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「三菱が夢見た美術館 岩崎家と三菱ゆかりのコレクション」 三菱一号館美術館

mitsubishi

三菱一号館美術館で開催中の「三菱が夢見た美術館 岩崎家と三菱ゆかりのコレクション」展に行って来ました。

好評を博したマネ展に続いて、開館記念展第二弾です。
今回は110余年前に構想された「丸の内美術館」に思いを馳せつつ。三菱創始者の岩崎家や三菱ゆかりの諸施設が所蔵する名品を集め展観するもの。

構想段階で終わってしまった美術館の話って、国立西洋美術館の「フランク・ブラングィン」展の松方幸次郎正義と「共楽美術館」を思い出す。
「丸の内美術館」は、三菱二代目社長の岩崎彌之助(1851-1908)が、お雇い外国人の英国人建築家・ジョサイア・コンドルに設計を任せる。

冒頭にあるのは「丸の内美術館」計画のコンドルがひいた設計図面、1~2階の平面図と第一、二、三号館断面図など。明治20年代(1890年前後)に三菱は、政府により払い下げられた丸の内一帯を堅牢な事務所街にすると共に文化的な街にせんと美術館設立を企図した。前述の「共楽美術館」構想は大正5年(1916年)頃に始まっていることを考えると、それより約25年前に既に日本に美術館計画が持ち上がっていたことになる。

コンドルの図面(平面図)を観ると、展示室のほか、レクチャールーム、図書室、学芸員室、といった今日の美術館としての機能を十分に備えた計画となっていることに驚く。
これが、実現していたらさぞかし・・・と思うのだが、計画は実現せずに終わる。なぜ、実現しなかったのか展覧会では触れていなかったように記憶している。美術館の展覧会サイトを見ても理由についての記載がない。結局、実利に走ったということなのだろうか。
「共楽美術館」が幻に終わったのは、世界的な金融恐慌が引き金になっており、当時の社会情勢、経済情勢の影響をモロに受けたと結果なのだが、序章「丸の内美術館計画」では、そのあたりの事情がよく分からなかった。立派な図録に記載されていたのかもしれないが、購入せず館内でちらちらと目を通した時には見つからなかった。

第一章からの展覧会構成は次の通り。

第一章 三菱のコレクション:日本近代美術
第二章 岩崎家と文化:静嘉堂
第三章 岩崎家と文化:東洋文庫
第四章 人の中へ街の中へ:日本郵船と麒麟麦酒のデザイン
第五章 三菱のコレクション:西洋近代美術
終章  世紀を超えて:三菱が夢見た美術館

第一章
ここでは日本の近代洋画を中心とした三菱グループ企業および岩崎家ゆかりの個人所蔵作品が展示されている。展示替え作品が多いので、お目当ての作品がある方は要注意。

・山本芳翠 十二支シリーズ「牽牛星」(丑)、「殿中幼君の春駒」(午)、「祇王」(戌)の3点
十二支であるから、本来十二枚組であるが現存するのは「辰」と「卯」以外の10点で三菱重工業株式会社が所蔵している。その中から3点が出展。どうせなら全部出してくれれば良いのにと思った。
なかなか世の中に出てこない作品らしいので、レア度は高い。
二代目彌之助が三代目の誕生を喜んで山本芳翠に発注し、シリーズ化されたらしい。

・坂本繁二郎 「二仔馬」個人蔵
今回の企画展開催にあたり、新出された作品。同じく坂本作品で出展されている「うすれ日」と共に、1941年に画廊で発表された作品だと考えられている。
坂本のこの二点はとても良かった。

・岸田劉生 「童女像」(麗子花持てる」個人蔵 *チラシ掲載作品
これは過去に拝見したことがあると思う。麗子像は実に沢山描かれているが、この麗子はとても愛らしい。

第二章
静嘉堂には、ここ2年ほど通いつめたので何点かの作品は観たことがあった。未見作で印象深かった作品は次の通り。
・「龍虎図屏風」 橋本雅邦 明治28年
今回の私的ベスト1。ただでさえ、雅邦は好きなのにこの「龍虎図屏風」は中でも最高傑作ではないだろうか。そもそも雅邦の屏風絵というのを初めて見た。「皇室の名宝展」や東京藝術大学のコレクション展で巨大な掛幅作品は拝見したが、ド迫力の龍虎図屏風。虎の表情、口を半開きにした龍、そして特筆すべきは波の描き方。ダイナミックかつ明治時代という時代を象徴するように劇画調の作品であった。波の描写にも注目。

・「羅生門」奈良絵本
・「付喪茄子茶入」
いずれも10月3日までの展示。
全機関を通じて展示されている「周礼」の南宋の古典籍が素晴らしかった。

既に何度か拝見している作品では有名な国宝「曜変天目」や仁清の壺など出展あり。*展示期間要注意。

第三章
東洋文庫自体の存在を本展で初めて知った。元々静嘉堂も「静嘉堂文庫」として美術館とは別棟に文庫(書庫)が併設されているのに、更に東洋文庫もあったとは。もちろん、第三章での展示作品はほぼ全展初見。古典籍マニアにはたまらないコレクションであるが、古典籍に関心のない方だと、ここは早足で通り過ぎることになるかもしれない。

・「毛詩」
見かえしの黄色の小花や唐時代に書写されたとは思えない状態の良い書物、そして唐風の筆跡と見どころが多い。
・「論語集解」 
こちらも、美しい楷書に惚れ惚れした。

この他、赫本や東方見聞録、義経記、徒然草、コーラン、古地図など貴重な書物や文献が展示されている。同類のものを大阪の美術館他で拝見したことがあるので感慨は薄い。

第四章も日本郵船歴史博物館に行った際に観たものと同じでこちらも感動があまりない。キリンビールのポスターで「多田北島」がデザインしたものが多く、多田北島という人物とその仕事は気になった。

第五章 西洋近代美術
・ジャン=フランソワ・ミレー 「ミルク缶に水を注ぐ農婦」 個人蔵
この作品が個人蔵というから嫌になる。「格差社会」という四文字が頭に浮かんだ。

・カミーユ・ピサロ 「窓から見たエラニーの通り、ナナカマドの木」 個人蔵

*上記2点は9月26日までのみの展示。

・エドガー・ドガ 「ラファエルロの模写」 個人蔵
絵としてより、最初期作品として貴重。

・梅原龍三郎 「パリスの審判」 個人蔵
・ピエール・ボナール 「双心詩集」 三菱一号館美術館
・エドモン=フランソワ・アマン=ジャン 「婦人・秋」 個人蔵
・アルベール・マルケ 「トリエル・晴れた日」 個人蔵

全体としては物足りなかった。むしろ三菱グループの広告的側面を強く感じた。

*11月3日まで開催中。

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