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「没後180年 良寛遺墨展」 何必館・京都現代美術館

良寛

何必館(かひつかん)・京都現代美術館で7月19日まで開催中の「没後180年 良寛遺墨展」に行って来ました。

ちょうど美術館を訪れた日は、書家石川九楊氏の「書史講義」を聴講する目的で京都に来ていたため、聴講前に良寛の書を拝見するという我ながら上出来なプランではないかとホクホクしながら中に入った。

何必館は私が美術館にようやく行き始めた頃、十年程前に行ったのが初めて。
雑誌「クロワッサン」の全国の美術館特集の中で関西にあるおすすめ美術館の一つとして掲載されていた。
コレクション作品として紹介されていた山口薫の作品に惹かれて出掛けたのだった。

何必館は1981年に開館。館長である梶川芳友氏は21歳で村上華岳の「太子樹下禅那」に出会い、生涯を美術にかけることを決意し、作品にふさわしい空間を作るべく、自ら設計し、何必館・京都現代美術館を40歳にして開設し
た。
定説を「何ぞ、必ずしも」と疑い、既成の枠組みを越えて常に自由でありたいという願いから命名された何必館・京都現代美術館に収められた名品ひとつひとつに、梶川館長の芸術への限りない共感と、名品との出会いの物語
がある。
~2008年3月号京都画廊連合会ニュースより引用

作品にふさわしい空間づくり。これこそ、何必館の魅力の一つであり、そしてここ最近、展示方法が益々グレードアップしているように思える。
前々回の「美の異端児 魯山人を使う」展は、観賞用道具としてでなく用の美学で魯山人作品を見せてくれた。

そして、今回の「良寛遺墨展」。
何必館に良寛コレクションがあることにこれまで気が付かなかった。美術館のサイトで過去の主な展覧会を辿ってみたが、良寛展はこれまで開催されていないようだ。
本展は、比叡山延暦寺にて行われる、180年忌法要を記念し同館コレクションを中心に約50点で良寛の書を展観するものです。

本ブログで「良寛」をキーワードに検索すると、いくつか過去のログが出て来た。しかし、私が良寛の書を意識し、いいなと思うようになったのは、昨年拝見した千葉市美術館の「大和し美し 川端康成と安田靫彦」展である。過去ログ ⇒ こちら
安田靫彦が良寛作品のコレクターであり、この展覧会では1章まるごと良寛の書を見せてくれた。
今振り返ってみると、本展に匹敵するレベルでの作品展観だったように思う。

そうして、俄か良寛ファンになった私は、古書店で1989年初版の新潮社とんぼの本『良寛さん』(絶版)をたまたま古書市で入手した。
本展を鑑賞後、帰宅してから『良寛さん』を読んでみたら、梶川氏による「何必をめぐる良寛書」と題した文章が目に留まった。
本展でも紹介されていたが、梶川氏と良寛書との出会いのきっかけになったのは新潟に在住されていたコレクターの故藤井恒雄氏だった。既に梶川氏と知遇のあった藤井氏は、同館開館の際に駆け付け、館名の「何必」という言葉が良寛の書にあると梶川氏に伝えたのだ。そして、その書「土波後作」と題した良寛71歳の詩文を藤井氏は所蔵され、新潟まで訪れた梶川氏に書を見せてくれたという。
「土波後作」との出会いで、本当の意味で良寛を識り、書の美しさを感じたのではないかと梶川氏は振り返る。
良寛の書は、眼に見えないものを眼に見えるようにしてくれるような心象の表出であり、亡き藤井氏との交流が良寛の奥深い世界を自分の内部に創ってくれたのだと締めくくる。

本展は良寛の書を展観しつつ、梶川氏と藤井氏への思い、そして良寛を巡る旅と館長自らの思いが溢れている。

前置きが異常に長くなってしまったが、展示作品を簡単に振り返る。
1階には、良寛作と言われる手毬や書簡、そしてそれらと一緒に魯山人の備前大甕が巨大な古板に置かれて共演。

2階
≪手毬屏風≫六曲一双、自画像、≪草庵雷夜≫をはじめとする短詩3点、双幅1点。そしてここでも魯山人の備前の手桶に古枝を添えたものが一緒に展示されている。

3階
≪自然≫の2文字を大書した作品。大書といっても良寛の場合、書体は細く伸びやかな風なので圧迫感はまるで感じられない。むしろ一陣の風のよう。
同じく≪無我≫。二文字の書は誰でも読めるし読みやすい。そして、意味も理解しやすい。
≪閑閑堂≫、短歌≪長き夜に≫などなど。
そして、自然や無我などと同じく私にもっとも響いた戒語≪こころよからぬものは≫。
≪こころよからぬものは≫に沢山の心良くない例が詩のように書かれているが、そのほとんどが我が身にあてはまっていて、とても悲しい気持ちになった。
戒語なのだから、それを識ったことで心改まれば良いのだが。「れば」でなく心改めようと誓う。

そして名書≪いろは≫≪一二三≫が並ぶ。

5階の半屋外、茶室スペースには≪法華讃≫、≪余家有竹林≫が展示され、緑がまぶしい苔の内庭とともに、心安らぐ空間となっていた。

地下1階
魯山人の展示室では、絵瀬戸など魯山人の器と書が良寛の作品と共に展示。魯山人も書をする人であったが、彼は古の書家の作品をたどっていった結果、良寛の書を非常に評価し手本としていた。
そんな魯山人と良寛の共演は何必館ならではの展示といえるだろう。

*7月19日まで開催中。

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