スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

特別展示 円山応挙筆「七難七福図巻」 相国寺承天閣美術館

oukyo

相国寺承天閣美術館で開催中の館蔵名品展「書画と工芸」において、12月12日(日)まで重要文化財の円山応挙筆「七難七福図巻」が特別展示されています。

円山応挙筆「七難七福図巻」(しちなんしちふくずかん)は全長15メートル!全三巻に及ぶ大作の絵巻です。
世の中の様々な「難」<天災・人災>と「福」を応挙ならではのリアリティ溢れる画面で描ききった応挙36歳(1768年)の超大作。
この作品は元々萬野美術館(萬野コレクション・萬野文化財団)所蔵でしたが、同美術館が2004年2月末に閉館後、主な収蔵品は相国寺に寄贈された作品のひとつです。萬野コレクションのうち、相国寺に寄贈されなかったものは売却(海外にも流出)され、現在の所蔵先が不明な作品もあることを考えると、本作品が相国寺に寄贈されたことを感謝してやみません。
この作品も、流出していたら・・・と考えるだけで恐ろしいです。

応挙筆の絵巻物で、思い出すのは伊香保のハラミュージアムアーク・觀海庵(アルカンシェール美術財団蔵)の円山応挙「淀川両岸図巻」である。「淀川両岸図巻」は、現在三井記念美術館で開催中の「円山応挙-空間の創造」展にも出展されているため、既にご覧になった方も多いのではないでしょうか。
*アルカンシェール美術財団は原美術館を運営する財団法人。

「七難七福図巻」は、「淀川両岸図巻」とは全く異なる衝撃の全三巻。
私も実際に拝見するまでは半信半疑でしたが、応挙の上品で、破綻のない作風からは、想像できない壮絶かつ残酷な写実描写の数々に声を失います。
まさに、応挙の知られざる一面を観たと言えるでしょう。

この絵巻の依頼をしたのは、三井寺円満院の祐常門主は、応挙に「何年かかっても良いから自らが見聞き体験し、目のあたりにしたものを描いて欲しい」と語り、それに応えた応挙は4年の歳月をかけ、この作品を完成しました。
この「七難七福図巻」を本展では三巻ぜ~~~んぶ、端から端まで観ることができます。おまけに、各巻の下絵まで合わせて展示されているという、これだけ見に行くだけでも十分お釣りが来ること間違いなし。

・「福寿巻」
これが最初に展示されていました。タイトル通り人生の様々な「福」場面が描かれています。
「貴人の婚礼」の場面では、馬引きが大きなあくびをしながら、座り込んで花を愛でる姿が。そうかと思えば、十社が大口を開け前歯までにょっきり見えていたり、何とも和やかな風景の始まり。

「花見の宴席」⇒「舟遊び」⇒「宴会準備の厨房の様子」⇒ 豊作で米を運ぶ様子と続きます。

・「人災巻」
「人災巻」が本当に怖かった。というか、観ていて気分が悪くなってしまった私です。
この後続く天災より怖いのは人災じゃないのかと、つくづく思いました。
「押込み強盗」では主人や番号が殺され、子どもも手代にも容赦なし、金の在処を尋ねて脅される様子や身重の女の腹をかっさばいて、中から胎児が見えている・・・強姦とこれ以上ない残忍な場面の数々。岩佐又兵衛も真っ青の血しぶきだらけの凄残さ。思い出すだけでも気分が。。。

「旅先強盗」身ぐるみはがれて殺され鷹と思えば、「心中の検死」⇒「水攻めの拷問」⇒「切腹」⇒「一家心中」⇒「火責めの刑」⇒「獄門」⇒「磔刑」⇒「のこぎり引きの刑」⇒「牛引きの刑」で締めくくり。
いやはや、「人災巻」だけで、どれだけの血の量とさらし首を観たことか。牛引きの牛はやっぱり上手だった。
福だろうが「災」だろうが、応挙の筆は容赦なく克明に描写を行っているのです。かつて、これほど残忍な絵巻を観たことはありません。

・「天災巻」
これも「天災?」と意外な場面が出て来ます。
まずは「地震」。応挙得意の仔犬が揺れに驚いたのか、転がっている様子が何とも愛らしいが気の毒。頭を抱えてしゃがみこむ人々。細部への描写に一切の妥協はなし。
「大雨」⇒「火事」⇒「台風」⇒「雹災」⇒「大鷹にさらわれる」⇒「狼」⇒「大蛇」。

中でも「火事」の場面は大迫力。火消が駆け付け、大団扇で仰ぐ姿、逃げ惑う人々に荒れ狂う生きもののような火炎。これは応挙が実際に火事の現場に立ち会ったとしか思えないような迫真の描写。
大蛇、狼はさすがに観ていないと思うのですが、これらも実際に出会った人から話を細かく聞いたのかもしれません。

本図を拝見した後、下絵も観て行くとその違いや、応挙が何回も描いている場面がよく分かります。

「七難七福図巻」が展示されているのは、第二展示室ですが、この他「敲水煮茗図」、「朝顔図」「薔薇文鳥図」(双幅)、「海浪群鶴図屏風」(六曲一双)、「朝顔に狗子図」と応挙特集となっています。

なお、相国寺所蔵の「牡丹孔雀図」(重文)は、先日アップした京都市立美術館の「京都日本画の誕生 巨匠たちの挑戦-」に出展されていますので、こちらもお見逃しなく。
(参考ログ)http://memeyogini.blog51.fc2.com/blog-entry-1234.html

なお、第一展示室に周文筆「十牛図」、長谷川等伯筆「探海騎驢図屏風」(六曲一双)や茶道具、名碗も出展されています。

*「七難七福図巻」全三巻特別展示は12月12日まで。必見です。

コメントの投稿

非公開コメント

カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
ブログ内検索
twitter
最近のエントリ
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。