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わたしのすがた/飴屋法水 F/T10 西巣鴨周辺の4会場

10月30日からフェスティバル/トーキョー、略してF/T10と題する東京発、舞台芸術の祭典が約1ヶ月にわたり開催されています。

これまで舞台芸術には関心がなかったのですが、今年の春に高山明演出の横浜日ノ出町を舞台に繰り広げられた『赤い靴クロニクル』で俄かに開眼。
今回も鷹山さんの『完全避難マニュアル東京版』が演目にあり、これも含めて興味を覚えた作品をいくつか体験、鑑賞してみることにした。

そして、まず選んだのが飴屋法水(あめや のりみず)構成・演出の観客参加型作品『わたしのすがた』である。
チラシによれば、
今回、飴屋が着目したのは「不動産」。かつて誰かがそこに存在し生を営んでいた空間、しかし今は誰も存在しない場所。にしすがも創造者を基点に、観客はたったひとりで4箇所の「不動産」を訪れ、そこに息づく事物や生物、物質、言葉と対峙する。複数の生や時間が交錯する場所/非場所で、どんな「わたしのすがた」を見出すのだろうか?

まず、向かった先はにしすがも創造舎。都営三田線西巣鴨駅からわずか2~3分。
西巣鴨には、今回初めて訪れた。
受付を済ませ、地図を手渡される。地図にはにしすがも創造舎を中心にした近隣のもので①②と番号が振られており、この番号がふられた場所(建物)を一人ずつ訪れる。

最初は校庭(にしすがも創造者はもと学校だったようだ)にある三角屋根の木造の小屋。
中には椅子が数個あった。
私が訪れたのは18時過ぎ。夜の帳がすっかり下りて、星空の美しい晩だった。

実はこの①に行くのに、地図の見方と方向が分からなかったのでかなり迷ってしまった。
②の場所には幸い、迷わず行けたが、徒歩5分程度。
門の入口に受付の男性がいなければ通り過ぎてしまうような廃屋だった。
1年ほど前までお妾さんが住んでいて、今は空き家状態と貼り紙がされている。ここだけでなく建物内にはところどころ、メッセージが貼られていて、内容は多分に宗教的、キリスト教的だった。例えば十字架であるとか、懺悔であるとか言葉や内容そして、展示物も宗教的要素の強いものが多かった。

真っ暗な廃屋にかすかにLEDと思しきスポット照明がポイントとなる場所にだけ当たっている。
誰もいない筈の家なのに、水道から水がぽたぽたと落ちる。
全身で、この家の主の気配を感じた。
もし自分一人だけしかいなかったら、お化け屋敷並の恐怖を感じたことだろう。
しかし、数分の間隔をおいて次の観賞者や前を行く鑑賞者と出会うので、なかなか建物内で一人になることは難しかった。

②の入口で地図を渡すと、これが入場券代わりになって鑑賞でき、代わりに次の③の場所が指示された地図を受け取る。
③は古い2階建の洋風建築で、この2階のスペースや1階のスペースは床を割ってしまいむき出しにされている。
そして、なぜか天井や各所に蜜蜂の巣がぶら下がる。
ここでは、1階に懺悔室があって、部屋には一人ずつ入室し、壁に懺悔の言葉を書く。
待っている間、階段スペースから鼠の鳴き声のような物が聞こえてくる。古いお家だから鼠でもいるのだろうと思いきや、たまたまいらっしゃった飴屋さんが、鼠ではなく音楽担当の方の喉を鳴らした声だというから恐れ入った。

懺悔室には以前の居住者かはたまた、今回この家に相応しい人物を見つけ、その手記やキリスト教の懺悔にまつわる切り抜き絵がノートに貼られていた。
悔悛。既に壁にはいくつも言葉や文章が綴られる。
無論私も書いたけれど、これは秘密。

2階の洋間の展示も哲学的宗教的文章の手記が置かれていたり、亡くなられたご家族の遺影があったり、意味深なスペースになっているのでお忘れなく。

最後の④の場所。
これが一番遠かった。
③の住宅から徒歩15分くらいだろうか。巣鴨駅に向かって歩く。
元は、休日診療所だった建物を利用しての展示。
受付も真っ暗なので、危うく気付かない所だった。
受付でペンライトを渡され、真っ暗な元診療所を探索するのはミステリアス以外の何物でもない。
おまけに2階には肝臓がんで亡くなられた方の遺骨(あれは本物なのか?!)がベッドの上に置かれていた。
室内の空間に山盛りの土。

古いTV映像。
1年ほど前までは診療所として機能していたのに、今では廃墟以外の何物でもない。
何を置き去りにし、何が1年で起きたのか。
そして、今自分は何をしているのか。

五感という五感がフルに稼働し、ありったけの好奇心と想像力で作品と対峙した約2時間。
地図がやや分かりづらいのと、会場が暗いので要注意。
これは演劇というより、空間演出、インスタレーションそのもの。言わば舞台芸術を足で観て回る作品。
美術ファン必見です。

前売り当日券ともに1500円。
チケット販売他詳細はF/T10公式サイトをご参照ください(以下)。
http://www.festival-tokyo.jp/program/ameya/

なお、飴屋さんは横浜のBANKARTの「大野一雄の世界」展で飴屋法水「体の壁の前で考える」を11月20日(土)13時~17時に行う予定です。

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