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「天狗推参!」 神奈川県立歴史博物館

天狗

神奈川県立歴史博物館で10月31日まで開催中の「天狗推参!」に行って来ました。

天狗と言えば、あの鼻のたか~い異形の姿を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
しかし、天狗はいつの時代に、どこから来たのか、最初から鼻高だったの?と天狗の歴史について、詳細はと言われるとはたと考えてしまいます。

本展は、この天狗にスポットを当てて変幻自在のイメージを絵巻や舞楽面、浮世絵など、国宝、重要文化財を含む約150点から探り、その魅力と謎に迫るものです。

観終わってみて、目から鱗がポロポロ落ちると申しましょうか、「えっ、そうだったの!」と改めて知る事実も多く充実した展示資料+各資料の適切なキャプションや解説パネルなどによって、展覧会を出る頃には、ちょっと天狗に詳しくなった自分がいました。
ここ最近拝見した展覧会の中では、個人的に「岡崎和郎展」に並ぶヒット。「この秋、博物館にテングが大集結!!」のキャッチそのままの盛り沢山な内容です。

展覧会の構成は次の通り。
第1章 天狗推参! -中国から天狗がやってきた!?-
第2章 魔界転生 -外法と集合する天狗たち-
第3章 天狗のかたち -鼻高天狗の登場-
第4章 江戸時代の天狗 -天狗への眼差し-
第5章 天狗信仰の広がり -天狗の民俗的世界-

展示作品リストや学芸員さんによる「天狗推参!の魅力に迫る」と題した記述等が神奈川県立歴史博物館の公式WEBサイトに案内されています。ぜひご参照ください。
http://ch.kanagawa-museum.jp/tenji/toku/toku.html

私が感じた本展の見どころです。

1.天狗の歴史がわかる!
司馬遷著「史記」、「大鏡」「日本書紀」など古くからの歴史書には天狗の原型である「流星」そして「天狗」の文字がはっきりと記されている。
古文書など読みこなす能力はなくとも、KEY WORDについては⇒で指し示されていて、すぐに見つけ出すことができる。「流星」という文字から受けるイメージは、とても格好良く怪しさはかんじないのだが、中国でも悪さをする存在として扱われていたのだろうか。

古来天狗は僧侶の修行を邪魔する怪しい秘術を行う存在とされていた。仏画にも半人半鳥の姿で登場する。
しかし、天狗は山に住む鎌倉時代あたりから徐々に山岳修験と結びつき、信仰の対象になるが、怪しい存在がいよいよ神格化し意味づけが逆転してしまう所が実に面白いと思った。
こんな所に、日本らしさ、山岳信仰の強いお国柄が表れているように感じる。

天狗の「狗」には、狐の意があり、今のような狐に羽が生えたような天狗の図像もあり、これまた興味深い。

2.天狗の造形の秘密がわかる!
天狗の鼻高は当初日本に中国から伝わった時ではなく、桃山・江戸期以後にはっきり強調されるようになっている。元々は行道(仏道を修行する過程)において先導をつとめる猿田彦の系譜に連なる。
参考資料として法寺をはじめとする平安時代の「舞楽面」などを展示。「天狗面」という名前ではっきりと存在を表し始めるのは、本展資料では室町時代のものが最古だった。時代が新しくなるほど、赤い顔の鼻の高さが強調されず造形面となる。この面や造形の変遷を探って行くのも楽しい。

3.天狗を民俗学的な視点で考える!
修験道と結びついた天狗は、やがて権現様として各地の神社で祀られる。最終章の第5章では、天狗信仰の広がりの一例として、高尾山や茨城県の大杉神社などの資料を紹介している。巨大な絵馬に描かれた天狗は実にダイナミック。御札などご存知神社グッズの中にも、天狗がロゴのように使用されていた。

ここでの一番の驚きは「天狗の爪」。もっとも大きいものは清浄光寺(神奈川)所蔵のもので、およそ10センチ以上あった。爪の実態は化石なのだが、民俗学的視点でみる天狗には愛着がわいてくるのが不思議だ。
最終章ではないが、「浮世絵に観る天狗」をテーマにして広重、国芳、芳年等の天狗を描いた作品を展示替えで2期にわたって展示する。江戸時代に生きる人々の間にいかなる姿で、天狗が捉えられ、伝わってていたかを改めて振り返る。

「天狗」をテーマにして各方向から掘り下げた意欲的な展覧会で大変良かった。

観に行った日は、時間に余裕がなくキャプションのすべてを読み切れなかったのが実に残念。私のつまらない駄文では表現できていない魅力がたっぷり詰まった展覧会なのにもどかしい。

理解不十分な点も多々あるので、じっくりと会期末の10月末までに再訪したい。
なお、展示作品の一部に展示替え、期間限定の展示作品があるのでご注意ください。

*10月31日まで開催中。巡回はありません。オススメです!

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天狗推参!

神奈川県立歴史博物館の「天狗推参!」はめちゃめちゃ面白い展覧会だった。 これが面白すぎて書けそうになくて、困っている。 既に記事を挙...

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遊行七重様

こんばんは。
天狗の図録は取り置きお願いしています。
以前、ハマヤキの図録完売で泣いたので同じ轍を踏まないようにと。
しかし、これは良かった。今年のベスト10に入れます。

やっとこさ

こんにちは
この展覧会は面白すぎて却って書けなくて困りました。
図録、コラムも色々読みごたえありましたよ。
来月また歴博に行くから(忠臣蔵みる)そのとき本があれば購入しときましょうか。

noel様

こんばんは。
天狗推参!はヒットでしたね。いやホームランか。
再訪したいですが、厳しいかも。図録だけは取り置きお願いしています。
以前、同じくヒットだったハマヤキの展覧会図録が完売で涙をのんだので
今回はしっかり確保です。

面白かったです!

ドガ展のついで(失礼)に行ったのですが、めちゃくちゃ面白くて掘り出し物!という感じの展覧会でしたね! 去年の「道教の美術」とも通じる世界でもあるし、民俗学的にも非常に興味深い分野です。図録も買っちゃいましたよ~ トビ違いですが、おすすめの徳川&虎展に行く日にちをどうやってひねり出そうかと算段中ですが難しそうです...(しくしくしく)

ヨッコ様

コメントありがとうございます!
多角的に天狗を考察したホームラン級展覧会でしたね。
図録も超お値打ちだったのに買わず、今頃後悔してしまいます。
やっぱり、欲しいです。

No title

期待せず(失礼!)行ってみた天狗推参!!予想に反してとても興味深いおもしろい展覧会でした。幼少時絵本で出合った天狗のイメージを持ったまま、今まで天狗について考えたことはありませんでした。しかし、この展覧会に行ってみて、その歴史や事実など認識をあらたにすることができました。展示を思い出しながら図録を読んでいます。
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