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「ポーランドの至宝 レンブラントと珠玉の王室コレクション」 東京富士美術館

poland

東京富士美術館で開催中の「ポーランドの至宝 レンブラントと珠玉の王室コレクション」展に行って来ました。
展覧会についての詳細はこちら

日曜日の午後4時頃に美術館に到着しましたが、あまりの混雑ぶりにビックリ。
こんなに人気があるとは。。。。大変失礼ながら思っていませんでしたが、1周してみて、なるほど人気があるのも納得。
目玉は、展覧会のサブタイトルにもある通り、日本初公開となるレンブラントの2作品≪額縁の中の少女≫と≪机の前の学者≫でしょう。前者は「レンブラントのモナリザ」と呼ばれる名画です。

いや、いずれ劣らぬ名画だと思いましたが、個人的には≪机の前の学者≫1641年が実に良かった。学者の顔の瞳がまるで生きているかのようで怖ささえ感じました。更に学者が広げている本のページが1枚1枚立体感ある描写で、画面から飛び出しているように見えます。唯一気になる点は学者の左手で、握った手の指がやや不自然に太い気がしました。帽子の影、毛皮のマント、髭に至るまで細部にわたり綿密な表現がされている。学者のやや俯いた表情の前にしばし立ちすくみました。

≪額縁の中の少女≫1641年は、額縁に両手を置いていますが、その手が額縁から飛び出していることに注目。だまし絵風の表現は、≪机の前の学者≫で見られたように本のページが画面から飛び出している感覚を受けるのと同じ効果を出している。隣にいた観客の方が「どの位置にたっても、少女と眼が合うよね。」と子供に話しかけているのを聞いて、あちこち移動して作品を観てみると、確かにどこにいても絵の中の少女と眼が合う。モナリザ程、微笑んでいるように見えないが、小さな赤い唇、瞳、こちらは人間というより、人形っぽく見えた。
彼女が来ているドレスがやや粗い描写になっているのと顔の表現の甘さも気になる。

本展は、ポーランドのワルシャワ王宮と歴代国王の居城であった王宮ヴァヴェル城の全面協力のもと、これらの王宮に伝わる絵画、工芸、彫刻などをはじめワルシャワとクラクフ(旧都)の2つの国立美術館のコレクションより19世紀のポーランド絵画を展観するものです。あわせて、ポーランドの偉人であるコペルニクス、ショパン、キュリー夫人に関する資料も展示し、全作品約140点で構成されています。

さて、展覧会の構成と各章の感想は次の通り。
なお会場内に、作品リストの準備はされていませんが、監視の方にメモ用の白い紙をお願いしたら、リストがいただけました。1~2部程しか用意していないようだったので、必ずいただけるのかは不明です。

ポーランドと言えば、国家分断、ポーランド移民など歴史的に厳しい状況に常にさらされていた国という印象がある。本展では、未知の国、ポーランドの文化の一端を垣間見る機会を得ることができた。

第1章 珠玉のポーランド王室コレクション
前述のレンブラント2作品は第1章に展示されている。他に印象に残った作品は次の通りだが、見ごたえある作品が揃っていたと思う。少なくとも、1500年代、1600年代の西洋絵画を日本で観られる機会はそれ程ないことは確か。
・≪ユピテル、メルクリウスとウィルトゥス≫ ドッソ・ドッシ 1524年頃 ・≪絵画のアレゴリ
ー≫ 通称グエルチーノ周辺画家 17世紀後半
・≪王太子ヴワディスワフ・ジグムント・ヴァーザの美術蒐集室≫ アントワープ派 1626年
この作品は、ワルシャワ王のコレクションが散逸する前の状態を描いた貴重な作品。それ程、大きくない画面に重なるようにして絵画が沢山描かれている。きっとここに描かれているのはコレクションのごく一部なのだろう。

・≪ヴァイオリン、画材、自画像のだまし絵≫ コルネリス・ノベルティス・ヘイスブレヒツ 1675年
・≪窓辺で洗濯する女≫ ガブリエル・メツー 17世紀後半
・≪ヴィオラ・ダ・ガンバを持つ若者≫ ヤン・フェルコリエ
・≪リール周辺の眺め≫ ヘンドリック・フランス・デ・コルト
・≪サビニ女たちの略奪≫ ウジェーヌ・ドラクロワ
他にラ・ペーニャやテオドール・ルソーの風景画もあり。ルソーの「風景」は、レンブラントの「三本の木」に着想を得た作品。私がレンブラントを好きになったのも「三本の木」の版画作品に出会ったのがきっかけだったと思い出した。

この中では、個人的に好きなメツーもお目当てだった。相変わらず小さな画面のメツーらしい風俗画。ドラクロワの≪サビニ女たちの略奪≫は習作だけれど、躍動的で線を色で表現するドラクロワの新しい表現方法がよく分かった。
後半はヴァヴェル城、ワルシャワ王宮に伝わる燭台、コーヒーセット、勲章などなど調度品や憲法まで出展されているが、注目はヴァヴェル城を飾る1550年から1560年制作のタペストリーの数々。ポーランドの紋章や国王のモノグラムなど王家の覇権を示すために制作されたのだろう。

第2章 19世紀ポーランド絵画
この章に出ている画家は一人も知らなかった。19世紀ポーランド絵画を観たこと自体初めて。前半は肖像画が続き、後半は風景や家族を題材とする作品が並んでいる。

・≪エミリア・ヴオォトコフスカの肖像≫ ユゼフ・シムラー
第2章では、マイベスト。貴族のような身なりをしている娘が描かれているが、実は裕福な商家の女性。当時、商人の中にも貴族のような暮らしぶりをしているものがあったことが分かる。それにしても、ドレスの豪華さ、室内の壁や装飾、真っ赤なカーペットとゴージャス。

・≪ユゼフ・ヤブウォノフスカの肖像≫ アロイジ・レイハン
・≪マクシミリアン・ロダコフスキの肖像≫ ヘンリク・ロダコフスキ
・≪自画像≫ ヤン・マティコ
・≪バニェンスキエ・スカウィ(処女の岩)≫ ヘンリク・グラビンスキ
・≪泉のほとり≫ ヘンリク・シュミラツキ
・≪ローマの田園風景≫ ヘンリク・シュミラツキ
ヘンリク・シュミラツキは古代史に興味があり、古代のモチーフを取り入れたり、人間を神話化した作品を制作。≪泉のほとり≫に描かれている女性の頭の上にある黒い壺に要注目。黒い壺に描かれた紋様を見ると、ローマ時代かそれ以前の壺を彷彿とさせる。

・≪3頭立てのトロイカ≫ ユゼフ・ヘウモンスキ
・≪雪≫ ユリアン・ファワト
・≪オーデルフェルト夫人と娘≫ ユゼフ・パンキェヴィチ
≪オーデルフェルト夫人と娘≫は、1900年のパリ万博で銀賞を受賞した作品。娘の愛らしさと手に持ったオレンジが目を引く。

第3章 ポーランドが生んだ偉人たち
・コペルニクスが観測に使用した天球儀
・ショパンとジョルジュ・サンドの直筆原稿
そして一番展示数が多かったのはキュリー夫人関連資料。当時の写真なども併せて展示されている。

この展覧会については、ブログ「Art&Bell by Tora」様が素晴らしい記事をアップされていますのでご紹介します。⇒ http://cardiac.exblog.jp/13896839/

また、展覧会のチラシをチケット売場で提示すると大人の場合、入館料1200円⇒1000円になります。
*展覧会ホームページにPDFでチラシ画像あり。

東京富士美術館まで足を運んだら、常設展も必ず観て欲しい。
こちらも、監視の方にお願いすれば作品リストをいただけます。
何度観ても好きなミレーの≪男の肖像≫≪鵞鳥番の娘≫をはじめ、ブーシェやフラゴナール≪豊饒な恵み≫、ゴルディジャーニ≪シルクのソファ≫、ブーグロー≪漁師の娘≫、フランス・ハルスにブリューゲル父子、クラーナハ(父)、モネ、ピサロ、シスレーらの印象派作品、ボナール≪若い女≫、ヴュイヤール≪夫人と子供≫、マグリット≪再開≫などなど時代を網羅した西洋絵画を鑑賞できる。
ちょうど「マン・レイ展」を観たばかりだったので、マン・レイの油彩が2点出ていたのが良かった。

*9月26日まで開催中。会期が短めなのでお見逃しなく!
なお、この展覧会は以下の通り巡回します。
サントリーミュージアム[天保山] 10月6日(水)~10月31日(日)
北九州市立美術館・分館     11月10日(水)~12月5日(日)
広島県立美術館     12月15日(水)~2011年1月12日(水)

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とら様

恐縮なんて、とんでもない!
とら様の足元にも及ばず、お恥ずかしい限り。

それにしても、貴重な作品の数々を堪能しました。
予想以上のボリュームでした。

Re: タイトルなし

こんばんは。
青春18きっぷの最後一回分を使いました。
八王子を遠いとはあまり思いませんが、バスが厄介ですね。
ただ、バスも本数が増えているようだったし、バス停からは
近いのが救いです。
cafeもレストランも大入りでした。

No title

レンブラントの2枚はまさに絶品。

八王子まで出かけた甲斐がありました。
会期が短いし、混んでいるのも無理はないのでしょう。

それぞれの画にポーランドの歴史が反映されていました。
拙記事を紹介していただき恐縮しています。

おお、富士美術館まで行かれてしまいましたか!
さすがはmemeさん!
僕は母のホームが立川にあるので何てことないですが、なにしろ創○学会ですからね。
今回の図録にも池田大作寄稿。
けど前と比べるとバスはトンネル通って速くなりましたし、改築で新館ができて広くなりましたね。
けどここは特別展がないとガラガラなんですよ。
毎日新聞の招待券でこの展覧会の前も行ったのですが、人はいない、カフェもショップもしまっている、せっかくの展示品がもったいなく感じましたね。
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