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「日本美術のヴィーナス-」 出光美術館

idemitu

出光美術館で9月12日まで開催中の「日本美術のヴィーナス-」に行って来ました。

出光美術館には毎回企画展の度に欠かさず行っているのに、ここ最近忙しさにかまけ、鑑賞記事をさぼっていました。毎回充実した内容の丁寧な展覧会をされていて、いつも楽しませていただいているのに反省しきり。

さて「日本美術のビーナス」展、サブタイトルは「浮世絵と近代美人画」とありますが、浮世絵というからてっきり版画の方かと思いきや、肉筆浮世絵てんこ盛りで版画の浮世絵はなし。さすがは出光美術館!これ程沢山の肉筆浮世絵のコレクションをお持ちとは。
何しろ、菱川師宣から安田雷州まで、江戸時代の絵師による肉筆美人画や風俗画が約30点ですから驚きました。
続く最終章では明治以後の近代日本画による美人画の競演。こちらは出光美術館所蔵作品だけでなく、京近美や東近美から貸し出された作品もあり、所蔵品だけでは物足りない所をしっかり補う所に毎回のことながら関心します。私立美術館は、どうしても自館の所蔵品だけでの展覧会だとマンネリ化してしまいますが、出光、サントリーあたりはこれを見事にクリアしているなと思います。

第一章 清涼の美人
・「普賢菩薩騎象図」 鎌倉時代 
鎌倉期の仏画だが、状態良く普賢菩薩の表情や着色がしっかりと残っている。細くカーブした眉、小さく赤い唇、わずかな微笑み、美貌の普賢。

・「更衣美人図」 喜多川歌麿 重文
歌麿の肉筆。匂い立つような色香。やっぱり、この人の絵は、女性の表情や仕草を描かせたら右にでるものはいないのではないか。これは着物を脱いでいる途中だろうか。左手を胸の前から右肩にかけて伸ばす、敢えて右手でなく左手を使わせている所が心憎いのだ。こういうクロス技が女っぽく見えることを知りつくしているように思う。

・「柳下納涼美人図」 勝川春章
・「蚊帳美人図」 鳥文斎栄之
これらは特にお気に入り。納涼美人図などに観る美人の着物が夏らしく薄物で、季節感にあふれている。こういう美人図を観ていると、つくづく日本の季節というのを感じさせられる。最近の酷暑続きを思うに、日本の季節感、いや地球自体がどこか狂い出しているようで怖い。

第二章 古雅の幻影
・「石橋図」 礒田湖龍斎
ししがしらと牡丹を手に舞う女。

・「娘と童子図」 喜多川歌麿
ここでまた歌麿さまの肉筆画が登場。娘の着物の緑のグラデーションがあまりにも美しい。それだけではない。この作品は醍醐寺の「訶梨帝母像」に着想を得ているのではないかと解説にありましたが、言われてみれば、なるほどと納得できる点が多々あり。歌麿作品と仏画の関連性は非常に興味深いテーマ。

・「月下歩行美人図」葛飾北斎
北斎は何を描かせても上手い。この肉筆画は月を大きく背にして、下に行くほどボリュームを出した美人を描く。構図が絶妙。

ここでは、以前、たばこと塩の博物館で開催された「近世初期風俗画 躍動と快楽」で観て好きになった「桜下断弦図屏風」も出ていて嬉しい。

第三章 美人たちの遊宴
・「遊楽人物図貼付屏風」 菱川師宣 六曲一双
菱川師宣の初期風俗図も良いですね。あのちまちまっとした所とそれでいて細部もしっかり描けていて。

・「傾城舟遊図」蹄斎北馬 
・「五節句図」 蹄斎北馬
北斎の弟子の中ではこの蹄斎北馬と魚屋北渓、娘の応為が好き。

「江戸風俗図巻」は菱川師宣の工房作とあったが、やはり、こちらとしては工房作なのか師宣単独の仕事なのか見て取ることはできず。同じ手によるものとしか見えないのだった。

第四章 伝統美と革新のあいだ

上村松園の美人画が3点並ぶ。「艶容」「静かなる夜」「青葉」。いずれも個人蔵なのか作品リストに所蔵先の記載がない。いずれも、他で観たことはなく初見。明日から東京国立近代美術館で「上村松園」展が開催されるが、これらの作品の出展は恐らくないのだろう。

北野恒富 「いとさん こいさん」京都市美術館、「戯れ」東京国立近代美術館
北野恒富の作品はなかなか拝見する機会がない。
「いとさん こいさん」は北野の第1回帝国美術院展作品として著名。しかし、個人的には「戯れ」の清々しい楓の緑葉と深い緑の鹿の子絞り着物、そして半襟の赤色との対比が見事。すっかりやられてしまった。絵の前でぼ~っと立ち尽くすこと数分。印刷では味わえない絵具の美しさ、実作品に会えてこその感動。

この後は鏑木清方「隅田川舟遊」東京国立近代美術館、小杉放菴の出光所蔵作品が並ぶ。

美人は涼を呼ぶのか。観終わった後、幾分暑さが和らいだ気がしたのは私だけではないだろう。

*9月12日(日)まで開催中。

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出光美術館で「日本美術のヴィーナス」展を観た!

出光美術館で「日本美術のヴィーナス―浮世絵と近代美人画」展を観てきました。例のごとく、金曜日の夜6時からの「列品解説」、つまりギャラリートークですが、それに間に合うように時間を合わせて行ってきました。僕が行ったのは8月6日の夜でしたから、2週間も前のことで

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