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「美に生きた職人たち」 海の見える杜美術館 はじめての美術館70

uminomori

広島県廿日市市にあるの見える杜美術館で開催中の海の見える杜美術館至宝展The STORY Vol.2「美に生きた職人たち」に行って来ました。

展覧会HPは⇒(非常に凝った作りで画像豊富です。)http://www.umam.jp/exhibition/thestory/index.html#/opening

まず駐車場から美術館までのアプローチはかなりの距離があります。
今回は初訪問だったので、駐車場から散策の小道をてくてくと歩いて高台にある美術館まで徒歩で登って行きました。
美しい自然、桜や小川を愛でつつ、はたと左を見ると瀟洒なレストランが。
予約制とありましたが、思い切って中に入ってみると席を用意して下さるとのこと。ランチはコースのみですが、予約してでもお食事されることをオススメします。パンは焼き立てで美味しいし、お料理(フランス料理)もこのお値段でこの質ならと満足できる内容でした。平日の昼間だというのに、中は会食のお客様で相当賑わっていたので、やはり予約された方が確実です。

お腹も膨れて、良い気分で美術館に到着。
今回の至宝展第2弾では、同館コレクションの中から浮世絵、中国版画、奈良絵本、絵巻などを中心に紹介するもの。
最初の展示室では歌川広重の花鳥画浮世絵短冊がズラリ(展示替えあり4/25まで)。
私は広重浮世絵でも花鳥画が一番好きなので、最初からテンションは上がります。
残念ながら同展図録に今回展示作品は全て掲載されていませんが、広重の浮世絵だけで30点はあったと記憶しています。作品リストが作成されていないので、確認できないのが残念。
中には、≪月に松上の木菟≫のように、これまで見たことのない作品もあり、見ごたえは十分。浮世絵と言えば、摺りの良さもポイントですが、こちらもなかなかのもの。状態は良かったです。

続いて2階の展示室へ。
最初に同館とイギリスの大英図書館(?)にのみコレクションされるという清代制作の「蘇州版画」(中国版画)が展示されていました。
「蘇州版画」確かにこれまで、中国の版画作品を目にしたことはありません。
元々、蘇州版画は民衆の印刷物、日用品の類であり、年賀で使用して、すぐに貼りかえられ破棄されてしまう性格のもので、なかなかコレクションされること自体考えられなかったということ、中国の文化大革命により多くのものは破棄されたことにより所蔵先はごく限られているとのことでした。

着彩の蘇州版画は浮世絵につながるような形式様式のものもあり、また≪瑤池献寿図≫のように水墨画かと思われるような樹木や岩や波の細かい表現が見られる、非常に精緻な彫の作品もありと見て行くと様々に発見があります。

こちらも展示替えがあり、4月29日から別の作品に入替される予定です。

次に日本の浮世絵コレクションに再び戻ります。
奥村政信の初期浮世絵から始まり、やはり目を惹くのは鈴木春信の浮世絵コレクションでしょう。
状態も良く、きめ出しの美しい作品がお好きだったのでしょうか。この技法を使用した作品が多く見られました。
そして、世界でたった1枚のみ確認されているという春信の≪今様おどり八景 布晒の帰帆≫(チラシ掲載作品)これは思っていたより一回り小さい小版サイズ。中央の女性が持つ布晒にきめ出しがしっかりと使用されています。そして、浮世絵で退色してしまうことの多い赤色がきれいに残っていることも見どころのひとつ。

他にも≪風流四季歌仙 二月・水辺梅≫の黒と緑、赤といった色の鮮明ささは非常に印象的でした。
変わり種では、あり得ないでしょうというめちゃくちゃな遠近法を使用した≪浮絵室内遊興図≫。何しろ襖の高さが人物背の高さの4倍程の所にあり、襖の引き手は2倍の高さ。これでは背伸びどころかジャンプしても襖は閉められません。ちょっと非現実的過ぎる空間が逆に面白さを増していました。

そして、ここからが凄い。
肉筆浮世絵の名品にびっくり。
・喜多川歌麿 ≪三美人図≫
これまでにも歌麿の肉筆浮世絵には数点お目にかかっていますが、この≪三美人図≫はとりわけ素晴らしい。歌麿お得意の和服の下の襦袢や間着など浴衣下などの透け感が絶妙な筆で描きこまれています。
どうやったら、こんなにシースルー感を上手く出せるのか、上村松園も凄い技量だと思いますが、江戸時代では歌麿のシースルー妙技+女性の色香を醸す技に並ぶ画家はいないのではないでしょうか。
手前に置かれた青銅の水盤も面白い小道具です。

・鳥居清長 ≪市川団十郎の“暫”≫
先日歌舞伎座の玉三郎による“女暫”を拝見したばかりの私にとって、この歌舞伎役者姿はツボでした。やはり江戸時代から続く歌舞伎の歴史と文化を浮世絵で痛切に感じるのです。まさにこの絵に描かれた役者の扮装が今の歌舞伎にもそのまま残っていました。清長と言えば、美人画が頭に浮かびますが、役者絵の肉筆画もなかなかのものでした。

ここからは絵巻・奈良絵本のコーナーへ。

・≪奈良絵本・舞の本≫ 1661~81
大分・府内藩松平家に伝来し、その後同藩の藩校に移され長く保管されたとされている作品で、特大型の47冊揃いは
奈良絵本の中でも前代未聞の最高級大作と専門家からもお墨付きをいただいている作品。
何しろ金箔、金砂子できらびやかな装飾がされているだけでなく、線描の細かさ上手さ、人物描写の卓越ぶり、繊細かつ鮮やかな着彩の妙は、素人眼で拝見しても一級品であると分かります。
現代において絵本として読んでも、十分面白さが絵からだけでも十分に伝わる。それほどまで魅力的な絵本でした。
表紙が展示では見えなかったので、学芸員さんにお尋ねしたところコピーを見せて下さって、やはり思った通り表紙も金砂子や金泥による繊細な花模様が描かれた華麗な装飾ぶりでした。1冊1冊微妙に絵の部分など違っているとのこと。
これを見るために広島まで来た甲斐がありました。教えて下さった遊行七恵さまに感謝です。

・≪村松物語絵巻≫ 江戸時代前期
岩佐又兵衛を中心とした工房で制作されたと考えられている作品。本来は18巻であったと考えられていますが、同館には12巻が所蔵されています。展示されていたのはうち6巻だったか、あまりのことにメモも取らず見入っていたため記憶が定かではありませんが。全部ではなかったはず。
前半の邸内の風景、沢山の姫や直衣姿の侍が描かれているが、姫の描き方も侍も又兵衛真筆による画風と異なっているため、この巻は工房作品かなと思ったが、金ぴか絢爛豪華さ、細密描写は「浄瑠璃物語絵巻」などと同様でした。
問題は後半部の戦絵、武者絵に場面を描く巻物。これは、どう見ても又兵衛作品ではないかと思う点がたびたび。例えば武者の裸足の足の指部分がそっくり返っている所、同じく武者の顔の顎がしゃくれている所など他の又兵衛作品で描かれている人物の特徴とよく似ています。
こんな素晴らしい作品がなぜ重要美術品にも重要文化財にも指定されていないのか(現在申請中とのことです)不思議なくらい。
なお、≪村松物語絵巻≫のうち三巻がアイルランドの「チェスタービ-ティーライブラリー」に所蔵され、残り三巻は現在も行方不明なのが残念。

他にも≪保元・平治物語絵巻≫≪十二類絵巻≫≪平家物語扇面画帖≫などどれもが、美しい優品かつ楽しい内容です。

途中でカフェを通り抜け、海が見える展望スペースもあり、ここで休憩もできます。

再び1階に戻ると、最後に屏風絵が待っていました。
今回は厳島にちなんだお題の屏風絵が何点か並んでいて、ご当地ならではの展示かつ所蔵作品だと感心することしきり。
≪厳島図≫、≪厳島祭礼図≫など、他ではなかなか見られないお題の風俗図の数々で、こちらも見ごたえがあり。

さすがに、これだけ拝見したらおなかが一杯、大満足の良い気分で美術館を後にしました。

*6月27日まで開催中。途中、4/26~28、5/7は休館日となりますのでご注意ください。
また展示替えがあり、上記作品は4月25日までのものです。

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