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美しき挑発 「レンピッカ展」 Bunkamuraザ・ミュージアム 

レンピッカ

Bunkamuraザ・ミュージアムで5月9日まで開催中の美しき挑発「レンピッカ展」に行って来ました。
展覧会公式HPはこちら
レンピッカのプロフィールや年表、作品画像を数点ご覧いただけます。

開催前から楽しみにしていたレンピッカ展。
何しろ、二つ折りチラシ表の(冒頭画像)≪緑の服の女≫1930年がカッコよすぎて、裏面には画家本人のモノクロ写真≪ロングドレスを着たタマラ≫1929年頃は、マレーネ・ディートリヒばりの超美人で、官能的な表情を浮かべ彼方を見つめている。
これほど話題性のある画家をなぜ今まで知らなかったのか不思議なくらい。

開催を待ち切れずとある古本屋で昭和56年にパルコ出版で発行された『肖像神話 迷宮の画家タマラ・ド・レンピッカ』(画集)を格安で見つけ即座に購入してしまった。
大判の画集で見るレンピッカの絵画はチラシ同様にとても力強い。

本展は、日本初公開約30点を含む油彩やデッサンなどレンピッカ作品約90点を紹介するものです。

展覧会構成は次の通り。
プロローグ ルーツと修業
第1章 狂乱の時代
第2章 危機の時代
第3章 新大陸
エピローグ 復活

作品はほぼ制作年代順に展示されている。
作品をたどって展覧会を見て行くと、無意識のうちにレンピッカの人生を共にたどっている気がした。

どの作品からも硬質かつ金属的な印象を受ける。
そして、1920年代~30年代頃の作品はグラフィック的な要素が強いように思う。
だから、ポスターやチラシ、そして会場にも展示されていたがドイツのファッション誌『ディー・ダーメ』の表紙を飾るに相応しく、見る者の心をひきつけてやまないのだろう。

特に気になるのは、背景の処理と女性像の巻き毛の描き方。
背景は幾何学的で、特にグレーのビルらしき建築物が並んで描かれていることが多い。
人物像と背景の関係性は分からないが、彼女の人物に無機的なビルの背景はとてもマッチしている。

巻き毛は最たるものだが、女性たちの髪でさえ、柔らかさではなく硬い。金属でできていると言われても納得できる感じ。

一方、女性の裸体像に描かれた乳房は、これも背景と同様に幾何学的な処理をされているが、二の腕は筋肉質と思えるほど太目で肉感的。彼女の描く女性裸体像には、同性ながらも惹かれる。色気というより、女性本来の体がもちうる何人にも媚びない美しさを感じるからだろうか。

1920年代~1930年代前半のもっともレンピッカらしい作風の肖像画の時代を終えると、第2章危機の時代の作品から絵画のサイズそのものが小さくなる。≪修道院長≫1935年や≪逃亡≫1940年頃の2点は、これまでの挑発的な肖像画とは打って変わって、彼女の強い悲しみを投影しているかのような作品へと変化していく。

更にアメリカへ渡った後のレンピッカ作品は、ますます変化を遂げていき静物画も見られる。
前後するが、レンピッカ作品にはカラーの花がよく登場する。花の中でもカラーを選択することに関心を持った。
カラーの清廉な白のイメージ、凛とした風情が好きだったのだろうか?作品を見ているとオキーフを思い出した。

裕福になろうと絶望の日々を送ろうとも、レンピッカは描くという行為を最後の最後まで捨てない。
晩年の作品は、過去の彼女の作風からは考えられないような様式に変貌する。
パレットナイフを使用した作品で、一見すると三岸節子風とでもいおうか。
そうかと思えば、クレーのような≪抽象コンポジション≫1959年頃に挑戦していたり。

晩年のレンピッカには以前のような作品を描くことができなくなっていたのだろう。
恐らく彼女自身が一番輝いていた時代、自身の繁栄や自信が彼女にあの硬質な作品を創り出す力を与えていたのではないか。
老いてしまった彼女を注目し、愛する人も亡くなった時、それでも彼女は絵筆を捨てなかった。その事実をもっとも評価したい。
この作風の変遷こそ、彼女の人生そのものを映し出している気がしてならない。

作品の展示と合わせて、レンピッカ自身が被写体になっている写真も多く展示されている。
どちらかと言えば。絵画作品よりも写真が語りかけてくる印象が強かった。
写真に見るレンピッカの人生、そして数々のエピソードはあまりに劇的でドラマティック。
一人の女性の生きざまを痛切に見せつけられ、展覧会を見終わった後に寂しくそして切なくなった。

映画以上にドラマティックな人生を歩み、フォトジェニックであったレンピッカ。
それゆえに、本人の表舞台からの退場によって、作品が時代に取り残されてしまったのかもしれない。
しかし、近年レンピッカ作品の評価が高まっているというのは嬉しいこと。

これだけ多くのレンピッカ作品が来日することは、今後ないかもしれません。またとない機会です。お見逃しないように。

*5月9日(日)まで開催中。

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21世紀のxxx者さま

なるほど~。
私は、ひどく寂しい女性だったと思います。
そして、強い美意識を持っていた。
精神的に相当病んでいながらも、最期まで絵を捨てなかった所が
素晴らしいと感じました。

No title

なるほど、ちょとtイメージではなかったですか^^; 聖体拝領とか後年の作品からそういう面もあったように思ったのですが。

人物としては魅力的だけど、自信家の男じゃないと釣りあわないくらいカッコよすぎるなあと思いながら観ていました。男社会と戦う女性のイメージもあるかなと。

21世紀のxxx者さま

こんばんは。

> 言われてみればカラーはオキーフの花と共通の何かを感じますね。清純さと色気を併せ持ったあたりかな。

清純さと色気。う~、難しいですね。
カラーもレンピッカの自画像のひとつではないかと考えた時、彼女のイメージと
清純さが結びつかないような。
作品ではなく人物としてレンピッカの魅力は男性から見るといかがなものでしょう。
女性からの視点と男性からの視点、今回はちょっと違うんじゃないかなと
思っています。

No title

この展示は貴重な機会ですよね。
単に作品が並ぶだけでなく生き様もわかる素晴らしい内容に思います。
言われてみればカラーはオキーフの花と共通の何かを感じますね。清純さと色気を併せ持ったあたりかな。
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