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「花鳥画-中国・韓国と日本-」(前期) 奈良県立美術館

花鳥画

奈良県立美術館で11月14日まで開催中の「花鳥画-中国・韓国と日本-」に行って来ました。
美術館公式サイト ⇒ http://www.pref.nara.jp/dd_aspx_menuid-21477.htm本展は、平城遷都1300年を記念し、国宝・重要文化財を含む約120件の作品で構成し、古くから日本へ感銘を与えてきた中国・韓国の花鳥画の美に触れ、それらを摂取し展開させながら日本が生み出してきた数々の名品を展示することにより、両国の美術と日本の美術の深い関係、および日本における更なる創造のありさまを示します。
~展覧会チラシより一部引用

この展覧会の開催を今年の春から待ち遠しく、とても楽しみにしていた。
そして、期待通りの素晴らしい展示内容だったが、結局後期展示は目の前まで来ていたのに時間の都合上諦めたのが心残りである。
第1部の唐時代の金工製品などを除き、絵画はほぼ全点前期・後期で入れ替えとなっている。
ちなみに、前期:9月28日~10月24日 後期:10月26日~11月14日 
また、ごく一部の絵画は短いもので4日間長くて12日間というごく短期間のみ限定されている作品もあるのでご注意ください。
作品リストは、奈良県立美術館公式サイトに掲載されています。

そして、本展は正倉院宝物と合わせて観るとより楽しめる企画になっていました。
特に、第1部 唐・統一新羅の花鳥画・花鳥文様と日本での受容・展開
ここでは、正倉院宝物の多くに見られる「花鳥文様」について考察する。まだ、わずか2回しか正倉院展を拝見していない私がいうのもおこがましいが、正倉院宝物の外観的な特徴の一つとして花鳥文をはじめとする文様があげられる。
それ程、全く別の宝物に共通もしくは類似する花鳥文様が次々に登場するのだ。前回記事をあげた東京国立博物館の「東大寺大仏-天平の至宝ー」やにも記載したが、「銀壺」に象徴される花が枝を咥えた文様は、箱もの宝物など随所に見付けることができる。
これらは、遠く中国の歴史をさかのぼる青銅器につながっていくという論文が、本展図録に松本伸之氏(東京国立博物館学芸企画部長)が「中国古代の工芸品に表された花と鳥」に執筆されているので、関心がおありの方は是非図録だけでも取り寄せてみてはどうかと思う。

特に本展では、第1章に唐時代の考古器物や壁画などが展示されているが、どれもこれも素晴らしいものばかり。
・「鳥語花香仕女図」唐時代(708年)
708年とは思えぬほど、顔料が良く残る女性の半身図。

・花鳥文蓋付三足容器、花鳥文碗
これらには、銀壺で観たような魚魚子文や鳥や草花が合わせて鏨彫?されている。

・扇面法華経冊子断簡(柏に鶯図) 平安時代 重文
藤田美術館所蔵の法華経の一部であるが、極めて美しい。状態良く発色鮮やか。平安時代にまで花鳥画が伝わった証と言えよう。

また後期には五弦枇杷の装飾を彷彿とさせる「螺鈿花鳥文六花鏡」など唐から伝わった螺鈿細工も出展されている。正倉院には収蔵されなかったが、この時代交易により、唐時代の工芸品や染織品が日本に伝えられたことは間違いない。様々な人の手を渡って来たことだろうが、長い時を経て、よく現世まで保存されてきたと感心する。
他にも、正倉院宝物と共通する文物が中国や韓国からも貸出されているので、要注目です。こちらはまだ、開催中です!

第2部 宋・元・明・高麗。朝鮮王朝の花鳥画と日本での受容・展開
これは、現在の私にとってもっとも関心が高い分野である宋時代の中国絵画が登場する。モチーフ別に【水墨花鳥画】前期のみ、【歳寒三友、四君子】後期のみ、【院体花鳥画】(前後期)、【草虫画】後期のみ、【大画面花鳥画】前後期。

水墨花鳥画では、伝牧谿作品が続々展示されていたがやはり、気になるのは「猿猴図」。これに類似する作品は、長谷川等伯など後の日本の画家も多くが模写、引用している。
根津美術館の「竹雀図」伝牧谿や「芦雁図」など鳥や動物を対象とした作品が伝牧谿の水墨画には多い。

そして、忘れてならないのは貴重な式部輝忠「遊魚図扇面」室町時代・個人。式部の作品は、なかなかお目にかかれないので、1点1点との出会いが重要。
他に筆者不明の元時代作品「蓮池白鷺図」が良かった。

小画面の院体花鳥画は小ぶりで似たような作品が多く、伝李安忠(南宋)の「鶉図」をはじめ、鶉モチーフの作品を多くの絵師が描いている。

大画面花鳥画はこれぞ中国絵画!と思うような大画面。

・「四季花鳥図(秋)」呂紀(重文)、これはかつて東博の東洋館で一度拝見したような気がする。

・「鳥花山水図」陳箴 隣華院蔵
所蔵先が所蔵先だけに、そう簡単に拝見できなさそうな作品。
やはり、個人的には大画面好き。

圧巻は狩野元信「四季花鳥図」(元大仙院方丈)八幅だろう。
ちょうど展示ケースの前に長椅子がいくつかあるので、座ってじっくり鑑賞できるのが、この美術館の良い所。
八幅がすべて元あった屏風のように床の上に立ちあがった状態は背筋が慄然とするような驚きと感動があった。
素晴らしいの一言に尽きる。
後期には金箔ヴァージョンの「四季花鳥図」が展示されているが、個人としてはこの水墨主体の画面の方が好き・

・「夏景聚禽図」辺楚善 明時代・出光美術館蔵
・「百鳥図」 (伝)元・銭選 明時代・元宮内庁三の丸尚蔵館
・「群禽図」鈴木其一 双幅
最後の其一の作品は「琳派展」に出展されてたとか。残念ながら見かけたことはない。

各国絵画についての考察は同じく図録掲載の板倉聖哲氏(東京大学東洋文化研究所准教授)「画譜の系譜-東アジアの視点から」に詳しい。なお、前述の松本氏、板倉氏のお二方が本展監修に携わっているため、この素晴らしい内容もむべなるかなといった所。

やはり、この展覧会を観ると、中国・韓国の大きな影響を受けつつ、独自の文化文明を発達させた日本という国も悪くないと思う。

*11月14日まで開催中。お見逃しなく! 

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