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「京都日本画の誕生 巨匠たちの挑戦-」 京都市美術館

kyoutonihonga

京都市美術館で11月7日まで開催中の京都市立芸術大学創立130周年記念展「京都日本画の誕生 巨匠たちの挑戦-」に行って来ました。

本展は日本近代美術の中でひときわ光彩を放っていた京都日本画の誕生を、京都府画学校の創立と変遷を軸にたどってゆくものです。京都市立芸術大学と京都市美術館所蔵の代表的名品約100点を一堂に公開するとともに、各地に所蔵される重要な作品を集め「一巡りすればわかる京都日本画」を実現。

展覧会の構成は以下の3部構成。
第1章 明治の京都と画学校の創立
第2章 日本画家への登竜門
第3章 師弟で見る京都画壇

展覧会チラシの謳い文句『「一巡りすればわかる京都日本画」を実現しました。』あながち誇大ではないというのが観終わっての感想。
日本画ファンの方であれば、この展覧会は必見です。
タイトル通り、近代日本美術を代表する京都日本画の名品を公開するだけでなく、その成立過程にまで踏み込み、関連資料や解説で、なぜ京都日本画が一大潮流を築きあげたかを呈示しています。

冒頭に京都日本画の隆盛要因として以下の4点を挙げていました。
(1)写生画の伝統
京都では円山応挙を代表とする写生画の重視と伝統、教育が脈々と江戸時代より続いていたこと。

(2)京都博覧会の存在
画家たちの作品発表の機会として京都博覧会の存在意義は大きかった。この発表機会をばねに日本画家たちの成長と飛躍があった。

(3)京都府画学校
京都府画学校は明治13年(1880年)に京都御苑内に仮校舎として生まれ、変遷を経て現在の京都市立芸術大学に至る。画学校の設立により、日本画教育の枠組みが整い、才能ある芸術家たちの育成が可能となった。

(4)染織業界
京都には染織業者が数多く存在し、彼らによる日本画の需要があった。

第1章では上記4つの視点で、京都日本画の歴史を踏まえつつ、第二章、第三章では教育方法や画学校卒業生の名品や卒業制作、師弟作品を織り込むような展示方法は非常に分かりやすかった。
また、展示作品のレベルも非常に高く、京都市立美術館所蔵の名品のみならず、京都市立芸術大学所蔵の卒業制作などめったに観られない貴重な作品も多く展示されている。

第1章
冒頭は、やはりこの人円山応挙≪牡丹孔雀図≫(重文)相国寺蔵で始まる。
この展覧会を観る前に相国寺で応挙の≪七難七福図巻≫をはじめとする名品を見て来たばかりだったが、≪牡丹孔雀図≫が出ていないと思いきや、こちらにお出ましされていた。

他に京都博覧会目録や博覧会の様子、画学校設立の資料などが展示されていた。画学校がらみの資料では、教員、例えば、竹内栖鳳、幸野楳嶺、田村宗立、望月玉泉、鈴木百年らの作品も展示。

染織業界との関連では、川島織物や千總などの刺繍や染織製品の下絵として日本画と完成した染織品が展示されていた。
岸竹堂≪大津唐崎図屏風≫1876年(展示終了)、菊池芳文≪春の夕、霜の朝≫1903年が特に良かった。

第2章
第2章では、京都府画学校時代の教員による絵手本の展示がずらりと鶴区。
これを皮切りに以後、ずらずらと京都日本画の名品や卒業制作作品が続く。以下特に印象に残った作品。

・≪山越阿弥陀図模写≫ 横山大観 奈良国立博物館
大観の仏画の模写など初めて観たかもしれない。

・≪北野の裏の梅≫ 入江波光 絵専卒業作品 京都市立芸術大学芸術資料館蔵

・≪罰≫ 土田麦僊 1908年 京都国立近代美術館蔵

・≪南国≫ 小野竹喬 1911年 京都市立芸術大学芸術資料館蔵

・≪舞う≫甲斐庄楠音 1921年 京都国立近代美術館蔵 

・≪口紅≫ 岡本神草 
・≪拳を打てる三人の舞妓の習作≫ 岡本神草 1920年 京都国立近代美術館蔵

・≪豹≫ 稲垣仲静 1917年 京都市立芸術大学芸術資料館蔵

・≪春立つ頃≫ 上村松篁 1921年 美工絵画科卒業作品

・≪廃船≫ 西山英雄 1936年 絵専選科修了作品

第3章
ここが一番分かりづらくはあったが代表作と言えような名品が沢山展示されている。また展示替えで前期・後期と入れ替わる作品も5点程あり。

・都路華香 ≪東菜里の朝、萬都市台の夕≫1920年 京都市美術館

・竹内栖鳳≪絵になる最初≫1913年 ≪おぼろ月≫1928年

・上村松園 ≪待月≫1926年

・菊池契月 ≪散策≫1934年

・山元春挙 ≪塩原の奥≫1909年

最後は、お馴染中村大三郎の≪ピアノ≫、谷口香嶠≪残月山地図≫ 清水寺蔵 1907年でしめる。

観終わった後、京都日本画の成立過程について良く分かったが、古きを訪ねて新しきを知る。京都日本画の隆盛はよく分かったが、それでは、今現在の京都日本画はどうなっているのか?と考えずにはいられなかった。
本展でもっとも新しい作品が上村松篁野1939年作であったので、尚更であった。過去を振り返ることも重要だが、逆に今の現状についてのアナウンスが欲しかった。

*11月7日まで開催中。オススメです。

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