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「ネイチャー・センス展」 森美術館

nature sense

森美術館で開催中の「ネイチャー・センス展」に行って来ました。

吉岡徳仁、篠田太郎、栗林隆による日本の自然知覚力を考えるインスタレーションの展覧会です。
要は、展示空間で彼ら3名の作品を通して、各位が自然について思いをはせ、何かを考えたり感じたりしてもらいたいという企画意図。

愛読させていただいているブログ「中年とオブジェ」において筆者のテツ様は『アートこそはこの世界の成り立ちを抽出して写し出す「模型」を造る営為であると思う。』と書いておられた。

すべてのアートが「模型」を創る営為とは言い切れないと思うが、本展をこの視点で眺めて行くと腑に落ちるものがあった。

作品は、吉岡⇒篠田⇒栗林と作家単位での展示順になっている。

冒頭の吉岡徳仁の「Snow」に誰もが息を飲むだろう。
作品画像は、吉岡徳仁さんの公式サイトでご覧いただけます。(↓)
http://www.tokujin.com/project/mori/

森美術館の高い天井と広い空間をフルに使用した幅15メートル巨大透明ケースの中に真っ白な雪、いや羽毛がひらひらと舞い落ちる。一定間隔でファンで風を起こして、約300kgという羽毛の山を攪拌することで、雪に見立てた羽毛を降らせるのだ。
ややファンの音が大きいのは気になる。雪はもっとシンシンと静かな中で降り積もり、吹雪くから怖いが、あれを風の音だと思えば良いのか、実際機械の音だけれど。
入口から見た時、鑑賞者が立つ場所は暗くなっていて、暗い場所から明るい羽毛雪の箱を眺める。これがポイント。そして、脇を通って、反対側に出た時、今度は鑑賞者のいる側が明るいので、光の箱の見え方が暗い場所から眺めるのとまるで違うことに気付くだろう。
暗い場所から眺めていると、羽毛の正体に気付かず、本当に雪が降っているかのような錯覚を得られるが、明るい場所に出ると、それが羽毛だと分かるが、今度はタンポポの綿帽子のようで、雪ではなくタンポポに早変わり。照明の違いで2通りの見方を楽しむことを可能にした点は素晴らしい。

次の展示室では≪Light≫2010年、≪Waterblock≫2002年、≪Waterfall≫2005-2006年。後者の2点は限りなくクリアなガラスと光を使いつつ『水』を意識させる作品。
作品だけでなくその配置、照明、光の使い方に注目したい。

篠田太郎は≪残響≫2009年を含む新作3点を出品。
≪残響≫は天井から床までの巨大3面スクリーンを三角形に配。三角の3面スクリーン手法が効果的だったが、更に良かったのは、この巨大スクリーンで映し出される映像は3面とも異なっているが、どこかで共通している点。
(1)バクと地下駐車場
(2)奥多摩のダムと貯水池
(3)川を下る風景
いつの間にか忘れていた何かが映像を観ていると思いだされる。ぼ~っといつまでも眺めていたい作品。
3つの風景は人工的な造形を含んでいるが、いつの間にかそれらも自然に溶け込んでいる。自然に人工物が凌駕されるというより、いつの間にか調和しているという過程が見えて興味深い。

≪銀河≫もまた、繊細かつセンシティブな作品。
乳白色の液体が入った円形プールの上から、50個のチューブによって一定間隔で水滴が落ちる。水滴の波紋を愛でる作品。チューブは星座のように配置され、波紋を銀河に見立てた。

≪忘却の模型≫は、2006年に釜山ビエンナーレで発表された作品だが、本展のためにスケールアップして再登場。方形の地に円形の天、赤い液体はアーティストの血液を象徴しているらしいが、これが一番分かりづらい作品だった。

栗林隆のインスタレーションにも驚く。
これまで見た彼の作品の中でもとりわけ大きく、かつ手がかかっている。
≪ヴァルト・アウス・ヴァルト≫(林による林)2010年
虫の視点から見た森を疑似体験する。森を形作っている素材は、和紙と東北地方のカラマツを伐採して型どりした。
≪インゼルン≫(島々)2010年は、水中と陸の境界を意識させる作品。
島々の上から、先に通り抜けた林を眺めると、霧に煙っていることがよくわかる。手前の作品では人工的な霧を発生させているが、その場所にいると、霧の中に自分がいることを認識できない。しかし、一旦外に出て、外からもといた場所を眺めると、その様子が認識できる。

展示最後に特設の「ネイチャー・ブックラウンジ」が設置されているのも良かった。自然の情景、四季、日本庭園などに関する約500冊の書籍、写真集を自由に手にとって眺めることができる。この空間は、俳優の伊勢谷友介氏主宰のクリエイティブ集団「REBIRTH PROJECT」によるもの。
空間自体も楽しめる。

自然を様々な手法と表現で疑似的に見せる、アーティスト各人各様の表現や捉え方、視点の差異が刺激的で考えさせられた。自然そのものでは得られない、人の手による作品そのものを楽しめる。

*11月7日まで開催中。何度も再訪したくなる展覧会です。

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森美術館「ネイチャーセンス展」を観てきました。

森美術館にて 「ネイチャーセンス展」を観てきました。 ちなみにこちらも写真撮影OKです。 吉岡徳仁さんはデザインサイトのでの展...

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せいな様

こんばんは。

仰る通り、特設のブックラウンジがとても良かった。
できれば、毎回内容を変えて継続して欲しい程ですね。

写真集や本を手にとって眺めていると、ついつい時が
経つのを忘れます。

No title

展示も面白かったんですが
特設の「ネイチャー・ブックラウンジ」、とても面白かったです。
私たちここだけで1時間いたかもしれないです。。

次回はおやこでアートなので他のお子さんがどんな風に感じるか
いろいろ観察してこようと思います。
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