スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「MIHO GRANDAMA Arte della Luce」 MIHO MUSEUM

img054_20100603224524.jpg

MIHO MUSEUMで6月6日(日)まで開催中の「MIHO GRANDAMA Arte della Luce」に行って来ました。
展覧会HP ⇒ こちら(一部作品画像を観ることができます。)

3月13日から6月6日までのロングランで大きくは前後期、作品によってはⅠ期~Ⅲ期に展示替え。私が行ったのはGW中、第Ⅱ期&後期の展示期間中でした。
本展は、美術館創立者生誕100年を記念し、コレクションの原点である日本美術を中心に、東西の古代美術や、グランドオープン以降新たに蒐集された作品から約90点(ひとつの会期では約80点)を選りすぐり、創立者の言葉とエピソードも交え「美を求める心」でコレクションの精華を展観するものです。

これほど美しい展示を可能にする美術館はあるでしょうか。
私の知る限り、ここまで徹底して作品の美を引き出し、鑑賞者に提示してくれる美術館は他に浮かびません。
美術館というより、ギャラリーのように自在な展示を行っています。

コレクションの質もさることながら、作品の見せ方によってたとえ国宝、重文、重要美術品などに指定されておらずとも鑑賞者の眼を存分に楽しませる方法はあるというお手本のような展示。

冒頭は小さなやきものの器に小花(生花)が一輪そっと飾られています。このお花、毎日係の方が変えているとか。
お花は最初だけでなく、展示室内のあちこちに展示作品に活けられているから驚きです。

・≪金銅香水杓≫東大寺二月堂伝来 鎌倉時代
hisyaku.jpg

仏具の一つだが、通常それはガラスケース越しに見ることが多い。
しかし、ここでは違います。
黒漆の大きな台の上に、そっと香水杓が横たわり、水杓の部分には実際にお水が張ってあり、中には可憐な撫子が一輪
活けてあった。

確かに水杓なのだから、水を入れて使用するのは当然と言えば当然。
しかし、普段美術館、博物館に行っている中で、鎌倉時代の仏具に実際水を入れて展示されている状態を見たことがある方はおられるのだろうか?
私にとって、これは大きな衝撃だった。
古美術品に水を入れて良いのか?!
これまで、タブーだと思い込んでいたことはこれほどまでに眼前であっさり破られた。
しかも、飛び切りの設え。仏具に花を活けるという行為には、供花の意味もあるのかもしれないが、ここは純粋に美を楽しむ目的で花を活け展示したのだろう。水杓の花生への見立ては素晴らしかった。

今回の展示では、美術品や古きものたちをいかに生活の中で楽しむか、共存が可能かを教えてくれたように思う。
「観る」は、本質を直に見抜く行為である。
「暮らしの中で、自然に美しいものと過ごす時間をもつ。」
同館創立者の言葉であるが、その言葉を体現した内容だった。

作品を以下のテーマ別に展示している。
1.品格、2.祈り、3.生命、4.和歌(茶の湯の慣習)、5.夢

印象に残った作品を挙げて行く。
・≪山岳図≫池大雅 (後期)のみ
近頃、大雅がマイブーム。1点でも沢山の大雅作品が観たいので、これはラッキーだった。

・≪焔摩天像≫平安時代 室生寺伝来 重文 原三渓旧蔵
この焔摩は昨年10月に横浜の三渓記念館で、孔雀明王像(東博)とセットで拝見できたが、何度見ても飽きることはない。平安時代の仏画は貴重であり、本作品の状態の良さは特筆もの。しかし焔摩天の顔は、福々しいが厳しい目をしていた。

・≪持国天立像≫平安時代 益田鈍翁旧蔵
興福寺伝来。仏像そのものより、横たわる邪鬼の存在が気になる

・≪紺紙金字光明最勝経王経巻第二≫奈良時代
奈良時代の古写経もまた貴重。特に時代をさかのぼる程、紙質がよいものを使うそうだ。この紺紙自体の色合い、深み、更に書で使用している金泥の量が非常に多いのも特徴。字も端正で品格あり。

・≪常滑三筋壺≫ 平安時代
ひびの入った古い板の上に、同じく真ん中に大きな穴のあいた常滑焼?上部の青緑色の釉薬のかかり具合が絶妙。

・≪黒根来手付木瓶≫江戸時代
根来は他にも何点か出展されている。黒根来のやかんは珍しい。他に≪根来瓶子≫室町時代、根来大盤≪室町時代・松永耳庵旧蔵≫、≪根来角切盆≫

・ザクロ形壺、魚型容器、河馬像 いずれもエジプト紀元前のもの
河馬像は紀元前21~紀元前17世紀と気が遠くなるような古代の犬の像。太古の昔からお犬様はいたようだ。ところで、これだけ歴史をさかのぼると、時代判定はどうやって行っているのか興味がわく。

・カメオ装飾杯 おそらくイラン9~10世紀
カメオ装飾杯の美しさといったら、宝石のような杯。白っぽいガラスに緑で紋様が彫られている。<
kameo.jpg

・亀形香炉 漢時代(前3~後3世紀)
kame.jpg

亀は古代の青銅技術とは思えないような技術力。ブリキのおもちゃにも似ている。

これらエジプト、イランの考古物は広めの間隔をおいて展示されている。普段、東博ではこの間にもう1点置きそうな所に何もなく空間が残るが、これだけ質の高い品々であれば、鑑賞にも余韻が必要というもの。
余白があることにより、その前の作品に浸ることができた。
これらの考古物の対面壁面には若林奮の彫刻ならぬドローイング連作≪多くの川を渡り再び森の中へ≫が展示されている。古代文明の遺物と若林のドローイングが不思議とマッチしていた。

お茶道具は、展示室内に茶室を模して茶道具一式、軸物も含めしかるべき所に展示されている。
ここでも、≪鉄錠花生≫13世紀~14世紀を壁にかけ、活けられているのは無論、生花。お花は紫の鉄線と白の小花で、周囲に清浄な雰囲気を放出していた。

後半のやきものは、切子ガラスのガラス鉢、志野、朝鮮白磁、≪絵唐津鳥文振出≫、≪伊万里鉄釉染付鷺門皿≫など、やきものコレクションだけでひとつの企画展が開催できる程のボリュームだと思った。また、やきものを乗せる台が、古材であったり、黒漆であったりと取り合わせの妙により、器をより美しく引き立てている。こんな展示の仕方を楽しめるまたとない機会。遠くまで足を運んだ甲斐がありました。

*6月6日(日)まで開催中。オススメします。

コメントの投稿

非公開コメント

TADDY K. 様

こんばんは。
「お山に抱かれた美の館」とは言い得て妙ですね。

当方、行ってから時間が経過し過ぎて、あの時の感動を上手く
伝えられなかったような気がし、後悔しきりです。
やはり、感想はなるべく行ってすぐに書いた方が良いのですが
ボリュームがある展覧会程後回しにしがちでして。

備前徳利も良いですね。私は大して呑めもしないのに、古唐津の
杯がいつか欲しいなぁなどと夢想しています。

よし様

こんばんは。
遠くても、はるばる出掛けただけのことはあります。
やはり、ここでの展示は他では味わえません。

>秋の六古窯も今から楽しみにしています。
同感です。私は次の「かざり」の展覧会も非常に楽しみです。
辻館長の監修ですから、見逃せません。

> 信楽散策で点在している窯場を巡るのも また楽しいです。
仰る通りですね。私はまだ陶芸館近辺しか行っていませんが
あの近辺の散策は確かに楽しそうです。

お山に抱かれた美の館

お世話になっております 当方は 先週末行ってまいりました
焔摩天ご覧になることが出来たのですね・・・いいですなあ
(あ お釈迦様と童子では不満、というわけではないのですが)

なかなか自然環境に溢れたところで些か驚きましたが お書きの通り
内容も豊かであったと

左党の宿命でしょうか やきものの部屋で 終わりの方の
瓢箪型 薄めの備前徳利に 盃 器(向付?) お箸に箸置などの取り合わせ
おいしそうに感じました(飲みすぎない量でもあると思う・・・一瓢なら)

明日は先日お書きのMOAへ行ってみようかと画策
こちらもなんか楽しみです  それではご自愛ご健筆を

美を求める心

は、止められませんね。
こんにちは~
秀雄さんの言葉、私なりに求めたいです。
ミホはとおいとおいと二の足踏みますが、行ってしまえばそこにひとつの世界があって。 もりたつさんやジローさんやら特級級の催しが企画されてました。静かな美しい世界がありますね。  秋の六古窯も今から楽しみにしています。
信楽散策で点在している窯場を巡るのも また楽しいです。
カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
ブログ内検索
twitter
最近のエントリ
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。