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「開館記念 ヤマザキマザック美術館所蔵作品展」 はじめての美術館71

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愛知県名古屋市に4月23日(金)にオープンしたヤマザキマザック美術館に行って来ました。

ヤマザキマザック株式会社は工作機械メーカーで日本のみならず世界でもトップクラスの企業で、愛知県に本社があります。とここまで書いてWikipediaを確認したら、早速美術館のあるマザックタワー画像も掲載されていました。→こちら。現館長が30年間で築き上げたコレクションだそうですが、これだけ収集されるとは、戦前ではないですから大変だった筈。
ヤマザキマザック美術館公式HP http://www.mazak-art.com/

名古屋市営地下鉄東山線の新栄駅と直結、雨でも濡れない美術館。ちなみに、新栄駅は名古屋駅から3つ目の駅です。
アクセスの良さもまた美術館の売りになることでしょう。

さて、マザックタワーの4階、5階が美術館フロアとなります。
「ヨーロッパの18世紀、19世紀のサロンの雰囲気をそのままにフランスの芸術を堪能できる日本唯一の美術館」を標榜しています(美術館案内リーフレットより抜粋)。

確かに木調の床に壁は味気もそっけもない白などではなく、赤、ゴールド系、水色と落ち着いたクロスを使用し、天井からはシャンデリアが下がるちょっとゴージャス感漂う内装でした。
受付で音声ガイドを受け取り(無料なのでいらないと言わない限り全員に貸与されるシステム)、エレベーターで展示室に向かいます。
展示風景は、内覧会に参加された方のブログ「マン・レイと余白で」様に掲載されています。

さて、肝心の展示作品について。
EVを降りて正面に相対するのは、ヤマザキマザック社の初コレクションとなったボナールの《薔薇色のローブを着た女》1918年。
えっ、これはボナールなの?ちょっと意外な感じを受ける小品の肖像作品。女性は俯き加減でやや斜め下を向いている。

で、第1室。第1室と第2室は18世紀のロココ作品を中心に展示。
・ジャン=バティスト・グルーズ 《犬と遊ぶ子供》1767年
グルーズはこれ以外にもう1点《少女の頭部像》が展示されている。国内常設でグルーズを持っている美術館って、国立西洋美術館以外にあっただろうか?ちょっと浮かばない。個人的にグルーズ大好きなので素直に嬉しい。やっぱり子供を扱う作品なのだが、グルーズ描く子供や少女は時に蠱惑的で美しすぎるゆえの危険を感じることもある。

・ニコラ・ランクレ 《からかい》1736年
頬を赤く染める女性と恋人だろうか男性が描かれる。ランクレはルイ15世のお気に入りの画家だった。

どんどん進める。
パテル《町営》《行軍》、アントワーヌ・ヴァトー《夏の木陰》と続き、おなじみシャルダンの《兎と獲物袋と火薬要れ》等で第1室終了。

第2室。ここはかなり広い。ロココだけでなくロマン主義、新古典主義へと続く。
何といっても目玉はウジェーヌ・ドラクロワ《シビュラと黄金の小枝》1838年(チラシ表)、フランソワ・ブーシェ《アウロラとケファロス》1745年であろう。
特にブーシェの1枚はヨーロッパで見るブーシェ作品と遜色ないというか、ヨーロッパの美術館にあるような大作であり、ブーシェらしいクピドのぷにゅっとした肉づきや画面の華やかさ、豪華さは見事。隣には同じくブーシェの《恋文》もある。
ブーシェの2点はいずれもポンパドゥール夫人旧蔵のものだったそうです。

ドラクロワ描くシビュラもまた忘れがたい。天井の小枝を指差しまっすぐ正面を向くシビュラの瞳は穏やかなのかうつろなのか。肩にはおるストールの赤色が効果的。

他に、ドミニク・アングル《ルイ14世の食卓のモリエール》、ビィジュ=ルブラン《リラを弾く女性》1804年他1点など、特に後者は私のお気に入り。第2室はアングルなど新古典主義の作家も加わる。

第3室。印象派の登場・・・。壁のクロスは黄金色。
ルノワールのテラコッタ作品《母の愛、あるいは息子ピエールに授乳するルノワール夫人》1916年が迎えてくれる。
ここで、クールベ《波 夕暮れにうねる海》1809年も忘れてはならない。この部屋に展示されている作品の何点かは、かつてホテル・オークラのチャリティコレクション展で拝見したような気がする。
ピサロ、モネ、シスレーとおなじみの作家が続くが、ピサロ《ルーアンの波止場・夕陽》1896年は良かった。
続いて、マルケ作品が4点≪パリ ルーブルの河岸≫1906年は割と大きめの油彩だが、私はむしろその後に続いた小品3点≪サン=ジャン=ド=リュズの港≫1927年、≪アルジェの港 ル・シャンポリオン≫1944年、≪ラ・ショームの家並み≫が気に入った。

更にフォービズムのヴラマンクへ。
ヴラマンクも複数の作品が展示されていたが、≪水車小屋≫(制作年不詳)は印象深い。セザンヌを研究していた時代の作品で青を基調とした
やはり見るからにセザンヌを意識していると分かる作品だ。そんな中にも力強さを感じさせるのはヴラマンクゆえだろう。

他にはアンドレ・ドラン、ポール・セリュジュ≪ブルターニュのアンヌ礼賛≫1922年等があり、愛知県美常設展にもあったエドゥアール・ヴァイヤール≪書斎にて≫1928-28年は、日本人好みの作品かもしれない。日常のひとコマを忠実に描いた一作で、絨毯や人物の着衣の模様まで手を抜くことなく
描いている。原色を避け、白を混ぜることでより親しみを感じさせる色合いへと工夫していたらしい(by音声ガイド)。

私の好きなモーリス・ドニも2点、≪エウリュディケ≫1906年、≪聖母月≫1907年、いずれも大画面で、ドニは1870年に生まれ、1943年に没しており、国立西洋美術館の≪踊る女たち≫1905年の翌年描いたものということになる。画面は≪踊る女たち≫ほど整理されておらず、にぎやかというか、ややゴチャゴチャした感はある。ドニ特有の明るさと光あふれた作風はより明快になっている。

第4室 ここからは水色のクロス。
この部屋は、個人的にかなり気に入っている。何しろ私の大好きなキース・ヴァン・ドンゲンが3点もあるのだった。
とりわけ≪花≫1931年はアジサイとカラーと菜の花(?)の花々が青をベースに激しいタッチでキャンバスから溢れんばかりに咲き誇っている。
青と白の対比、色彩の美しさに最初は目を奪われるが、暫くすると画面から花々の生命感のようなものが伝わってくる。

ジュール・パスキン、モイーズ・キスリングも好きな画家だが、キスリングの≪ミモザとヒヤシンス≫1946年は以前拝見したように思う。

この部屋で一番多く作品が展示されているのは、シャイム・スーティンの7点か。≪ふしのある木≫1920-21年を音声ガイドでは取り上げていたが、私は≪狩猟地の番人/祈る男≫1921年が好み。

シャガール、ルオー、モディリアニ、ユトリロなどエコール・ド・パリの作家による部屋。

第5室 4階の最終展示室。
エコパリ以後の画家たちを紹介する。アンドレ・ポーシャン、レジェ≪サンバ≫1953年、デルヴォー≪ふたりの女≫1954-56年-これは大きな作品で
サロンの壁画として発注されたものの一部。
ラウル・デュフィ≪黄色い背景の裸婦≫1930年はデュフィにしては珍しい人物像。他に≪グッドウッドの競馬場≫1930-35年がある。
ピカソ、ブラックなどキュビスム作家の作品もあるが、いかにもキュビスム的な作品ではなく、逆にこれがブラック?という感じの2点と
ピカソは晩年近くの作品1点。

なお、第3室からはロダンの彫刻が何点も展示されている。

以上で5階は終わりだが、4階にもアールヌーヴォーの家具と合わせて絵画は数点展示されている。住宅、デパートの家具売り場のような展示・・・と言ったら失礼かもしれないが近い。
4階はアールヌーヴォー一色。ファンの方にはぜひともお薦めしたい。
ウジェーヌ・ガイアールのシンプルな化粧台(1908-09年)、エミール・ガレの文函、そしてバカラ社のガラスを使用したシャンデリアが素敵だった。

他にガレのガラス作品コレクションが約50点、ドーム兄弟、ティファニーなどのガラス作品もあり。

どうも、私はアール・ヌーヴォーが苦手なのかもしれない。ガレの素晴らしいガラス作品を見ていても、美しいなぁとは思うのだが、感動するとか欲しいという気持ちは湧きあがらず。
ハイジュエリー、アール・ヌーヴォーは苦手分野だなと自分で自分がよく分かった。

ともあれ、お好きな方にはたまらない素晴らしい家具やガラスのコレクションでした。

今後展示替えの予定はあるかお尋ねしてみましたが、今のところ未定とのこと。
5階の絵画展示室には壁のクロスと同じ色のソファが中央に配置され、名画を見ながらゆっくり鑑賞の時間をお楽しみいただけます。
また、1階にはカフェ「トペ」が入っています。名古屋在住時には、トペ本店のイタリアンを何度かいただいてました。懐かしい~。

名古屋に来られることがあれば、ぜひ立ち寄っていただきたい美術館です。

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ベンゼン様

こんばんは。

名古屋と京都のセット、楽しいと思います。
ヤマザキマザック美術館と愛知県美術館はいずれも駅近で
地下鉄の駅でひと駅の近距離。
美術館巡りに最適です。

ぜひ、この機会に足をお運びください。

No title

早速行かれましたか。
行きたいですね。
名古屋は行ったことがないので名古屋市と愛知県とセットで。
ちょっと足を伸ばして京都も、なんて考えてます。
もっと絵画の展示数が少ないように思ってましたが、こちらの記事だけで60あまり。
美術館のコレクションを検索すると油彩が80ヒットしましたから、ほぼ全部展示しているのかもしれませんね。
まさしく「常設」。
ココまで常設なのは知る限り西洋と大原くらい?

では、また。

とら様

コメント有難うございます。
フランス美術の流れを概観できるコレクションです。
やはりブーシェ、ドラクロワ、グルーズあたりは忘れられません。
書き忘れましたが、フラゴナール≪キューピットのささやき≫1776~77年も
ありました。

ぜひ、次回のご来名の際にお立ち寄りくださいませ。

No title

良い美術館ができましたね。
このようにコレクションを持っているのが本当の美術館!
新栄ですか。
開館がもう少し早かったら・・・ですが、
次のチャンスまで待ちます。
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