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「没後10年記念 三岸節子展」 日本橋高島屋

migishi
日本橋高島屋で5月10日まで開催中の「没後10年記念 三岸節子展 心の旅路~満開の桜のもとに」に行って来ました。

三岸節子が亡くなってから、早くも10年が経過しているとはとても思えない。

彼女を知ったきっかけは、地元愛知県一宮市に平成10年11月一宮市三岸節子記念美術館がオープンしたこと。新聞で同美術館の開館記事を読み。
一緒に記事と一緒に添えられていた「さいたさいたさくらがさいた」1998年を見て、どんな画家なのか興味が湧いた。

そして、読んだ本が吉武輝子「炎の画家三岸節子」(文藝春秋社)。書き上げるまで9年かかったという力作である。

migishi


三岸好太郎との短く激しい結婚生活。あんなに早く好太郎が亡くなるとは。夫の早逝により彼女の運命もまた歯車が変わっていく。
晩年にヨーロッパへ移住し、画風を確立していく様子は、女性として画家として尊敬に値する。

本展は、彼女の生涯をたどりつつ展開していく。本に書かれていたことを思い出しながら三岸節子の作品をやっと時系列的にたどることができた。
前述の一宮市三岸節子記念美術館は、常設展で彼女の作品を見ることができるが作品数は限られている。やっとこれだけ多くの作品を見ることができたのは、
嬉しかった。

冒頭の自画像は私が好きな方の1925年の作品ではなく、1924年作の自画像が出展されていたが、巡回先では1925年の作品も出展されるのかもしれない。いずれも図録には掲載されていた。
若い頃の作品、そして好太郎と結婚し亡くなり、軽井沢や大磯での暮らしの間に描かれた作品は、どこか物足りない。渡仏前、大磯での作品で
漸く、色のコントラスト、やや粗いタッチが見えてきて後の画風確立への足がかりとなっている様子が感じられた。

三岸節子の真骨頂は人生も後半にさしかかた渡仏後である。
好太郎との間にできた三男黄太郎が同行した。この二人の好太郎と黄太郎両名の作品も節子の作品をはさむかたちで最初と最後にまとまって展示されている。
これも、本展の大きな魅力であろう。
残念ながら三男で画家でもあった黄太郎氏は昨年12月にお亡くなりになられた。本展開催を見ずして亡くなられたのは実に残念であっただろう。
好太郎の作品は名古屋市美術館での展覧会など他でも見ていて、個人的に好きな画家であるが、黄太郎氏の作品は本展で初めて拝見した。強いて言えば父親の好太郎の方に似ているか。

フランスでの生活を精神的にも物理的にも支えていた黄太郎氏の存在なくして、節子の画家としての成功は評価は確立しなかったのではないかと思う。

作品として、見ごたえが出てくるのは渡仏以後の作品。無論それ以前にも戦後「花」の絵で人気作家になっていたが、節子本人は満足していなかった。だからこそ、63歳という年齢で渡仏し、新たな環境に身を置くことで出て来るものがあるのではないかと挑戦したのだろう。

今回は、この渡仏以後の作品を近年発見された節子の自伝「仏蘭西日記・カーニュ編(1968~1971)」の中から文章を抜いて作品とともに見せてくれる。
当時の節子の考え、決意、悩み、気持ちが日記から伺われ、そして目の前の作品を見る。
詳細な作品解説より、よほど心に響く。
なお、上記新出の日記が、本になっていて、日本橋高島屋の展覧会でも販売されているが、高輪画廊でも取り扱っており通信販売も可能。書店での取扱はない。
<高輪画廊>
http://www.takanawagallery.com/gallery/home/index.htm中で好きな作品を列挙。
・「小運河にて」 1973年
・「細い運河」 1974年
・「赤い地図」 1980年
・「花咲くブルゴーニュ」 1977年
・「ブルゴーニュの夢畑」 1970年
・「さくらが咲いた」 1980年
・「ブルゴーニュにて」 1989年
・「セーヌにて」 1980年
・「雷が来る」 1979年

晩年、帰国後の節子は長く取り組んでいた風景画から離れ、人物画を描くようになっていた。
速水御舟が亡くなる前に群像の人物画に取り組んでいたのを思い出す。
・「ブルゴーニュの少年と鳥」 1997年

節子は語る(会場に三岸節子へのインタビュー時映像が流れている)。
「私には業がある。これがなくならない。」
描くということへの業は誰よりも強かったに違いない。

最後に本展の展覧会構成を記載する。
・三岸好太郎
第1章 画家苦難の人生への出発
第2章 渡仏、新境地を求めて
第3章 日本への帰国、広野の1本の大木のように
第4章 花
・三岸黄太郎

そして、三岸節子と関係の深い菅野圭介の個展も横須賀美術館で開催されている。これは、その後一宮市三岸節子記念美術館に巡回する。

*5月10日(月)まで開催中(最終日は17時半まで)。会期が短いのでご注意ください。

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