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「近代日本画にみる女性の美-鏑木清方と東西の美人画」 岡崎市美術博物館

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岡崎市美術博物館で5月16日(日)まで開催中の福富太郎コレクション「近代日本画にみる女性の美-鏑木清方と東西の美人画」に行って来ました。

本展は、福富太郎コレクションより、近代を代表する美人画家・鏑木清方と東西の美人画家30人の作品70点を紹介しています。
展覧会の構成は
1.鏑木清方 20点
2.東の美人画 31点
3.西の美人画 19点

出品作家は次の通りです。
<東の美人画>
菊池容齋、小林永濯、石井鼎湖、渡辺省亭、尾形月耕、富岡永洗、水野年方、寺崎広業、梶田半古、尾竹竹坡、鰭崎英朋、池田輝方、
竹久夢二、山村耕花、池田蕉園、矢沢弦月、小村雪岱、山川秀峰、伊東深水、小早川清、横尾芳月、鳥居言人 以上22人の31点

<西の美人画>
上村松園、伊藤小坡、北野恒富、松浦舞雪、秦テルヲ、島成園、寺島紫明、松本華羊、岡本神草、甲斐庄楠音、梶原緋佐子 以上11人の19点

以下印象に残った作品と雑感です。

1.鏑木清方
福富太郎コレクションと言えば、鏑木清方作品を思い出される方も多いことだろう。
昨年、サントリー美術館で開催された「鏑木清方」展でも福富コレクションから数点名画が出展されていたのは記憶に新しい。
今回も≪妖魚≫≪刺青の女≫≪薄雪≫(チラシ表面)など惚れ惚れするような逸品が揃い踏み。
他に、≪夜の若菜≫、≪緑のショール≫≪金魚≫などが良かったが、清方の描く着物の美しさなど小道具に目が行った。
気になったのは双幅対の作品。
≪つゆの干ぬ間≫≪廓の宵≫は縦長の細い掛幅が1対ずつ。画面を敢えて切り離すことで、構図の面白さが際立つ。
物語を2点1組で見ているような気がした。

2.東の美人画

これも珍しい作品が目白押し。
・石井鼎湖 ≪明治期美人≫1894年
油彩画のような陰影の付け方。どんどん西洋のものが入って来て、伝統的な日本画の技法にも西洋技術がこれまで以上に採用されている。

・富岡永洗 ≪傘美人≫1897年、≪新内≫1900年
富岡永洗は小林永濯の弟子。江戸期の肉筆美人画を思い出す。女の艶っぽさがたまらない。

・梶田半古 ≪天宇受売命≫1897年頃
日本神話の女神が、ギリシャ神話の女神のような装い、オリーブの首輪をぶら下げている不思議な和洋折衷画面。あまりにも西洋化の波が激しく押し寄せ、絵画にも容赦なく進出。当時の世相を梶田半古の絵が象徴している。

・池田輝方 ≪お七≫1913年、≪お夏狂乱≫1914年、≪幕間≫1915頃
池田輝方、蕉園夫妻については、松村梢風著「本朝画人伝」を読んで以来、気になっていた。作品を見た記憶がないので、本展で観たのが最初かもしれない。
≪お七≫≪お夏狂乱≫いずれも心中もので、恋に狂った女の情念が絵の中から立ち上って怖くてたまらない。美人であればあるほど狂おしい様子が痛々しい。

・池田蕉園 ≪秋苑≫1904年、≪夏の暇≫1909年、≪夢の跡≫1911年
≪夢の跡≫と輝方の≪お夏狂乱≫は女性のポーズの取り方がよく似ていた。蕉園は水野年方→鏑木清方の系列に連なる画家だが、やはり清方らの作風によく似ている。

・小村雪岱 ≪河庄≫1935年頃
ここで小村雪岱の肉筆画(絹本著色)に巡り合えるとは思っていなかった。しかも、この作品帰宅後昨年、埼玉県立近代美術館で開催された「雪岱展」資生堂アートギャラリーで同じく昨年開催された「小村雪岱」展いずれにも出展されていない。そうと分かれば、ポストカード探せば良かったと今更後悔しても遅きに失す。
名作「青柳」に似た雰囲気の粋な肉筆画だったのに残念。

・伊東深水 ≪戸外は春雨≫1955年
日劇ダンスホールの舞台裏をスケッチして絵巻物にした風変りな作品。深水はこうした群像絵巻を描いても上手い。
女性たちの舞台裏での様子が克明に描かれる。

・小早川清 ≪唐人お吉≫1930頃
この作品も背筋がぞっとするような怖さがある。ガラス切子のグラスにワイン、当時の風俗を絵に取り入れているが、お吉の悲しみが観る者に伝わる。

・横尾芳月 ≪宵炬燵≫1921年
芳月は池田輝方の弟子。雪の夜に炬燵で暖を取るこれまた艶っぽい美人。居眠りしている様子がドラマの一場面のようだった。

・鳥居言人 ≪お夏狂乱≫昭和初年
鳥居言人は大正新版画展で初めて知った。好色五人女の一人「お夏」は画題として大人気だったのだろう。他の画家もよく画題で取り上げているが、福富氏はこうした心中物の美人画がお好きなのだろう。同タイトルの別画家による作品が何点かある。

3.西の美人画
北野恒富が4点続く。やはり、西の美人画と言えば名前が出る。
4点のうち3点の作風が見事に違っていて、夢二風のものもあれば、初期の≪浴後≫など写実的表現の顕著な作品もあり、流行を追っていたのだろうと思われる作品展開がよく分かった。

当時、女流(閨秀)画家の三園と称されたのは、上村松園、池田蕉園、島成園の3名。
このうち、福富氏は池田蕉園、島成園の作品を多数所蔵されているようだ。
今回目立っていたのは、島成園。島の作品も関東で観ることはめったとないが、大阪市美の常設展では頻繁に登場している。

・島成園 ≪爪びき≫1914年、≪春の愁い≫1915頃、≪おんな≫1917年、≪香の行衛≫1917頃、≪春宵≫1921年、≪灯籠祭夜≫1925頃。
特に、≪香の行衛≫は初期の大作。
≪おんな≫は足もとまで届こうかという長い黒髪を梳る女が描かれるが、着物には般若面。彼女も狂女なのかもしれない。

・松浦舞雪 ≪踊り≫1931頃
松浦舞雪の画業や足跡は不明という。福富氏は画家の名前でなく作品そのものをご自身の目で判断し選ばれコレクションされていることが分かる逸品。画面は華やかで、賑やか、祭りの情景が伝わる。私自身もお気に入りの1点。

・松本華羊 ≪伴天連お春≫1918頃
キリシタンとして捕縛され、白洲に引きずり出されたのだろうか。そんな辛い場面にはとても見えないが、お春の表情はこの世に未練を残し愁いがある。背景の白い花が、彼女に華を添えている。

・甲斐庄楠音 ≪横櫛≫1918頃
白く化粧した芸者だろうか。大正のモナリザと言われたという作品。描かれた女性の顔には微かな笑みが浮かぶ。着物の赤と紫、襟元の灰水色の対比に注目。背景は芍薬だろうか。

・梶原緋佐子 ≪山代温泉の女≫1918年
梶原の作品は、東近美の常設展でよく見かけるが、本作は普段見掛ける作品とまるで異質。最初、梶原の作品だとはとても思えなかった。
1918年=大正7年の頃、デロリが流行していたため、梶原の作風もこうした流行を取り入れ、どこか不気味で生活感溢れる温泉街の女性を逞しく描く。
普段の梶原作品は美しいが、さらりと通り過ぎてしまうが、本作は思わず足を止める力を感じた。

福富氏の審美眼で選ばれた作品70点から溢れる女の情念、妖艶さに会場を一周したらすっかり当てられてしまった。
強烈な印象を残した美人画の数々でした。素晴らしい美人画を拝見でき大満足です。

*5月16日まで開催中。お近くの方はぜひ。オススメします。
本展は以下の美術館、博物館に巡回予定。
・弘前市博物館 6/12(土)~7/19(日)福富太郎コレクション「華麗なる美人画の世界」、
・奥田元床・小由女美術館:9/6(月) -10/24(日)「美人画の系譜」

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