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第62回 正倉院展 奈良国立博物館

syousoin62

第62回正倉院展に行って来ました。
日曜日の朝一番、正倉院展は会期が短いこともあり、例年大行列でも知られる所です。

ということで、近鉄奈良駅に8:15到着。パンとコーヒーをテイクアウトし徒歩で奈良博に向かいます。会場には8:30前に着きましたが、かつて見たことのない行列と人の数。私にとって人生二度目の正倉院展はこうして始まりました。

L字型にできた行列の最後尾に並びましたが、当日券を購入する人達の列も別にあり、チケットは最寄りの鉄道駅で購入するなど事前準備は必須。八時半を過ぎたあたりから、どんどん来場者が増え、あっという間に最後尾がどこだかわからない程、列が長くなっていました。なお。大きな荷物をお持ちの方は屋外にリターン式のコインロッカーがあるので、列に並ぶ前に預けないと後で大変なことになります。

それでも、9:10頃には館内に入れたのですから待ち時間は短い方でしょう。お隣に並んでおられたご夫婦は、40年間毎年正倉院展に来られているそうで、そうなると、参詣の趣すら感じます。

さて、今年も70点の正倉院のお宝が出陳されていますが、やはり、この展覧会でしか観られない、超級作品が並び、諦めないで来て良かったというのが鑑賞後の感想。

基本構成は以下9部門の品々から成っています。
1.聖武天皇・光明皇后遺愛の宝物
2.薬の献納
3.献物箱、献物机
4.大仏開眼会と東大寺の法要
5.さまざまな献物品
6.暮らしを伝える品々
7.装飾紙
8.文書
9.聖語蔵の経巻

特に、お気に入りの宝物は次の通り。

・鳥草きょう纈屏風
およそ天平時代のものとは思えぬ程、色も残り、お花が描かれているのがはっきりと肉眼視できる。また、尾の長いニ羽の鳥が向き合って蝶をついばむ様子が下方に描かれる。顔料も高級なものを使用しているのだろう。往時の華やかさをとどめる。

・鳥獣花背八角鏡
宝庫伝来の56面の鏡の中で最も大きい。64.5㎝の直径で、冒頭にこれを観て、いきなりガツンとやられた。白銅鋳造の八花鏡で、銅が71%残りは錫。表面には疾走する獅子や宝草華を咥えた二羽の鳥など、正倉院宝物には馴染みのある紋様あり。

・繍線がい
ぬのせんがいは、女性用の靴。これが二種類出ていた。しっかり靴と分かる原形を留めている。布の色も鮮やかに残る。保管状況が良くなければ染織品などあっという間に朽ち果てる。花鳥文錦から、大陸伝来の品と想定される。

・螺鈿紫檀五弦琵琶
今回の目玉。大人気でケースの最前列で観るためには、館内で再び並ぶ必要がある。少し離れても単眼鏡があれば、十分見える。ちなみに本日はこの列に並ぶと約一時間待ちと係の方が叫んでおられた。
現存する最古の五弦琵琶で世界でただ一つの遺例だというから、列も当然かもしれない。

私は離れて見たが、表も裏も豪華な貝を使用した螺鈿細工がキラキラと照明に反射して美しいことこの上ない。表には、フタコブラクダに乗って四弦琵琶を弾く人物と熱帯植物、鳥等の細工が。裏面は伏彩色を使用した赤の花紋が。見どころ満載、異国情緒溢れる最高峰のお宝。

・蘇芳地彩絵箱
正倉院には数々の箱物が伝わる。今回の私のイチオシの箱はこれ。下地はベンガラ塗り、濃赤、橙、紫、緑、黄、白の花葉紋は、今塗り終えたばかりのような発色。縁には、彩色によって斑紋を付けタイマイに似せる加工がされている。花紋様の愛らしさと言ったらもう、ため息もの。

・伎楽面 酔胡王、迦楼羅
類作を法隆寺宝物館で観たことがある。この二つの面はいずれもまだ紋様彩色がしっかり残っている点に注目すべき。特に酔胡王の耳の下あたりにヒゲのようなものが飛び出しており、また頭頂部の唐花文がやはり、正倉院宝物らしさを感じる。

・曝布彩絵半臂
麻布に描き絵がされた上衣。花を咥えた(ここでもまた!)獅子がくっきりと見える。麻布に描き絵がされているのは宝物の中でもこれ一点だけ。それにしても信じられないような保存の良さ。

・蓮花残欠
台座は木、茎は金銅製、花弁や蕾は木製。仏か菩薩に捧げられた供養具と考えられる。解説に貝殻が散らされているとあったが、どこの部分なのか判別できず。

・銀壺
口径42.2㎝、高さ43.0、胴径61.9㎝とかなり大きな銀製の壺。これにみっしりと非常に細かな魚子文が打たれている。肉眼では反射して見づらいかもしれないが、単眼鏡があれば、魚子文の細かさがはっきり認識できる。その上、たがねで線彫りされた狩猟する人物やイノシシ、鹿、兎などぐるり一周全面が狩猟図になっている。
これほど、素晴らしい金工はめったとお目にかかれず、感動のあまり泣きそうになった。製作地は唐だと推定されている。

・青斑石鼈甲合子
なぜかスッポンの合子。なぜスッポンなのだろう?しかもリアルに目が透明な深紅の琥珀を入れている。
肉眼では分からないが、甲羅には北斗七星が。この関係性については様々な思想との関連が示唆されている。詳細は図録をご参照ください。

・佐波理水瓶
問題は注ぎ口の人物。なぜ、こんな所におじさん顔が???中央アジアから西アジアの人物の顔とのことだが、アイヌにも似ているように見えた。

・漆胡樽
最初何だろうこれは?と思う程大きくて、色鮮やかかつ不思議な形体をした一対の入れ物に驚く。ラクダの背に振り分ける水を運ぶための革袋がその正体。まるで古さを感じさせないのは、漆故か。

・色麻紙
軸木に麻紙を巻き付けたもの。二種類出ていたが、いずれも配色と色そのもの美しさ。古の文化を色で辿った。

この他、聖語蔵に伝わる経巻の書の美に浸る。いずれも書き手の個性はあるが優れた筆跡。

*11月11日まで開催中。会期中は無休です。

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第62回 正倉院展 @奈良国立博物館

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ヨッコ様

こんばんは。
正倉院宝物は本当に素晴らしいですね。
今回はお薬特集あり、工芸、装飾紙、染織と多岐にわたる分野で
やはり、これぞ正倉院!というお宝を沢山見せていただきました。

これだけ長年続けていても初出陳があるのですから驚きです。
やっぱり、毎年行ってしまいそうです。

No title

私は1日月曜日の15時頃から観てきましたが、入場はスムーズでした。でも会場内は混雑。螺鈿紫檀五弦琵琶を最前列で観るにはやはり1時間待ち。並ばない方がゆっくり観られて良いですよね。やはり目玉。本当に美しかったです。5弦のこの琵琶は19年ぶりの出品、こんな美しい状態で観ることができることに感謝です。
聖武天皇亡き後、病に苦しむがその苦しみから解放されて欲しいと数々の薬を差し出した光明皇后の優しいお心を感じました。ナウマン像のの臼歯本当に効くのかしらと思いましたが。銀壷や色麻紙も良かったです。やはり正倉院展宝物は素晴らしい!!
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