スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「ボストン美術館展」 京都市立美術館

boston

京都市立美術館で8月29日まで開催中の「ボストン美術館展」に行って来ました。

既に、東京展の森アーツミュージアムで同展拝見していますが、たまたま関西にいてもう1度ボストン所蔵の西洋絵画をじっくり観たくなった。そして、東京での記事を忙しさにかまけて書いてなかったので、遅まきながら感想を。

会期間際の展覧会は混雑必至ですが、閉館45分前だったので、待ち時間もなくすぐに入館。さすがに中は大勢のお客さまで賑わっていましたが、展示空間が結構広いこともあり、左程混雑は気にならない。そして、森アーツにはなかった作品リストが用意されていた。森アーツでも終盤に作品リストが準備されたのでしょうか。
ちなみに、作品リストの順序と展示順は違っていたので要注意。

ここでは、リスト順でなく京都展での展示順で振り返ってみます。展示順は東京会場と異なっていました。
<宗教画の運命>
・エル・グレコ ≪祈る聖ドミニクス≫
いきなり、エル・グレコ登場。東京展でのメモによると晩年にドガが購入したとか。背景の処理が上手い。グレコの基準作と言って良いのではないか。

・ヤコブ・バッサーノ ≪キリストの嘲弄≫
東京展でも京都展でもやっぱり、この絵に吸い寄せられた。

・パオロ・ヴェロネーゼ ≪天使に支えられた死せるキリスト≫
1500年代後半の宗教画自体、それほど日本にない。小品だったけれど、やっぱり画家の名前でしっかと観てしまった。

・ジャン・フランソワ・ミレー ≪刈入れ人たちの休息≫
昔はミレーって良いと思わなかったのに、ここ数年あちこちで観るミレーの作品どれもが好き。今回の作品は、宗教的な主題を扱いながらも、後年のテーマとなる労働者たちの群像を描く。荘厳な雰囲気が良いのだろうか。

他にブーグローのラファエロの母子像を引用した作品や、フランチェスコ・デル・カイロのカルヴァッジョ風のものも良かった。ムリーリョは好きなのだけれど、今回の作品≪苔打ち後のキリスト≫は物足りない感じだった。

<多彩なる肖像画>
この肖像画のコーナーは凄かった。次々と名だたる作家のしかも、見ごたえのある作品が揃っていた。以下。
・レンブラント・ファン・レイン ≪ヨハネス・エリソン師≫
以前、聴いたトークで「レンブラントは偽物作品もとても多いが、本物を観ると戦慄が走る」と聞いた。今回の作品、戦慄は走らなかったものの思わずう~むと足を止めさせるものがあった。実父に面影が似ていたからか。

・エドガー・ドガ ≪エドモンドとテレーズとモルビッリ夫妻≫
ドガと言えば、踊り子やバレエの作品がすぐに浮かぶけれど、この夫妻の肖像画は衝撃的。妻の方の驚いたような表情が忘れられない。彼は瞬間を切り取るのが凄く上手い。オルセーの階段を上がる踊り子の作品も同様だった。

・エドゥアール・マネ ≪ヴィクトリーヌ・ムーラン≫
東京展に行ったのは、マネ展の前だった。今回はマネ展の後で、すっかりマネが好きになっていたので、別物のように観える。極端とも言える陰影表現。平坦なタッチがマネらしい。これをもう1度見られただけでも来て良かった。

・ロートレック ≪画家のアトリエのカルマン・ゴーダン≫
小品だけれど、実によく描き込まれている画中画、そして中央の女性カルマン?、どこか気だるい感じ、この疲れた感じが好き。

・ジョゼフ・フロンタン・レオン・ボナ ≪メアリー・シアーズ≫
今もありありと蘇る茶褐色の背景に、青の濃いドレス、真っ白なブラウス。青白い顔と身体の正面で軽く組まれた両手。凛とした空気が画面に流れて、観る者を惹きつける。女性の真摯な瞳と視線の向うに何があるのか。

<オランダの室内>
ピーレル・デ・ホーホ、エマニュエル・デ・ウィッテなど。全部で4点。もう少し作品が欲しかった。

<風景画の系譜>強調文・ライスダール ≪森林の眺め≫
・ギュスターヴ・クールベ ≪森の小川≫
クールベの森の小川はとても大きな風景画。同じ室内に並んでいた他の風景画と明らかに異なる力強さが漲る。木すべて画面に封じ込めず、はみ出させてより大きさを感じさせる手法。水への映り込みも美しい。

・ナルシス・ヴィルジル・ディアズ・ド・ラ・ペーニャ ≪祭りに向かうジプシーたち≫≪森の中の池≫
ペーニャの作品をかつて自分は観たことがあっただろうか。ジプシーの群像、風景画の中に、ドラマティカルな場面を取り入れる。実際に観た風景なのか。

<印象派の風景画>
時代は移り、1870年代以後の風景画。
・ピサロ
4点出展されていたが、≪エラニー、自宅の窓からの眺め≫が一番良かった。

・シスレー
シスレーは3点、いずれも佳作。中でも≪サン=マメスの曇りの日≫≪サン=マメス、朝≫がお気に入り。
曇りの日の空を粗めのタッチで仕上げているが、雰囲気がよく出ている。

・ゴッホ ≪オーヴェールの家々≫
・セザンヌ ≪池≫
・シニャック ≪サン=カの港≫、ルノワール≪レスタックの険しい岩山≫と並び壮観。

<モネの冒険>
以前、名古屋ボストン美術館での「モネ展」で同館のモネコレクションの素晴らしさに感動した、今回の出展作は恐らくその時にも観ていると思う。
ボストンにあるモネ作品は、睡蓮、積みわら、ルーアン大聖堂とシリーズを占める名品が必ず1点ある。中でも一番のお気に入りは、≪ジヴェルニー近郊のセーヌ川の朝≫。この絵をちょっと引いて観ると、あたりの喧騒も忘れてしまう。

<描かれた日常生活>
・コロ― ≪鎌を持つ草刈り人≫≪花輪を編む娘≫
風景画コーナーとここの両方に作品あり。花輪を編む娘はいくらなんでも脚が長過ぎると思う。

・ミレー ≪馬鈴薯植え≫
ここにもミレーが。そして、やっぱり素敵だ。1861年の作品なので、最初にあった作品よりかなり時代を下っている。

・マネ ≪音楽の授業≫
マネも再び。こちらはかなりの大画面。サロンへの出品作の1点。

・ドガ ≪田舎の競馬場にて≫
第1回印象派展への出品作。後年のドガの作風とはかなり異なるが、競馬場と言いつつ、描かれているのは競馬場でくつろぐ人たち。

他にモネ、ルノワールと印象派を代表する画家の作品あり。このコーナーも見ごたえあり。

<静物と近代絵画>
最後は、マティス、ファン・グリス、ジョルジュ・ブラックらの作品4点で〆。

やっぱり、見ごたえのある内容。テーマ別に時代を追って作品を観て行く展示内容も良かった。
それにしても、京都市美術館は金曜日でもどれだけお客が入っていようと、容赦なく5時に閉館。せめて、1時間は延長して欲しかった。コレクション展も良さそうだったので観たかったのに、時間が足りず断念。

*8月29日まで開催中。

コメントの投稿

非公開コメント

メロンパン様

こんばんは。コメント有難うございます!
天井の低い森アーツより、京都市美術館の古色ゆかしい建物の方が作品に合っていたと思います。

> 森アーツでは、会期末の3日前に行ったとき、
> 5度目にしてようやく印刷された出品リストがありました。(笑)
5度目!5回ご覧になられたのでしょうか。
作品リストは東京展で、もっと早く準備していただきたかったですね。

広島には今年2回も行っていながら、ひろしま美術館には行っておらず。
何とも情けないです。
コレクションの素晴らしさは耳にしておりますが、モネのセーヌ川の朝を拝見できるなら
是非行かねばなりませんね。

No title

こんばんは。
京都でボストン美術館展をご覧になったのですね。
同じ内容でも会場の広さや照明や展示の配置など、環境によって見方も左右されますから、大変うらやましいです。
森アーツでは、会期末の3日前に行ったとき、
5度目にしてようやく印刷された出品リストがありました。(笑)

レンブラントの作品の帰属の問題は、RRP(レンブラント・リサーチ・プロジェクト)の判断も揺らいでいるくらいですから、難しいのですが、
今回の出展の大作は素晴らしい出来ばえだったと思います。
モネの≪ジヴェルニー近郊のセーヌ川の朝≫は、
ひろしま美術館にも同じ構図の作品があります。
まだご覧になっていないようでしたら、ぜひご覧ください。
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
ブログ内検索
twitter
最近のエントリ
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。