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「奈良の古寺と仏像 會津八一のうたにのせて」 三井記念美術館

butuzou

三井記念美術館で開催中の「奈良の古寺と仏像 會津八一のうたにのせて」に行って来ました。

7月7日から開幕し10日を経過。ナイトミュージアム狙いで土曜の夜17時過ぎに美術館入りしましたが、館内は漸く観客が帰り始めた所。ロッカーの空きは2つだけだったので、これは混んでいるなと予感が当たりました。ただ、私の後に続くお客様は少なかったので、こちらも予想通りこの後は空いて行くだろうとプラプラ空いている所から観て行くことにしました。

本展は、平城遷都1300年記念し法隆寺、東大寺、薬師寺、唐招提寺、興福寺、西大寺、大安寺、室生寺など奈良の古寺20寺院に伝わる飛鳥時代から室町時代の仏像46点、仏教工芸品19点(うち国宝3点、重要文化財45点)が一堂に展示される仏教美術の展覧会です。~チラシより引用

チラシに掲載されているように、法隆寺夢違観音像、室生寺釈迦如来坐像、西大寺塔本四仏像、唐招提寺如来形立像などの名品を東京で真近に、しかも程良い照明環境の中で鑑賞できるまたとない機会。

私のお目当ては東大寺の「五劫思惟阿弥陀如来坐像」鎌倉時代。以前、いとうせいこう・みうらじゅんの共著「見仏記」シリーズで紹介されていた時から非常に気になっていた。
阿弥陀如来坐像には申し訳ないけれど、鬘をかぶっているかのような異形に驚いたのだ。東大寺・勧進所八幡殿の秘仏。毎年10月5日に開扉だが、本展開催がなければ一生お目にかかれなかった仏像だろう。
詳細は東大寺のホームページをご覧ください。→ こちら
初対面を果たした「五劫思惟阿弥陀如来坐像」の四角いお顔と膨らんでしまったアフロヘアのような螺髪。しかし、頭頂部の異形はさておき、体部ことに衣紋線は流麗で非常に美しい。このアンバランスさが何ともたまらない。坐像なのだが、果たして立ち上がれるのだろうか?と想像してしまう。檜の一木造で、等間隔の衣紋線と真っ直ぐな姿勢で合掌する姿に造形美を感じた。

元々飛鳥仏が好みなのだが、本展を拝見して好きな仏像のほとんどが一木造であることに気付いた。
現在の木彫好きは仏像に端を発したのか、はたまた逆なのか。
何はともあれ、本展でのお気に入り仏像は次の通り。

<展示室1> 金銅仏
・観音菩薩立像(伝月光菩薩) 奈良時代前期 法隆寺 重文
ふくよかなお顔、丸顔の童顔が愛らしい。過去に法隆寺に行った際観ているのではないだろうか。

・薬師如来倚像 奈良時代 正暦寺 重文
正暦寺というのは今回初めて知ったが、何と奈良駅からタクシーで25分、最寄バス停より徒歩30分!と車なしでは行かれない山のお寺。薬師如来倚像は秘仏のご本尊なので、年に1回、今年の特別開帳は10月10日~10月31日。日本では稀な両足をおろして椅子に座っており、瞼は二重。パキスタンの仏像などに倚像は見られるが、こちらの仏像も渡来仏師の手によるものか。
 
<展示室2> 金銅仏
・菩薩立像 飛鳥時代 法隆寺 重文
像高は低いが、気品は本展出展仏の中で最高だと思う。金銅仏であるが、頭と体、台座までを含めて一鋳とする。当時の技術水準の高さを感じる。

<展示室4> (東大寺・西大寺・唐招提寺・薬師寺)
奈良の中でも人気の高いお寺からの出展。
冒頭にご紹介した東大寺の五劫思惟阿弥陀如来坐像もこちらで観仏。

・帝釈天立像 平安時代・9世紀 唐招提寺 7/25まで展示
桂の一木造。桂も使用されると教えを受けたばかりで、いきなりその好作例が現れた。体に比べ頭が大きいのだけれど、素朴な一木造の姿は木彫の神髄を見せてくれている。お顔も個性的。

・吉祥天立像 平安時代・11世紀 薬師寺 重文
吉祥天とはいうものの、一見すると女性像には見えず、キャプションにあるように若々しい青年のよう。
どっしりと両足を踏ん張って立つ姿に惹かれる。左手がないのが痛々しい。こちらは檜の一木造。この他同じ薬師寺の厳しいお顔立ちの地蔵菩薩立像(重文)、十一面観音菩薩立像(これは檜の一木割矧造)も良かった。

<展示室7> (長谷寺・室生寺・當麻寺・橘寺・法隆寺・大安寺・秋篠寺・元興寺)
當麻寺・橘寺・大安寺・元興寺には行ったことがない。當麻寺は仏像だけでなく曼荼羅でつとに有名なので、一度訪れたいと思っている。

・釈迦如来坐像 平安時代・9世紀 室生寺 国宝 7/25まで展示
昨年室生寺に行ったばかりなので、恐らく拝見しているであろう釈迦如来坐像。しかし、まるで記憶にない。室生寺での拝観は近づけるといっても、鑑賞位置から仏像までの距離は2メートル程度あるため、必然双眼鏡を使用する。今回はガラスケース越しとは言え、鑑賞に適した照明で1メートルにも満たない距離間で鑑賞できるのは嬉しい。もちろん、一木造。平安時代の仏像のほとんどは一木造で寄木造は鎌倉以後。仏像制作において分業が可能になり、ある程度量産できるようになった。鎌倉期の仏像の特徴のひとつは玉眼なので、気を付けて観て行くと制作時代が分かるようになる。本像は水かき付の大きな手も印象深い。

・吉祥天立像 平安時代・11世紀 當麻寺 重文
普段東京国立博物館に寄託されている仏像。

・伝日羅立像 平安時代・9世紀 橘寺 重文
橘寺は聖徳太子ゆかりのお寺。カヤの一木造でふくよかなお顔とどっしりとした体躯。顔がとても良い。

・広目天立像 奈良時代後期・8世紀 大安寺 重文
・地蔵菩薩立像 平安時代・9世紀 秋篠寺 重文
木目の美しさが際立っている。
・聖徳太子立像 鎌倉時代 元興寺 重文

お寺で鑑賞する仏像も良いけれど、お寺では見過ごしてしまいそうな小さめの仏像が多く出展されているのも特徴。じっくり、鑑賞したい。
會津八一の歌に寄せてとのことだが、彼は古寺をまわりながら短歌に目覚めたのだという。関連の書や歌集なども展示されている。

ナイトミュージアムは毎週土曜日の他、8/10(火)~8/15(日)、9/10~9/20(月・祝)に開催。入館は18時半までで閉館が19時まで延長されます。
既に仏像ブームのせいか混雑していますので、お早目の鑑賞をお薦めします。なお、作品の一部が展示替えされますので、ご注意ください。詳細は展覧会ホームページをどうぞ。⇒ こちら

なお出展されている仏像の開帳日は、平城遷都秘宝・秘仏開帳のホームページが分かりやすいです。⇒ こちら

【関連企画】
・入江泰吉写真展~奈良・大和路巡礼の旅 7/20まで 日本橋三越本店1階中央ホール
・仏像写真家・小川晴暘没後50周年記念写真展「祈りのかたち」 日本橋三井タワー 1Fアトリウム

*9月20日まで開催中。
この後、奈良県立美術館に巡回します。11/20~12/19

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kazupon様

こんばんは。
日経新聞の特集に本展を紹介していましたが、
普段お寺にある仏像ばかりでなく国立博物館に寄託
されているためちりじりになっている仏像もあると
知りました。

やはり貴重な機会であると再認識した次第です。
白鳳仏のあの素朴な顔立ちがたまらなく好きです。

No title

お気に入りは法隆寺の夢違さんでしょうか。
東博以外ではあまりお出ましではないでしょうね。
白鳳仏らしくかわいいです。

一村雨さま

こんばんは。
調布の深大寺ですね。
調布とはまた意外な所に、意外な仏がいらっしゃるのですね。
ぜひ、行ってみたいと思います。
さすが、お詳しい!

No title

心洗われた展覧会でした。
釈迦如来座像は室生寺メインの金堂ではなく、隣の弥勒堂に安置されてますので、見逃しがちなんです。
白鳳仏の倚像は、調布の深大寺でいつも見ることができます。まだ未見であれば双眼鏡などご持参のうえ、ぜひお出かけください。
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