぶる神々の黄昏」
この2つの章では、既に発表された前述のレーニン、毛沢東、チェ・ゲバラといった歴史上の偉人・英雄に扮した作品を展示。会場外の吹き抜け部分の壁面で三島由紀夫に扮した≪なにものかへのレクイエム≫(MISHIMA 1970.11.25-2006.4.6)2006年の映像作品が流れている。
森美術館の「六本木クロッシング」展にも出品されている映像作品もあったが、こちらは森美術館でしっかり見たので今回は軽く流した。

本展の関連イベントで、芥川賞作家の「平野啓一郎×森村泰昌対談」に参加したが、対談のほぼ全てが三島由紀夫論だった。森村氏の三島に関する研究はそれは深く、外見だけでなく思想、人となりにまでの綿密なリサーチと理解がなければ作品は生れっこないのだ。
そして、森村によるセルフポートレートは、外見上の再現ではなく精神においても再現されているからこそ、魅力的であり面白い。

平野氏も三島研究者として、作家業とは別に著名なようで、双方の三島についての解釈は興味深かった。特に、「金閣」へのこだわり、割腹自殺に至ったかについての両名の考察は、これまで三島について深く考えたことのない人間-私-であっても関心がそそられるお話だった。

第三章「創造の劇場」&第四章「1945・線上の頂上の旗」は最新作が初公開。

第三章、第四章はここ数年私が良いと思っている傾向が増幅され、作品化されていると感じた。
第三章では、男性芸術家、例えばピカソ・デュシャン・ダリ、ウォーホル・・・などの作品や簡易な映像作品があった。
今回の展覧会開催に合わせて、清澄白川にあるギャラリー・シュウゴアーツで「なにものかへのレクイエム外伝」が
開催されていて、私は先にこちらのギャラリー展示を拝見した。
「なにものかへのレクイエム外伝」詳細はこちら
大きな特色は、小型の立体作品。。。
撮影モチーフはいずれも20世紀の著名な男性アーティストの肖像画。
ギャッラリーでは4×5のポラロイドカメラで撮影した小さな画面のもの(約20点)が横一列に。小画面のレクイエムシリーズも、敢えて作り込んでいない感じ、さりげなく撮ったポートレートのようで、大画面のものより人物達に親しみがわいた。

第四章では、20世紀の中でもことに1945年にのみ焦点を絞る。その着想は報道写真。
インドのガンジーに扮した作品にはギョッとした。肉体まで改造しある人物になりきる執念とエネルギーはどこから来るのだろう。

そして、本展の最大の見どころは、新作映像≪海の幸・線上の頂上≫ではないか。
硫黄島をテーマとしたこの映像作品、最初に書いたヒトラー・レーニンの映像作品から更に一歩進んだ映像美がある。歴史を現代に森村の眼、身体を通じて甦らせ、観賞者提示する手法は、ここにきて見事な完成度を見せている。
導入での「ここはどこ?」的な疑問投げかけから海辺、旗、よく分からなかったのはマリリン・モンローと思われる女性の役割。このいかようにも解釈できる映像作品が、最後の最後まで余韻を残して忘れられない。この映像作品はもう1度見たい。

各種雑誌、図録等で森村作品への解説などじっくり読んでみたい。

*5月9日まで開催中。

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テツ様

おはようございます。

三島に関するトークが平野啓一郎さんと炸裂していたトークは
すごかったです。
三島由紀夫の「金閣」しか読んでいない私にはかなりハードでした。
メモは一応取ったように思います。
また、他の巡回会場で講演されるのではないでしょうか。
私は豊田市美での巡回展には行くつもりです。

No title

この展覧会、とても深い余韻を残したんですが
なかなか言葉にできず。

なにものかへのレクイエムとは、まさに「なにものか」としかいいようのない
あいまいな多義性をはらんだタイトルで、秀逸ですね。

三島由紀夫への傾倒ぶりが想像できるトーク、聴きたかったなあ。

seina様

こんばんは。
森村さんのシリーズの中で、私は今回のレクイエムが一番好きです。
写真としての面白さもあり、映像の完成度に驚きました。

平野氏とのトーク最後におまけで見せていただいた映像作品が
あって、森村氏ご自身のレクイエムと言える懐かしい内容でした。

No title

映像作品とても見ごたえがありましたね。
写真作品にもよくよく見ると数多くの発見があって
2階と3階を何度も往復してしまいました。
息子は森美にもあった映像作品がお気に入りのようで
「おなじ人のなかにやさしい人とこわい人がいるね」
となかなか気の効いた感想を話してました。
しかし最近いきなり激しいバージョンのほうのマネをするので
母としてはドキドキです。。。
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