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「岡崎和郎展 補遺の庭」 神奈川県立近代美術館 鎌倉

okazaki

神奈川県立近代美術館 鎌倉で開催中の「岡崎和郎展 補遺の庭」に行って来ました。

もう1度行きたいと思っている一番の展覧会が、この「岡崎和郎展 補遺の庭」展です。

岡崎和郎(1930年~、敬称略)は、1960年代に確立した「御物補遺」(ぎょぶつほい)というコンセプトに基づいて、オブジェや平面作品を手がけて来た。
特に有名なのは、岡山県岡山県勝田郡奈義町にある磯崎新設計の奈義町現代美術館にある作品。奈義町現代美術館は、荒川修作+マドリン・ギンズ、岡崎和郎、宮脇愛子の4人の芸術家に巨大作品をあらかじめ制作依頼し、作品と全体の空間を作家と建築家が話合い、美術館として建築で、作品と建築が一体化している。
奈義町現代美術館のサイトはこちら

本展は、岡崎和郎の仕事と造形思考を広く紹介し、現代美術の未知なる可能性に気付くための機会となることを期待して、新作を含む代表作約45点を精選して展示するもの。~展覧会チラシより~

神奈川県立近代美術館と言えば、鶴岡八幡宮境内の平家池に面し、コルビジェに師事した坂倉準三設計のモダニズム建築を代表する名建築として評価され、1951年に国内初の公立近代美術館として設立された。
詳細はこちら(同美術館のサイトへ)。

いつ、何度訪れてもこの建築と平家池の借景には心癒される。美しい建物は、人の心を豊かに満たす。この気持ち良さを味わうために、何度でも足を運びたくなってしまうのだ。
今回の岡崎和郎の作品は、私の想像をはるかに超えて、この名建築を尊重しつつ共生する見事な内容だった。

とりわけ白眉だったのが1階のテラスでの展示。この1階テラスこそ、この美術館の最大の持ち味ではないかと素人目線で思うが、平家池に面した半屋外スペースにそっと建物に寄り添うように置かれていた≪ハウス≫1982年~2006年、≪球体/月≫2010年のオブジェは、思わず哲学的な思考を呼び起こすような作品。
同じスペースに既に設置されている李禹煥《項》1985年・鉄,石とも絶妙なハーモニーを見せ、一種の気を感じるような空間を生み出していた。
ちょうど訪れた日は快晴で、池の睡蓮の緑が美しく、その一方で無機質な材料で制作された作品が凛とした空気を奏でる。

振り返れば、イサムノグチ≪こけし≫1951年などの彫刻の中庭がある。

屋根のある半屋外の建物内側には、≪枝をたてる≫2008年、これは壁面に設置されたサルノコシカケと粘土、鉄などで作られたオブジェとの組み合わせ。高さ約280センチの縦に長いオブジェの周囲にはレモンのような形のセメント?製のオブジェが点在。
もう1点、石膏に彩色された≪招福猫児≫2006年が愛らしく私を招き寄せる。

1階スペースの使用方法の上手さが抜群だった。

2階の展示室2つでは過去の作品から2010年の新作までを網羅。
注目したのは、≪HISASHI≫シリーズ全8点(1991年~1997年)。まさに屋根の庇のように、壁面に細長い庇状のオブジェが設置されている。
キャプションによれば、作家が補遺という概念を見つけた時にこれ(HISASHI)で行こうと確信したという。
「補遺」とは部分を通して全体を見通す概念を含むと共に、美術の世界に欠落した要素を補うものを意味する岡崎和郎独自の造形概念。
モノの影を実体化する虚の表現が≪HISASHI≫なのだ。

昨日アップした国立新美術館の「陰影礼讃」展にこの作品の出展がされなかったのは非常に残念。先に、こちらの展覧会を観ていたので、「陰影礼讃」ではなぜ岡崎和郎の≪HISASHI≫がないのだろう。これこそ、まさしく陰影礼讃に相応しいのではないかと思いながら、他の作品を観ていた。

他に気に入ったのは、≪Giveaway Pack 1≫1968/1969年(ミクストメディア・箱)。
瀧口修造の旧蔵品で、彼が好きだった青色で作られた。
箱ものというのは、何とも魅力的だなと、不思議なことに青色の箱に入っているだけで宝物のように見えてくる。

≪ガメラ≫2005年は、平面鏡を使用して常に自分と戦い続けることを連想させるちょっと怖い作品だった。
≪鏡面上の両の手≫2006年では凸面鏡、≪ナルシスの卵≫2006年は凹面鏡を使用。
もっと作品の深い意味について、考えてみたかったがそこにまで至らなかったのが一番心残り。表面上の作品の楽しさや感じたことだけでなく、もっと奥深い意味まで知りたいし考えたくなる。

第2展示室は鎮魂がテーマなのだろうか。
≪鎮魂碑/黒い雨によせて≫1995-1997年、≪Hiroshima Time≫1991年、≪黒い雨≫1995年、≪黒雨霊≫199-2009年、そして≪石水≫2007年など、この空間ではひんやり鎮かな気分になる。
そして、再び岡崎の「歴史は補遺の連続であり、補遺そのもの」とする考えに戻る。

図録も秀逸で写真も美しい。
10月10日には午後2時よりアーティストトークが、同館で予定されている。申込不要、参加無料。

*11月3日(水・祝)まで開催中。オススメします。

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