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「星新一展」 世田谷文学館

hoshi

4/29から始まった世田谷文学館の「星新一展」初日に行って来ました。
本展は、没後10年以上を経てなおゆるぎない人気の星新一、初の展覧会です。自筆原稿や創作メモ、愛用品など約300点で、作家・星新一の素顔と、その作品世界を紹介するものです。

何しろ展覧会のチラシ掲載のサブタイトルがしゃれています(以下)。

われわれが
過去から
受けつぐべきものは
ペーソスで、
未来に目指すべきは
ユーモア。

どなたがデザインされたのか分かりませんが、展覧会チラシは無茶苦茶カッコイイ~。画像では普通のA4チラシに見えますが、実は縦に二つ折りされており、SFチックかつ写真もおしゃれ。
とても捨てることなどできそうにないので、永久保存決定!
更に世田谷文学館のWebは見やすい上に、本展についても詳細が掲載されています。ぜひご参照ください。
展覧会HP → http://www.setabun.or.jp/exhibition/hoshi/

そもそも文学館で文学についての展示というのは何があるのか?という疑問がわく。文学を体験する空間と世田谷文学館のHPに謳われているが、これが一番適切かもしれない。

展覧会構成は次の通り。
第一章 親愛なる家族へのレクイエム
第二章 SF作家 星新一の誕生
第三章 ショートショートの世界へようこそ
第四章 描かれた星作品

ここでは、個々の展示品についての感想の前に私と星新一作品についてまず書いてみたい。

文庫本を最初に読み始めたの、小学校4年生の頃だったと思う。
記念すべき最初の1冊は、今回の主人公である星新一でなく小林信彦著「オヨヨ島の冒険」。これにはまって、オヨヨシリーズ制覇。次に佐藤さとるのコロボックルシリーズにはまり、こちらも制覇。
星新一のショートショートは佐藤さとるの後、書店をふらふらしていて手に取った。なぜ、星さんの著書が目にとまったのか、大きな理由のひとつは表紙イラストだと思う。この時、恐らく小学校5年か6年で以後えんえんと星新一作品にのめりこむ。数多くの著作があるため、手軽に読めるがなかなか制覇するまでに時間を要した。

星新一作品の中で、何を一番最初に読んだのか、この記憶があいまい。ボッコちゃんだったのか、N氏の遊園地だったか。最初に読んだ時、ラストの落ちの上手さに感動するとともに、現実を忘れさせてくれるような未来のお話が大好きだった。
小学校時代はかなり辛いこともあったが、文庫本たちが忌まわしい現実から束の間逃避させてくれたのだ。
星さんの作品と共に育ったといっても過言ではない。
その後、星新一さんの既刊本もほぼ読みつくし、当時流行っていた眉村卓、中学からは筒井康隆、豊田有恒らの作品に手を出すが、星新一さんの作品ほどはのめり込めなかった。

いつしか星新一さんの著書からも卒業してしまったが、あれほどまでに次の1冊を買うのを楽しみにさせてくれた作家はいない。
星さんの文庫本の表紙や挿絵は、真鍋博さんと和田誠さんのお二人が担当されていた。
表紙に惹かれて手を出したくらいだから、お二人のイラストも星さんの作品と同様に愛している。それは今でもずっと続いていて本展で真鍋博さんのイラスト原画を見た時、泣きそうになる。

真鍋さんは愛媛県のご出身なので、原画の所蔵先が愛媛県立美術館になっていたが、愛媛県美に行けばいつでも見られるのだろうか。
もう一人の和田誠さんが、星作品のイラストを担当することになったきっかけは、和田さん自身のアプローチによるものだった。私家版の絵本『花とひみつ』(これがまた最高!)の原稿を依頼するため、持参したのは孤島漫画。これも星さんは大切に保管され、本展にも出展されている。この孤島漫画が気に入られたのか、意気投合されたこともあり、絵本製作をきっかけに挿絵担当になる。

話を展覧会へ戻す。

展覧会で印象に残ったのは、ショートショートの下書き。
字のちいささたるや、虫メガネでも使用しないと判読不能で驚愕した。
一方、原稿用紙に書かれた文字は四角の枠にほぼおさまる大きさ。
この文字の大きさの違いは何なのだろう?
展示を見終わって、一番これが疑問に残った。

ミリ単位の文字がびっしり溢れた下書きも展示には有効だった。
この展示方法が、素晴らしい。
惑星に見立てた透明のアクリル球形ケースにそれぞれ星さんの作品名が付いていて、中にはその作品のために書かれた下書きや構想メモがきっちりおさまっている。
一見するとインスタレーション風なので、中のものが下書きだとは見えないのがポイント。

構想メモは星さんの極秘中の秘であり、本邦初公開。

「もしアメリカ大陸がなかったら世界はどうなっていたか」
「正ギを売る会社」
「宇宙人ヲカンタンニゲキタイス一月ゴ 少し強くなってくる もう一月さらに強くなってくる しだいに強さます」等々。

私たちは簡単に星さんの作品を読んでいたけれど、1作1作生み出すのにどれだけの構想メモが作られたことだろう。
創作のご苦労がうかがわれる。
曰く「締切りが迫ると、一つの発想を得るためだけに、八時間ほど書斎にとじこもる。無から有をうみだすインスピレーションなどそうつごうよく簡単にわいてくるわけがない。」
「ほかの作家の場合は知らないが、小説を書くのがこんなに苦しい作業とは予想もしていなかった」・・・。

それでも1001(千夜一夜にちなみ1001とした)もの秀逸なショートショートを世の中に生み出した星新一の苦労たるや、凡人には想像もつかない。

冒頭の生い立ち紹介コーナーでは「クマのぬいぐるみ」や「根付」など意外なコレクションをされている事実を知る。こんな展示がまた、星新一という作家にまた一歩近づく気持ちがした。

星新一に多大なる影響を与えたであろう父:星一、母方の祖父:小金井良精の二人が特段扱いで紹介されている。
特に父:星一の波乱万丈の人生は、星新一をして父の伝記「人民は弱し 官吏は強し」「明治 父 アメリカ」を書かせた程である。

「ショートショートの神様」星新一を様々な角度からとらえる内容。本展を見ることで改めて星新一、その人に深い尊敬と感謝の気持ちを抱きました。心からご冥福をお祈りするとともに、私の小学生時代を救ってくれたことに御礼を申し上げたい気持ちでいっぱいです。そして、「星新一展」を企画された世田谷文学館にも感謝です。

ミュージアムショップでは、展覧会祈念星新一画「ホシヅル」ストラップ(1350円)を限定発売中!お早めに。なお、展覧会図録(1200円)も刊行されています。

*6月27日(日)まで開催中。本展の巡回はありません。

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星新一展世田谷文学館

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一村雨様

携帯ストラップはひょっとして初日完売?
私は初日に行ったのに、見てません。

星新一信者とアート、原体験が真鍋博と和田誠って
いうのが功を奏したのでしょうか。
ファンレターにお返事をくださる星さんが好きです!

No title

アートファンには、星新一信者が多くてうれしいです。
真鍋博、和田誠とつながりますしね。
私も携帯ストラップほしかったのですが、
すでに完売となっていました。

21世紀のxxx者さま

こんばんは。
ショートショートがいかにして生まれたかの突っ込みがやや弱かったのが
本展の残念だった点です。
一番充実していたのは、第1章。
展示方法は相当凝っていますし、何といっても初の星新一展です。
知らなかった星さんの一面がポロポロと見えて来ますよ。
文学館は芦花公園から徒歩5分です。是非!

No title

こんにちは
私も子供の頃、星新一が大好きで読みまくってました^^
構想メモは面白そうですね。うろ覚えですが、「ロボット」とか「薬」とか単語カードみたいなのをランダムにひいて、そこからできた組み合わせから連想して話をつくったりしてたと読んだ覚えもあります。あの突拍子もなく魅力的が話がどう作られたのか是非この目で見てみたい! ちょっと遠いですが狙って行ってみたいです。
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