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「三谷龍二絵画展」 小川美術館 はじめての美術館73

mitani

東京都千代田区三番町にある小川美術館で今月末まで開催中の「三谷龍二絵画展」に行って来ました。

三谷龍二さんは、1952年福井市生まれ。木の器や匙、バターケースといったテーブルウェアを作られている木工デザイナーとしてつとに有名です。

そんな三谷さんが平面絵画や立体作品を手がけていらっしゃることを知らなかった私。本展開催を雑誌「芸術新潮」6月号で知り、紙面に掲載されていた作品を見て「いいなぁ」と思った。
同雑誌にて三谷さんの絵画や立体作品について紹介記事を書かれているのは人気作家の伊坂幸太郎氏。『重力ピエロ』をはじめ2008年には『ゴールデンスランバー』で第五回本屋大賞と第二十一回山本周五郎賞を受賞している。

そんな伊坂氏の本の装丁によく使用されているのが、三谷龍二さんの立体作品であったことも今回初めて知った。
一番最初が前記の『重力ピエロ』(下)であったそうで、伊坂氏は、「装丁デザイナーが、自分の作品の表紙に三谷作品が相応しいと思ってくれたことに幸福を覚えた」と回顧されている。

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三谷氏の作品が装丁を飾った本の画像は、三谷氏ご本人のHPに掲載されているのでご参照ください。以下。
http://www.mitaniryuji.com/f-pro.html

小川美術館には今回初訪問。随時開館している訳ではなく展覧会開催時にだけ開館される。場所はかつてあった山種美術館から程近い。
中は意外に広く、そして照明を落とし非常に落ち着いた空間になっている。
今回は三谷龍二氏の『僕の生活散歩』(新潮社刊・下)出版記念による開催で1988年から2009年の間に制作された絵画作品約30点とともに、木の器も展示・販売もされている。

seikatusannpo

さて、冒頭目に入ったのは、立体作品である。
実に素朴な手の感覚が伝わって来る小さな人物像がひとつのコーナーに1点だけ展示されていた。
恐らくこの本の装丁に使用されているものではないだろうか(よく似ている)。

seikatu

形もさることながら、像を創り出す素材のざらっとした感覚。目で観る触覚とでもいうべきか。ざらっとしたような肌感とやや褐色をおびた白色が古びた感じを出している。

次に≪舟≫や≪飛びネコ≫2000年といった一見玩具のような立体が続く。それらのどれもが皆懐かしい感じを受けるのだ。大切な何かを置き忘れ、それがひょっこり現れたとでもいうような、目の前にあるのはそんな作品たちだった。

平面作品に移ろう。
こちらは、テンペラや漆といった木工作家らしいと言えばらしい工芸的な手法を使用した絵画で、これらも絵肌に特徴がある。ざらっとした質感は立体で感じられたものと同じ。
更に描かれたもののはかなさと静けさと懐かしさ、これらが共存しているのも同じ。

どの作品も皆素敵で、三谷氏が絵を始めるきっかけになったという≪校舎≫1988年(冒頭画像)は校舎の色と背景色、そしてやはり絵肌の質感から醸し出される郷愁に誘われる。

私の好きな富山県入善町にある「発電所美術館」を描いた作品もある。
しかし、作品のモチーフは、恐らく三谷氏ご自身の身近な生活と共にあるものが多い。
≪薬缶≫だったり、ケメックスのコーヒーメーカーだったり、そして窓から眺めた風景画もいくつかあった。

そのどれもが三谷さんの暮らしぶりを象徴しているようで微笑ましくもあり、羨ましくもあり。
テンペラが作り出す絵の表情は平面でありながら立体的で、絵の魅力を一層増している。

一点一点見て行くうちに心がほどけ、和んで行くのを感じる。
美術館と銘打っているが実際の運営は彌生画廊が行っているため、作品の販売もしている。実際展示作品のほとんどは買い手が既についていた。
これらの作品は木工作品制作の合間に作られる、いわば余技といった性格のものであるため、約20年間で30点ほど、中には作ってもすぐに人手に渡ってしまうものもあるらしい。

三谷氏の静かで懐かしい世界を見られる貴重なチャンスです。

*6月30日まで開催中。11時~17時まで。
東京都千代田区三番町6-2 三番町彌生館1F
地下鉄「半蔵門」5番出口徒歩6分/「九段下」2番出口徒歩10分、「市ヶ谷」徒歩10分

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