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「ウィリアム  エグルストン:パリ-京都」 原美術館

hara

原美術館で8月22日(日)まで開催中の「ウィリアム エグルストン:パリ-京都」に行って来ました。

原美術館での写真展には良い思い出が詰まっている。
思い出深いのは、何といっても2004年開催の野口里佳「飛ぶ夢を見た」で、これまで写真にまるで関心がなかった私に写真の素晴らしさを教えてくれた展覧会だった。
会場の原美術館が、写真の展示にマッチしていて、空間を上手く使用して大きな作品、小さな作品とその場所に応じた作品が展示されていたことをつい先日のことのように覚えている。

2008年の「米田知子展 終わりは始まり」を見逃したのは痛恨事で、今回、エグルストン展の図録が未完成だったため、なぜか米田知子展の図録を購入してしまった。とても素晴らしい写真集に仕上がっていて、やっぱりこれを見なかったのは我ながらアホとしか言いようがない。

さて、そんな愚かなことが2度と起きないようにと待望のウィリアム エグルストン個展にいち早く臨んだ。

本展はカラー写真を藝術的表現の域にまで高めた先駆者であるアメリカの写真家、ウィリアム エグルストンの、日本美術館における初個展。展示の中心となる「パリ」と「京都」のシリーズはカルティエ現代美術財団の依頼を受けて制作した近作です。また、「パリ」シリーズは写真だけでなく、色彩豊かで闊達自在なドローイング作品によっても構成され、これまで発表されなかったエグルストンの新たな一面に触れることができる。更に、名声を得るきっかけとなった写真集「ウィリアム エグルストンズ ガイド」に収録された、彼の故郷アメリカ南部の人や風景を撮った初期の代表作もまじえ、魅力あふれたエグルストンの世界を紹介します。

ウィリアム エグルストンのプロフィールについてはこちらのサイトに詳しく掲載されています(以下)。
http://www.artphoto-site.com/story58.html

展示は、1階のギャラリーⅠ・Ⅱ、廊下で「パリ」シリーズ2006年~2008年の写真44点&ドローイング10点、そして写真とドローイングのペアが12点。
2階のギャラリーⅢでは「ウィリアム エグルストンズ ガイド」1976年から7点(東京都写真美術館蔵)。
ギャラリーⅣ・Ⅴ・2階廊下では「京都」シリーズ2001年には22点写真が展示されているので、サイズは左程大きくはないが、見ごたえは十分あった。

大変お恥ずかしい話だけれど、エグルストンの名前も写真も今回初めて知った。
だから、展覧会のチラシ掲載作品を拝見した時「どうなんだろう・・・」と若干不安だった。どんな写真を撮影する方なのか見当がつかなかった。

しかし、最初の1階ギャラリーで「パリ」シリーズを数点見てすぐに、これはいいなと思った。今まで見たどんな写真とも違って個性的だった。
彼の視線に私は一番興味を持った。
常に色と色の組み合わせを念頭に置きつつ、被写体となるものを探しているのだろうか。モノが決まったら、後は構図。どんな位置から、どういう組み合わせで撮影すると、もっとも効果的になるのかを計算しつくしているように思う。
写真1枚1枚に時折はっとするような組み合わせのものが登場。そのたびに、ヴィヴィッドな色に悩殺され、パリの色というより、寧ろブラジルっぽいカナリアイエロー&グリーンなどのイメージが頭に浮かんだ。
色の取り合わせの巧妙さは、ギャラリーⅡの即興ドローイングにもあらわれている。ここでも多種多様な線が使用され、からまってしまった色毛糸の様子にも見えた。
各色の分量のバランス、目を惹く構図、やはり只者でないことだけは明確になった。

そして、対照的なのは同じ都市を題したシリーズ作品である「京都」シリーズと。この両者の比較はとても興味深い。
京都でのエグルストン氏の視線に自分も入り込めるような錯覚を覚える。
京都で撮影に臨んだエグルストン氏にとって、今回の撮影は実に困難なことだったのではないかと想像している。
エグルストンの興味は、京都においてなぜか生け簀の魚に及んでいたようだ。

パリシリーズに比べると、色が落ち着いている。先程のヴィヴィッドさはどこへやら。
彼の目には現代日本が見事に投影されていることが写真から分かる。

本展で私がもっとも強い印象を受けたのは旧作の「エグルストン ガイド」であった。アメリカ南部地方の様子が怖いまでにドラマティックな形で印画紙に残っている。これは奇跡なんじゃないかと思った。
タイトル≪ミシシッー州サムナー、キャシディ沼を背景に≫1970年頃は白い乗用車をバックに黒人男性と白人男性が1名ずつモデルになっている。異様なまでの静けさを感じ、次に一体何が起こるのか、ぞくっとしたことは間違いない。
他にも老人がベッドで寝ようとする際に銃を観賞者に向けていたり。壊れかけた屋外の長椅子にうつろな表情の老婆がいたり。そして、他2点は広大なアメリカの長い道路や古き良きアメリカ時代の家など当時の文化、文明を象徴していた。

昨日アップしたフランスのティオリエは初めてカラー写真を生み出した人だった。一方エグルストンはカラー写真を藝術的表現にまで高めた先駆者であった。一見つながりがなさそうだが、こんな比較をしながら鑑賞すると楽しいのではないだろうか。

これは、図録が欲しい!とショップに行ったら、まだ完成されておらず6月末頃に入荷予定とのことだった。行かれるなら7月以後の方が、図録も気に入ったらその場で購入できるので便利かもしれない。

*8月22日(日)まで開催中。

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