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「尾張徳川家の名宝」展 その3 徳川美術館

前回からの続き。いよいよ最終回です。
この段階で残り約200点ですから、恐るべき展覧会であることは何度もこちらで書いている通りです。
この内容と質量で通常とお値段変わらず、ミュージアムトライアングル割引、もしくはチラシの端についている割引券があれば200円引きの大人1000円ですから、もう行かなきゃ損です。

今回は、徳川美術館の第7展示室、第8展示室は企画展展示室となっています。
第7展示室~第9展示室のある建物は昭和10年秋に開館した当時のままの帝冠様式建築で、昭和初期の美術館建築として文化財登録もされています。
中に入ると分かりますが、当時の正面玄関(今は閉じられたままで出入りできない)の装飾は一見の価値あり。

第7展示室、第8展示室は「里帰りの名品」と題した展示を行っています。
ここでは、徳川美術館コレクションではなく、かつて尾張徳川家が所有していた作品で江戸、明治に手元を離れてしまった作品と新たに徳川美術館が購入した作品の展示です。まさにお里帰りした作品達に出会える貴重な機会。
展示作品の大半が個人所蔵家のものとなっていることにも注目。

以下印象に残った作品です。作品名、制作年代の後に所蔵先の記載のないものは個人蔵。
■ 里帰りの名品
・≪法師物語絵巻≫  南北朝-室町 
・≪羅生門絵巻≫ 江戸
・≪四季花鳥図屏風≫ 伝雪舟 六曲一双 室町 出光美術館

・≪踊布袋図≫ 梁楷筆 名物(重文) 南宋 香雪美術館 (10/24まで)
・≪一路巧名図≫ 熊斐筆

・≪釈迦説法図≫ 朝鮮王朝 興正寺蔵
寺外初公開作品だが、大きさに驚くと共に、非常に派手な画面。

・≪元永本古今和歌集≫ 藤原定実筆 二帖のうち一帖 平安 東京国立博物館
白雲母の料紙と和紙の色合い、連綿と綴られた文字の美しさが融合。

陶磁では
・≪金襴手瓢形仙盞瓶≫ 明 
・≪高麗粉引花生≫ 朝鮮王朝
・≪青磁経筒水指≫(重文) 南宋 東京国立博物館蔵
貫入が大きく入るが、それが景色として美しい。

・≪染付磁器入花蝶蒔絵菓子箪笥≫ 江戸-明治 

変わり種では ≪分銅金≫ 三個 宮内庁三の丸尚蔵館
地下鉄駅近辺のポスターにこの分銅金のポスターが掲載されていた。非常にインパクトの大きい金ぴか金塊が3つ。形は上下が扇型になっていて、家康の命により鋳造されたものの一部で遺産として伝えられた。1個につき数千万円から1億円の価値があるらしい。明治に入って尾張徳川家から皇室に献上されたもの。

この里帰りの名品たちの展示で非常に重要なのは、大正10年(1921年)の売り立てで、徳川家の手を離れたものが大多数であることだ。江戸幕府崩壊後に新政府が設立し、旧幕軍の藩士、藩主は苦境にあえいでいた筈だが、尾張徳川家に関しては苦境もあてはまらなかったようだ。明治時代には侯爵家として華族となっている。大正10年の売り立ては、高橋箒庵に依頼し行ったもので、生活資金が困難になったのではなく、美術館の設立資金を集めるための売り立てであった。ここで得た資金を元手に昭和6年(1931)財団法人徳川黎明会を設立。昭和10年に開館した。
詳細は徳川美術館Webサイトをご参照ください。 ⇒ こちら

1万数千もの所蔵作品を戦前から戦後までほとんど逸失することなく現在に至ることができたのはなぜだろうと、この展示室で改めて考えてみた。徳川御三家筆頭でありながら、将軍を一度も輩出しなかったこと、名古屋という地の利、更に徳川家代々の家長の堅実さを挙げられるのではないか。大正時代に美術館の設立を考え実現できたのは、尾張徳川家ならではの豊富な資金力の賜物だろう。大正時代の売り立ての経緯や歴史を今回知って、よくぞ、代々受けついだ宝を守り抜いた!と感動を覚えた。

■新たに購入した作品 ここからはすべて徳川美術館所蔵作品

・≪豊国祭礼図屏風≫ 伝岩佐又兵衛 六曲一双 江戸 (重文)
今回は展示しないのかなと思っていたら、やっぱり出ました≪豊国祭礼図屏風≫又兵衛特有のやや面長の顔や細部にわたる描写の細かさ、一体全体この屏風の中にどれだけの人物が描かれているのか、密度の濃さは特筆もの。

・≪白天目≫ 大名物 朝鮮王朝 徳川将軍家伝来

漸く最後の展示室へ。第九展示室 寄贈品
名古屋の豪商であった岡谷家からの寄贈品が特に多く目立っていた。

・田中訥言 ≪百花百草図屏風≫、≪古今著聞集図屏風≫ 各六曲一双
田中訥言は尾張生まれの江戸時代の画家で復古大和絵派の祖と言われている。名古屋では、名古屋市博物館など彼の作品を比較的よく目にする。そんな彼の代表作のひとつが≪百花百草図屏風≫(重文)。金地の屏風に90もの草花が描かれる。

・≪石山切≫ 貫之集下 藤原定信筆、伊勢集 伝藤原公任
思えば、徳川美術館に通うきっかけになったのが≪石山切≫の特別展であった。ここで、初めて料紙の美しさを知ったのだった。最後に≪石山切≫が出て来て、ほっとした。日本古来の書作品には人の心を包むような優しさを感じる。

やきものも、≪黒織部茶碗 銘 冬枯≫(重文)などあったが、名宝の集中砲火を浴びて、最後には感覚が麻痺してしまった。


これだけ作品数が多いので、音声ガイドを借りて主要な作品の解説を聞き、ちょっと気になった作品だけ解説を読むようにすると良いと思います。全部の解説を読んでいたら、時間がいくらあっても足りず、疲れてしまいますのでご注意を。

*11月7日まで開催中。超重量級の展覧会です。オススメします。

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