スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「誕生!中国文明」 東京国立博物館

中国美術

東京国立博物館で開催中の「誕生!中国文明」に行って来ました。

この展覧会、自身の関心がある分野だったこともありますが、見どころ多数であっという間に約3時間を経過していた。記事を書くにあたって一体どこから手を付ければ・・・と思う広範な内容だったことは間違いない。

「中国文明の誕生と発展のあとをたどる今までにない切り口の中国美術展」と東京国立博物館ニュース(2010年4・5月号)で掲載されていた。更に最新版の同博物館ニュース(2010年6・7月号、7・8月号)と3回にわたり、同展の紹介がされているが、中でも最新号の7・8月号は見開き2ページで≪早周り!誌上ガイドツアー≫と題した特集記事は非常にうまくまとまっていて、分かりやすい。時間がない方は、このニュースを片手に会場を回って、見どころをがっちり、おさえるのも良いと思う。

さて、今までにない切り口というのが一体何をさしているのか判然としないが、展示品を中国河南省出土品にしぼり、そこから中国文明の誕生と発展を「王朝の誕生」「技の誕生」「美の誕生」の3部構成で展観する。詳細は下記。
第1部 王朝の誕生
 1 幻の初期王朝 夏(前2000年頃~前1600年頃)
 2 王朝の確立 商・周(前16~前8世紀)
 3 競い合う国々 春秋・戦国(前8~前3世紀)
 4 大帝国の形成 前漢(前3~後1世紀)
第2部 技の誕生
 1 暮らし
 2 飲食の器
 3 アクセサリー
第3部 美の誕生
 1 神仙の世界
 2 仏の世界
 3 人と動物の造形
 4 書画の源流

なぜ、河南省なのか?解説パネル等をよく読んでおれば分かったのだろうが、見た記憶はあっても中身の記憶がない。河南省が中国最初の王朝説がある夏(か)の中心地があったこと、以後、商、東周、後漢、魏、西晋、北魏、北宋などの王朝があった場所だったと知る。河南一帯は中国文明を語るにふさわしい土地なのだった。

以下、個人的に特に印象深い作品。
第一部 王朝の誕生
・動物紋飾板[どうぶつもんかざりいた] 紀元前17~前16世紀
数千年前に既にこんなデザイン的な意匠が発展していたことを知る。素晴らしい技術であり発想。

・じこう 紀元前11~前10世紀
これも、犬のような顔の付いた蓋のデザインに注目。なお、じこうとは、取っ手と注ぎ口を持つ容器。生活に密着した所に、常に動物がいたことがよく分かる。本展の全ての章にわたって、動物モチーフのデザイン的な道具等が登場する。

・玉璧、玉き、金縷玉衣
中国と言えば「玉」(ぎょく)と言われるほど、ヒスイなどの玉製品に対する思いは強い。玉璧、玉きh、一見すると簡単そうに作られているように思うだろうが、突起を目立たせるため、土台を少しずつ少しずつ削って行くのだ。≪金縷玉衣≫も玉に対する強い信仰の表現なのか、死体を玉製品で覆い隠すことで亡骸の腐敗を防ごうとしていた。耳栓はおろか鼻栓も用意されているではないか。

第二部 技の誕生
・七層楼閣 
後漢時代(2世紀)の出土品だが、これには驚き。ただの楼閣ではない。入口に人物や犬がいて、更に六階の窓辺にも人が・・・。こんな技術がこの時代にあったとは。本展を見ていると、技術は進歩どころかむしろ古代の方が優れていたのでは?と思わせる。

・白磁枕 北宋時代
これ以外にも白磁の始まりとなる唐時代の白磁の優品が第三部に多数出展されている。中でも、鎮墓獣は珍しく必見作品。

・玉梟、玉羊 商時代
商時代というのは、本当に珍妙な動物たちの製品が多い。こちらの梟も本当に梟なのか怪しい。なぜなら梟なのに、羊のような角が2本生えている。

・金製アクセサリー、金製耳飾り 北宋時代
息を飲むような精緻な細工。レース編みより細かい金糸で作られた耳飾りは蝶のモチーフが隠れており、デザイン性も抜群。

第三部 美の誕生
ここから、私の作品リストは☆だらけになっている。お気に入りの作品に☆を付けるのだが、最初の神仙の世界は、ほぼ全てに☆が付いていた。
・神獣 春秋時代
これは今回の展覧会で一番のお気に入り。青銅製の体の表面にトルコ石をはめ込んでいるだけでも凄いのに、更なる驚きはその造形。トラの身体に龍の頭、亀の脚、小さな龍が絡み合った複雑な角を持ち、背中にも龍を咥えた小さな動物が!一体、何をどうしたかったのか?と首をかしげたくなるような神獣、珍獣ぶり。恐るべし春秋時代。

・神獣多枝灯 後漢時代
三層構造の燭台。霊気漂う山々と動物や人物の群像を飾る。

・羽人 後漢時代
神仙世界の存在。背中にある羽は不老不死の仙人のしるしとか。

・博山蓋樽 漢時代
蓋に有翼獣、羽人、龍に鳳凰が描かれる。

石仏の数々と動物をかたどる俑の素朴な形も面白い。
特に動物は西周時代から漢時代を経て、唐時代に至るまで面々と制作されている。人と動物との強いつながりが感じられた。

最後に書画の源流として甲骨文や金印、墓誌銘が紹介されていたが、こちらはまだまだ、他にもあるでしょうと言いたくなるような、物足りなさを感じた。

第三部は時代や内容がバラついていたので、時代の流れを追いづらかった。しかし、これだけの内容を一気に見せようとしたら、やむを得ない気もする。

できることなら、再訪して細かい文様をとくと鑑賞したい。実に面白い内容でした。
ところで、展覧会関連グッズでひよこが沢山あったけれど、展覧会タイトル「誕生」という言葉から生まれたマスコットなのでしょうか?チラシもヒヨコ付き。展示作品にはヒヨコはいなかった。どうせなら、神獣にして欲しかったなぁ。

*9月5日まで開催中。

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

木下史青氏に聞く「誕生!中国文明展」のヒミツ

東京国立博物館、平成館にて開催中の 特別展「誕生!中国文明」に行って来ました。 特別展「誕生!中国文明」公式サイト 隣国とはいえ文化の違いにかなり開きのある中国。数年前に開催された「中国国宝展」の際もそうでしたが、目の前にある文物がはるか紀元前か...

誕生!中国文明 @東京国立博物館

 実は、この展覧会は行かないつもりだった。チラシに載っている展示品は、2000年の「世界四大文明 中国文明展」(短報はこちら)や「中国国宝展」(短報はこちら)などで見たものとほとんど同じのようなものばかりだったし、肝心の新石器時代が完全に脱落しているようだ...

コメントの投稿

非公開コメント

とら様

今回出展されていた清涼寺窯出土の青磁は、東洋陶磁の展覧会に
出ていたものの仲間でしたね。
仰る通り、色はイマイチで寧ろ傍にあった釣窯の青磁の方が
美しい色だったように思います。

No title

汝窯址から出土した青磁が出ていたので、目を皿のようにして見て来ました。
大阪市立東洋陶磁美術館の図録に載っている円形套盒と似た色調で
故宮の天青とはちょっと違うようにのように思いました。

TADDY K. 様

こんばんは。
展覧会自体は左程混んではおりませんでしたが、
私は9時40分頃入館しましたが、入口付近が混雑していたので
第二会場からゆっくり拝見しました。
結果的にはこれが良かったように思います。
おかげで、なぜ河南省なのかは最後まで分かりませんでしたが・・・。

青銅器は紋様も面白いので、じっくり見ていると時間は足りず
集中力の勝負になります。
途中、休憩しながら堪能されてくださいませ。

常設は、本館2階土蜘蛛草紙絵巻や抱一の夏秋草図屏風に1階の古写真
そして平成館1階のエジプト特集が面白かったです。

1日いても飽きませんね。

思案のしどころ・・・

お世話になっております お書きの内容から 3時間かけてご覧になったというのは
さもありなんという気が (ということは 常設との掛け持ちを想定して足し算したら・・・)

お勧めの時間帯というのはおありでしょうか 当方は夕刻の2時間1本勝負などと
たかをくくっておったのですが とても無理そうですね・・・お盆休み中など どうなることか

うーーん でも 今夏は やはりここらかもしれませんな  
暑さいや増す時候です ご自愛ください それでは
カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
ブログ内検索
twitter
最近のエントリ
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。