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「南宋の青磁 宙をうつすうつわ」 根津美術館

nansou

根津美術館で11月14日まで開催中の「南宋の青磁」展に行って来ました。

南宋官窯の名品を加え、国宝2件、重要文化財7件を含む65県の国内の砧青磁を一堂に集め、青磁の釉色の美しさに触れる展覧会。

根津美術館のコレクションにこだわらず、個人蔵も含め国内各所から選りすぐりの南宋青磁の名品揃いです。
噂には聞いていましたが、これ程までの名品揃いとは!
陶芸関連の展示で、今最もオススメできる展覧会であることは間違いありません。

青磁と一口に言っても実に様々、最高峰と言われるのは希少価値性、「天青色」と言われる気品ある釉色から北宋汝窯のものが頂点とされているかもしれないが、古来日本に伝わり愛されてきたのは南宋、とりわけ龍泉窯のものではなかっただろうか。

「宙をうつすうつわ」と三時された龍泉窯の青磁のうち、宙を思わせる美しい釉色のものを特に「砧青磁」と呼び珍重され、諸大名、茶人にこよなく愛されてきた。
いっそ、北宋汝窯の青磁と、南宋・龍泉窯の青磁を並べて比べて観たい欲求に強くかられた。どれだけの違いが両者にあるのか、釉色はやはり違うのか。

今回は、南宋青磁の中でも特に龍泉窯のものに的を絞り、一部南宋官窯の珍しい米色青磁の逸品を展示し眼福この上ない。

特に気を付けて観て行ったポイントとしては、釉色、姿、形、貫入の有無、貫入がある場合はその入り方である。
また、国宝や重文指定されているものとそうでないものとの違いは何であるかについても、できるだけ考えながら観て行った。
無論、素人には結論など出ようもないが、やはりやきものの世界は良いものを観るに尽きるのではないかと思っている。

個人的に気に入った作品は次の通り。形状の変わったものと透明感のある釉色のものを好む傾向がある。
・青磁槌形瓶 梅澤記念館 重文
・青磁筒形瓶 銘大内筒 根津美術館 重文
・青磁鳳凰耳瓶 大阪市立東洋陶磁美術館 重文
・青磁玉壺春形瓶 
・青磁下蕪形瓶 徳川美術館
・青磁蓮弁文碗 常盤山文庫
・青磁碗 銘雨龍 鹿苑寺

・青磁盤 MOA美術館 2口 
この2口の青磁盤はとても薄くて、透き通るような水色。めちゃ好みだった。2口揃いというのも珍しい。

・青磁輪花洗 銘青海波 金沢市中村記念美術館 重要美術品
・青磁双魚文盤 2つあったが、44番が好み
・青磁筒形香炉 銘千鳥 徳川美術館
筒型香炉は他にもう1点あったが、そちらも良かった。徳川美術館の銘千鳥は何度も見ているが、蓋のついた香炉でその蓋に千鳥の細工があるのが何とも洒落ていて、何度観ても好き。

・青磁花文不遊環瓶 藤田美術館
これも、非常に珍しい形状。

あとは、官窯の米色青磁にひたすら魅せられた。
官窯の南宋青磁は全部で10点だが、どれもこれもすべて素晴らしく、全部に☆印が付いていた。
なかでも青磁輪花鉢や青磁壺、常盤山文庫所蔵の3点が忘れられない。

後半は国内の遺跡で出土した南宋青磁の破片の展示。

破片と言えば、現在大阪市立東洋陶磁美術館で11月28日まで「幻の名窯」南宋修内司官窯(杭州老虎洞窯址発掘成果展)が開催されている。

maboroshi

こちらも、既に鑑賞しているが、この時の印象は欠片ひとつとっても、釉色は北宋汝窯の発掘成果展の方が良かったなと思った。あくまで個人の好みなのかもしれないが、透明感と澄んだ青は北宋の青磁に多かったように思う。

南宋官窯の青磁は「粉青」と呼ばれる独特の色合いや「貫入」大胆な入り方そしてその美を生み出し中国青磁の最高峰の一つと言われているそうだ。
ただ、今回出展されていたような米色青磁の欠片はなかったと記憶している。

本展図録は購入を見送ったが、掲載論文含めじっくり読んでみたいし、今にして思えば講演会に申し込めば良かったと今更ながら後悔した。


なお、展示室5では「中国の画冊と画巻」と題した展示が行われている。
元時代~清時代の作品で、6点中4点は清時代のものだったが、仇英「竹林七軒図巻」と元時代の「聴颿楼集宋元画冊」が惜しげもなくずら~っとガラス一面に広がっていたのは望外の喜び。
この画冊のケースからくっついて離れられなくなってしまった。

展示室6「炉開きの茶」も毎度のことながら美しい設え。
象嵌従事花文俵形鉢な備前瓢型振出などたまりませんね。

*11月14日まで開催中。

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とら様

こんばんは。
お返事が遅くなり申し訳ございません。

官窯はやはり、民窯にない格調の高さを感じます。
それにしても大阪でも東京でも欠片の展示があったのには驚きました。
残念ながら両者の差異までは気付かず。

ところで、先日ソウルに手高麗青磁を沢山観て参りましたが、
垂涎モノですね。あの澄んだ水色と形、汝窯は別として高麗青磁が好みです。

No title

こんばんは。

南宋官窯青磁もよかったですね。
米色青磁の扱いは、東京と大阪では正反対のように思いました。
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