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「現代中国の美術」 奈良県立美術館

nara

奈良県立美術館で開催中の中国第11回全国美術展受賞優秀作品による「現代中国の美術」展に行って来ました。

「全国美術展」は、5年に1度開催される中国政府主催の美術展で、最も権威ある登竜門として中国国内から数万点!の応募があり、その規模と内容そして水準の高さは中国随一といっても過言ではありません。各地の部門ごとの展覧会で受賞作を決定した後、北京の中国美術館で約500点が受賞作品展として一堂に会し、その後さらに厳選された作品が本展のように「現代中国の美術」展として韓国、日本等で紹介されています。

今回は、第11回全国美術展受賞作品から86点を厳選し紹介。中国画、油彩画、版画、漆絵、彫刻、水彩、アニメーションとバラエティに富む作品群によって、中国美術の動向を展観できる機会となります。~展覧会チラシより一部抜粋


奈良国立博物館への道すがら、前々から気になっていたので本展を見るために奈良県立美術館に立ち寄った。

軽い気持ちでのぞんだが、のっけから展示作品の気迫、迫力に終始圧倒されっぱなし。さすが、現代美術のマーケットを席巻する中国選りすぐりの作品だけのことはある。
今回は約80点の作品が、前述の通り複数のジャンルにおいて展示されている。
全体を通して感じたのは、具象画ばかりで、抽象絵画はほとんどない(いや、全くなかったかも)。具象画の中でも、風景画は少なく人物画、風俗画が多いことだろう。このため、最後の方になると、どれも似た作品に見えてくるかもしれない。これは審査員の好みによるものか、この傾向が現代中国のアートシーンそのものなのかかなり疑問を覚える。やはり、政府主催の公募展ということで保守的な作品が多いのだろう。かつて見た「アヴァンギャルド・チャイナ」展の作品と様相をかなり異にしている。しかし、これもまた現代中国の一面であることには違いない。

しかし、1点1点の技術、画力を眺めていくと、それはもう卓抜しており、さすが数万点の中から・・・と思わずにはいられない。

油彩画は、リーシャオジー「秘語」やチェン・シュードン「入城式」、シェ・チェンアン「遠くの歌を静かに待つ」など、どこか明治期の日本近代洋画の始まりを思わせる作品や、やはり軍部をモチーフにしたものなどが目立つ。
そんな中、シュー・イェンピン「漁港のにぎわい」や水彩画のルー・チンロン「兄弟」は、先日まで国立西洋美術館で開催されていたフランク・ブラングィン風の漁港風景を丹念に、スーパーリアリズム(と言って良いのか)で表現。そうかと思えば、これはブリューゲルのパロディ?と思ったリン・セン「村里」が気に入った。後者はまさに中国の農村風景をブリューゲル風に仕上げた佳作。

1980年代生まれの作家の作品に目を向けてみる。
リャオ・ヤン(1983年生まれ)「街角よもやま風景」はモノクロ版画であるが、構図が秀逸で、かつ画面も緻密な描写、劇画のような強い印象。
ジン・ラン(19080年生まれ)の「瞳」は、紙本墨画に金属箔を張り付けた凝ったマチエールで新しい表現方法を模索する姿を感じた。

個人的にはリー・ジュン、ユーィ・ボー2人による共作「犬のユートピア」が愛らしく楽しめて好き。画面を11分割し、それぞれにポーズや表情の違った犬が描かれている。こちらも絵肌は、亜麻布に銀箔張と凝っている。

さて、これぞ中国と思うのは、中国画と漆画なるもので、これらの定義が素人ゆえよく分からないが、漆画の方は、漆を下地に塗ったものの上に絵を描いているよう。下地を活かした表現が求められる。中でも、ヤン・リンジアン「いにしえ」は奥行き感ある表現で工事現場建築途中の裸鉄骨を組んだ状態を描いて強い印象を残していた。同じくリュ・ホワン(1986年生まれ)「卒業間近」も気になった。

中国画は、日本で言う日本画にあたるもの?繊細な表現、細い線描で傾向として似た作品が多かったように思う。

ワン・シャオバオ「静寂の故郷」(油彩)、ワン・ハイジュン「百年の道程」(水彩)、リュウ・ジーピン(水彩)は、本展の中でも☆3つのベスト。
他に、ジャン・シァンシーミクストメディア「帰宅」、4本のアニメーションも素晴らしい。

唐の古の美術を堪能した前後に現代中国の息吹を感じるのも楽しいです。

*7月4日まで開催中。
なお、本展はこの後福岡アジア美術館、富山県立近代美術館富山県水墨美術館、東京・日中友好会館に巡回予定です。
<お詫び>
巡回先を誤記しておりました。正しくは富山県立近代美術館です。お詫び申し上げます。
ご指摘くださった「通りすがりさま」有難うございました。

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daikaisui様

こんばんは。

機会がございましたら、ぜひお出かけ下さい。

参考になりました。

行ってみたいですね。
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