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「パラモデルの世界はプラモデル」 西宮市大谷記念美術館

paramodel

西宮市大谷記念美術館で8月1日まで開催中の「パラモデルの世界はプラモデル」に行って来ました。
展覧会の一部画像は美術館のホームページでご覧いただけます。http://www9.ocn.ne.jp/~otanimus/

パラモデルは、林泰彦と中野裕介の2人組アーティスト・ユニット。
ともに東大阪市に生まれ、京都市立芸術大学で学ぶも、林さんは構想設計、中野さんは日本画を専攻された。2001年に結成し、2003年から「パラモデル」と名乗るようになった。~はてなキーワードより引用。

私がパラモデルを初めて知ったのは、2008年の赤坂サカスというアートイベントだった。会場の一つとなっていた体育館の天井に制作された「プラレール」を用いたインスタレーションで、巨大天井画に驚嘆し、いかにして天井にレールを貼り付けて行ったのかと制作過程に関心をもった。
その後、mori yu gallery(東京)で個展も拝見したが、この時の作品はペインティング主体であまり印象に残っていない。

そんな訳で、「プラレール」を使用した作品を制作するアーティストというイメージしか持っていなかった。
しかし、本展チラシを見た時、「これは行った方がいい。行かねばならない。」と頭の奥からお告げ(?)があり、久しぶりに西宮市大谷記念美術館を訪れた。藤本由紀夫展以来の訪問だと思う。

会場内は撮影自由。
本展では、新作絵画やインスタレーションを中心に、様々な作品を館内各所に設置。会期中も継続して公開制作を行うことにより、無限に変化しながら拡張し、観客を日常の隙間へと誘う、パラモデル・ワールド全開!的内容となっている。
パラモデルの作品が設置されていない、いや浸食されていない場所はないのではと思う程、館内に留まらず、和室の庭園にまでプラレールが増殖中だった(画像下)。

niwa

入口正面の大きな↑に導かれ、中を進んで行く。
まだ、あちこちに段ボールが積まれていて、作品そのものなのか、制作のための材料なのかどちらか判別がつかない。
入って左手奥の1階第1展示室は、赤坂で観たのと同様の「プラレール」をメインにしたインスタレーションで室内が装飾されていた。
まだ完成しておらず、訪問時にもユニットの一人である中野さんが、山となる白い発砲スチロールの大きな塊を3つ手にして、室内に入って来られる所だった。下の画像で青い上着の方が中野さん。

para1

ちょっとだけ、お話を伺ったけれど、「作品テーマはなく、自由に好きなようにお客さんに観てもらえればいい。」とのこと。制作をするにあたって、大量の図面を見せていただいたが、設計図そのもの。ラフなものでなく直線曲線の秩序ある美しさ。綿密な図面で驚いた。
前述の発砲スチロールの山が立体感も出しており、赤坂の時は天井だけだったのが、今回は天井、壁面、床とどこを向いてもプラレールでできた触手が伸びている。真っ白な壁面にプラレールの青色やゴルフ場で見かけるような人工芝の緑、そしてポイントに赤色が効果的に配置されている。

部屋を出て、あたりを見回すと階段下や和室のある離れへと続く廊下も全て、作品作品作品。
本展に作品リストはいただいたが、リストを見る余裕などまるでなく、一歩歩くたびに作品発見の繰り返しでただただ、驚き感心するばかり。それにしてもすごい量だ。和室に入るまでにそんな印象を受けたのに、和室に行って更にびっくり。

絵画やインスタレーションしか拝見していなかった私は、まずキャラ物のオブジェ(立体彫塑)を鴨居の上にちょこんと一体乗っかっている。
そして、大きなお座敷で目にしたものは、大量の回転してないお寿司≪回転トミ寿司≫の列。これがまた、等間隔でお行儀よく並んでいて、パラモデルの直線嗜好をここでも感じるのだった。
よくよく見ると、丸いお皿の上に乗っているのはシャリではなく、ミニカー。ミニカーの上に寿司ネタ見本(ロウ細工)が乗っかっていて、これらは全て凧糸でぐるぐると巻かれていた。
仕事が細かい!!!

床の間には、≪テナシイヌ≫というキャラ物が飛行機を創り出し溶け出していく過程を時系列に立体で表現。
隣の和室の押し入れを利用して、アニメーション≪テナシイヌ≫(3分)が上映されていた。押し入れに入って鑑賞したかった。この他、絵馬はぶら下がってるし、廊下のあちこちに作品が点在し、もう作品が無い所を探す方が困難。和室の2階には写真作品≪残存と消失の風景≫が6点。

次に2階。第2、第3、第4展示室。いずれもパラモデル作品増殖中。

水道管で良く見かけるプラスチック製の継手を使用し立体作品制作に燃えるスタッフ氏。防塵マスクをし、天井にせっせと穴をあけ継手を取りつけていく作業を熱心にされていて、そこまで念入りにこまめに設置しなくても・・・と言いたくなるような、いやあれは完成への欲求というより、制作過程そのものを楽しんでいないと続かないだろうと思った。
同様のことを第4展示室で作業中のスタッフ氏2にも感じて、ついつい話しかけてしまった。
なぜなら、スタッフ氏2が行っていた作業は気の遠くなるような細かい作業だったのだ。それは水道管ゲーム(ボードゲームのひとつで、一時大流行)のカードを1枚1枚壁に貼り付けている。貼付方法にも、いろいろあると思うが、彼が行っていたのは上部2ヶ所を細い針で止めるというもの。針を刺すための穴を、特殊なそれ専用の穴開け機によって一つ一つ開けてカードを下にし針を埋め込んで行く。
NEC_0121.jpg

私「どうして、針で、しかも上だけ2ヶ所止めてらっしゃるんでしょうか?」
スタッフ氏2「やっぱり、見栄えが良いからでしょうね。」
私「こういう作業がお好きなんですか?」
スタッフ氏2「好きじゃなければ拷問ですね(笑)」
私「これ、全部貼り付けるまでに展覧会終わってしまいますね~。」
スタッフ氏2「完成はないでしょうね。」

くだらないことをお聞きして申し訳なかったです。でも聞かないではいられなかった。この作業効率度外視、ひたすら秩序美を目指す姿勢こそパラモデルの世界。

作品ひとつひとつが建築的要素を持っていて、工事現場を想像せずにはいられない。本展の帰路、工事中の看板や継手を見るとこの展覧会のことを思い出した。

会場の2階右手奥には木製の作業机がいくつか置かれているが、何だかやけにトロピカルなシャツを来た男性が黙々とパソコンに向かって作業されていた。美術館ではご法度のBGMまで流れている。曲は楽しいポップなものだった。この方がもう一人の作家さん?と思いきや本展担当学芸員の方でびっくり。
何でも、パラモデルからこの場所で普段の仕事をするよう言われ、そのための作業机まで制作されたのだとか。
トロピカルなのは、学芸員さんご本人の個人的趣味でした。

今回パラモデルの展覧会を決定したのは今から1年半ほど前。
関西在住の若手で、ここ数年勢いがある作家ということでノミネートされた。
彼らの作品は制作過程そのものも作品の一部であり、お客さんも一緒に参加できるような展示をしたかったとのこと。会期が6月26日から8月1日と短いのは、実際5月から作業を開始していたが、実際に会場で制作を進めるため、オープニング迄の準備段階に1ヶ月の時間を要した。本当は5月上旬から美術館の2階で制作を開始。しかし、制作するのも大変ですが、作品の撤去も大変だろうなぁ。。。考えただけで涙が出そう。

いやはや、それにしても映像、写真、絵画、立体、ありとあらゆる表現方法を駆使して独自の世界観を創出。大人も子供も誰でもが楽しめる素晴らしい展覧会でした。
今、一番のオススメです。
8月1日の最終日にははたして、会場はどんな風に変貌しているのでしょうか。できることなら再訪したい!
なお、リピーターには耳より情報。
本展入館料500円(一般)が、受付で配布されているチラシを提示すれば200円になります。

また、来る7月17日(土)午後2時より、パラモデルによるギャラリートークが開催されます。
展覧会図録は現在制作中で7月下旬に全国書店で青幻社刊行により発売!帯には伊藤存さん、名和晃平さんのメッセージが入るそうです。
詳細はこちら

zuroku

*8月1日まで開催中。写真が下手でゴメンナサイ。

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Seina様

こんばんは。
使わなくなったプラレール、きっと引き取っていただける
のではないでしょうか。
あの調子だと、いくらあっても足りない。

そして、この展覧会は間違いなく親子で楽しめます!
なぜか私が行った際はご年配のお客様が多かったのですが。。。
巡回はありませんので、8月1日までにぜひぜひ。

No title

現在プラレールがメインで稼動している我が家としては
ものすごく気になる展示です。これ巡回してほしい。
そして使わなくなったレール引き取ってほしい。。。
うちはまだ使いますが。。。
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