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「猪熊弦一郎展 いのくまさん」 東京オペラシティアートギャラリー

inokumasan

東京オペラシティアートギャラリーで本日終了する「猪熊弦一郎展 いのくまさん」に行って来ました。

展覧会終了前日の会場は、予想以上に大勢の観客で賑わっている。
どうやら人気がある展覧会なのだと会場で知る。

猪熊弦一郎は、私が美術というものに関心を持ち始めたごくごく初期の頃(約8年前?)に知った作家さん。元々は谷口吉生の美術館建築が好きで、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(以下MIMOCA)をネットで見つけ、館名にもなっている猪熊弦一郎という画家の作品もネットを通して初めて見た。
ピカソやマティスを思わせる画風は私の好みで、こんな絵を描く人が日本にもいたのかという驚きと、実際の作品を見てみたいという思いからMIMOCAに向かう。それから、何度かMIMOCAには行っているし、猪熊作品や彼のおもちゃコレクションも拝見しているが、本展で観た猪熊作品は何か違ったもののように見えた。

この展覧会は小学館から刊行された絵本『いのくまさん』(下画像)を絵本から飛び出し、実際に作品や絵本にも綴られている谷川俊太郎氏の詞を空間に見せている。つまり、展覧会それ自体が、絵本『いのくまさん』なのであった。絵本
絵本を展示空間化する試みというのは、とても面白い。実際に、会場に配置されていた絵本『いのくまさん』を展覧会を鑑賞した後に見たが、今自分が見て来たものたちが紙面にそのままあって、なるほど~と感心。

本展は、横田歴男建築設計事務所による展示デザインが行われているが、それがとても良かった。
段ボールを使用した展示ケースや玩具を入れた透明カプセル。
そして、章と章を区切るのは透明のビニールシートの大きな幕。そのシートに谷川俊太郎氏の詞文がプリントされている。

展覧会チラシにも使用されている大島依提亜氏デザインによる文字書体が、大幕に踊る。
「こどもの ころから えが すきだった いのくまさん
おもしろい えを いっぱい かいた」
~展覧会チラシより抜粋。

本展は11の章で構成されている。
第1章は前述の「こどもの ころから・・・」で始まる。
第2章「いのくまさんは じぶんで じぶんの かおを かく」
第3章「ほかの ひとの かおも かく」
第4章「たくさん たくさん かおを かく」
第5章「いのくまさんは とりが すき」
第6章「いのくまさんは ねこも すき いっぱい いっぱい ねこを かく」
第7章「いのくまさんは おもちゃが すき」
第8章「いのくまさんは かたちが すき こんな かたち あんな かたち 
かたちはのびる かたちは まがる かたちは つながる かたちは かぎりない」
第9章「いのくまさんは いろも すき こんな いろ あんな いろ
いろが うまれる いろが ささやく いろが さけぶ いろがうたう」
第10章「ぬりえをしよう」
第11章「いのくまさんは たのしいな」

・・・とこんな具合。
作品として印象深かったのは第2章の自画像コーナー。
1920年代の自画像はほぼ1年単位で近い年代にもかかわらず、画風がまるで違う。1921年、1924年、1925年の自画像の変遷を見ているととても面白くて、技術的にはどの画風であってもその時既に確立していて、気分で描き分けていたのかなと勝手に推測した。

そして、スケッチ帖。
スケッチ帖の類は、冊子のためどうしても1度に見られる頁が限定されてしまう。猪熊弦一郎のスケッチ帖はとても魅力的で、楽しさが中にぎっしり詰まっている。これを約15分の映像化して見せる試みはとても良かった。
そして、その後に続く第5章のとりや第6章のねこのコーナーでは、鑑賞しているお客さんの顔が皆ニコニコしているのだった。もちろん、私も愛らしいトリやねこのドローイング類にすっかり引き込まれた。

こんなに観客がニコニコしている展覧会は本当に初めて。
誰の気持ちも楽しくさせてしまう魅力が猪熊作品には、間違いなくある。そして、その力を谷川俊太郎氏の詩文、横田歴男の展示デザイン、大島依提亜氏のグラフィックデザインが見事に引き出したのだった。

なお、絵本『いのくまさん』は既に出版元にも在庫なく、ミュージアムショップでも完売になっているのでご注意ください。
本日最終日。未見の方はぜひ。おすすめです。

いつも楽しみにしている若手作家紹介コーナーのプロジェクトNは喜多順子。
ずっと、気になっていて先ごろ行われたTake Ninagawaでの個展も見逃してしまったので、漸く作品を見ることができた。大判の布に描かれた水彩は、とても新鮮。個人的には近作の≪WH水原≫(木炭・布)2009年や≪WH水原2009ブレンド≫(水彩、布)の山岳風景を描いた風景作品がとても好き。
支持体の布によって、描かれている風景が伸びやかなものに見え、やさしく迫って来る。
布という素材を上手く使って、絵画表現する作家なのだと知る。
以前の作品では板を支持体に使用し「バラ」を描いた作品も何点か展示されていた。

冒頭にあった≪鯉シーツ≫2002年。
水彩だからあり得ない行為だろうけど、こんな鯉のプリントがしてあるシーツの上で眠ったら、どんな夢が見られるのだろうと思った。
次回の個展は必ず行こう。

*7月4日まで開催中。

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非公開コメント

luka様

こんばんは。
この展覧会は本当に見せ方が良かったです。
猪熊さんも天国でニコニコしながら見てたんじゃないでしょうか。
作家冥利に尽きますね。

Mimocaは駅前美術館です。
丸亀にさえ行けばすぐそこなのですが。。。う~ん遠いかな、やっぱり。

にこにこ

memeさま
こんばんは。
私も猪熊さん1週間ほど前見に行きました。
ほんとに ニコニコしないではいられない展示でした。心が躍った!

丸亀市いつか絶対行きたいのですがアクセスがむむむ。
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