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「アニメーションズ・フェスティバル2010」 吉祥寺バウスシアター

animations

9月18日から10月1日まで開催されている「アニメーションズ・フェスティバル2010」のAプログラムを観て来ました。
プログラムなど関連情報は下記公式サイトをご覧ください。
http://www.animations-cc.net/festival10.html

そもそも「アニメーションズ・フェスティバル」とは何ぞや?という方も多いことでしょう。

アニメーション作家山村浩二を中心に2006年に結成された「Animations Creators and Critics」がお届けする、
短編を中心とした新たなアニメーション映画祭です。


かくいう私もパンフレットをたまたま見つけなかったら、その存在体を知らなかったに違いありません。
パンフレットをどこで入手したのか記憶がないのですが、観音開きでイラストがカッコ良かったので目を引きました。更に、日本のアニメーション世界では超有名な山村浩二氏のことをほとんど知らなかった。
今夏、東京国立近代美術館フィルムセンターで開催された「アニメーションの先駆者 大藤信郎」展で、大藤の未完成作「竹取物語」のセル画を使用した動画化の監修者が山村浩二氏であったのだ。
(参考)過去ログ:「アニメーションの先駆者 大藤信郎」展

私はこの動画化した「竹取物語」を観ているので、山村氏作品の一端に触れたのは、大藤信郎を通じてとなった。
上記過去ログにも記したように、今年はアニメーションに接する機会が例年になく多い。そして、一旦面白いなと思うと、次々と観たくなるのが信条。

「世界中の映画祭から現代的な短編作品を独自に厳選した刺激的な2プログラム--
現代アニメーションの巨匠の最新作も、
若手たちの先鋭的な意欲作も、
アニメーション界の今後を担う学生作品も、
2000年代のクラシック作品もすべてひっくるめて、
「今」を物語る短編アニメーションをスクリーンで堪能できる」

の謳い文句と、やはり多彩な上映プログラムに強い関心があって、レイトショー(21時開始)にも関わらず、観に行くことにした。辛抱たまらんという、いつもの癖だ。

私が観たのはAプログラム 2010年(内的)宇宙の旅 (9作品・約99分)
たまたま、行った日に山村氏の上映前トークとサイン会もあり、しっかり『ヤマムラ月報』(↓)を買って、サインをいただいた。

yamamura

しかし、こともあろうに、サインの時に描いて下さった、山村作品『頭山』のキャラクターを「自画像でしょうか?」とご本人にお伺いしたのは、失礼千万、無礼千万、赤っ恥で、本当に申し訳ございませんでした。
直接お伝えしましたが、再度この場を借りて深くお詫び申し上げます。

それにしても、サイン1つ1つにキャラクターを描いて下さるとは!内容は、私がアニメーションに関心を強く抱くに至ったロシアのノルシュテイン訪問記などをイラストを交えたショートエッセイで、興味深く拝見した。これまた生涯の宝もの決定。

さて、本題のAプログラム感想です。

上映前のトークで山村氏は「9作品の上映順に一番頭を悩ませた。上映順序が違うだけで、作品の印象も受け取り方も変わる可能性があるので、一番個々の作品が活きる順番を考えた。」と語っておられたのが印象的で、全作品を観終わった時も、すぐにその言葉が浮かんだ。

短編作品、一番長い作品で22分、短いものだと5分。自分だったら、どんな順番にするだろうと考えてみたり。
「宇宙の旅」を99分の間、自分はしていたのだろうかと問うてみたり。確かに各作品に宇宙を感じさせる、場合によっては宇宙そのものがモチーフとして使用されていたと記憶している。
そして、劇場で観るのとTVの小さな画面で観るの場合の違い。当たり前と言えば当たり前だが、やはり優れた音響と大画面の迫力の威力は大きい。

特に印象に残った作品は次の通り。上映順。

・「頭山」2002年・10分 監督:山村浩二 (日本)
何より面白いのは、古典落語風に起承転結を語らせる点である。講談を聴いているような感覚のうちに、目の前に映像を鑑賞する不思議さ。画面のキャラクターも私の好み。9作品のうち、キャラクター描写に関しては「頭山」が一番好みだった。9作品中、すべての点でバランス良く高評価だった。最後の落ちだけ、納得いかないかな。

・「スキゼン」2008年・13分 監督:ジェレミー・クラバン (フランス)
これは、ストーリーが奇抜。なぜ、隕石とぶつかって91センチずれるのか。91センチという数字の意味が最後まで理解不能だったが、意味が分からないままの面白さもある。
すべてが仮定で成り立つのであれば、こんな生活もありかなと思わせる。

・「ルシア/ルイス」2007年/2008年・8分 監督:ヨアキン・コチナ、クリストバル・レオン、ナイルズ・アタラー(チリ)
インパクトは、9作品中NO.1。終わった後、今自分が観たものは何であったのかを反芻したかったが、すぐに次の作品が始まり余韻に浸れず。
ストーリー性はほとんどないが、自己の昔の体験が鮮明に蘇り、怖くなる。誰もが、この作品で語られるような経験をしたことがあるのではないだろうか。ストーリーがほみえないまま、映像だけで恐怖を感じさせる手法、そして、技術的にもアニメーションというより、実写風で、実際は模型?を使用しているのか。とにかく映像自体が素晴らしい出来栄え。
これは、もう1度観たい。8分はあまりにもあっという間の出来事に思えた。

・「きっとすべて大丈夫」2006年・17分、「あなたは私の誇り」2008年・22分 監督:ドン・ハーツフェルト(アメリカ)
この2作品はビルという主人公を共通とした作品シリーズ。「あなたは私の誇り」は続編として制作された。
ビルをはじめとする登場人物のキャラクターは、拍子抜けする程、簡略化された線描画。しかし、それゆえ却って
残酷でむごいことも、さらりと語れる。この2編は、ビルの決して平坦ではない、寧ろ厳しい人生を描く。
この作品の特徴は、アニメーションと実写映像が上手く組み合わさっている点、そして脚本の凄さにある。
前者の実写との組み合わせは、他の作品でもあったと思うが、ハーツフェルト監督の見せ方は実に上手い。漫画の吹き出しのように、映像を時折混ぜ込み、意図的なのかどうかは不明だが、映像は粒子が粗く、敢えて古びた感じを演出しているのか、本当に使用した画像ネタが古かったのか、どちらにしても、古びた映像が作品に深みと時間概念を追加していたと思う。
それにしても、タイトルが泣かせる。「あなたは私の誇り」って似たような台詞聞いたことありませんか?

全般的に、展開が早過ぎる作品が多かったように感じた。それに加え、海外作品は字幕を追ってしまうのに忙しく、映像に集中できなかったり、頭に会話や語りの内容が定着していないままに次の場面に進むこともあり、内容的に未消化になってしまったのが残念。その点、冒頭の「頭山」のスピードが適度に思えたのは、やはり字幕なしで内容を耳で理解できたからだろうか。もうひとつ、内容の理解が進んでいたら、更なる感動を得られたのは間違いない。この手の違和感はノルシュテイン監督作品を観た時には感じなかったので、単に言語の問題だけではないのだろう。

映像の展開方法に主眼を置いたような作品、たとえば、「愛と剽窃」2010年・7分(ドイツ)は、見ているだけでも楽しい。

Bプログラムの「雨のダイバー」2010年・25分(エストニア)と「ディアロゴス」2008年・5分(エストニア)、オライリー監督や、韓国のヂョン・ユミ作品は非常に気になる。やっぱり、何とか都合をつけて最終日に行こうか悩ましい。

短編アニメーションは長編ものにはない良さがある。アニメーションには、わずか数分の作品を制作するのに膨大な時間と作業量とコストを要する。したがって、インディペンデントで行うには、長さにもおのずと限界がある。
個人の手作業、監督の力量がより表出するのが短編アニメーションの良さではないだろうか。

それを思うとノルシュテイン監督が制作中のゴーゴリー原作の「外套」など、完成した暁には奇跡としか思えない。

*10月1日(金)まで開催中。オススメです。
連日19:30より整理番号付き当日券の受付を開始。開場時間より整理番号順で入場/自由席。
1回券 一般 1,500円 学生 1,300円  2回券 2,500円

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