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あいちトリエンナーレ 納屋橋会場その2 ヤン・フードン

地元に帰って来たので、あいちトリエンナーレを再訪して来ました。

今回は、8月に映像機器が不調で上映中心になっていたヤン・フードン(楊福東)の映像インスタレーションと同じく機械不調だったスン・ユァン&ポン・ユゥ、そして奥まった展示室にあったため、前回気付かなかったカーメン・ストヤノフの映像と絵画作品の展示についての感想です。

ヤン・フードンを初めて知ったのが、愛知県美術館で開催された「アヴァンギャルド・チャイナ」展で最後の展示室で8面スクリーンを使って上映された《断橋無雪》2006年。モノクロでレトロな静謐な空間は、それまでの過激なパフォーマンス作品から離れほっと一息付け、ぼおっと映像に見惚れた方も多いのではないだろうか。

この作品で、私の記憶にヤン・フードン名前が刻み込まれた。
そして、原美術館の個展開催。《竹林の七賢人》をはじめ新作《将軍の食卓》など、存分にその力量を知る事ができた。

納屋橋会場は元ボーリング場であった建物で、ヤン・フードンの作品は3階の恐らく実際にボーリングレーンがあった広大なスペースで展示されていた。
ヤン・フードン作品は、土曜と日曜の週二日、計3回のみ上映されているが、その理由が作品を観て漸く分かった気がした。

3階に案内され、順番に中に入るとだだっ広い空間に9つのスクリーンとそれらに対応した2台1組の35mm映写機が点在している。大勢詰めかけたら、全員入場できるのか?という不安は杞憂であった。
軽く500入は、入ることができそうな空間。
どこに立っても9つ全てのスクリーンを一度に目にすることはできない。うまくスクリーンをバラして配置している。
何も映し出さなくても、既ににこの空間にがインスタレーションだった。

映像は9つのスクリーンそれぞれ異なるが、同じシーンを繰り返している。フードンは、フィルム崇拝者なのだろう、これだけ手のこんだことをしながらフィルムで作品を上映することを貫き通したのだから。映写機を使用するには、当然映写オペレーターが必要だ。
オペレーターは4人~6名で運営、フィルムは9作品のうち8本が約20分2巻で残りが10分2巻とのこと<名古屋シネマテーク通信NO.339より>。このため10の映写機のフィルムチェンジに忙しく、オペレーターの方が小走りになっているのを見かけた。

上映時間は35分。突然サイレントフィルムが一つのスクリーンで始まり、順々に他のスクリーンでも開始される。
どのスクリーンを観るか迷うけれど、すぐに濃厚なキスシーンが始まった画面に目が釘付けになる。
半分程度が男女のからみを様々な場面展開で観せる。
舞台は旧租界ではなかろうか。古き良き上海の面影があった。
そうかと思えば、2つのスクリーンで格闘シーンがあり、トンボ返りやアクロバティックな活劇シーンが始まり、こちらは香港映画を思い出す。

ひとつひとつのスクリーンを観て行くのもよし、複数のスクリーンを同時に観るも良し。複数の映像の重なりを観るのもまた作品の楽しみ方の一つだろう。じっとしていてはすべての映像を鑑賞うできないので、観客は思い思いに場を変えて作品を鑑賞する。動く観客と動かないスクリーンの関係が斬新で両者の関係性さえ曖昧になっていくように感じた。

ドラマチックなストーリーは、音声なしでも充分、むしろない方が良い位で、セリフなしでもストーリーが浮かび上がるような刺激的かつドラマティックな場面を創り出していた。
ちょっと崩れた感じの女と男の絡みで、あるスクリーンの男性は女性を片手に抱きながら、その目はまるで感情がこもっておらず、遠いどこかを見つめていた。凍るような視線だった。

どのスクリーンも各スクリーンの映像を繰り返すのだが、微妙に役者や衣装が変わっていたり、ちっとも飽きることがない。

ノスタルジーと退廃と淫靡で甘美な世界を堪能し、あっという間に終了の時間がやって来る。始まった時と同じように、一つ一つのスクリーンの上映が突然暗くなるのだった。

スン・ユァン&ポン・ユウのインスタレーションは、舞台装置のような2階の窓から約2分間隔で雑誌か本が1冊ずつ落ちて来る。これは、この本が落下するシーンが鍵。装置の状態が戻って本当に良かった。

カーメン・ストヤノフは、同郷のブルガリア出身力士の琴欧州に差し入れ料理を作って行く過程を映像化した。
料理番組を観ているようで、これはこれで楽しい。室内には琴欧州のポスターとペインティング2点。キッチンもセットされている。

ヤン・フードンはこの会場ならではの作品を見せてくれた。

*10月31日まで開催中。土曜日:18時、日曜日:13時、16時開始
注:ヤン・フードン作品は土日限定で祝日は上映しません。

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