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「石上純也展 建築はどこまで小さく、あるいは、どこまで大きくひろがっていくのだろうか?」 資生堂ギャラリー

資生堂ギャラリーで開催中の「石上純也展 建築はどこまで小さく、あるいは、どこまで大きくひろがっていくのだろうか?」に行って来ました。

私が行ったのは、8月28日の夕方頃。
ちょうどその日の深夜、日付をまたぐ頃、今年の第12回ベネチアビエンナーレ国際建築展・企画展示部門で最優秀賞の金獅子賞に選ばれるというビッグニュースが流れたのだった。
今回の展覧会は、模型を使って石上氏の建築に対する考えのうち主要なもの60を伝えるというもの。

今からさかのぼること5ヶ月ほど前、今年の3月21日に資生堂ギャラリーにて
90周年記念対談「建築の可能性」
石上純也(建築家)×山田章一(物理学者)
モデレーター:五十嵐太郎(建築家・建築史家)
を聴講していた。

対談の内容については、元BRUTUS副編集長の鈴木氏のブログ「フクヘン」で紹介されている。以下。
http://fukuhen.lammfromm.jp/?p=4358

再度その対談の内容を振り返ってみる。石上氏が語られた内容を自分のメモを元に適宜表現を簡略し、以下の通り書き連ねてみた。

石上:自分が見たことのない世界を切り開くひとつの道具として建築をやっている。

・2007年の東京都現代美術館での四角い風船
金属の内側にヘリウムで浮かせる。浮くという条件を考えた時に、どういう形が見えてくるかに興味がある。1tもあるのに浮く。光を反射して場を変える。
四角いものを四角い空間に浮かせて、何が見えてくるか、存在感により空間を切り替える。抽象性と新しい自然さを考えて行きながら建築を捉える。

・山田氏との対談で。
石上:想像できてしまうのは面白くない。物理的に新しい空間を創り出すことに興味がある。

山田:同じ現象を違うdisciplineで学習して来た人が見ると違う。

石上:法則が見えないように作ることに関心がある。ヨーロッパの剪定の仕方は人工的で、日本の植栽や剪定は自然に見える。非対称や敢えて自然に見えるようにする方が逆に人工的ではないか。
建築の構造は非常に重要な役割を果たし。構造そのものが空間として成り立つようなもの。
物理は何かの現象を数式に置き換える。どういうところから数式のイメージが湧いてくるのか?
見えないもやもやとしたものを数式にするのか?

山田:自然界の法則はひとつ。与えられた空間で条件を考える。コップは端っこで起こることを端的に表す⇒現象論。
宇宙物理学は、地球上で知られている物理法則が宇宙でも成り立つと仮定し、宇宙で起こる様々な現象を理解するとともに、あわよくば地球上では知られていない物理法則を見つけることを究極の目的としている。
物理法則を極めるとなのが起こるかをやっているのが自分の研究。

五十嵐:条件の限界値を超える。ルールに則って行けば、どこまでも広がって行けると思っている。

石上:物理で言う「空間」の大きい小さいはどこまでか?

山田:物理では大きい方は極限がない。小さい方はプランクスケール(時空の概念がなくなる所)。つまり、0から無限大。

石上:境界線をどこでとらえるのか?

山田:137億プラスマイナス1(?メモが怪しい)。宇宙は光速と寿命の間の距離。100億光年。
星と星の間は満たされていない。暗黒エネルギーが70%でこれは押す方向に働く。暗黒物質30%、光っていなくて見えない。宇宙に隙間はなく、宇宙の外側はない。暗黒エネルギー=真空エネルギー。

石上:宇宙空間に水族館を作ったらどうなる?宇宙の中に水たまりを作るとしたら?どういう条件で作れるか。

石上:今一番興味があるのはschale。flameを考える。
建築のフィールドを超える所はあるが、そこを超えるとどうなるかに興味がある。建築の境界線はどこにあるのか?
式を設定するのと同じレベル。仮説をもとに大きなものを作り上げていく。自分の生活感が変わるような建築のflameも変えていかなければならない。共に変わって行く。拡張した建築とミニマムな建築。

単語の羅列になってしまったが、単語だけでも今回の資生堂ギャラリーにおける展示内容を対談内容に即したものであることが十分にわかる。
私にとって、展示されていた小さな模型は、この「建築の可能性」対談内容を様々なケースをもとに見せてもらったという印象だった。「こういうことだったのか」と対談の中身を思い出しつつ合点が行った。対談を聴いた時には、あまりにスケールの大きな話でピンと来なかったり、頭の遠くで聴いていたような気がするが、こうして模型を観て行くことで、対談時のお話の意図が明確になった。

特に建築の境界線はどこにあるのか?

この問いについての試みは、例えば「地平線を考える」という範囲にまで及び、建築というフィールドの無限性に挑戦する姿勢の現れであった。
至近な所で、振り返ってみると「毎日雨が降っている家」のプランが気になった。そんな家があったらどうなるんだろう?我が身において考えてしまった。確かにしとしと降る雨音は嫌いじゃないけれど、たまにだから良いんじゃないかとか、自分の家の敷地内だけ雨で、一歩外に出たらピーカン天気っていうのも楽しいかなとか。

極端過ぎるんだけれど、可能性を考えるのであれば、極端にならざるを得ないのか。

模型も手描きのデッサンも繊細でとても儚げ。展示台と展示台のスペースが狭いので、要注意。模型ごとのキャプションも小さいので、混雑してくるとなかなか前に進めないと思う。

豊田市美術館でも「石上純也展」が9月18日~12月26日まで開催される。こちらでは、ベネチア国際建築展で出展した作品を縮小したものが再現されるとのこと。どんな内容になるのか楽しみ。

*10月17日まで開催中。

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21世紀のxxx者さま

こんばんは。
四角の風船の展示見たかったです。
大阪のキリンプラザでの展示は拝見したのですが。

山田氏は風船が○でなく四角い所が良いとおっしゃっていました。

No title

こんにちは
私も先日見に行ってきましたが、こちらを拝見して非常に参考になりました。あの風船は東京都現代美術館のためのものだったのですね。

いろいろと建築の可能性を感じることができて面白い展示でした^^
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