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「手探りのドローイング」 東京国立近代美術館(ギャラリー4)

東京国立近代美術館2階にあるギャラリー4で開催中の小企画展「手探りのドローイング」がとても良かった。
会期は1階企画展示室で開催中の「上村松園展」と同じく10月17日まで。
詳細はこちら

ギャラリー4では、毎回楽しみな小企画展が行われ、前回の「いみありげなしみ」展もその前の「水浴考」と好企画を連発している。そして、毎回楽しみにしているのは、この小企画展のために作成される小冊子。
今回も驚くようなデザインと大胆な紙のカッティングで一目でカッコイイ!と気に入った。これは保存決定。

他の階に置かれていたリーフレットも紙の特性を活かし、エンボス加工というのかな、ドローイングの線の部分だけちょっと浮き上がっていて、触るとデコボコして触覚が刺激される。

「触覚」この小企画において「触覚」はひとつのテーマになっている。
本展は「触覚」「光」「ドローイング(性)」をテーマに、3人の作品を紹介している。そして今回は、展示空間の照明を1分ごとに変化させ、明るい所から薄闇へと展示空間の照明を変化させることで、「触覚」「手探り」の感覚を味わってもらおうという試みを行っている。

・アブラハム・ダヴィット・クリスティアン(1952~)ドイツ
彼の作品はドローイングというより、私にとって彫刻のように感じられた。展示作品「Hayama」は、葉山のアトリエで植物に紙が破れるのも構わず、強い筆圧をかけて植物の姿を型どりしている。
明るい所では微妙な陰影もはっきり分かったが、薄闇になると薄い線が見えなくなって、濃い線だけが浮かび上がっているように見えた。平面なのに立体的に見える。普段彫刻を制作しているとのことだが、ドローイングさえも彫刻化しているのが興味深い。

・吉田克朗(1949~1999)
こちらも何か大きな塊がもぞもぞと動きそうな作品。沸き上がるイメージを黒鉛の粉を指に付け、紙面に落とす。
展示作品「触」のシリーズは、このドローイングをリトグラフにしたもの。
指で積み上げられた黒鉛の粉は線というより、面になって紙面を覆い、伸長していく。まるで命を持ったもののように。時に男女が抱き合っているようにも見え、そうかと思えば立ち上がる炎のようにも見える。モコモコとした感覚。

・小林正人(1957~)
「artist」は火の付いた蝋燭が何本も黒い紙面に白のチョークで描かれる。「artist」は2点あるが、ちょうど一番奥にあった作品の前に椅子が一脚置かれている。暫くの間、そこに座って蝋燭を眺めていたら、徐々に照明が暗くなっていくのが分かった。この椅子に座るまで、照明の変化に気付かなかったのだ。一番暗くなった状態で蝋燭を眺めると、蝋燭の灯が浮かび上がって来て、こちら画面から飛び出して来るような感覚があった。

照明の変化に気付いて、もう1度会場をゆっくりと照明の変化を感じながら作品を観て上記のような感想を持った。
作品に触ることはできないが、目で感じる触覚、私にとってそれは立体感のようなものだったけれど、単純な平面における線とは違った感覚を得られたことは間違いない。

所蔵作品をこんな視点で見せて下さった企画者の保坂健二朗氏(東京国立近代美術館・研究員)に感謝したい。
なお、折り畳み式リスト兼解説蒹図版デザインは、森大志郎氏によるもの。

*10月17日まで開催中。上村松園展と合わせてお楽しみください。

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