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オルセー美術館展2010「ポスト印象派」 国立新美術館

orsey

国立新美術館で8月16日まで開催中のオルセー美術館展2010「ポスト印象派」に行って来ました。
展覧会公式HPはこちら

この展覧会はどう考えても混雑必至と予想し、会期始まってすぐの金曜夜間開館をねらって、18時前には入館しましたが、18時以後徐々に客足が増えてきたように思います。
今年は印象派イヤーということで、あちこちの雑誌で印象派特集が組まれています。

さて、本展のパンフレットの謳い文句「モネ、セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャン、ルソー、傑作絵画115点、空前絶後」ってかなり過激なキャッチコピー。中面にはサルコジ大統領が「これらの絵画がまとめてフランスを離れることは二度とない」と駄目押しの一撃。

無論これには訳があり、オルセー美術館が改修工事に入ったためで、本展はオーストラリアから始まり、東京、サンフランシスコの世界3都市へ巡回します。

ところで、「ポスト印象派」って何でしょう?
これもパンフレット見開きに記載されていますが、敢えてまとめてみると次の通りです。
1880年代半ばから1900年頃にかけてフランスで活躍したセザンヌ、ゴッホ、ゴーギャン、スーラといった画家たちを「ポスト印象派」と総称。この呼称は、イギリスの批評家ロジャー・フライが1910年に組織した「マネとポスト印象派」展に由来する。日本では長い間「後期印象派」と訳されてきたが、印象派の後半期を示すという誤解を避けるため最近では「ポスト印象派」が定着しつつある。

本展では、印象派作家の作品を第1章で紹介し、19世紀終わりから20世紀初めにかけての様々な作品展開を作家別、系統別にオルセー美術館所蔵作品によって展観しようとするものです。

なお、会場内には解説パネルがほとんどありません。
通常見かける章ごとの解説パネルがない!章のタイトルだけはパネルでなく仮設壁に記載されていました。
各章の説明は、作品リストに掲載されているので、そちらを参照するしかありません。
そして、作品の解説も大半の作品にはなく、音声ガイドだけの解説というのが結構ありました。

仮想オルセー美術館を国立新美術館に構築するという試みなのか、はたまた混雑対策(解説があるとそれを読むのに必死でなかなか進まず、混雑の要因となる)のためか、これはかなり大胆な試みだと思います。
よって、解説がないと・・・という方は音声ガイドを借りられることをオススメします。

展覧会は第1章~第10章で構成されています。
私は2往復しましたが、最後にこの115点から好きな作品ベスト10を選ぶことにしました。しかし、さすがに名画揃いで、どうにも10点には絞り込めず15点を選択。以下でベスト15(作品番号順に番号付け)を振り返りつつ展覧会を振り返ります。

第1章 1886年-最後の印象派
ドガ、モネ、シスレー、ピサロらに並んでジョン・シンガー・サージェントの作品≪ラ・カルメンシータ≫1890年頃が異質だった。これも印象派だったの?中央の女性が強い目線で我々を睥睨している。
ドガ≪階段を上がる踊り子≫は一瞬を切り取った写真のような作品。
モネは5点が出展されているが、中でも人気は≪日傘の女性≫1886年。これは以前来日していたと記憶している(未確認)。他にピサロ≪ルーアンのボワルデュー橋、夕日、靄のかかった天気≫は美しいと思った。

第2章 スーラと新印象主義
スーラはロンドンで大作2点を観てから大好きになった。今回は≪ポーズする女≫シリーズの小品3点に注目したが、ベストに入るには小粒すぎ。
よって、ここでは(1)シニャック≪井戸端の女たち≫1892年をノミネート。シニャックの点描作品は他にもあったし、点の大きさがスーラと違って作品によりばらつきがある。上記作品はスーラ作品に近く粒が細かいために、光のニュアンス表現が美しい。
他に、ピサロ≪白い霜、焚き火をする若い農夫≫、ジョルジュ・レメン≪ハイスとの浜辺≫、シニャック≪レ・ザンドリー≫も良かった。

第3章 セザンヌとセザンヌ主義
「セザンヌ主義」って横浜美術館で2年前だったかに展覧会がありました。このセザンヌコーナーは凄いです。これぞ、なかなか拝見できない名画たち。
(2)≪台所のテーブル≫ 1888-90年
(3)≪水浴の男たち≫1890年頃
(4)≪ギュスターヴ・ジェフロワ≫1895-96年
以上はセザンヌ作品。
(5)モーリス・ドニ≪セザンヌ礼讃≫1900年

他にセザンヌのサン・ヴィクトワール山もあり。日経朝刊情報では、「わたしが見たい一点」調査でベスト10入りしていた作品。

第4章 トゥールーズ=ロートレック
≪赤毛の女≫(これは好き)など3点のみ展示。最近観た作品ばかりだったような。

第5章 ゴッホとゴーギャン
(6)ゴッホ「星降る夜」1888年
ゴーギャンは制作年代、モチーフ等網羅されていた。≪「黄色いキリストのある自画像」≫≪タヒチの女たち≫など著名な作品もあるが、有名であっても個人的に好きな作品ではないので除外。
ゴッホは、≪アルルのゴッホの寝室≫1889年、≪銅の花器のフリティラリア≫1887年、特に後者は好きだけれど惜しくもランク外。

第6章 ポン=タヴェン派
ベルナール、ポール・セリュジェらの作品。セリュジェは次のナビ派にも作品が出展されている。セリュジェは彼の作品によりナビ派結成へ動く。
(7)ジョルジュ・ラコンプ≪紫の波≫1895年-96年
岩の洞窟らしき所に大きな波が襲いかかる。中央にある茶色の塊が観音に見えたが、実際は何なのだろう。構図が特異で他の作品と明らかに一線を画していた。

第7章 ナビ派
本章以後ナビ派作品が増える。
(8)セリュジェ≪護符(タリスマン)、愛の森を流れるアヴェン川≫1888年
(9)ドニ≪ミューズたち≫1893年
(10)ドニ≪木々の中の行列≫1893年
(11)ボナール≪格子柄のブラウス≫1892年
(12)ヴァロットン≪ボール≫1899年

ボナールは、普段観てきた作品とイメージが重ならず頭の中で迷走。ヴァロットンの≪ボール≫は見れば見るほど不思議な作品。セリュジュの≪護符≫は絵画史上非常に重要な小品。一見すると複数の色彩で覆われた幾何学的抽象絵画のように見える。ドニ作品の形の捉え方、独特の色彩の取り合わせ。今回ドニ作品を数多く見られたことは嬉しい。

第8章 内面への眼差し
ここでは、ナビ派と象徴主義を取り上げる。
(13)ギュスタヴ・モロー≪オルフェウス≫1865年

雑誌で気になっていたボナールの≪ベッドでまどろむ女≫に登場するしどけないポーズの女性は、後に彼の妻となるマルトだった。この作品でシーツやブランケットは生きもののようだ。
モローの≪オルフェウス≫は、彼らしい神秘的で装飾的な画面。美しいの一言。この作品、ショップでiphoneカバーになっていたが、カバーにしてしまうとピンと来ない。
他に、フェルナン・クノップフ≪マリ・モノン≫も小品ではあるが、魅力的だった。

第9章 アンリ・ルソー
(14)ルソー≪戦争≫1894年頃
もう1点、通常パリを離れることはないとされているルソー≪蛇使いの女≫1907年と大作2点。これぞルソーの醍醐味。本展の目玉中の目玉。日本国内でこれほどの大作を見られる幸せ。ノミネートは≪戦争≫をあげたが、≪蛇使いの女≫の怪しい雰囲気の虜にされる方も多いに違いない。

第10章 装飾の勝利
ここでは、主に装飾壁画を取り上げている。
(15)ヴュイヤール≪公園 子守、会話、赤い日傘≫1894年

他2点の公園シリーズと一連の壁画。ビュイヤールはヤマザキマザック美術館でも気になっていた。ありふれた日常をそっと見守っている作家の視線を感じる。
ボナールの自宅食堂を飾ったという装飾パネル2点≪水の戯れ≫≪悦び≫も見逃せない。私はボナールがよく分からなくなってきた。どうも今まで観て来た彼の作品と今回出展されている作品イメージが異なる。この装飾パネルは巨大であるが、色構成として如何なものか。少なくとも、ちょっと私の好みには合わないけれど、非常に珍しくかつ興味深い作品であることは間違いない。


各章ごとに壁面が色で分かれていて、この展示方法は昨年のハプスブルク展でも使用されていたが、本展では天井も黒で覆われていたとか。残念ながら目の前の作品に必死で天井のチェックまで至らず。展示方法は向上しているようです。ただし、あまり馴染のないナビ派や各派の関連性などはもう少し詳しい解説が欲しかったなぁと思いました。逆に不足している情報を補っているのが、雑誌特集となると、美術館の役割って何だろうと。森アーツセンターギャラリーで、こちらも大型展のボストン美術館展が開催されており、こちらはギャラリーで、学芸員のいない単なる展示空間ゆえ、それを求めることはありませんが。美術館とギャラリーの役割は別ではないかと思います。国立新美術館は、所蔵品もなく貸スペース的意義を追っていても、企画展で名画を並べるだけのスペースとしてだけの役割しか担っていないとしたら残念です。

一方、展覧会オリジナルグッズは充実。私は115点中、114点が掲載されたダブルファイルを購入。でも、なぜ1点ボナール≪ル・カネの見晴らし≫だけ載ってないんだろう?
iphoneカバーは、モネの≪日傘の女≫とゴッホ≪星降る夜≫が品切れでした。私はユーザーではないので、購入しませんが、こちらも人気の商品でした。

*8月16日まで開催中。会期はまだ始まったばかりですが、早目の鑑賞をお薦めします。
注:5/30、5/31に加筆しています。

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meg様

はじめまして。
コメント有難うございます!そして、それなのに返信が遅くなって申し訳ございません。
なるほど、ピカソがの1点が抜けてましたか。
分かってモヤモヤが解消しました。
同じくもう1度行こうと思っていますが、タイミングが難しそうですね。
今後とも拙い内容ですが、よろしくお願いしいたします。

はじめまして

コメントするのは初めてですが、ときどき拝見させていただいています♪
ダブルファイル私も買いました!
掲載されていない1点は、ピカソの「大きな静物」だと思います。これはオルセー美術館ではなくて、オランジュリー美術館の所蔵だからのようです。
ボナールの「ル・カネの見晴らし」は13番にありました。
もう一度観に行きたいですが、日曜美術館に採りあげられるのでもっと混むでしょうね。

猫丸さま

はじめまして。
コメント有難うございます。
蛇使いの女に魅了されたご様子ですね。
この機会を逃すと、日本で見られる日がこの先あるのかどうかという作品。
3度と言わず、何度でも。
ジャングルを描いた作品は他にも何点もありますが、これは別格かもしれませんね。

本日行ってまいりました。

初めまして。
お邪魔します。
本日(6/3)、初の国立新美術館に行ってまいりました。
自分としては、ルソーを目玉に行きました。「戦争」「蛇使いの女」いずれも圧倒されましたが、「蛇使いの女」は退出前に3回戻ってみてしまいました。

一村雨様

こんばんは。
「蛇使いの女」も「戦争」も国内で同時に見られることが
奇跡的だと思います。
やっぱり、この展覧会は再訪するつもりです。

21世紀のxxx者さま

こんばんは。
私も、もう1回観ておきたいと思います。
日時を改めると、1回目に気付かなかったことなど
新しい発見が多いです。

まずは、もう少し周辺知識を付けたいと思っています。
せっかくなら、図録を読み込んでから見に行くと
いうのもありではないでしょうか。

No title

これだけの量の絵だと、それぞれの関心は多彩ですよね。
私はルソーの蛇使いの女が一番でした。
壁の色には全く気付きませんでした。人が多すぎたせいだったかも
しれません。

No title

私も今日観て来ました。
あまり予習せずに行ったら、超有名作がいくつもあって驚きでした。
ゴッホの星降る夜だけは絵葉書を買おうか迷いましたが、もう一度行くつもりなのでいっそ図録を買おうかと考えています。
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