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映画 『ANPO』 ジャック&ベティ(全国順次公開)

映画『ANPO』チラシ YOUTUBE

このブログで映画のことを取り上げることはかつてなかったと思う。

映画館で映画を鑑賞することが上京してから、皆無になってしまった。TVやDVDを通してさえ、同じく鑑賞回数が激減した。しかし、昨日から公開開始の映画『ANPO』は、映画館ですぐにでも観たいと思った映画。

何にそんなに惹かれたのか、まず1960年安保がテーマになっていること、もうひとつは、アメリカ人監督が日本のアーティストの表現活動やインタビューを通して『安保』をどう見せるかに興味があった。

映画チラシの表面掲載の強烈な緑色の顔と何も見ていないような目、この先にあるものは何か、チラシにも誘われた。
出演しているアーティストがまた凄い。
絵画、写真、映像、舞台、音楽、様々な分野で安保や日米関係をテーマにした作品制作をしている面々が揃った。出演作家の選定は、監督のリサーチによるものか。

作品映像と実写、そしてアーティストのインタビューを上手く編集して作りあげられた映画だった。
今日は横浜・黄金町のジャック&ベティの19時15分の回上映後、リンダ・ホーグランド監督と出演者のお一人である石内都さんのトークショーを目当てに黄金町で鑑賞した。

トークショーはてっきり通訳がいるかと思いきや、突然監督がバリバリの日本語で話し始めたので、びっくり。
何でも中学2年までは日本の普通中学、その後インターナショナルスクールに転校し、17歳で離日しイエール大学に入学。映像翻訳家として活躍されている中、2007年には映画『TOKKO-特攻-』では、プロデューサーを務め、旧特攻隊員の真相を追求した。

監督については映画「ANPO」公式サイトにインタビューが掲載されているのでご覧ください。以下。
http://www.uplink.co.jp/anpo/director.php

ご本人のWEBサイトもありますが、現在は英語ヴァージョンのみアップされています。
http://www.lhoaglund.com/

映画「ANPO」を作るきっかけになったのが日本映画であり、濱谷浩『怒りと悲しみの記録』という写真集と2007年に開催された東京都現代美術館の「中村宏・図画事件 1953-2007」であったとは恐れ入る。
中村宏の同展は私も観ているが、この時、安保について強い感慨を抱いた記憶はない。つい戦時t9月5日まで開催された練馬区立美術館で開催された『タブロオ・マシン[図画機械]中村宏の絵画と模型』展は行かなかった。
濱谷浩は、『裏日本』1957年という写真集をごく最近実見して強く記憶に残った写真家。

安保についてまったく知らない訳ではない。
しかし、この映画を観て実にいろいろなことを考えさせられた。特にこうだ!というメッセージ性がなく、鑑賞者の自由に任せる姿勢がホーグランド監督の姿勢。監督がこの映画で訴えたかったのは、日本にも「抵抗」の歴史があり、その「抵抗」を世階級のアートとして表現し続けているアーティストたちの存在を世界に、そして若い世代にもっと知ってもらうこと。

映画には、様々な作品が登場するが、美術館で観るのとはまた違った印象があった。目の前に実写で提供される安保運動や米軍基地、戦後の焼け跡、それと作品との対比。
こと、作品に関して言えば、山下菊二、石井茂雄、池田龍雄、中村宏らの作品は本当に強烈だった。
作品を舐めるようなカメラワークと自作を前に語るアーティストもしくは故人の親族のインタビューがないまぜになって脳内炸裂した感じ。
石内都さんの映画で果たされた役割は大きく、横尾忠則さんも予想以上に出番が多かった。

幸いにも池田龍雄さんの展覧会は10月9日より川崎市岡本太郎記念美術館にて「池田龍雄 アヴァンギャルドの軌跡」展が間もなく開催される。これは行ってみようと思った。

しかし、このテーマで映画ができて、展覧会ができないということはないだろうに。
現在、国内で常時戦争画を鑑賞できるのは、私が知る限り東近美の常設展だけ。
「安保」で映画ができるなら、展覧会も可能なはず。これをぜひ、本土の美術館で開催して欲しい。

戦前、戦中、戦後を通して、日本に民主主義政治はあるのか?ということをずっと映画を観ながら考えていた。
あれだけの強い反対運動が起きながら、日米安全保障条約が更新されたのはなぜなのか。なぜ止められなかったのか。一人の政治家を原因ではなく、国会が、国民が選出した筈の議員も賛成したから更新された。
ここに、更なる政治的な無気力を来す要因が始まったようにも思う。

結局誰を選んでも変わらない。個人という枠組みを超えた何か、それが組織なのか国家なのか。
マイナスのベクトルには一直線に進んで行くが、プラスのベクトルには遅々として進まない。そんな現状に厭いてしまうのは自分ばかりではない筈。

この映画が、少しでもプラスのベクトルに、日本だけでなく世界中が向く一つのきっかけになれば嬉しい。

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ANPO

僕は戦争が嫌だ、あんな馬鹿なことを絶対にしたくない。 ―あの熱かった時代の日本をアーティストたちはどう表現したのか― 60年安保闘争の時代を、日本の美術作品やアーティストへのインタビューで構成した映画「ANPO」を横浜の「シネマ・ジャック&ベティ」で観た。監

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